Silent Gear(完結)   作:貧弱モノサシ

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※九月現在修正完了

いかん、少しサボったら描写が思うようにできない……文がさらに劣化した気がする。


戦闘が少ない、これに関してはほんと申し訳ありません…返す言葉もないです


1日目「ディマジオ」

「とりあえず俺がお前をここに連れてきた理由から話そう」

 

ルドアはタバコを吸い始める、紅茶を持ってきたメルと呼ばれた女性は鼻を抑えてパタパタとタバコの煙を押し返しており、少しであったがその行動が空気を和らげた

 

「といってもそんなに大した理由はねぇんだ、今はただ戦力が欲しくてな、「人質」として協力してほしいんだが……」

 

「まずは私達が何してるのかを話すべきだよ、ルドア」

 

「お、おおぅ……それもそうだな、今日はもう遅いし頭も回らないと思うから手短に言おう、最終的な目的はGEARの「統率機関」の機能停止だ、俺らは今GEARを潰そうとしている」

何故、そう聞き返そうとするが自制心が働く、これから話すかもしれない情報を詮索するのは野暮というもの。ルドアも順を追って話をするはずだ、話さなかったらまた次の機会を待つ事にしよう

 

「お、気持ちは分かるぞ、理由だろ、まぁ今は眠いはずだ、話すのはやめておくさ」

 

それもそうだ、正直眠くて頭が回らない。

そんな状態だと判断能力も自然に落ちると言うもの、口車に乗せられる訳には……

いや、明日聞くという判断をしている時

点で口車に乗せられていたか?

 

「安心してくれ、なにもあんたにはデメリットばかりじゃない、交換条件と行こうじゃないか」

 

交換条件?

と反射的に単語を聞き返す、ルドアはタバコを灰皿に押し付けて大きく頷いた

 

「今話したいのは山々だが、さっき言ったように眠いだろ、この部屋を出た廊下は部屋が沢山あるから好きに使うといい」

 

メル(さん?)は紅茶を飲み干して机の端に寄せる、人質に対して異様に優遇しているがなにか狙いがあっての事なのだろう

部屋は好きなのを使っていいらしい、とりあえず茶室を出て廊下をトントンと一定のリズムで歩く。

そういえばこの廊下の先には大破したグラジオラスがあったはずだ、見てから部屋に入ろうかと考えるが怪しまれるかもしれない、大人しくしておくのが最善だろう。

 

「やっほ」

 

適当な部屋に入ろうとした所だが何者かに呼ばれる、声からしてメルさんだ。

やはり女性の声はよく通る

……よく通ると言えばホールでの演説会でよく声が通る女性がいた、記憶が正しければだが声は同じように聞こえるが……

 

「また会ったね」

 

デジャヴ。

しかしあの時とは話し方も雰囲気も違う気がする、それにGEARになったと言っていたが、一瞬にして寝返ったのか?いやまさか……スパイといったところか、よくよく考えると襲撃予告が来たタイミングでGEARになるのはおかしいのだ、違和感に気付くべきだったか。

しかし聞いてみないことには確証を得ることは出来ない、ダメ元で自分はスパイとしてGEARになったのかを聞いてみる

 

「そうだよ、話し方とかはできる女の人イメージしてたんだけどね、今はそんな事しなくていいから」

 

じゃあ自分はスパイに情報を渡していたのか、反逆行為じゃないか

 

「紅茶美味しかったでしょ、明日の朝はあっぷるてぃーって言うの淹れるから楽しみにして寝るといいよ」

 

メルはそういい終わると部屋の扉を開けて半ば無理やり部屋に押し込んでくる、結局自分の足で入って分かった事は「簡素」の一言のみだった、ベッドに机、置かれているのはそのくらいしかない。

御機嫌に手を振って立ち去ろうとするメルを呼び止める、忘れないうちにどうしても聞きたい事があった、ルドアが繰り出して来た正体不明の攻撃のことだ

 

「んぅーそれも明日のお楽しみ、協力してもらうんだから全部話すよ、それじゃね」

 

訪ねてみたが返答は以上だった、最後に残ったのは扉が閉まる音だけ。

大人しく寝ることを決めてベッドになだれ込む、とにかく今日わかった事を端末にメモしないと……ん?端末?

もしかしたら外につながるんじゃ、そんな希望に期待しポケットからタッチ型端末を取り出す、案の定電波はきていない。どこかからパルスでも飛ばしているのだろう

 

枕元のスイッチを押して部屋の電気を消す、一日を跨いだんだし眠いのも無理もない。

それから不安もあってかなかなか眠りに付くことはできなかった、シレクタが無ければ自分はただのか弱い人間だ、一人でこの状況を突破するなど不可能に近いのだ……

 

 

 

~~~~

 

 

「起きろ」

 

急に視界が暗転したと思ったら朝になっていたらしく、ルドアが缶コーヒーを枕元に転がしてくる、冷たい。

 

「着替えは置いといた、目的地もすぐそこだし茶室で飯にしようぜ」

 

ルドアは部屋から出る、重りがついたかのように怠い体を無理矢理起こして着替えを見る、赤や白黒の衣服である事はパッと見で分かるがどんな服なのかは分からない。

この配色はグラジオラスを思い出す、グラジオラスは治るだろうか?頭部と腕部が機能しないだろうし、とても使えた物ではないのは見なくても理解できる

 

とにかく着替えて部屋を出る、服は意外とまともで、体だけは快適のまま茶室の扉を開ける事が出来た。

てっきりボロボロの囚人服みたいなのが来るかと身構えたがその心配は無かったようだ

 

「よっ」

「おはよ」

 

ルドアはコーヒーを飲んでおり、メルは座布団に座ってトーストを頬張っている光景が目に飛び込んだ、なんだこのハイパー家庭的反逆組織は

 

「林檎茶できてるよ」

 

訳しやがった、と心の中でツッコミを入れてひとまずメルに礼を言う、もう礼を言っている時点でペースに乗せられている気がしてきた。

メルがトーストとアップルティーが入ったカップを机に置く、食べていいらしく「どうぞ」と座布団まで敷いてくれる。

一応栄養を取るために食べるが味はよくわからなかった、それよりも自分が協力する「メリット」が知りたいからだ

 

「そうだ、目的地に着いたらお前にプレゼントがあるぞ3番、きっと役に立つ物だ」

 

役に立つ物?シレクタだろうか?いや、敵に力を与える馬鹿が果たしてこの世にいるだろうか?

 

 

 

数分後、朝食を終えてすぐに機内放送が部屋に反響する

 

《まもなく目的地です》

 

「よし行くか、まぁ俺たち全員持って行くもん無いがな」

 

先導して出口へ向かうルドアの後ろを歩く

メルはいつの間にか居なくなっており、おそらくもう出口へ行ったのだろうと頭が勝手に予想させた

 

「外はきっと驚くぞ、きっとな」

 

なぜ二度も念を押した

《着陸します、衝撃に備えてください》

 

 

~~~

 

 

ああ、驚いた。

輸送機から降りてみると1面花、ただただ色とりどりの花が咲き誇っているばかりだ。

そして何より驚くべきなのは……いや、目を疑うべきと言った方が正しいか。

 

堂々と花の海に建っている一つの城、実際には無数のビル群だが、1箇所に集まり天を目指すそれは「城」という言葉が相応しい物だった

 

「ここが私達の拠点、ディマジオだよ」

 

「付け足すとディマジオの22支部だ」

 

ディマジオッ?

ディマジオというとシレクタを開発した大企業じゃないか……どうしてそんな所を拠点に……?

それに22支部はフラタニティに位置しているはずだ、なぜ花が咲いている、フラタニティはもう……

 

「まぁ入ろうよ、みんな待ってる」

 

「そうだな……行くか」

 

思考は2人の会話で途切れた、それにしてもこんな量の花どこから……地平線の向こうまで花が続いている様だ、今まで見てきた世界は荒れ果てており、花はあってもポツンと寂しげに咲いているものばかりしか見た事が無い。

綺麗で空気も澄んでいる、今自分はおそらく子供のような目をしているだろう、未知に触れるというのはこう言う事なのだろうか

 

「すげぇだろ、これから毎日拝めるぞ?」

 

へへへとルドアは笑う、景色は魅力的だが帰る場所がある以上長居は出来ない

 

「っと、トイレ行ってくる、先に入っててくれ」

 

「私は輸送機の整備してくるから3番だけ行ってて」

 

そう言い各々はばらばらになる、人質に自由を与えていいのかこういうのって

 

ともかく入口は近い、自然の中にある人工物へと足を踏み入れることにした

 

 

 

 

中はまとも、窓があり、受付があり、掃除もきちんとされている

入ったが、ここからどうすればいいのだろう?勝手にウロウロするのも控えた方がいいだろうか

 

「ん?誰だい、君」

 

スーツを着たメガネの男が肩を叩いてそう言う、自分がここまでの経緯を話そうとするより速くメガネの男は口を開いた

 

「ああ、もしかしたらルドアが言ってた人だね?話は聞いていたよ、僕がここの責任者だ、ツェダクと呼んでくれたまえ」

 

どこか誇らしげな男に適当な返事を返して一安心した、ディマジオとの関わりは本当だったようだ……どういう関係なのかはまったくもって不明だが

「今会議とかで忙しいから部屋空いてないんだ、このまま立ち話になるけど、なにか質問があれば受け付けるよ」

 

質問か、山ほどあるな。

とりあえず何故GEARを狙うのかの理由と自分のメリットを知りたい事を告げる、ツェダクは顎に手を当てて少し間を空けた後に口を開いた

 

「君は人質の身、あまり深い事は現段階で教えることはできないけど強いて言うなら、そうだねぇ……GEARのお偉いさんは君のような危険因子を排除していってる、計画を邪魔する可能性が極めて高いからね。その計画って言うのが……」

 

ツェダクはいきなり歩きだしてすれ違いざまに耳元でこう呟いた

 

──人類の根絶。

 

はっきりとそう聞こえた言葉にハッとしてツェダクを見る、背後でニコニコしておりとても楽しそうだ

人類の根絶…?なぜだ、そんな事しなくていいじゃないか

 

「まぁ教えれるのはここまで!君のメリットは「プレゼント」と一緒に送らせてもらうよ」

 

次の瞬間、ドンッと地面が揺れる、地震ではなく何かが落ちてきたような音と揺れを体が感じた

「外に出るといい、君を待ってくれている」

 

背中を押すツェダクが優しく笑う、その笑いには自信や誇りが混ざっているような気がして、なんとも見ているだけで励まされる

……敵じゃなければ。

背中を押されたんだ、進むしかない、少しの不安と期待を持ってビルを出てみると幻想的な景色が目に入る。

花が散り散りになり雨のように絶え間なく降り注いでいる、そしてその雨の中心、一際目立つ紅い紅い鉄の「花」がこちらを見ていた

 

「……グラジオラス、君の機体さ」

 

背後でツェダクが話す、自分の目はその景色の虜になっているようだ、張り付いたみたいに眼を動かせない

 

「でもね、あれはシレクタじゃない、あれは僕の……いいや、僕らの最高傑作「CrossBarrier」さ」

 

クロス……?聞いたことのない兵器の名前を聞いてさらにグラジオラスを凝視してみる、……どう見てもグラジオラスだ、見慣れた愛機を見間違うはずがない

 

「略してCB、この先に試験場があるから君にはCBのテストプレイをしてもらいたいんだ、まぁ君に拒否権は無いけどね?無いと思うけど、CBに乗って逃げようものならこのあたりの砲門全部が向けられる覚悟をする事だ」

 

このあたりの砲門……やっぱりどこかに仕込んでいるのだろうか?

それよりグラジオラスだ、試験をするという事はまだ不安要素が多い機体ということ、試作機なのだろう

 

「操作方法は変わらない、乗ってくれれば輸送機が試験場まで運んでくれるから君は楽にしておくといい」

 

乗っていいとのことだ、早速乗り込んで操作機器を見る、変わった部分は見られない…グラジオラスだ、大破したグラジオラスの複製品といったところだろうか

 

~試験場~

 

《試験用ドローン確認、排除せよ》

 

輸送機が優しくそっとグラジオラスを地面に落とす、メインカメラを起動させると屋外の荒れ果てた大地がモニターに映り、ここがフラタニティだという現実を存分に突きつけられた。

やはり、花が咲いているのはあの周辺だけのようだ

 

『あー、あー、こちらツェダク、よし聞こえてるみたいだ……グラジオラスにはVenomと呼ばれるライフルしか持たせていない、けどこのライフルは特殊でね?銃身が押されている状態でしか使用できないんだ、つまり相手に銃身をぶっ刺して使う武器なんだよ』

 

もう一度言葉を思い出す。

「ライフル」、そう言ったはず、なぜ刺突武器に変化しているんだ……どう考えても自分が知っているライフルとはかけ離れている、戦場で使えるとは思えないが

 

『ま、試してみるといいよ、ドローンは動かないからおちついてね』

荒れた地面からシレクタの形をしたドローンが数個浮かぶ

これらに銃身を突きつければいいのかと理解し、歩行でドローンの一つに近づいて銃身を突き刺した

 

『はい、引き金を引いてごらん』

 

グラジオラスの人差し指をクイッとこちらへ寄せる、同時にカチッと引き金が動く音が耳に入り強い衝撃が機体を激しく揺らす、何が起きるんだ

 

『そのまま!まだ撃ってる途中だから動いちゃいけないよ』

 

確かに機体の揺れは無くならない、急いでモニターを見て起きている現象を確認してみる。

ビームという言葉が相応しい光の柱がドローンを貫通し、光の柱は持続的に出ているように見えた

実弾兵器ではないのは見ればわかる、ではこれはなんだ?まさか本当にビームか……?いやありえる、実際に目の前で撃っているじゃないか

 

『すごいだろう!そのライフルは単体で機能する物じゃない、敵機のジェネレーターから動力を奪って撃つのさ!本当はVenom単体で撃てるようにしたかったんだけど、機体自体を動力にしたほうがコスト的にも良いと思ったんだ』

 

なるほど、銃だけでは撃つ力が無いから敵から奪うのか。

よく考えるものだとゾッとし、Venomを肩部に引っ掛けて収納する、腕の動きが軽い……銃自体がそこまで重くないようだ

 

『さ、君のメリットだね。「我々は君を守る」「その機体をプレゼント」「仕事をしたら報酬金を払う」なんてどうかな?』

 

悪い話ではない、しかしこちらは帰る前提でいるのだから総合的に見ればどの条件もいいとは言えない

一番最初に至っては何から守るのかが気になったため、ツェダクに訪ねた

 

「GEARだよ、それが君の敵。見た方が早いし、なんなら今から帰ってみるかい?手厚い歓迎を受けるだろうね。大型兵器の対処をするはずだった主力の君が失踪、当然大騒ぎさ、その騒ぎに乗じて今頃上層部は君を悪者にでっち上げているよ、手段は知らないけど」

 

ツェダクは付け足すように「このメリットが気に入らないなら検討するけど、まずはGEARが敵かを確かめてくるといい」と言葉を繋げた、確かめる……まぁそれもいいだろう、敵じゃなければこの機体を持って保護してもらえばいいだけの事だ、やってみる価値は十二分にあるじゃないか。

そうすると答えてツェダクの返答を待つ、少し間が空いた後にスピーカーから再び通信が入った

 

「グラジオラスは動くようだし、そのまま行ってみてよ、輸送機をそっちに送ってるから動かずに待っておく事、現地では満足いくまで調査してくるといい、こっちもサポート万全にしておくからね」

 

このまま行くことに少し抵抗があるが、機体の製作者が言うのだから動力やバッテリーは大丈夫なはず。

南アフリカまでは流石に行かないだろう、フラタニティのGEAR拠点といえば……

 

《目的地再設定、「セイブ」に決定しました》

 

 

 

 




※九月現在編集完了

グラジオラスは花です、綺麗な花なのでぜひ検索してみてください。
んー、何書いてるのかよくわからない箇所が多々あるかもしれません、時間が空いたら修整します

まとめを「おまけ」としてそのうち出すのでそこにも書きますが、CBはシレクタとは全く別物の兵器です、上位互換版みたいなかんじですね
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