以前の前書きにも書きましたが、世界観や歴史は物語中で徐々に分かっていく形となりそうです、わざと曖昧にする点もあるので、自分で考察してしまうのも楽しいかもしれません(この駄文を面白いと思ってる人に限る)
「はいおかえり」
花の海へと着地し、グラジオラスから出るとツェダクがそう言い迎えてくれる。
昨日といい今日といいかなりの時間を機体内で過ごしているのではないだろうか
「君が戦ったあの青い機体はもう調べ終わったよ、僕らの読み通りあのスピードを出すためのバーニアが見つかった、特殊仕様のようだねぇ……」
もう調べたのなら聞きたいことが一つだけある、エアの生死だ。
完全にコックピットを撃ったのだ、生きているはずはないのだが、とりあえず聞くだけ聞いてみることにした
「生きてたよ」
ホッと胸をなでおろす
「さっきまで、ね」
今度は吐き気がした。
まぁ生きているはずがないのは分かっていた事だし身構えていたためショックは思っているより大きくない
「僕達に必要なのは英雄でも戦果でもなく犠牲者なんだ、誰かが死んで勝利が近づく、それが自然だからね。そうだ、部屋を開けおいたから来なよ、皆待っている」
ツェダクは地図を渡してさっさとビルに入っていく、地図を見るとビルの構造が細かく書かれており、空き部屋と見られる場所が赤で塗りつぶされていた。
何も言われていないしグラジオラスは放置でいいはず、あとを追うようにビルに入り、空き部屋を目指した
~~~~~
誰も居ないようなので部屋に入り電気をつける、案外広い空間が蛍光灯に照らされるが、パイプ椅子数個と机が1つあるだけの事務的な部屋が目に入って少しテンションが下がる。
パイプ椅子にはルドアとメルが大人しく座っており、自分も椅子の一つに座った
「よぉ、GEARからの対応はどうだ?ひでぇもんだったろ?」
「まぁ結果は見え見えだったんだけど、私としては見てきて良かったんじゃないかなって思う、口で言って分かる事でもないしさ」
ツェダクはいないようだ、二人の顔を見てみるとどこか安心しきったような表情が見て取れる
「それで、どうするの?君はGEARに見放されて味方はどこにもいない訳だけど」
「俺達は見放さねぇよ、お前が人質としてじゃなくて仲間として協力するんならな」
答えは考えるまでもない、もうGEARと決別してしまった、自分に人質の価値は無い。
一人で生きるのも悪くないが逃げ隠れしながらの生活はごめんだ、自分勝手で自己中心的なのは百も承知で答えを2人に告げる、「協力する」「仲間にさせてくれ」と精一杯の言葉で短い決意を語った
「え………マジか」
「流石にここまで素直だとは思わなかったよ私」
なんだこいつら緩すぎて場の雰囲気もあった物じゃない。真面目に言った自分が恥ずかしい人みたいじゃないかちくしょう
「まぁ俺らは歓迎する、仲間ならまず置かれてる状況を理解してもらわねぇとな。でも間違った解釈をされるとかなり困るんだよ……」
「実際に目で見た方が早いし出撃しよっか」
「それがいいかもな、今日一日潰れるかもしれないが背に腹は代えれん」
「そういう訳だから君はグラジオラスに乗っといて、じゃあね」
半ば追い出されるように部屋を出て花畑を目指す、それにしても会話がサクサクと進む……それほど切羽詰る事でもしているのか?「間違った解釈をされるとかなり困る」か、置かれた状況が単純なのか難解なのかがまだまだハッキリとしないが。
今日一日で分かるような言い方だった、ロビーまで行き時刻を確認すると針は正午を指している、もう昼時だと分かった瞬間に腹の虫が少し動いて空腹を告げた
グラジオラスは移動される事なくディマジオ社の前に膝をつくようにして座っていた、慣れた手つきでグラジオラスに乗り込んで2人からの通信を待つ
《武装チェック完了、前回の戦闘で使用したVenomは現在点検中のため、所持している武装はサブウェポンのみとなります》
モニターにハンドガンが表示される、これが今つけている武装のようだ、Venomの代わりに誰かが持たせたのだろう。
ハンドガンの詳細を見ると「Dimz-00s」と書かれているのが分かる、「00」ということは試作の銃だろうか、見たところそこまで汚れていない。
『こちらルドア、聞こえるか?今上空に大型の輸送機を移動させている、グラジオラスごと乗り込め』
そろそろか。
ブーストを軽く吹かして動作確認をし、ゆっくりと重い機体を立ち上がらせた
~輸送機内部(茶室)~
「よしこれからの行動を説明する、メルは輸送機の操縦してるからこの場には居ないが、作戦は決めてあるから心配する事は無い」
作戦?戦闘しに行くのだろうか。
「現在地はフラタニティ南部、一気に「東京」と呼ばれていた場所まで移動して乱戦を行うんだ、問題となる交戦相手だが「Ast」と「Bext」が挙げられるな」
AstとBext……昨日争っていたGEAR内部の組織だったはずだ、二つとも争う理由が不明で、正直な所は何をする組織なのかも確定していない。
とはいえ、なぜフラタニティで争っているのだろう
「あいつらはGEARを辞めて、一つの勢力としての活動を目指しているんだ。でもそれには膨大な資金が必要でな……何処にあるか分からん「ルーラー」と呼ばれる大型情報保管施設を探している」
なるほど、でもそれでは争う理由には繋がらないことをルドアに話す、ルドアは浅く頷いて再び口を開いた
「ルーラーには膨大なデータが詰まっている、国家機密とかも含めてな。その情報を必要としてる奴らに売ればかなりの資金になる、戦争してる馬鹿な国なんていくらでもあるからな……敵国の情報でもなんでも売りつけりゃいい」
あっ……なにか察しがついてきた
「でもルーラーを狙う組織が二つもあるわけだ、やっぱりお宝は独り占めしたいのが人間の本性と言うかなんというか、目に見えていた事だが、ろくな話し合いもせずに潰し合いが始まった……まぁ必然だろうよ」
おおかた予想通りだった。情報流出というものもある、両者警戒しつつすべての行動を行うはず………
今から行くのはルーラーだろうか、交戦はできるだけ避けたい所だが……
「残念、交戦は避けれないかもしれないな。CBの性能ならハンドガンでも持つだろう、やばいと思ったらそこら辺のやつから武器を奪えばいいだけの話だ」
ルドアはタバコをくわえてライターを取りだし、次にこう話した
「俺達はルーラーからデータを盗むのが目的だ、以前話した通り、GEARは人の文化に支障をきたす事をしようとしている、ちゃんと計画を立ててな。けどどんな計画かは分からないからルーラーからデータを取るんだよ」
付け加えて「大袈裟にいうと人類消そうとしてるらしい」とルドアは話す、その情報はそもそもどこから入手したのだろう。
全くGEARと関わりを持たない者なら入手する手口はルーラーをハッキングするとか、内通者からの情報提供しか無いのでは?
ルーラーは全世界でも指折りのセキュリティーを張っていると聞いたことがある、やはり後者が有力だ。GEAR上層部に内通者がいるとして「直接情報提供」「セキュリティ解除方法提供」をしているとすれば……
「操縦オートにしてきたー」
ドアからメルが勢いよく入ってくる、滑り込むみたいに入ってきたな。
「どこまで話したの?」
「確か……あれ、どこだっけ?……多分ルーラーのとこだったと思うぜ」
「ボケてきてるんじゃない?」
「まだ36だ、若いぞ」
「おっさん」
「うっせ」
なんだか本当の親子みたいだ、この二人はいつから一緒にいるのだろうか。
少しほっこりしているとメルの携帯が五月蝿く着信音を発する、……着信音というより警報音のように聞こえたが
「…………あぁー」
「どうしたメル」
「GEARの統率機関「force」の誤操作によって「Krβ」起動………こっち来てるっぽい、迎撃は……できそうにないね」
話についていけない、Krβとはなんなのか?聞いておかなければと頭の中で決断し、メルにKrβとはなんなのかを尋ねる
「えっと……CBの先祖みたいなやつかな、約40年前の戦争が原因で日本潰れたでしょ?それをやったのが無人兵器のKrβ、一体だけならそこまで脅威じゃないんだけど、五体くらいいるとちょっとまずいかな…?」
「AstとBextの連中も加戦するはず、このまま逃げ帰ると追跡されてディマジオにKrβ連れていく事になりかねないし、できる限りで迎撃しよう」
40年前の戦争の全貌はGEARや国により隠蔽されている、戦争の名前はもちろん何をしたのか、何を使いどんな物が犠牲になったのか……全てが不明、その時に使われていた兵器が起動したのか、何をやってるんだGEARは、馬鹿じゃないのか。
「移動中に奇襲受けたらいけないから速度最高にしてくるね」
メルは茶室を飛び出てタッタッタッと走り去って行った。
シレクタならまだ戦い方は分かっていたが未知の相手だ、正直不安が募る
「格納庫へ行っておこう、いつでも出れるようにな。ついでに俺の機体を見せてやろう、白いからかっこいいぞ?」
そうだ、昨日ルドアにされた攻撃はなんだったのだろう、一瞬で頭部や腕が取れてしまったが。
今回の件で分かるのだろうか、少し楽しみだ
最近雨続きで元気が出ないし頭が回らない_( ´ ω `_)⌒)_