ソードアート・オンライン ~反則の剣士~   作:にょぞ

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どうもこんばんは
遅くなってしまい申し訳ありません。
たぶん、これからは目標にしていた2,3日投稿は無理そうです。
それでも一週間に1話は投稿したいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。

それでは14話です。

どうぞ


クエスト完了

 

 

 

 

 

 

切り上げた姿勢のまま固まっていると、不意に目の前にファンファーレの音と同時に『Congratulation!!』の文字が表示された。

次に、軽やかな効果音とともにクエストログが更新された。

それを見届けた俺は操り人形の糸が切れた様に地面に倒れ伏した。

 

「マ、マキさん!?」

 

シリカが心配そうに駆け寄ってくる。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

「あの…大丈夫ですか?」

 

上から覗き込みながら言う。

 

「……あぁ」

 

視界左上の自分のHPバーをみる。

それは赤く染まり、棒とは呼べないほど短くなっていた。

 

「はぁ………疲れたぁー」

 

「ふふ…お疲れ様です」

 

「きゅる!」

 

シリカのねぎらいの言葉とピナのヒールブレスで精神的にも身体的にも少し回復した。

 

「よっと」

 

立ち上がってポーチからポーションを取り出し口に入れる。

空になった瓶を捨て、剣を納めて伸びをする。

 

「うーん…ふぅ」

 

一息つく。

 

「マキさんってホントに強いんですね!」

 

「なに?どうしたの?急に」

 

「だってあんな戦い見せられたら誰だって興奮しますよ!…そりゃあ少し怖かったですけど…」

 

「……あっそ…」

 

「もしかして、攻略組ってみんなこんな感じなんですか?」

 

「いや…今のボスは攻略組がレイドを組んで挑んだっておかしくない強さだったよ…」

 

「それを一人で倒しちゃうなんて、すごいです!マキさん!」

 

「あぁ…」

 

「どうしたんですか?」

 

「このクエスト、いくらなんでも難しすぎる。情報が間違っていたとは考えにくいし……どういうことだ?」

 

「さぁ…どこかでモンスターが強化されたり…」

 

「だったらクエストログが更新されたり、プレイヤーに分かるようになってるはずだろ」

 

「なら……」

 

………ふむ…

 

「まぁ、考えていても仕方ないし…街に帰ろうぜ」

 

「はい!」

 

「きゅる!」

 

俺達は広場の出口へと足を進めた。

 

 

 

  *  *  *

 

 

 

「おぉ!…息子の魂を解放してくれたか…!」

 

それがクエストNPCの帰ってきた俺達に向けた第一声だった。

 

「はい!それはもう見事にかっこよく!」

 

「シリカ、そういうのは言わなくていいから」

 

「感謝するぞ……そうだ…わしの願いを叶えてくれた礼に武器を授けよう」

 

ほら、この老人無視したし…

 

「ついてきたまえ」

 

そういって老人は歩き出した。

着いた先はなんてことのない民家だった。

だか、壁にはいくつかの写真が貼ってある。

この老人の若いころだと思われる人物と小さな子供の立ち写真や、大きな剣を持った若い男と中年くらいの男性の写真など様々だ。

おそらくこれはこの老人とその息子だろう。

老人は棚の中をゴソゴソといじりながら話し始めた。

 

「実は息子はそれなりに名の通った剣士じゃった……それがある日悪魔に取りつかれてしまってのぅ……悪魔は息子の体を乗っ取りモンスターに変えてしまったのじゃ」

 

「……そうだったんですか…」

 

シリカさん?この話クエスト受けるときに聞きましたよね?

 

「息子がいなくなってからかれこれ三年……自らの手で息子を楽にしてやろうと思ったのじゃが…もうこんな体でな……せっかく剣を打ったのじゃが我が身可愛さにあまり街の外に出ることもできなかった……」

 

息子よりも自分を優先したってことか……

俺は子供はいないからよく分からないから何とも言えんが……

 

「じゃが、息子が解放されたということはこれももういらんな……」

 

そう言って取り出したのは一振ずつの片手用直剣と短剣だった。

 

「これはおぬしらにやろう…」

 

俺は片手用直剣を、シリカは短剣を受け取る。

柄を握り、少しだけ引き剥く。

手に吸い付くような感触と、薄い銀色の刀身が目に入る。

刀身を仕舞い、老人に向き直る。

 

「ありがとうございます」

 

「ありがとうございます!大切に使います!」

 

「きゅる!」

 

「おぉ…喜んでもらえて何よりじゃ…」

 

そして目の前に『Quest Clear』の文字が浮かぶ。

どうやらそれで話は終わりらしく、老人がしゃべる気配はない。

俺はドアを開けて振り返る。

 

「ふぉっふぉっふぉっ……元気でやれよ」

 

「ええ……そちらこそ」

 

そう言って家を出る。

 

「あ!まってくださいよー!」

 

シリカが会釈してから家を出て横に並ぶ。

歩きながらさっきもらった剣のプロパティを確認する。

剣の名前は≪マーキュリーソード≫

というか、性能高すぎだろ……

 

「シリカよかったな」

 

「え?何でですか?」

 

「この剣、最前線でもまだ手に入らないスペックだよ」

 

「え!?そうなんですか!?」

 

「うん、売ればかなりの金になるんじゃない?」

 

「そ、そんなことしませんよ!」

 

「ははは…そりゃそうだろう」

 

「むー…イジワル言わないでくださいよー」

 

「まぁまぁ」

 

俺は新しい剣をストレージに入れる。

そのまま転移門広場まで歩く。

今は皆、狩りに出かけていて俺達以外の人影はここにはいない。

 

「さて…シリカ」

 

立ち止まる。

 

「なんですか?」

 

「きゅる?」

 

「俺はそろそろ最前線に戻るよ」

 

シリカの表情が曇る。

 

「そう……ですか……」

 

「うん…だからここでお別れだ」

 

うつむいた後、無理に元気よく振る舞っているのがバレバレの声で言う。

 

「そうですよね!マキさんは攻略組ですもんね!すごいなー!あこがれちゃいます!」

 

「あぁ…」

 

「私もいつかマキさんみたいに強くなれますか!?」

 

「あぁ…」

 

「そうですか!よかったー。せそれじゃあ私これからも頑張りますから!」

 

「あぁ…」

 

「マキさんもお体には気を付けてくださいね!」

 

「あぁ…」

 

「ってSAOに風邪なんてありませんでしたね!」

 

「あぁ…」

 

俺はシリカの頭の上に手を乗せて撫でる。

 

「そうだな…」

 

「はい…」

 

空を見上げる。

 

「シリカ」

 

「はい…」

 

「俺さ…実はデスゲームが開始してからからこんなに楽しく人と話せたのって初めてなんだ」

 

「そうなんですか?」

 

「うん……俺は見ての通りソロプレイヤーでさ…あんまり人と関わらないんだ」

 

キリトは最近会ってないし、アスナは攻略のことしか話さないし、アルゴは仕事の関係だし、≪月夜の黒猫団≫は背徳感を感じてしまう。

 

「だからさ……その……ありがとう…」

 

「ふふ」

 

……笑われた

シリカにとっては面白い話だったのだろうか

シリカの方を見る。

 

「マキさん。別にもう二度と会えない訳じゃないんですから…そんなに悲観的にならなくてもいいんじゃないですか?」

 

……確かに

 

「まぁ…それでも寂しいと思うなら……フレンド登録しましょう!」

 

フレンド登録。

いままで六人しかいない俺のフレンドになってくれるというのか

 

「…いいのか?」

 

「もちろんですよ!パーティーを組んだ仲じゃないですか」

 

そう言ってほほ笑むシリカ。

そして俺の前にフレンド申請が来る。

 

「……そっか」

 

そういって撫でていたシリカの頭をわしづかみにする。

 

「わわわ!やめてくださいー!」

 

「はははは!」

 

手を放す。

するとむーと言いながらシリカがこちらを睨んでくる。

全然怖くない。

 

「それじゃぁ」

 

出ているウインドウの『YES』のボタンをタップする。

 

「よろしく頼むよ。シリカ」

 

「はい!」

 

シリカはとびっきりの笑顔でそう言った。

 

 

 

  *  *  *

 

 

 

最前線である28層の主街区へと戻り宿を取り、夕食も済ませてあとはもう寝るだけという状態になった時にメッセージが届いた。

差出人はケイタ。

内容は、どうやら新しくギルドメンバーが加入したらしく、なんでもその新メンバーがそんなにレベル差がないのに超強いらしい。

そしてそいつの名前は……キリト

 

 

 

翌日、俺はアルゴにクエスト報告とボスの異常な強さにについて議論し、結果として戦う相手によってステータスが変化し、それがアルゴリズムにも影響を及ぼすのでは、という推測を立てた。

それと、キリトと合えるように計らってもらい、今日の24時に転移門前で会えることになった。

そして約束の時間約束の場所。

転移門前で待っていると青い光とともにキリトが出てきた。

 

「よぉ」

 

「あぁ…どうしたんだ?マキからこんな風に呼びだれるのは初めてだな」

 

「……単刀直入に言う。お前、≪月夜の黒猫団≫に入ったんだってな。レベルを偽って」

 

「な!…それをどこで…?」

 

「昨日の夜にケイタからメッセージが届いたよ」

 

「知り合い…なのか?」

 

「あぁ…前にモンスターに襲われてるのを助けたことがあってな……」

 

「そうか…」

 

うつむくキリト。

きっと糾弾されると思っているのだろう。

いや、違うか…

キリトは≪月夜の黒猫団≫のみんなに自分のことをばらされるのを恐れているのだろう。

ちょうど俺がシリカと友達になれた様に、キリトもあのアットホームな感じに癒されているのだろ。

 

「はぁ…」

 

正直、今すぐばらしてもいいが少しばかり共感してしまう。

 

「キリト」

 

「……なんだ」

 

「実は俺も、あいつらに誘われてたんだ」

 

「≪月夜の黒猫団≫に入ることをか?」

 

「うん…でも俺はそれを断った……俺じゃあいつらを守れないから…」

 

「……」

 

「俺が加入して中途半端に強くして、結果死んでしまったなんてことにはしたくないから……だからあいつらには中層で届きもしない目標にむかってがんばっていて欲しかった」

 

……お前が入ってそれはできなくなったけどな

 

「だからさ……あいつらを育てるんならちゃんと守ってほしい……死なせないでほしい」

 

「あたりまえだ……!」

 

「そっか……なら安心だ…」

 

夜空を見上げる。

 

「それじゃぁ……よろしく頼むよ…」

 

「あぁ……」

 

「あいつらを死なせたら…許さないから…」

 

「…わかった」

 

そっか…

 

「それじゃぁ……俺はもう寝るよ…おやすみ」

 

「あぁ…おやすみ」

 

俺は宿へと向かう。

さて、明日からは新しい剣と共に、いままで遅れてた分を取り返さなくちゃな

 

 





誤字脱字があっら報告していただけると幸いです。

何か指摘や質問等があったら気軽に言ってください。

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