ソードアート・オンライン ~反則の剣士~   作:にょぞ

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こんばんは!

連続投稿二話目です!

それでは13話です


どうぞ!


クエストボスでもボスはボス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは今、ダンジョン最深部の広場にいる。

周りには松明が灯っていて、光量は十分にある。

 

「何もありませんね」

 

「ボスを呼び出すにはあるアイテムが必要なんだよ」

 

「あ!≪邪悪な灯≫ですか!?」

 

「正解」

 

俺はアイテムウインドウを開き≪邪悪な灯≫のある場所までたどり着く。

 

「それじゃぁボスを呼び出すよ」

 

「はい」

 

「さっきも言ったけど、シリカは後ろで見ているだけでいいからね」

 

「はい。分かっています」

 

「うん。それじゃ」

 

俺は≪邪悪な灯≫の欄をタップし『使用』を選択する。

すると広場の真ん中に紫色の炎が出現した。

炎は次第に大きくなっていき、俺の身長の倍くらいになったらおぼろげに大きな鎧の姿が見えた。

それはだんだんと鮮明になってき、ついにはHPバーを出現させた。

四段あるHPバーの上には≪teh knight of abandon soul≫の文字。

紫色の炎を纏いこちらを見据えている。

 

「それじゃ」

 

剣を抜く。

 

「いきますか」

 

姿勢を低くし、トップスピードで走り出す。

相手から10メートル程度の距離で左に回り込むように走る向きを変える。

あちらは剣を体の横に立て、こちらに向かって走ってくる。

―――さっそく突進かよ!

剣を振り上げ、こちらに叩きつける瞬間に飛び込み前転の要領で回避する。

そして、すぐさま立ち上がり膝の関節に剣を入れる。

地面から来る横なぎを体を命一杯そらし、そのままバックステップで距離をとる。

剣を向けなおしてから相手のHPバーを確認する。

減っているのはほんの少し。

それでもフロアボスと比べたらかなり楽に倒せるような減り具合だった。

≪ザ・ナイト・オブ・アバンダン・ソウル≫は大剣を右肩に担ぎライトエフェクトを纏わせながら近づいてくる。

 

 

両手剣単発突進型ソードスキル≪アバランシュ≫

 

 

大剣の中盤に習得できるソードスキルで俺もこのスキルは最近知った。

中途半端なガードは崩されてしまい、避けようと思ってもその突進力で距離を詰められてしまう。

以前アルゴから話に聞いていたが実際に受けるのはこれが初めて。

俺は後ろに跳びながら防ぎ、そのまま姿勢を崩さずにノックバックを利用して再び距離をとる。

……こいつ…捨て身特攻型てっか!

さっそく≪アバランシュ≫を使うことから、かなり強力なスキルを持っているかもしれない

 

「マキさん!」

 

シリカが叫ぶ。

が、当然無視。

集中してんだっての

俺が剣を構えなおすと同時に向こうは切先をこちらに向けながら突進してくる。

俺は剣を横なぎに振って攻撃を受け流し、鎧の隙間である脇腹に剣を突き立てる。

突き刺さった剣を逆手に持ち替えて振り返りながら若干上に横腹を切り裂き、横なぎに振るわれる大剣に剣を叩きつける。

その瞬間、軽く跳び上がり空中で体を一回転させて攻撃を受け流す。

着地してすぐさま剣を持ち直してソードスキルを発動させる。

 

 

片手剣単発ソードスキル≪ホリゾンタル≫

 

 

振り払って隙のできた左脇腹の鎧の隙間に刀身をねじ込む。

赤いダメージエフェクトを残した俺の剣は空色のライトエフェクトを消し、俺の体は短い硬直に科せられる。

だがその間に大きな鎧の脚が俺の鳩尾に入る。

バウンドしながら吹き飛ばされたが、両足と左手を地面に付けることで何とか体制を保つ。

急いで自分のHPを確認する。

―――残り7割

本来ならポーションを一つくらい飲んでおきたいところだが、敵はすでにこちらに走ってきているので俺も剣を構える。

―――というかこいつのIA高性能すぎだろ!

横から来る剣は体をひねりながら叩き上げることで軌道をずらし、次いで来る上からの斬撃は横に頭上で受け止めて横に流すことで何とか回避する。

そうやって作った隙に剣を右足の太ももの隙間に入れて左に切り抜く。

そのまま剣を左脇に持ってきて腰を少し落とす。

 

 

片手剣重単発ソードスキル≪レイディアント・アーク≫

 

 

左下から右上への切り上げが、相手の剣を打ち上げながら切り裂く。

相手のノックバックとこちらのディレイが同時に終わり、相手はそのまま剣を振り下ろし、俺はソードスキルを発動させる。

 

 

片手剣二連撃ソードスキル≪バーチカル・アーク≫

 

 

当然、通常攻撃よりソードスキルの方が重いので相手の剣は弾かれ、俺の剣は相手の体の真ん中に垂直なダメージエフェクトを作る。

そして、それと同時に相手もソードスキルを発動させる。

 

 

両手剣二連撃ソードスキル≪イラプション≫

 

 

俺の二連撃目と相手の一撃目である振り下ろしが交差する。

普通、真正面からぶつかったためより重いほうである大剣が俺の片手剣を弾いてしまう。

だが俺は剣と剣がぶつかるのではなく、こすれ合うように軌道を調節し、それと同時に脚の力を抜くことで少しだけ後ろにノックバックする。

そのおかげで相手の一撃目は俺の顔面すれすれを通る。

そして続く二連撃目は体術ソードスキル≪弦月≫を使い切先につま先を合わせることで大きく跳びながら後退する。

着地と同時にポーチからポーションを取り出し、飲みながら互いのHPを確認する。

こちらはいつの間にか黄色くなっていたバーが徐々に増加していき、向こうはまだ一本目の7割程度しか削っていない。

―――何かおかしい

その理由を突き詰める前に剣を光らせてこちらに走ってくる。

 

 

両手剣単発突進型ソードスキル≪テンペスト≫

 

 

こちらも剣を体の真横につけて剣に光を纏わせる。

 

 

片手剣四連撃ソードスキル≪ホリゾンタル・スクエア≫

 

 

刺すような俺の一撃で重く突く相手のソードスキルの軌道をそらす。

すれ違いざまに手元に戻ってきた俺の剣が相手の胴体をとらえる。

そのまま体を時計回に回転させ、硬直中の相手の背中に剣を突き刺す。

硬直から解放された敵が振り向きざまに剣を振るうが最後の一撃を当ててパリィする。

相手のパリィの硬直よりこちらのソードスキルの硬直のほうが早く終了し、すかさずソードスキルを発動させる。

 

 

片手剣三連撃ソードスキル≪シャープネイル≫

 

 

ソードスキルのノックバックにより始めの二連撃はそのままくらい、続く三連撃目との間にわざと間隔をあけて振り払い攻撃してきたところをパリィする。

地面に叩きつけられた大剣の上に足を乗せ、相手がそれを振り上げると同時に跳躍しかなりの高さにたどり着く。

相手の頭の上に来たところで剣にライトエフェクトを纏わせる。

 

 

片手剣単発突進型ソードスキル≪レイジスパイク≫

 

 

垂直に脳天に直撃したこの技はクリティカル判定が出たこともあってかなりのHPを持っていく。

そして、体をひねり≪ホリゾンタル≫を使って剣を抜く。

さすがに今の攻撃は効いたらしく、かなりのけぞっている。

そのすきにもう一度ソードスキルを発動させる。

 

 

片手剣四連撃ソードスキル≪バーチカル・スクエア≫

 

 

俺が垂直に四角形を描くのと相手がのけぞりから回復するのは同時だった。

つまり、俺にはまだディレイが残っており、その隙に横なぎの一撃をくらう。

それだけで1メートルほどのノックバックを受けるが何とか体制を崩さずにいられた。

ちらりとHPを確認すると、相手はのこり2本と1割だがこちらは残り5割を切ってすでに黄色になっている。

剣を構えるが、相手が攻撃してくるような素振りは見せない。

どうしたのかと思い注意深く観察していると、急に頭を押さえ出した。

よく見れば鉄仮面にヒビが入っている。

次の瞬間、鉄仮面が割れてポリゴン片になると同時に≪ザ・ナイト・オブ・アバンダン・ソウル≫が音にならない叫びをあげた。

紫色だった炎が赤色に変わり、鎧の隙間からは黒い光が洩れ、黒く揺れる頭。

いやな予感がした。

気づいた時には叫んでいた。

 

「シリカ!」

 

だが、それが間違いだった。

俺の声で相手がシリカの存在に気づいたらしく、俺ではない方に駆け出す。

俺も慌てて追いかけるが、奴はすでにターゲットをシリカに決めているようだった。

振り下ろされた大剣に間に合ったのはステータスのおかげだろう。

これほど敏捷値に振っといてよかったと思ったことは今までないだろう。

だが、これでタゲを変更してくれた訳ではなかった。

続けて大剣を横に斬り払い、俺はそれを切り上げて回避する。

 

「シリカ!ピナをつかんでおけ!」

 

「は、はい!」

 

「きゅる!?」

 

迫りくる突きを地面に叩きつけることで止める。

一度剣を構え直した後の剣を横に振るう前に腕に剣を叩きつけて大剣を地面に接触せさて勢いを殺すことで俺達には届かずに停止する。

剣で切ったところの鎧が砕け散り中から黒い腕が出現する。

それでも相手はシリカを狙うのをやめないらしい。

―――なら

 

「根くらべということか……」

 

相手は仮面を割られたことによるバーサーク状態だろう。

対してこちらはHPが半分程度の俺とレベルの低いシリカ。

おそらく二人ともまともにくらったら死ぬ。

さらに俺はここから動けない。

誰がどう見ても絶望的状況。

それでも、負けるわけにはいかない。

横なぎに振るわれる剣は上に叩き上げることで回避する。

振り下ろされる剣は横から力を加えて軌道をそらす。

斜めから来る剣はその軌道に合わせながら横にずれ落とす。

攻撃と攻撃の間にこちらも剣を振るい、相手の鎧を壊し、HPを減らす。

というか、攻撃を当てたら自然と鎧は壊れてしまう。

だが、ここで問題が発生する。

両手剣は一撃が重いかわりに素早さがあまりない。

しかし、鎧がなくなるということは身軽になるということであり、それは動きが速くなることにつながる。

俺がこうしてすべての攻撃をパリィできるということはその遅さのおかげであるのだ。

そして、その遅さがなくなるということは、当然≪捌|さば|き切れなくなるのは時間の問題だ。

しだいに体が剣に追いつかなくなる。

目を向きなくとも俺のHPがガリガリと減っているのが分かる。

―――死ぬ?俺が?

脳裏に浮かぶのは始まりに日。

俺の目の前で死んでいったプレイヤーの姿。

俺が死の恐怖で一瞬固まった瞬間を見逃してくれるほど、相手甘くなかった。

右上から来た剣をを左下に受け流した瞬間に、すでに剣が振り上げられていることに気づく。

通常攻撃では間に合わないと悟った俺は、急いで思考を切り替えてソードスキルを発動させる。

 

 

片手剣単発ソードスキル≪ホリゾンタル≫

 

 

だが、今のような高速戦では初期ソードスキルの短い硬直も致命的となる。

弾かれた剣の勢いを利用して一回転し、そのまま剣を横なぎに振るう。

そこで俺は剣のライトエフェクトが消えていないにも関わらずソードスキルを発動させる。

 

 

体術後方宙返り蹴りソードスキル≪弦月≫

 

 

このスキル二つのスキルは≪バーチカル・アーク≫と≪閃打≫のように間隔をあけずに発動できる。

横なぎに振るわれる剣を蹴り上げ、相手はのけぞりこちらは硬直に入る。

そのまま剣が振り下ろされるのと硬直から解放されるのはほぼ同時だった。

そのおかげで何とかしのぐことには成功した。

だが、これがいつまでも成功するわけではない。

今のはたまたま上手くいっただけで次は失敗するかもしれない。

―――もっと速く

このままでは負ける。

何か逆転できる一手があれば。

―――もっと正確に

少し、肩の力を抜く。

目線を両手剣から外す。

見るのは相手の体。

より正しく言うならば、データでできた骨格。

左上から来た大剣を右上に跳ね返し、突き出してくる右足に備える。

横なぎに振るわれる剣を叩き上げるのと同時に振り下ろされる剣を受け流す体勢をとり、その次に来る突きを未然に防ぐ。

 

 

システム外スキル≪見切り≫

 

 

相手の構えや姿勢、体重のかけ方などから次の動きを予測する。

ステータスでは絶対に勝てないのならばそれ以外で凌駕すればいい。

奴が痺れを切らすのが先か、俺が根を上げるのが先か

相手が一度剣を振れば俺はその先の攻撃まで見え、二度剣を振れば三手先まで予測できる。

俺が密かに練習していたこのスキル。

どこまでついてこれる!?

加速する世界の中で、だんだんと俺が優位に立っていく。

それに何か思ったのか、急に距離をとる。

そして両手剣を片手で持ち、後ろで水平に構える。

あの構えを、俺は知っている。

以前アルゴと両手剣の話をしていた時にアルゴが話していたものだ。

このゲームが始まる前に公式サイトで見たという両手剣ソードスキルの中でも最上位に位置する剣技。

 

 

両手剣六連撃ソードスキル≪カラミティ・ディザスター≫

 

 

奴が持っている両手剣に赤い光を灯し始める。

剣を構える黒い塊がどちらを見ているかなんて簡単に分かった。

 

「……離れろ」

 

「え?」

 

「離れろ!はやく!」

 

「は、はい!」

 

シリカが駆け出すのとソードスキルが起動し終わるのは同時だった。

俺と相手が同時に駆け出し、右下からの切り上げを体をひねりながら防ぐ。

続く左下からの切り上げは、剣をあげる前にこちらの剣で抑えながら跳びながら屈んで体の下に通す。

次いで来る右からの切り上げは無理な姿勢で受け止めたせいで後ろにノックバックが発生してしう。

が、脚は地面から離さずに素早くソードスキルを発動させる。

 

 

片手剣三連撃ソードスキル≪シャープネイル≫

 

 

システムアシストのおかげで後ろへは下がらずに済む。

俺の右からの斬り払いと相手の左からの横なぎがぶつかり合う。

しかし、どちらもスキルが途中で終了せず次の一撃へと入る

相手の突進しながらの突きは、俺の左からの斬り払いで横にそれる。

そして相手はシステムアシストで、俺は自力で後ろを向き、互いに最後の斬り下ろしをぶつけ合う。

相手は最上位スキルの渾身の一撃であり、さらに両手剣であることも含め、かなり重い一撃となる。

当然、そんな一撃とまともにやったら勝てるはずがない。

事実、俺の一撃は相手の一撃に押しつぶされてソードスキルが強制キャンセルされる。

だが、俺は押しつぶされた勢いを利用して剣を左脇へと回す。

 

 

片手剣重単発ソードスキル≪レイディアント・アーク≫

 

 

この技は発動と同時に少し前進するため、相手の懐に入ることができる。

≪カラミティ・ディザスター≫の最後の一撃を放っている≪ザ・ナイト・オブ・アバンダン・ソウル≫の両手剣が届かないほど肉薄し、渾身の力を込めてソードスキルを解き放つ。

 

「せやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

剣を振り下ろした体形と、剣を振り上げた体勢で世界が硬直し、腹部から胸部にかけて大きな赤いダメージエフェクトを刻んだ黒い体が青いポリゴンの欠片となった爆散した。

 

 

 






今回は連続投稿で結構ボリューミーだったと思いますがいかが出したでしょう?
楽しんでいただけたら幸いです!

それと≪ホリゾンタル≫と≪弦月≫のオリジナル設定も出ました!
……これってタグとか増やした方がいいのでしょうか?
そこらへんも教えてくれるとありがたいです!

何か指摘や質問等があったら気軽に言ってください。

誤字脱字などは見つけ次第報告してくれると助かります。

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