Silent Gear(完結)   作:貧弱モノサシ

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前回の伏字については今作ではこれ以上触れません。
ストーリー見直してみたんですけど、アー○ードコアと酷似してる部分が見れますね、CBβのストーリーを少し変えるかもしれませんが、作品自体を消すわけではなく1話1話修整していきます


1日目「歴史(1)」

《作戦エリアに到達、これより「ルーラー」の防衛を開始します。友軍「メル」がルーラーから一定量の情報を入手するまでの緊急任務です》

 

感情のない機械音声がコックピットに反響して鋭く耳に刺さる、とにかく守れという事だ、正確にはメルが搭乗している輸送機の防衛だ、輸送機はルーラーの近くに着陸し、それを挟むような配置でグラジオラスとルドアは着地した

 

『やほ、メルだよ』

 

『メル、どのくらいで終わる?』

 

『遅くても30分かな、早くて20分』

 

『CBは長期戦ができるほどの動力を持たない、グラジオラスなんかは高機動だから早く動力が尽きる、急いでくれるか?』

 

『ぬ……頑張ってみるよ』

 

しかし武装はハンドガンだけか、まぁ敵から奪うと言うのもありだが……。

その前に、だ。まずここにAstとBextが来るかどうか……二つの勢力はここから少し離れた場所で交戦している、用心に越した事は無いが索敵特化機体が居ない限り自分たちがここにいるのは感づかれないはず。気づかれないのが一番…だと思う

 

『よし、じゃあ作業を始めるよ』

 

ふとルーラーにカメラを向ける、何の変哲もない工場のような建物にメルが入っていく様子が伺えるが、その光景を見たことによりルーラー内部に居るメルに対して心配や不安がおおきくなった。無人施設だったか?ここは

 

『こちらルドア、早速だがお前はどこかの部隊に入った事はあるか?』

 

ルドアの白い機体がこちらにカメラを向ける、こちらにカメラを向けたツインアイの機体はすこし装甲が厚いように見えた。

特徴的なのはバックユニットだろうか、以前の交戦した時はよく分からなかったが、そのブースターは曲線のパイプやコード、光っている糸が絡まりあったようないびつな形をしている

 

『……?どうした』

 

機体に見とれていた、ハッとして記憶をたどり入ったことは無いと伝える。

協力して依頼をこなす事はあったが、いかにもな部隊には入っていなかったし部隊との交戦経験も浅かった

 

『あー、そうか…えっとな、最近かなりの範囲を索敵する妙なレーダーパーツが出回ってるんだ、んで、大抵の部隊にはそのパーツを使った索敵特化機体がいてな……』

 

そこでルドアの会話を止めた、ここまで聞いたらもう続きは簡単に予想できるはずだ、ハンドガンを一発目試し撃ちして迎撃体制に入る。

すぐに敵影は見えない、がレーダーは高速で接近する反応をしっかりと捉えていた

 

『ん?あれは?』

 

ルドアは自身の機体の肩部にあるライフルをこちらに投げ捨てる、難なくそれを受け取って短く礼を言った後に機械音声がまた耳に入った

 

《敵機体5機》

 

『どうやら、Krβが一機混ざっているな。群れじゃないならそこまで強くない、落ち着いて撃破しにかかるぞ』

 

ハンドガンとライフルを構えて突っ込む、ルドアはルーラー周辺で防衛をするようだ。元々このグラジオラスは前線仕様だ、特攻はできる…はず

 

30秒ほど休まずブースターを使い続けた頃、はっきりと見えてきた敵影に向けて撃てるだけの弾を撃つ、影は左右に動きながらその姿を徐々に現す、畜生回避されている

 

『こちらメルだよ、想像以上にセキュリティ硬い、ルドア達はどのくらい持つ?』

 

『部隊が一つこっちに来た、こいつらだけならそこまで動く必要はねぇし……50分位は持つ、しかしこのまま立て続けに来るとまずいかもしれんな』

 

『どのくらい持つかを聞いたんだけど』

 

女が強い家庭の父と娘の会話のようだった、ルドアは『悪い』と返して

 

『15分だ、いくら相手がシレクタでもブーストを使わないと集中砲火は避けれない、CBも万能じゃないんだよ』

 

『動力が持たないのか……ぐぬぬ……じゃあ今来ている部隊が全滅したら退散しよう、私はそれまでにとりやすい情報だけを厳選してとっておくよ』

 

『了解』

 

そんなに短くていいのか、とルドアに聞くと『ハッキングとかはさっぱり』と言われた、自分はその言葉に何も返さずにトリガーを引きつづけた。

やがて見えてきたKrβとシレクタの列に向けてブースト出力をさらに上げる、当然集中砲火されるがCB独特のありえない軌道でなんなく回避、そのありえない軌道は例えるなら「見えないバネに弾き飛ばされる」ような動き、輸送機内でメルに教えてもらった芸当だ。

 

全弾回避は不可能、数発被弾し、それこそバネに弾き飛ばされるように被弾部分がバチンと後退してしまう。しかしブーストは持続している、ボゥッと一瞬最大速度で加速し一番近いシレクタの頭と胴体を至近距離で撃ち抜いた、甲高い音が水面に波紋を描くように耳に反響して伝わる、あの機械音声と同じだ

 

『こちらルドア、助けは必要か?』

 

要らないと返す。

レーダーが機体後方にKrβの反応を感知した、とっさにふり向こうとするが時すでに遅し。既に視界が暗転していた

 

《システムエラー発生、エラー検出までに時間がかかります》

 

待ってられるか、ハンドガンを捨てると視点を移動せずにKrβの体の一部を掴む、視界が暗転したという事はグラジオラスはうつぶせだ、掴んだ腕を思い切り地面に振り落せばKrβは地面に叩きつけられているはず。

勢いよく機体を立ち上がらせると目を疑う光景が広がっていた。地面に叩きつけられたKrβを初めてじっくり見ると青い装甲に極めて細い光の線が絶え間なく流れているのが確認できる、しかし驚いたのはそこではない。

すごく人間的な動きをしていたのだ、生きているんじゃないかと思わせる程人間と全く同じ動きをしてよろめきながら立とうとして転んだり……。「光の線」はさながら血管を現しているようにも見えた

 

『こちらルドア、まずいぞ反対側からも部隊が来てる、早くしてくれ』

 

転倒したKrβを脚で押さえつけて周囲のシレクタを見回す、全機リロード中だ、やるなら今しかない。まずは先程捨てたハンドガンを拾って銃身をKrβの頭に無理矢理めり込ませ、全弾撃ち尽くすまでトリガーを引いた。

その作業が終わると残った3機のシレクタをカメラで捉える、怯えて帰るかと思っていたが、こちらへ向けられた銃口が彼らの意志を物語っていた。

半ば低空飛行のような形で距離を取りつつヒットアンドアウェイでライフルを命中させていく、やはり3機からの集中砲火はかなりのもので、撃ち尽くしたハンドガンを持っている方の腕が銃弾により外れかけているのがモニターで確認できる

 

《敵性反応残りわずか》

 

2機ライフルで撃破、残る1機の背後に回ってヘッドパーツを破壊した。

そして再び異様な光景を目にする。

ハンドガンで撃ったKrβの頭部からドロドロした赤黒い液体が溢れるように出続けており、痙攣したような動きを見せてから一切動かなくなった。機能停止した……いや、絶命と言った方が正しい気がする

 

『部隊、もう近い!メルの方も作業を終える、さっさと輸送機に乗り込んでくれ!』

 

持っていた装備を投げ捨てて機体を軽くしてから出来るだけ早く輸送機に向かう、あと少しだ、あと少し……

 

《大型の熱源、急速接近中》

 

『なっ!?どこから来やがる……』

 

『作業終わった!撤退するよ、早くっ!』

 

滑り込むように輸送機の格納庫に入り、それを確認したルドア機も中に飛び込んだ。

機体内からでも静かなエンジン音が聞こえる、それはメルが既にコックピットに居る事を表していた

 

『この熱源追ってきてる、ディマジオまで付いてくるかも!』

 

『俺らに迎撃しろってのか?2連はキツいが……』

 

『ディマジオ社には大した兵器が無い、主戦力は私達のCBだけ。やらなきゃ全滅だよ』

 

『そうだな……出るか』

 

武器がない状態でも戦闘できるだろうか、なんて考えている時間は既に無かった。

レーダーを見るとたしかに敵性反応が追ってきていた、真後ろだ。距離から見て敵は恐らく空中にいるはず、空中戦になるならエネルギー管理が重要になるだろう

 

『格納庫には簡易出撃ゲートがある、そこから出て』

 

『了解、お前は武器がないかもしれんがブーストで錯乱させる事くらい出来るかもしれん、良ければ出てくれ』

 

出撃ゲートが重い音をたてて開き、ルドアはなんの迷いもなくゲートへ飛び込んだ。それに続くようにCBを動かしてゲートをくぐる

 

『かなりでかいぞ、要塞みたいだ』

 

ゲートから落下した先には巨大な何かがこちらの輸送機を追従するように飛行していた、ルドアは既に着地しており、ライフルを構えてそこらじゅうに撃っているように見える。しかしこの「要塞」の形は見覚えがある、実際に目撃したのはCBを初めて駆ったあの時………

 

『こちらメル、その飛行機体の解析が終わったよ』

 

『かってぇ、傷一つつかん……なんなんだコイツは』

 

『セイブだねそれ。なんで飛んでるのかは分からない、あとセイブ内部にKrβの反応が1万以上はある』

『1万ってお前……』

 

なるほど、セイブだったか。

こちらも着地し周囲を見渡す、なんとも言えない景色が淡々と続くが強いて表現するなら金属でできた大地が広がっていた、社会を構成して平凡に暮らすための「セイブ」なのだから街1つ分の大きさがあっても不思議てはないのだが。

本来セイブは内部と外部に街や住宅地があると聞いたが、外部であるここはビル1つ建っていない。しかし内部には1万以上のKrβが格納されているとの事、人々が暮らすための機構は既に存在しないか……あるいは元々そんな物はなかったか。

 

《敵性反応確認、特殊カスタマイズ済のシレクタです》

 

『シレクタ?俺の方は1機だけしか確認できないが、2人は?』

 

こちらが1機しかレーダーに映っていない事を伝えた後にメルも「1機しかいないよ」とルドアに言った、シレクタが1機で何をしに来たのだろうか?カスタマイズを受けていてもせいぜい装甲強化くらいのはずだ

 

《敵機からの通信です、繋ぎますか?》

 

『私が会話するから君は撃たれすぎないようにだけ気をつけてね』

 

メルがそう言ったので通信を繋ぎ、いつでもブーストが使えるように構えの体勢を取る。

数秒間が空く、誰も口を開かない中で一番先に声を出したのは敵機のパイロットだった

 

『相手がは、反逆者なら丁度いい……。し、新型の性能を試してやる!』

 

かなり震え声のようだ、素人かもしれない。

 

『新型?』

 

メルはたった4文字で聞き返す

 

『やってやる……やってやるぞ……へ、へへ……』

 

『ルドア、この人話を聞いてないよ』

 

『会話は無理そうだな。相手はまだ姿を見せていない、丸腰で悪いがグラジオラスは警戒に当たってくれ』

了解、と短めの文で返してからレーダーを見るとかなりの遅さで上空から接近してくる反応が1つあった。

カメラを空に向けると黒いシレクタが大きい追加ブースターのような物を背負いながら降下しているのが分かる、下から見える限りでは青いバイザーアイとブースターしか特徴は無く、とても強そうには見えない。ただ、ブースターの大きさもあってかその姿はかなり惹かれるものであるのは認める

 

『うぅ撃ち殺してやる!』

 

薬莢が空から降ってきて初めて被弾した事に気付く、薬莢が持続的に落ち続けている事からガトリングを使っているのだと仮定し、とにかく回避するためにがむしゃらにブーストを吹かす。ルドアはライフルで黒いシレクタを撃ち続けているが一発もヒットしていない、太陽による逆光で狙いが定まらないのだろう、こっちは黒いシレクタとの距離が縮まっているため視認できるが、遠距離攻撃を当てるとなれば話は別だ

 

『早く死ねっ……死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!』

 

『ルドア、気味が悪いよそいつ……』

 

『同感だな』

 

CBは滞空できたのを思い出し、左腕を盾替わりにして敵機の足元まで一気に飛ぶ。案の定左腕は肩から大破したが、ある程度接近したところで敵機の脚部を掴む

『おまっ……意外と度胸あるな!』

 

もちろん掴んだままだと接射されるのがオチだ、焦りつつもブーストを解除して腕を下に引っ張る、すると途端に降下速度が高くなり敵機の搭乗者から引きつった声が漏れた

 

『ひぃ…!誰か助けてくれ!助けて!』

 

『俺も根性見せないとな!頼むから当たってくれよー…!』

 

ルドアはこちらにライフルの銃口を向けた……と思ったが、銃口を向けられているのは黒いシレクタだ、しかしここからでも銃身がブレブレなのがはっきりと目に飛び込んでくる。これもしかしたらこっちに当たるのでは?

 

『ルドア!?それ危ない!』

 

『大丈夫だ、俺昔はエースだったから』

 

『おじいちゃんが何言ってるの……』

 

逃げたい所だが、敵機にしがみついていないとまた上昇しそうだ

 

『よし、当たれ!』

 

《脚部装甲が破損しました》

 

思いきりこちらに当たった、しかしルドアは何発か撃っていたようだ、数発はきちんと敵機に当たっている

 

『もう……ダメだ……新型の性能なら負けるはずがないと思ってたのに…!』

 

怯んだすきに敵機を地面に叩きつけて無理矢理ブースターを引き剥がす、武器を失っている為これ以上の攻撃手段を持っていないグラジオラスは一度敵機と距離を置いて背を向ける、トドメをルドアに任せた後は攻撃してくる様子の無いセイブを尻目に一旦輸送機の格納庫へと戻った

 

 

 

~~~

 

 

「セイブの反応が無くなっていくね」

 

茶室に移動した自分を含める3人はメルが持ってきたタブレット端末でレーダーを見ていた、熱源が消え、敵性反応は消え去っている

 

「しかし左腕無くなったなぁお前の機体」

 

「もう特攻なんてしちゃ駄目だよ」

 

こちらが頷くとメルは機嫌良さそうに「よし」と言う。それに続くようにルドアが口を開いた

 

「Krβか……40年前の戦争で運用されてたんだっけ?」

 

「戦争は12年間続いてた、Krβが運用されてたのは最初の4年だけだよ。戦争自体は今も続いてるけど規模が違う、40年前の戦いは日本列島を使い物にならなくするくらい戦火が激しかったらしいし」

 

なるほど、少し勉強になったが、メルはその知識をどこで蓄えたのだろう?ここは詮索しない方が吉だろうか。40年前の戦争についてのデータは一切存在しないはず……まさかルーラーから?

 

「へぇ……でも列島一つ駄目にするってどんな手を使ったんだろうな」

 

「そこはまだわからない、何と何が争っていたのか、ルドアが言った通りどんな手を使ったのかよく分かんない」

 

「そうか……。ディマジオ社に着くまであとどれくらいかかる?」

 

「追っ手が来てるのも考えて遠回りしてるから6時間くらいかな」

 

「了解、じゃあ俺は夕飯作ってくる」

 

時計を見ると針は午後6時30分を刺していた、戦闘時間はそこまで長くなかったが移動時間が長かった

 

「そうだ、夕飯の時にルーラーから盗んだデータに入ってた情報の話をするよ」

 

そうだ、データには戦争の情報は無かったのかを知りたい。Krβから流れた血は今でも脳裏に焼きついている、戦争の事を知ればあれがなんなのかを理解出来る気がするからだ

 




一応確認はしたんですが誤字があるかもしれませんm(。>__<。)m
なんか同じような文が続く感じですみません、今後の課題ですね
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