FLOWERS Another S   作:抱き枕50

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Rパート

 

 あっと言う間に起床時間である。疲れがいくらか残ってるのか、筋肉痛が腕に出てる。釘に引っかけて作った手の甲の傷も昨日の記憶を呼び覚ます。食事も教室も皆未だ高揚感が有るようでにぎやかである。いつもの立花さんなら止めるであろう姦しさだけど、今日は止めないで皆の楽しそうな様を尊重している、そんな感じだ。ダリア先生が来るまでの間ではあるのだけど・・・・・・ 。

 

 立花さんから呼び出されたのは、放課後のウサギ小屋。手渡されたメモには大事なお話がありますとだけ書いてあり不安でどうにかなりそう。バレエの発表会の間は休止していたノートの打ち切り?それとも?? 私が動く前に彼女からアプローチがあるのは想像していなかった。どうにも悪い予感がしてならない。こうなったら作戦変更、直球勝負で行こうと腹をくくる。ダメなら泣くだけだ・・・・・・。 

 

 ウサギ小屋に着いてみたら既に立花さんが来ていた。ビニール袋に入った野菜を金網越しに与えている。私を見つけ立ち上がり胸元で手を振る。手を掲げて早足の私。西日が立花さんを照らしだし、まるでスポットライトの中の女優の様に見えたq開口一番、

「呼び出して御免なさい。ここの方が寮よりも良いかなと思ったの」

立花さんは私の目を見て話しかける。なんて綺麗なんだろう。今日の立花さんはなにか大人っぽい。背は私の方が大きいけど、彼女の方が大きく見える。意を決して彼女を前に私から話を始めた。

 

「花菱立花・・・・・・さん、私はあなたを愛してます。お付き合いしてください。あなたの特別なひとにしてください、お願いします」

 

拒否られる前に、口火を切る私。

「いきなりなにを言うの中田さん、落ち着いて、ね? 」

「はぐらかさないで下さい。私は本気です」

「私ってそんなに魅力無いですか? 」

彼女の腕を取りウサギ小屋に背を当てて押さえつける。

「ちょっと、離して・・・・・・」

さっきと一転弱々しく絞り出すような彼女の声。

「ダメ。離したらあなたは私を見てはくれなくなる」

「未だ蘇芳さんを愛してるの? 立花・・・・・・さん」

畳みかける私。

「蘇芳さんとは・・・」

歯切れの悪い彼女の言葉。一旦、私は力を緩め手を離す。

「ごめんなさい。立花さん痛かった? 」

強引な手段を謝りながらも更に言葉を続ける。

「立花さんが蘇芳さんを捨てたんでしょ? どうして未だ未練があるの?。」

「本当は振られたんではなくて、蘇芳さんから切られたんでしょ。そうじゃなきゃ変。蘇芳さんはやさしいからあなたを邪険に出来ないだけ」

堰を切って刃のような鋭い言葉が出てしまう。

「あなた、白羽さんを脅迫したんでしょ?秘密を握って」

先程の反応からちょっとかまをかけてみた。彼女はショックで身体は震え顔は真っ青。涙は溢れ頬に伝う。そして崩れるように座りこむ。

 

「どうしてそんな事言うの。苛めないで・・・・・・これ以上言わないで・・・・・・」

あえて介抱しないで,相対して目を見据え立花の細い顎を指で上に向ける。そして私は口を開く。

「私は立花が欲しいの。どんなことしても」

「返事を聞かせて、立花」

「・・・・・・・・・・・・」

沈黙の時が流れる。

 

 視界に学院の生徒が入ってきた。いくらか冷静になり

「まあいきなり返事は出来ないわね。後で返事を聞かせてくださるかしら立花さん」

「寮に戻りましょう。早く立って・・・・・・」

なかなか立たない彼女を急かすも、ぐすぐす泣いてるまま固まっている。その時地面の染みが目に入った。

「えっ,あなたお漏らししちゃったの? 」

「あらあら、ここは幼稚園じゃないのよ。立花さんたら、恥ずかしい・・・・・・」

「とりあえずショーツ脱ぎなさいよ。濡れたままでは気持ち悪いでしょ」

「ショーツは餌の入ってたビニール袋に入れましょう。寮までなら履いてなくてもバレはしないわ」

「武士の情けで見ないであげるからさっさとしなさい、ほら」

そしてぷぃっと背を向ける。暫くして

 

「蛍さん、このことを二人の秘密にしてくれたら何でも言う事聞くから、内緒にしてくれませんかお願いします・・・」

と涙声の立花。

 

「そう・・・・・・ね。判りました。これからもよろしくね、立花。私は口が堅いから安心してちょうだい」

と手を取って甲に口づけをした。一瞬、立花の顔に色が戻った。意外なことに戸惑っているのが判る。

「ふふっ、ひどい顔。そのままでは・・・ね」

ハンカチで涙を拭き取る。お下げを解いて乱れた髪を櫛で梳いてあげた。制服の汚れを払い怪しまれないような態を取り戻す。ホッとしたのか少し微笑む。お下げを解いた立花は少し大人っぽく見えた。

「でも立花、この歳になってもお漏らしするようないけない子は、後でお尻ペンペンのお仕置きするから覚悟なさい」

うなだれた顔は受け入れる気持ちがあるのだと理解した。そして日が落ち、逢魔が時を経て暗くなるまで待ってから手を繋いで寮に帰った・・・・・・。

 

 

 

 

 

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