今回は、モンハンでお馴染みの街である『ドンドルマ』での出来事です。
卵の納品が終わり、大都市ドンドルマへと帰路につく。
かつてそこに暮らしていた先住民の手によって険しい山あいに切り開かれており、
絶える事の無い風は風車の原動力となり、豊富な水源と大長老の指導により、
大陸内では最大の規模を誇る。
周囲を大きな山に囲まれており、この地形がモンスターの侵入を阻む。
南側だけは平地になっているが、多彩な迎撃兵器によって万全を期している。
狩人道場や大闘技大会など、複数の機能が集まったアリーナと呼ばれる施設が存在する。
闘いと癒しの円形演技場とも称され、ハンターの憩いの場所となっている。
最近では、空港というものが建設されており、飛行船がよく着陸する。
そしてここがミヅチとルナの一時拠点でもあった。
「漸く着きましたね」
「うん、だけどまだまだこれからだから」
「そうですよね・・・これからですものね・・・・」
馬車から降りたミヅチはルナに言われた事に、少し項垂れてしまう。
新米ハンターにとっては卵の運搬はまだ序の口。
現在は基礎中の基礎である『武器の使い方』『肉の焼き方』『採取の仕方』『調合の仕方』などをとりあえずクリアし、まだ実戦までは遠いくらいだ。
もとより彼女『ミヅチ・ナツメ』はかなりの臆病な性格で、ランポスやそれと同じ肉食系のモンスターである『シャギィ』相手に怖がってしまう。
そんな彼女も性格の表れなのか、武器は遠距離のライトボウガン一筋だ。
倒したモンスターはせいぜい草食系のモンスターであるモスやケルビやアプトノスだが、そいつらを一匹討伐するのに・・・・・一ヶ月は掛かった・・・・。
つい最近ではイノシシの様な小型モンスター、ブルファンゴに手こずっており、何度もその突進にやられ続けられていたのか・・・・・。
そう続けている内に、ハンター達が集まる集会所では彼女の事はあまり期待せず、むしろ、パーティーに加えてくれないという哀れな目に遭っている・・・・。
誰にも声をかけてくれない寂しさから行くクエストはいつも単独採取クエストばかり。
装備も乏しく半分レザーシリーズだけだった。
下手くそな戦い方には自覚はあり、それを直そうとクエストに現れる草食系モンスターに対し何度も挑み続けた。
だが結果は永久に変わらなかった・・・・。
もはや自信を無くしハンターを辞退さぜるをえなかった
その時だった。
いつものように採取クエストを受注した時・・・・。
「このクエスト、参加していいかな?」
これは何かの間違いなのか?
まさか自分が受けたクエストに一緒に参加してくれるハンターがいたなんて・・・・。
それこそが彼女『ルナ・エスグランド』
女性ハンターの中でたった一人で古龍種のキリンを相手に壮絶な狩りを繰り広げたと言われ、
彼女の着ているのはそのキリンを討伐し剥ぎ取った素材で完成したものである。
持っている武器は片手剣。
文字通り、片手で扱うことを前提とした拵えの剣。
そして盾がセットになっており、攻撃と防御が両方兼ね備えて出来る。
彼女はココット村にてハンターとしての修行を普通のヒトの5倍も努力し訓練しており、ココット所属のハンター養成学園では、一位を首席するほど優れたハンターだった。
ハンターとして一人前になると、デデ砂漠に出没したモノブロスの原種と亜種の二頭同時のクエストを引き受けモノブロス退治に赴いた。
それまでは何人もののハンター達が受注し、立ち向かったが・・・誰一人として成功したものはいなかった・・・。
今回は絶対に無理だと誰もが諦めていたが、彼女は受注し、そして・・・。
クエストクリアした。
この信じられない光景に誰もが唖然とするものの、帰って来た彼女の姿は満身創痍だった。
これがハンターとしての彼女の姿だった・・・。
どんなに痛手を受けても、それでも明日の為に希望を光らせ、多くの人達の為に、狩り続ける。
彼女は金の為でもなければ、名誉のためでもない、ただ、命の為に・・・。
それだけの為に、彼女は戦った。
そして、更なる狩りを求めるべくココットの村に刺されていた英雄の証を引き抜き、街へと向かった。
そこで彼女は村で受注したモンスターよりも一際強いモンスターの狩りに出掛けた。
それから約数年・・・彼女は一躍有名となり、街でも彼女に憧れるハンターはかなり多くいる。
そんな彼女がまさか自分が受けたクエストに同行してもらえるだなんて・・・。
嬉しい気持ちなのか驚きなのか感激で声が出にくい状況だった。
ミヅチと共にクエストに出かけ、採取目的である特産キノコを集めるべく始めると、キノコはあっという間に集まり、次の採取クエストでも、ケルビの角を集めることに成功し、そしてついに肉食モンスターであるランポスを狩るクエストが始まった。
ミヅチはやはり下手な射撃をするものの、ルナはランポスを相手にしながら狩らずに、おどけている彼女にアドバイスを送り続けた。
ボウガンを構え、1発、2発と徐々に撃ち込むうちにやっとランポスを一匹倒したのだった!
喜ぶミヅチにルナは優しく誉めるが・・・。
「だけどあんなやつを狩ったからってイイ気にならないほうがいいわよ、世の中にはアレよりももっともっと上なモンスターがごまんといるからね」
「は、はい・・・キモに命じます・・・」
ミヅチは少し畏まりながらルナに敬礼すると、彼女はニコッとし。
「そういう決意もヒトとしてもハンターとしても大事なことだよ、こういうクエストは繰り返し行きながらあなたが上手くなるまで一緒にいてあげるわ」
「は、はい!ありがとうございます!!」
ミヅチはルナに励まされ、嬉しそうに目を輝かせながら、再び敬礼する。
それ以来、ミヅチはルナと共にランポスに続き、シャギィやシャギィノスを狩り続け、そして現在は資金を得るべく、卵運搬を始めた。
ただ、エッグランはこれで何度目だろう・・・?
肉食竜の卵のみならず、飛竜の卵ですらも手をだし、運搬に成功し続ける。
そして現在。
ハンターの集い場でもあるドンドルマの酒場にて、身を休んでいた。
「そう言えば良いんですか?」
「なに?」
ミヅチに訊かれ、首をかしげるルナ。
「いつもいつも、私と一緒にこんな地味なクエスト受け続けて・・・」
「ううん、構わないわ、私もそんなに拘ることは今はないから、あなたが充分にガンナーとして資質を得たら、離れておくわ」
「そ、そうですか・・・。」
自分がガンナーとして十分成長すれば彼女ともお別れ、それはそれで少し寂しい気がするがそれは仕方ない、自分はいつまでも、卵から出ない雛鳥ではない、立派なハンターになるのが彼女の目的。
そんな時、酒場から突如として勢いよく扉が開き、そこから現れた男が大声を上げた。
「おい!ビッグニュースだ!みんな今すぐアリーナに来い!!」
そう言いながら男は扉から離れると、アリーナに向かって走り出した。
ただ事ではないかと思い詰めたハンター達はすぐさま男が走った後へと追いかけた。
ルナとミヅチも飲んでいたモノを置くと、ハンター達の後を追いかける。
アリーナでは無数のハンター達が集まり、その中心には、ハンター達を鍛える二人の教官が、ギルドナイツと共に現れた。
この状況はどうにも穏やかではなさそうだ。
「みんな、よく集まったな!」
「うむ!我輩は感心するぞ!!」
凛々しい女性教官と髭面の強面な男性教官が集まっていたハンター達を見渡し、ウンウンと頷く。
「教官!あの話は本当なんですか!?」
すると一人のハンター・・・先程酒場の扉を勢いよく開けた男が手を上げ、教官二人に問いただす。
「ああ、間違いない!」
「実際には我輩も疑っていたが、まさか本当だったとはもはや受け入れるしかのうはない!」
「いったい何の話をしてるんだ!?」
「俺たちにもわかるように話してくれよ!」
男が質問し、教官の納得した話についてこれず、
ハンター達は大勢、話の内容を聞こうとする。
「静かにしろッッ!!!これから話をする!」
「これは貴様らハンター達にとっても以外にも重要だ!心してよく聞け!」
教官に怒鳴られ、一瞬で静まる。
この二人は今まで多くのハンター達を一人前に仕上げるべく、厳しく叩き込ませた教官であり、恐れるものはかなり多くいる。
ミヅチもその一人であり、実際には教官のハンターになるべく、スパルタな訓練に何度も何度も苦しめられた経験があった。
それが実際にトラウマになったヒトも大勢いる。
「1週間後、ドンドルマの飛行船空港にてある場所まで向かう!そこでクエストを受注するものにだけ、その飛行船に乗らせる許可を与える!!」
「その場所には四ヶ国の皇女が来日するそうだ!」
教官達の言葉にハンター達はざわめく・・・。
『四ヶ国の皇女』・・・。
地方の各国による、首帝都を治める姫君であり、その影響力はすべての国々に伝わっている。
しかもその姫君達は、非常に可憐で美しいとされ、それが目当てで来る者も、かなり多い。
そんな姫君達が、来日するとは・・・きっと壮大なクエストを与えるに違いない・・・。
ハンター達は胸を踊らせ、意気揚々とする。
「クエスト内容を説明する前に、これを見てもらおう!!」
すると女性教官は布袋に包んだナニかを取り出すと、その布を解きほぐし、中身を取り出した。
中から出たのは、凄く輝いている黄金の立体像であり、6インチの高さだった。
かなり不気味さ際立っており、見ているだけでも気持ちが悪い。
それでも美しく煌びやかに輝いており、どこか憎めない。
しかしこれが何故?
「しかしだ!詳しい事は1週間後に説明する!それまでしかと準備をしろ!!」
「一つ言えることはただのクエストでは無い!!分かったなッッ!!!」
教官はそう高らかに声を上げるとその場を後にする。
教官に言われると、ハンター達は仕方無しに、その場で解散する。
四ヶ国の皇女がその場所へ来日すると言うことは、ただ事ではないのは確かだ・・・。
一体どんなクエストなのか・・・?
静かになったアリーナにはルナとミズチだけが取り残された。
「い、いったい何だったんでしょうか?」
「分からない・・・・ただ一言言うんだったら、高難度を超えそうかもね。」
「こ・・・高難度・・・ですか・・・。」
ミズチは思わず後ずさってしまう・・・・。
高難度とは、多くの受注したクエストの中ではまったく違う高難易度のクエスト。
一匹だけでも脅威なモンスターが二頭同時に現れたり、運が悪ければ3匹も現れ、しかも凶悪なモンスターが乱入すると言うあまりにも、過酷なクエストであり、受注したハンターは多くあれど、成功したのはほんの僅か・・・。
ミズチは戦慄を覚える。
ともあれ、ルナは興味を持ちながら参加するべく、街へと向かった。
街にはいつも通りの感じでハンターや商人達が行き違う様子だった。
とりあえず買い物でもするか、それとも1週間後に到着する場所でするか・・・どうにか考えている。
行き通る人々の中には、ガァーグ荷車を運んで、野菜専門の食材屋、今で言う八百屋に野菜を運んでくるアイルーがおり、かなりドデカいドデッカブやみずみずしいジャンゴーネギ、そしてかなり価値のあるシモフリトマトが入ってる木箱を届けている。
「はいよ!お待たせニャ!」
「いつもありがとねぇ!」
八百屋のおばちゃんは木箱から野菜を取りだし見ると、嬉しそうに野菜を木箱から戻し、店内に置くように頼みだした。
「あんたんとこの主人は随分と野菜の育て方が様になってるじゃないか!お蔭さんでウチは商売繁盛さ!」
「いやはやありがとうございますニャ!ボクたちのダンナさんはそりゃもうご立派なお人ですにゃ!帰ったらジェラードのダンナさんに伝えますニャ!」
アイルーはお辞儀すると、ガァーグ荷車に乗り込むと、手綱を構え、出発した。
「ジェラード・・・。」
アイルーが言ってた単語に違和感を感じるルナ。
「え?どうかしましたか?」
そんな彼女のようすに訊ねるミズチに、
「・・・昔、そういう友達の名前を思い出したの・・・彼がいたから、ハンターになれた・・・そういう理由でね・・・。」
「・・・え?」
何かを思い出したかのように呟くルナに、ミズチは伺う。
すると、ルナはミズチに顔を向けると・・・。
「会ってみたくない?」
「え?そ、それは、まぁ、先輩がそう言うんでしたなら、会いたいですね」
「ありがとう。無理矢理でゴメンね・・・そうと決まれば。」
ミズチは戸惑いながらも、自分の先輩をハンターとして目指したきっかけを持つその人物に会いたい気持ちはある。
するとルナは回れ右をすると、ドンドルマの訓練所へと向かった。
まさか、そのジェラードと言う人物は訓練所にいるのか?
と期待と不安をよせながらルナに付いて行く。
いかがだったでしょうか?
教官から報告を受けた1週間後のクエスト。
その為にも、色々と準備をしなくてはならない・・・果たしてどんなクエストなのか?
あの金の像とどんな関係が?
そしてジェラードとは何者か?