Silent Gear(完結)   作:貧弱モノサシ

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誤字などを見つけたら随時修整していきます、あとわかりにくい描写も修整していきます…w

燃える戦闘は明らかなボス的な立ち位置の人がでてから頑張ります(((


0日目「タイムリミット」

時刻は午後7時、整備を済ませ、いつでも出撃が可能になった愛機を見上げる。

いつ襲撃が来て防衛に当たる必要があるのかが何もわからない状態だ……おちおち夕食も食べていられなかった

 

『♪♪♪』

 

自分の端末から特に面白味もないピロリロリンといったメール着信音が静かな格納庫に響く、着信音が止まると格納庫は物音一つしない空間へと早変わり。

メールの内容は簡潔なもので「確認出来た敵影を全て消せ」とのこと、上層部は何人出撃させるつもりなのだろうか?とにかく出撃しない事には分からない、敵戦力も不明……。

報酬金は用意されていないようだ、メールには追記で「出撃可能な者のみ出撃せよ、本作戦の放棄・離脱は認められない」と書かれている。

一見して利益の無いこの作戦、出撃しようとする者はほんの一握りのはず。

しかしそれでは困る、「元」が潰されては大量のGEARが職を失ってしまうのだ。

そもそもGEARと言うのは人型兵器「シレクタ」の操縦を許可された者のことを指す、依頼をこなして金を得て……自分は傭兵と認識している。

もちろんGEARにも「所属」というものが存在している、GEARはあくまでもシレクタを扱える者の称号なのだ、「GEARに属している」という風には絶対にならない。

自分のように所属をしないGEARもいるが、大人数で動いた方が作戦完遂率は飛躍的に高くなるため殆どの者達が何かの団体に属す事となるが……「団体・所属」のシステムがよく理解できないため今の自分には無縁だろうか

 

……よし、働いてくるか

空いた手でペシペシと頬を叩いて作戦受諾メールを送る、グラジオラスに乗り込み、機体のコンピュータを起動するとモニターに作戦目標が映し出された

・フラタニティ-セイブ防衛

 

……とだけ書いている、フラタニティとはかつて「日本」と呼ばれた国のこと、40年前の大規模戦争により列島は崩壊し、植物は一切育たない……一瞬にして人が生きていけるような環境とはかけ離れた地になってしまったらしい、何故かは分からないが大規模戦争に関する情報は見事なまでに消えており、その真相を知るものはもう居ないようだ。

 

次にフラタニティ-セイブ、略して「セイブ」言うなれば大型移動居住区。その名の通り大きくて移動もする居住区だ、フラタニティの人々はこの戦車の上でだけ衣食住が提供される。

セイブはforceが作り上げたものだ、住む人々は生きるために当然税金というおまけ付きの買い物をしなければいけないし家賃だって払う義務がある、つまりforceは多額の資金をセイブから得る……セイブが壊されるのはforceにとって大打撃というわけだ。

 

《エラー ナシ シュツゲキ カノウ》

 

キュイイ……とモーター音を静かに鳴らしたグラジオラスをオート操作に切り替えて出撃ゲートまで向かわせる、ゲートは地下にあるため、グラジオラスはシレクタ用のエレベーターへと向かった。

ゲートに着くまで三分ほどかかるので大雑把な現在地を確認、「セイブ」は大阪を移動中、対して自分は南アフリカの軍事施設に……。

 

……これは位置を確認しなかった自分が悪い、南アフリカ……南アフリカか……。これではフラタニティに着くまでどれ程の時間を要してしまうだろうか。

とにかくこの作戦はやっぱりやめよう、そう思い直しエレベーターの上昇ボタンを押そうとした時、メールの内容を思い出す

 

──本作戦の破棄、離脱は認められない

 

そうだった……これ一度受けたら戻れないんだった。

作戦受諾メールはforce宛に送ったばかり、もう取り消せないだろう。

輸送機を頼んでフラタニティまで行くのも一つの手だろう、しかしそれでは時間が掛かりすぎる、着いた時にはすべて終わっているはず。

自分が扱う兵器がスーパーロボットならどれほど良かっただろう、きっと50mくらいあってフラタニティくらいひとっ飛びで行けるはずだが。現実は非情である、「シレクタ」の平均全長は5~8mで、ブーストジャンプは出来ても空を飛ぶなんてできやしないのだ。

 

《ゲート トウチャク サクセン カイシ》

 

もう着いてしまった……ゲートをくぐってから操作を開始する。

ゲートの先でカタパルトに乗り地上まで一気に飛ばしてもらうが空気が身体にのしかかり関節部がヒシヒシとなんとも言えない痛みに襲われた。着地の衝撃で感覚が一度リセットされて痛みから解放されるが、問題はこの後どうするかだ。

あのメールは恐らく存在している全てのGEARへ一斉送信されたものだ、自分のように勘違いして出撃した人も居るはず……いや、居ないか。

 

《ツウシン ヲ ウケトリマシタ セツゾク シマス》

 

モニターがブラックアウトし右下にはNow Loadingと表示される、暗いモニターが再び元に戻り、外の景色を映し出した。

通信を受け取ったとは一体どう言う事だろうか、特に変化は内容に思えるが……。

いや、スピーカーから微かにノイズが聞こえる、誰かと繋がっているのだろう、スピーカーに耳を寄せてしばらく様子を見る事にした

……

…………

 

『こっちから話す感じですかね、これ』

 

その間訳30秒、結構長くて困惑した。

 

『一応紹介します、私はエア、forceから「南アフリカで最初に出撃した者の専属オペレーターになれ」と命令されていました、これからよろしく頼みます』

 

まってそんなの聞いてない、とため息混じりに呟いて数秒間を開ける、自分はおそらく絞り出したような声でよろしくと呟いた。

 

『では作戦のオペレーションを開始……したいのですが、こことフラタニティはかなり離れています、破棄はできませんしシレクタの移動速度ではフラタニティまで時間がかかりすぎてしまいますね……』

 

ごもっともです、普段任務などで移動しまくっているため現在地が南アフリカだとか意識してなかったのだ。

 

『そこで提案をします、作戦が成功するまで待てばいいわけですからこのあたりで発生している依頼と掛け持ちしてしまいましょう、つまり……フラタニティに居るGEARが頑張っている間に私達は他の依頼をこなして金を稼ごうという事ですよ』

 

なるほど、それも悪くないが罪悪感がある。だが何も出来ない以上それが最善の選択になるだろう、エアの提案に対してマイクへと同意の言葉を返してから一息つく。 他の依頼か、何があるだろうか

 

『受注する依頼に関しては問題ありません、先程比較的簡単な依頼を受注しておきましたのでオペレーションを再開しますね。目標地点は「ビクトリアの滝付近」、Bextの物と見られるシレクタがAstのシレクタと交戦しています、このまま被害が拡大すると限られた自然まで破壊されてしまう恐れがあるので、直ちに交戦を中止させてください』

 

BextとAstは確か機体パーツの生産・研究を行っている組織だったはずだ、確にこの二つは対立関係にあったが武力での衝突は今まで起きていなかったはず……どうして戦闘をしている?

『手段は問わないそうです、依頼者はAstに所属しているGEARらしいですね、輸送部隊をそちらに向かわせていますので、到着次第あなたの機体を現場へと輸送します』

 

 

~~ビクトリアの滝周辺~~

 

輸送機が作戦エリアに入った自機を乱暴に落下させる、カタパルトを使った時と似たような痛みが発生するも同じく着地の衝撃で痛みから解放された。

周囲を見回すと一帯砂漠、戦争によりここまで酷い大地になったのか元々砂漠なのか分からないが、何も無いため眺めていても本当に面白くない

 

『そのまま前方へ直進してください』

 

ブーストを使った最高速度で前へと進む、今は夜のため明かりがない砂漠ではオペレートとシレクタの暗視カメラだけが頼りになることだろう、実際今も暗視カメラで夜の砂漠を進んでいる。

進む事5分、レーダーがビービーと甲高い音を発した、しっかりとモニターを見るとシレクタ2機が撃ち合いをしているのが視認できる。

 

『居ましたね、早く終わらせてしまいましょう』

グラジオラスに搭載している武装は「溶断ブレード×30本」と「連射特化型ライフル」だ、いずれも肩部に背負っているため両手は今空いている、まずは近接戦を仕掛けて様子を見よう。

左腕右腕に溶断ブレードを持つ操作を行うと機体の戦闘用OSが自己起動した、戦闘をスムーズに行うためにOSは最新型を搭載しているのだ

 

《ターゲット補足、敵機の解析を終了しました、敵機はGEARの基本支給品であるパーツを多く使用しているため苦戦はしないでしょう》

 

『目標はあくまで戦闘を止めることです、手段は問いませんが周囲の被害に注意してください』

 

周囲……は視認できる限りでは砂漠だが、暗くて見えない少し離れた場所には集落があったはず、要するに飛び道具を使うなという事だろう。

そうこうしているうちに敵機はグラジオラスの射程距離に入っている、ブーストを止める事なく2機のうち1機の懐に入り込んで中枢部である頭を破壊し、もう1機はブレードを構えてこちらへ突っ込んできた。

シレクタは小回りや俊敏な動きができる兵器ではない、もう1機のブレードは回避できずにグラジオラスのブーストに見事ヒット、ブーストは爆発し使えない状態となる。次はこちらの番、溶断ブレードを新しくもう一本引き抜いてから素早く突きを放ち、できる限りの速さで中枢部である頭を破壊した

 

敵性反応はもう存在しない、作戦成功だ

 

『迅速な対応お見事です。まぁあんなオンボロ機体に負けていてはこの先が思いやられますので当然の結果ですね、そもそも性能差もありますし』

 

頭におおきな穴が空いた鉄塊が動かない事を確かめて武装を肩部に収納する、この2機はかなり安いパーツを使っているようだ……性能差の勝利とも言えるだろう、この程度の相手に3分以上かけることは絶対にありえない

『あなたの腕がいいというのもあるんですよ、GEAR-003さん』

 

久しぶりに名前…というか番号を言われて一瞬びくりとする、褒められるのはやはり悪い気はしないのだが、その過程には少なからず人間を傷つけているのだと思うとなんだかやるせない気持ちになる

 

『回収部隊と輸送機を向かわせています、後の事は任せて帰還しましょう』

 

ふぅ、と安堵の息を盛らして操縦を開始する。

そういえば夕食を食べていなかった、帰ったらエアさんも呼んで何か食べようか…と計画して時計を見る

午後の8時ぴったりだ、エアさんはもう夕食を終えているかもしれない。

 

『あ……待ってください、連絡事項です』

 

シレクタを歩かせながらスピーカーに耳を傾ける

 

『詳しい情報は入手出来ていませんが、今夜、日の変わり目……GEARの統率・管理本部「force」が何者かに襲撃されます』

 

 

日の変わり目となると……

襲撃まで、残り4時間。

 

 

 

~~おまけ~~

 

話が複雑になってくるかもしれないので単語の説明を簡単に行います

 

・シレクタ

人型の凡庸兵器、平均全長は5~8mで、「可変機」や「高速・重装機」などバリエーションは様々。決して強いわけではないが状況に合わせて臨機対応に対応出来る

 

・GEAR

シレクタの操縦許可を得た者を指す、ロボットを扱う傭兵と考えればイメージが簡単に湧く……はず

 

・force

GEARの統率・管理を行っている、GEAR達の中枢とも言えるので、機能を失うと様々な問題が発生する

 

・GEAR-003

今作の主人公、グラジオラス(搭乗機)の保有者という事以外全て不明

 

・AstとBext

兵器の開発機関

 

・フラタニティ

「日本」と呼ばれていた場所、現在は見るも無残な姿になっている。

・セイブ

移動する居住区、セイブは多数存在し、そのすべてをforceが保有&管理している、

 




変なとこで切っちゃった(´・ω・`)ちくわおいしいです
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