ソードアート・オンライン ~反則の剣士~   作:にょぞ

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みなさん、こんにちばんは!
12日、約二週間ぶりの投稿です!
投稿を待っていてくださった方(いないと思いますが……)、おそらくこれからもこれくらいのペースになると思います。
あれ……?こんな感じのは前回も書いた気が……

まぁいいでしょう!それでは20話です!

どうぞ!



聖夜の終わり

 

雪を踏み散らす音がする。風を斬る音がする。金属がぶつかり合う音がする。

ぶつかり合う剣戟はすでに十を超えている。

キリトは必要に俺の左手を狙ってくる。それも当然だろう。俺は《環魂の聖晶石》を握っているのだから。

横なぎに振るわれる剣を斬り上げる。がら空きになったキリトの胴体に左肩でタックルする。左足を軸に体を一回転させ、のけぞったキリトの頭に剣の柄を叩きつける。

キリトは雪の上を転がりながら距離をとる。俺は剣を構え直す。追撃はしない。余裕の態度でキリトを見る。

立ち上がってこちらを睨みつけるキリトは、俺の左手に注目したまま走り出す。

こちらも右足を踏み出し、剣を左脇に抱える。と同時に、《環魂の聖晶石》をキリトの顔面に軽く放り投げる。

それだけでキリトは構えを解き、足を止める。そんなキリトに《レイディアント・アーク》を放つ。

またもや吹き飛ばされるキリトを眺めつつ、硬直の解けた左手に《環魂の聖晶石》が落ちてくる。

雪を舞い上げながら左手を地につけ、必死の表情をしているキリトとは対照的に、剣で右肩を軽く叩きいかにも本気を出してませんという態度を見せつける。ついでに軽く鼻で笑う。

再び距離を詰めるキリト。同じ技は使えないので戦いが長引けば長引くほど俺は不利になっていく。同じ技でも見切られないなんて言うスキルがあったら欲しくなる。そもそもレベル差で言うと圧倒的に不利なのだ。全ての技を見切られ、力技で来られたら勝ち目なんてありはしない。

そんな訳で、そろそろ終わりに差せてもらおう。

振り下ろされる剣を横から力を加えて受け流す。すぐさま斬りあがってくる剣を一歩後ろに下がって躱す。そして、キリトが踏み込むより早く《環魂の聖晶石》を空高く投げ上げる。

キリトは一瞬だけそちらに視線を向けたが、すぐさま次の一撃を放ってくる。片手剣単発ソードスキル《バーチカル》。

対人戦において、決めの一撃以外のソードスキルは基本的に悪手である。隙のでかい連撃ソードスキルはもちろん、いくら隙が少ない単発ソードスキルと言えどもまったくないわけではない。故に、ソードスキルを使うときはそれで勝敗を決める時か、ソードスキル後の硬直時間(ディレイタイム)をどうにかできる時だけだ。尤も、これだけとは一概には言えないが。

つまり、このときキリトはこの一撃で決められると思ったのか、防がれても俺に隙ができると思ったかどちらかになると考えていいだろう。

実際、その選択は正しい。先ほども言ったが俺とキリトには大きなレベル差がある。もともと俺は敏捷寄りのステータスだ。防げる一撃の『重さ』には圧倒的な差がある。普通に受け流したとしてもそのあとの行動に移るまでの時間はキリトが硬直から復帰するのと同時と見ていいだろう。

そう、『普通』ならば。

青いライトエフェクトを纏った剣が頭上に迫りくる。それを、左手で腰の後ろから逆手に抜いた短剣の刃を横から思いっきり叩きつけながら体を右に一回転させて受け流す。左手には剣を受けた衝撃が抜けきっていないため、すぐに動かすのは難しいが、それは左手に話。俺は左手に短剣を握ったまま(・・・・・・・・・・・)右手の片手剣でソードスキルを起動させる。

 

片手剣上位十連撃ソードスキル≪ノヴァ・アセンション》

 

無理な姿勢でも、ソードスキルを発動させてしまえばシステムが体勢を整えてくれる。その代り、スキルの動きに体を合わせて威力や速度を上乗せするといったことは難しくなるが。しかし、それは相手がソードスキルのモーションを知らない場合、さほどの痛手にはならない。

このソードスキルは片手剣熟練度が1000、つまり完全習得(コンプリート)しなければ使えないソードスキルだ。おそらく現時点のアインクラッドでは俺しか使えるプレイヤーはいないだろう。もしかしたらキリトも使えるかもしれないが、ニコラス戦を見る限りキリトの最上位ソードスキルは六連撃。熟練度は950程度だろう。そしてこれが俺のレベルが低い理由の一つ。レベルよりも熟練度を優先したのだ。おかげでキリトの使えないソードスキルを使えるというアドバンテージも獲得できた。

しかしながら、これは俺が思っているだけだが、キリトもアインクラッド最強の一角。見たことのないソードスキルにも的確に対応してきている。

このソードスキルは六回剣を斬り返して回転切りを二回した後に剣を叩きつけて最後に突きを放つ技だ。キリトは一、二撃はくらうものの、他は危ういながらも何とかパリィしていた。しかし、不意の一撃、回転切りの最中に俺が放った短剣の投擲は防げず、それが隙となって最後の突きはもろにくらう。

ノックバックとスキル硬直によって二人の距離は離れる。そして次に動いたのは俺だった。剣を後ろに引き、左手を前に出す。すると刀身が血色のライトエフェクトに包まれる。片手剣重単発突進型ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》。

ジェットエンジンの様な音を響かせながら超高速でキリトとの距離を詰める。この技ならレベル差を考えても押し勝てる。しかし、これを防げないキリトではない。

突進技とは強力故に単調である。切先を少しずらされただけで軌道が大きく変わる。キリトは刃と刃を合わせて自分の横を通り過ぎるように誘導する。この距離、このタイミングでの硬直なら確実に大技(上位ソードスキル)を入れられる。

 

勝った。とキリトは確信した。次の瞬間、後頭部に衝撃が走り、キリトは気を失った。

 

 

  *  *  *

 

 

「はぁ……」

 

ため息を吐く。と同時に足元に《環魂の聖晶石》が降ってくる。

目の前には気絶しているキリトがいる。近くにしゃがんで右手を掴む。そのままキリトのシステムウインドウを開き、可視化する。別にやましいことをする訳ではない。もともとこのカーソルだってアルゴに頼んでオレンジにさせてもらったもので、俺は犯罪者じゃない。

キリトの手を操作すること数十秒。目的のフレンド登録を済ませる。

立ち上がって投擲した短剣を回収したらワープポイントに足を踏み入れた。

視界が開けてまず見えたのが疲労困憊のクラインの姿だった。

 

「あれ?クライン…こんなところで何してんの?」

 

きわめて明るい声で尋ねる。

風林火山のメンバーもいるようだがクライン達もクリスマス限定クエストを受けに来たのだろうか。

クラインは訝しげにこちらを見るながら問い返してきた。

 

「何でおめぇさんがここに……いや、そんなことよりキリトはどうなった!?」

 

お疲れの状態でよくもまぁ……

どうやらキリトと何かあったらしい。俺には関係ないけど。

俺は後ろを指しながら言った。

 

「キリトなら先にいる。大丈夫、ちゃんと生きてるよ。今はちょっと眠ってるけど」

 

クラインはほっとしたような顔になるがすぐさま表情を引き締めてまたも問うてきた。

 

「蘇生アイテムは……?」

 

ふむ。これは答えていいものなのだろうか?

 

「あー……」

 

頭を掻きながらしばし考える。言わない方がいいかもな。

俺は風林火山のメンバーの間を歩きながらクラインに背中を向けて言った。

 

「悪い。それはキリトに聞いてくれ」

 

クラインは「そうか…」とだけ言い、それからは俺が雪を踏む音だけが響いていた。

転移結晶を取り出して割ろうとする直前、付け足すようにクラインに言った。

 

「勝手なお願いなんだけど、先にはいかないでくれ。キリトと話したいなら、ここで待っててくれないか?」

 

キリトも《環魂の聖晶石》詳細を知ったら何をするか分からないし、そんな姿はクラインには見せられないだろう。

クラインは何も言わずに了承してくれた。まったく、キリトもいい友達を持ったものだ。俺もそんな友達欲しいなぁ

今度こそ転移結晶を砕いて街に戻る。鉄の城の空には雪が降っていている。何て言ったってクリスマスだ。おそらく、雪は一日中振り続けるだろう。

 

デスゲームが始まって一年が過ぎた。皆、この世界に慣れ始めているだろう。現実世界のことを思い出さなくなる日も、そう遠くはない。

空を見上げる。月は見えなかった。

とりあえず、次のボス攻略までには安全マージンくらいはとっておかなきゃな





補足です。

この後マキ君はキリトにフレンドメッセージでサチから預かった録音結晶を渡します。その後、即フレンド解除。


実はこの話を書いている時に何でかは分かりませんがPCがシャットダウンしタンですよ!
しかも今回は最初っから最後まで一気に書いたので途中で保存していなかったのです!
幸いなことに、電源が落ちたのは後書き(↑これ)を書いている時だったのでセッションの再開で消えずに済んだのですが、心臓止まるかと思いましたよ。
前もこんなことがあったので、途中途中で保存しようと心掛けてはいるんですが書いているとどうしても忘れてしまうんですよ……
皆さんも小説などを書くときはこまめに保存しましょう!


誤字脱字があったら報告していただけると幸いです。

質問等があったら気軽に言ってください。

感想、待ってます!

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