Silent Gear(完結)   作:貧弱モノサシ

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書くのがあまり上手くないためほとんど戦闘の回になっております


1日目「おかえり(1)」

《作戦エリア到達、敵性反応確認、機数:約150》

 

言葉も出ない。

先をを見ると地平線から波のようにシレクタが押し寄せてくる、これ全部が敵?無理だ、受け入れる事が出来ない。

今までしてきた事はなんだったのか、こうも簡単に裏切られる物なのか

 

『やぁ、着いたみたいだね?見ての通りだよ、よかったじゃないか歓迎されて』

 

ケラケラと笑うツェダクに腹が立ちスピーカーに拳を打ち付ける、一晩でここまで殺しにくる連中が集まる事に呆れを覚えてしまう、「グラジオラスを落としたら賞金ゲット」なんて噂でもばらまいたのだろう

 

『引き返すなら今のうちだよ、君の回収はいつでもできるように輸送機は弾が届かない上空で待機させておくけど、安全は保証できないからね』

 

ここでの戦闘に意味は無いだろう、せいぜい追跡を防げる程度だ。

しかし気に入らない、気に入らないな……一瞬で世界が変わったみたいだ、味方なんて居なくなってしまった。

敵、今見えているのはただの「敵」だ、ならば減らしても問題は無い、グラジオラスの性能を試すのにはいい機会だ。ツェダクに出撃する事を告げてVenomをリロードする、輸送機の側面に引っかかっていたサブマシンガンを引きちぎり両腕に銃を持っている形になる、準備はこれでいいだろう

 

『そうそう、その機体は滞空できるくらいにブーストの出力を上げてあるんだ、是非有効に活用してくれ。じゃあ落とすよ、頑張ってね』

 

出力が上がっているのか、滞空が可能と言うことはかなり有利な戦闘を展開できる、これは中々有力だ。

輸送機からの落下により浮遊感が機体内に生じる、そうこうしている間に敵機は数機だけ真下に位置していた。

好都合だ、動力を消費する手間が省けたんだ、サブマシンガンを真下に連射しながら落下を続ける、こちらも数発被弾するが大した損害ではないため動きを止めることはない

 

落下中にサブマシンガンの弾が切れたが相当削ったはず、着地は真下にいたシレクタを下敷きにし、思い切りVenomをぶっ刺した。これであのビームが撃てる……

 

《通信が入りました、接続します》

 

『こちらツェダク、えっと……逃げた方がいいかもね、段違いに早いシレクタがこっちへ向かってきてるんだ……負けるとは思えないけど、CBは量産できないから修復が難しい、戦闘続行は自由だけど無理しないように』

 

早いシレクタか、一度拝んでから帰ることにしよう。

 

《発射準備完了》

 

まずは敵機ごと上に大きく振りかぶり左右に振り回す事で、周囲に湧いているシレクタを吹っ飛ばす。

次は発射だ、とにかく周囲にいる者達を先に消す、引き金を引くのと同時に薙ぎ払うような動作をし、周囲のシレクタは完全にVenomの犠牲になった、こうまで威力が高いと逆に恐ろしくなってくるというものだ

 

『CBは性能をかなりあげてあるけど、「高性能」と呼ぶには少し違う、「地上戦特化」と言った方がいいかもね、そういうわけだから油断は禁物だよ、それじゃあ、ファイト、もう近くまでシレクタ来てるから』

 

《敵機、後退していきます。……シレクタ急速接近、機数1》

正面から青いシレクタが見え始める、カメラを拡大して姿を詳しく見ると、現在のグラジオラス(軽装型)と全く同じパーツを使用している事がパッと見で分かる、しかし……目を惹くのはそこではなく肩部に装備されている巨大な何か、こちらからでは大きな鉄の棒にしか見えない。

もうすぐ接触するだろう、Venomをリロードしなくては

 

《敵機から通信が入りました、接続します》

 

『その機体はグラジオラス……やっぱり乗っているのは……』

 

昨日聞いたばかりの声がスピーカーから流れて再び敵機を凝視する、青いシレクタは尚もこちらへ向かって来ているため迎撃体制を取った。

聞いたばかりなんだ、間違うわけがない

この声は間違いなくエアのものだ

 

『連れ去られて寝返りましたか?何を吹き込まれたんです……?』

 

まずい、既に距離はかなり縮めてきている。

弾がないサブマシンガンを青いシレクタに投げつけて全力で後退、エアも例外じゃない、自分を殺しに来ている……そう思っていた方がいいだろう、油断して殺されては元も子もない

 

『残念ですがあなたを落とせとの命令なので、死んでください』

 

《敵機情報の照合が完了しました、敵機『アトラミア』、その他の情報が存在しないため戦闘スタイルが予測できません》

 

『こちらツェダク、すごいでしょ?データ盗んで情報をパイロットに送るんだ……それはそうと輸送機から武器落とすから受け取ってね』

 

そういえばVenomしか持っていなかった、単体で使える武器とは思えないため受け取るべきだ。

落ちてきたライフルをキャッチして青いシレクタに向き直る、攻撃してこない……様子を見ているのか?

 

『あのシレクタ、なんか得体の知れない装備持ってるね……まぁ気を付けて、』

 

ライフルをアトラミアに向けて数発撃つ、当然の事だがブーストで右方向に回避された、その場から動く事もせずに撃つだけならそりゃ避けられる。

どんな動きをするのかは弾を無駄にしてでも把握しておきたい、気休め程度にしかならないかもしれないが、気持ち的な問題では何もかもが違ってくる。まだまだライフルの引き金から指を離さない、単調なリズムでアトラミアを追撃し続けた所でパターンに気付く、こちらから見て右に避ける事が多いのだ

 

《残弾数減ってきています》

 

つまり標準を合わせた後は右に銃身をズラして撃ってやれば……!

……と考えたが流石にそこまで単純ではないだろう、それよりそろそろ反撃が来るはずだ

 

身構えて滞空するとモニターが白く染まった、閃光弾か……迂闊には動けないだろう、しかし動かないと一方的な攻撃を受ける、いくら性能が底上げされていても直撃はまずい。

ならば『見えなくても』回避しなければ、滞空したままバーニアを滅茶苦茶に傾けて推進力を360度に働かせる、自分でもどんな軌道をしているのかは分からないが忙しなく伝わる振動からかなり常識はずれの動きをしている事だけは分かる。やがてモニターが見えるようになり機体を静止させた、腕部を見ると凹凸が幾つもできており、撃たれていた事も意味している、アトラミアは前方からマシンガンを撃ちながら特攻とも表現できる速さで距離を詰めて止まることはない、滞空を解いて落下することでマシンガンは回避出来たがアトラミアはもう目の前にいる、シールドも近接武器も無いため残された手段は格闘戦しか存在しない。

一か八かライフルの銃身でアトラミアの頭部めがけて殴る、カァン!と金属音が響いてヒットを確信したが、その金属音は敵機だけのものではなくグラジオラスが発した物でもあった、地面を確認するとアトラミアが使っていたであろうマシンガンが転がっている、そして自機の左肩部を見てみると深々と溶断ブレードが突き刺さっているのが見て取れた。

 

《左腕が切断されました》

 

鋭く冷たい音と火花を立てて左腕は吸い込まれるように落ちる、だがチャンスだ、Venomを落ちた左腕にめり込ませるように刺して標準をアトラミアの胸部へと合わせる、さっきまで使っていたパーツだし動力が残っているはず、そしてこの至近距離で回避ができる訳がないのだ、条件は揃った。

 

《発射準備完了》

 

大きなビームは撃てないものの一瞬だけ銃口から光が膨張していくのが見える。

光が消えた頃にはアトラミアは所々から火花を出していた、全体的にダメージを与えたのだと解釈を終えるとVenomを地面に刺してアトラミアに蹴りを入れて転倒させる、もう反撃などさせるわけにはいかない。

 

『終わりですか……まぁ死ぬ訳にはいかないんですが……仕方ありませんね』

 

寂しげに転がったマシンガンを拾い上げ、転倒したアトラミアの腹部に足を落として動けないように固定する、コックピットは胸部だろう、撃ち抜くのは簡単なはず。

長い付き合いじゃなくて良かった、戦場で最も恐ろしいのは情、エアとの間に深い友情が芽生えていたら銃口すら向けれないだろう。

ここまで近いと狙いを定める必要は無い。

 

目を閉じ、銃声で別れを告げた。

 

 

 

~~数分後~~

 

『あーあー、こちらツェダク』

 

スピーカーに耳を傾ける

 

『アトラミアが背負ってる鉄の棒みたいなそれ、爆弾だよ。もう既に起動しているっぽいね。爆弾だけ取り外して適当に離れたところ置いといて、残骸を調べたいんだ。GEAR達は撤退してセイブの護衛をするようだしじきに消える、問題ないよ』

 

あの後、アトラミアを調べる際に既に外しておいた事を告げると『good!』と満足げな返事が返って来る

正直強いとは言い切れない相手だったが、強くない訳でもなかった、実際左腕を切り落とされた訳だし。

 

『輸送機来たよ、じゃあ「僕ら」でおかえりの用意をして待っているよ。』

 

 

 




タイトルに騙された人もいるはず、前回書いた通りサボったら描写が駄々下がりしました、リハビリ中です……

読者様誤字指摘ありがとうございます、読者様様っす
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