ソードアート・オンライン ~反則の剣士~   作:にょぞ

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初めまして。
処女作です。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
よろしくお願いします。


※10/3 大幅に編集しました。


すべてが終わり、そして始まった日

 

 

視界の左上に鎮座しているデジタル時計は11時58分を刺している。

 

俺は今、《ナーブギア》と呼ばれるヘルメットの様な形をしたゲーム機を被っている。この《ナーブギア》は内部に埋め込まれている無数の信号素子が使用者の脳に直接接続。五感のすべてにアクセスし、使用者が魔法の言葉を発した瞬間、このゲーム機は起動する。

旧世代のゲーム機とは一線を画すトンデモゲーム機である。

《ナーブギア》にコントローラーは不要。プレイヤー自らが《ナーブギア》と接続した己の脳を使ってキャラクターを操れるのだ。

早い話、ゲームの世界に入れるのだ。これを開発した人間は本当に天才だと思う。

 

 

2022年に発売され、《完全(フル)ダイブ》技術を搭載した初のゲーム機《ナーブギア》。

そして、俺がやろうとしているゲームは《ソードアート・オンライン》。

それは世界初のVRMMORPGとして大注目されている。

俺が一万本しかない初回ロットを手に入れられたことだって、ただの偶然だ。

おそらく、こんなことはもう二度と起こらないだろう。

あぁ、俺はなんて幸運なんだろう。

 

 

もうすぐ、異世界への扉が開かれる。

 

現在時刻、11時59分53秒

 

 

あと6秒

 

5秒

 

4、

 

 

 

 

ゼロ

 

 

「リンク・スタート」

 

 

魔法の言葉を唱えた。

瞬間、目の前に別世界が広がった。

 

 

 

 

 

  *  *  *  *

 

 

 

 

目を開ける。まず視界に入ったのはレンガ造りの街並みだった。近代化が進んだ今の日本ではまず見れないであろういかにもファンタジーな作りだった。

俺の周りにはサービス開始をその瞬間まで待っていたと思われる大勢のプレイヤー達が数え切れないほどいた。いこにいる全員は目の前のリアルさに驚いている。もちろん、俺も例外ではない。

キョロキョロと周りを見渡すこと十数秒、どうやらすでに走り出しているプレイヤーもいるようだ。それを見たら、俺も居ても立っても居られなくなった。この世界がどんなものなのか、この目で見てみたいと思った。

 

 

俺は、町の外へと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せいっ!」

 

俺の振った剣がイノシシ型の敵にあたる。敵の名前は《フレイジーボア》。分かりやすく言うならスライムだろう。

《フレイジーボア》のHPが減り、残り3分の1程度になる。一番最初の敵と言うことでステータスはかなり低めだ。この世界に慣れるための練習にはもってこいだろう。

あと少し!そう油断している内に敵の突進攻撃が俺にヒットする。

 

「ぐあっ!」

 

当たってしまった。

さっき自分で超弱いとか言ってなかったか。そんな敵から攻撃をもらっている様では先が思いやられる。あと、少しイラってきた。

という訳で、俺は《フレージーボア》を見据えたまま剣を左の脇に近づける。先ほど確認した《ソードスキル》と呼ばれる、いわゆる必殺技の構えだ。

もちろん、必殺と言っても心臓を貫いた結果の後に剣を振るとかではない。ただの高威力攻撃だ。よって、距離が離れている今の状態では当然当たらない。

俺はソードスキルの構えをすでに取っているのであまり動きたくない。つまり、向こうから近づいて来てもらおうという魂胆だ。

案の定、俺が待っていると痺れを切らした《フレージーボア》が突進攻撃を繰り出してきた。

そして、それと同時に俺の握っている剣が空色のライトエフェクトを纏う。次の瞬間、体が洗練された動きを見せる。

自分の体が、自分の意思とは別のもっと大きな何かによって動かされる不気味な感覚。それに抗わず、逆にその動きに自分の意思を乗せる。

 

片手剣単発ソードスキル《ホリゾンタル》

 

光り輝く俺の剣が突進中の《フレージーボア》ちょうど頬に命中し、顔に特大の赤いダメージエフェクトを残して動きを止める。いわゆるカウンターに成功したわけだ。

次の瞬間、《フレージーボア》はガラスの割れるような音を響かせ、青いポリゴンの欠片となった。

これがソードスキル。このゲームを攻略するためにはいかにこれを上手く使いこなせるかがカギになるだろう。それほどまでにソードスキルとは強力なのだ。

 

「ふぅ」

 

息を吐きながら俺は地面に座り込む。これでもかれこれ6時間近くは狩りを続けている。

さすがに疲れた。休憩しよう。

俺は地面に座り込み、空を見上げる。

 

「すげぇよなぁ」

 

思わず呟いてしまう。それも仕方のないことだろう。今自分が居るところが仮想世界だということを忘れてしまうほどにこの世界はリアルなのだ。

現実世界で自分の体を動かすのと同じように、仮想世界で自分のアバターを操作する。発展しすぎた科学は魔法と区別がつかないとはまさにこのことなのか。

この世界に来る前にも言ったがこのゲームを作った人間は天才だと思う。いや、まじで。

 

そうやって物思いにふけっていると突然鐘の音が聞こえた。

なんだろう?オープニングイベントか何かか?

そんなことを考えていたら急に視界が青色に包まれた。

 

 

 

   *  *  *

 

 

 

次に目に入ってきたのは人だった。

それも何十人、何百人、何千人もの人だ。それに加え、まだここに転移してくるプレイヤーもいる。おそらく、今ログインしているほとんどのプレイヤーがここに集まるだろう。

なんだ?オープニングイベントにしては空気が悪くないか?

そう、ここにいるプレイヤーのほとんどが空にむっかて「どうなってるの?」とか「これでログアウトできるのか?」とか「早くしてくれよ」とか叫んでいる。

それらの声は次第に大きくなり、「ふざけんな」だの「GM出てこい」なんて喚き声に変わっていった。

いやそれよりも彼らが言っていることは本当だろうか。ログアウトできないということが。

俺は急いでメニューウインドウを呼び出した。そして、一番下にあるはずの『ログアウト』の項目を確認しようとし―――――無かった。

あるべきはずの項目が、そこにはなっかた。

 

不意に、周りの声を押しのけ、誰かが叫んだ。

 

「あっ……上を見ろ!!」

 

俺は反射的に上を見上げた。

そこには、異様な物がみえた。

 

百メートル上空に二つの英文が交互にパターン表示されていた。

真っ赤なフォントで綴られた単語は『Warning』『System Amouncement』と表示されているように見える。

そして、そこから血液のような真っ赤な液体が垂れてきた。そこで俺はこれから何が起こるか、大体予想できた。できてしまった。

―――場違いにも、俺はこう考えてしまう。

液体は不自然に、空中で集まり一つのアバターを形成する。それは赤いローブのアバターだった。しかし、そのアバターには顔がなかった。

そしてそのアバターが言葉を発する。

 

 

「プレイヤーの諸君。私の世界にようこそ」

 

 

――――おそらく、こんなことはもう二度と起こらないだろう。

 

 

あぁ、俺はなんて不運なんだろう。

 

 

 

  *  *  *

 

 

 

このゲームの開発者である茅場明彦と名乗るローブのアバターが言ったことは主に4つである。

 

ひとつ、このゲームは自発的なログアウトができない。

 

ひとつ、友人または家族等がナーブギアの高出力マイクロウェーブによって脳を破壊する。

 

ひとつ、HPの全損は現実世界の『死』を意味する。

 

最後に、ログアウトの方法はこのゲームをクリアすること。

 

ローブのアバターが消滅すると、プレイヤーたちは様々な反応を見せた。

悲鳴。怒号。絶叫。罵声。懇願。そして、咆哮。

 

その中で、おそらく俺は誰よりも早く行動を開始した。

 

 

 

  *  *  *

 

 

 

俺は今、《始まりの町》の出口の近くにいる。

 

茅場明彦のデスゲーム宣言から、さほど時間は経っていない。俺も、色々と考えたいことはあるが、今は考えるよりも行動することが大事だ。

考えることはあとでいくらでもできが、スタートダッシュを切ることは今しかできない。

MMORPGとはつまり、リソースの奪い合いだ。本来なら一刻も早くこの町を出たいが如何せん俺は生き延びれるだけの情報を持ってない。こんな状況の俺が無闇にフィールドに出たら死ぬだけだ。と言っても、早めに行動をしなければ出遅れてしまう。スタートダッシュを切れなければ意味がないのだ。

ならばどうするか。

簡単だ。パーティを組めばいい。それも多くの情報を持っているベータテスターと。

それが最も効率のいい動き方だろう。

 

そんな訳で、俺は《始まりの町》の北西のゲートにいる。あの宣言があってすぐに行動する奴は十中八九ベータテスターだ。俺はここにそう言った奴(ベータテスター)が来るのを待っている。

一番最初に来た人とパーティを組もうと決めている。ここで時間を無駄にする訳ににはいかない。

 

すると、向こうから一人のプレイヤーが走ってくるのが見えた。

 

歳は俺と同じくらいの少年。VRゲームなんだから外見など年齢を判別するのには役に立たないだろうと思うかもしれないが、今のプレイヤーの全員が現実世界と同じ外見をしている。茅場晶彦の手によって。

おそらく、顔の形は高密度スキャナ、体の形はキャリブレーションのデータを使っているのだろう。俺の外見も現実のそれと同じく、どこにでもいる様うな少年の顔になっている。黒髪で、顔立ちは平均よりも整っており身長はそこまで高い訳ではない。

それも仕方のないことだ。

まだ中学生になってから一年も経っていないのだから。

 

まぁいい。

俺は走っているプレイヤーに声をかけようとして――――通り過ぎられた

 

「は?……お、おい!ちょっと待てよ!」

 

叫ぶが向こうには聞こえていないにか、足を緩める様子はない。

 

「あぁもう!」

 

俺は走っている少年プレイヤーを追いかけて走り出した。

 

 

 

 




前書きにも書きましたが、読者様が楽しんでいただけるように頑張りたいのでよろしくお願いします!

何か指摘等があったら気軽に言ってください!
感想も待ってます!




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