ソードアート・オンライン ~反則の剣士~   作:にょぞ

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みなさんこんにちは。

さて、いきなりですがプログレッシブ4巻の話をしたいと思います。
読んでいて一番驚いたのが、アルゴが水の上を走ったことですね。
じつはこのシステム外スキルは自分もやろうと思っていたんですよ。
川原先生に先を越された!みたいな感じになりましたが、今後マキも水の上を走ると思います。
パクリじゃないんですからね!

それでは24話です。どうぞ


真相解明

 

 

 

 コンコン、と扉をノックする。

 

「マキです。開けてもらえますか?」

 

ノックしてから30秒は声が部屋の中まで届くため、中にいる人には聞こえているはずだ。

 数秒の後、目の前の扉は開けられ、中にいた人物―――ヨルコさんが顔を見せえる。

 

「どうぞ、上がってください」

 

中に入り、勧められた通りに椅子に腰かける。ヨルコさんに昼間の様な怖がっている様子は見られない。

 

「すいません。夜遅くに」

 

「いえ、私もマキさんとはお話ししなくてはと思っていましたから…」

 

 どうやら話してくれるらしい。なぜカインズさんの本当のつづりを教えなかったのか。いや、それだけではない。ヨルコさんの目を見ればわかる。おそらくヨルコさんの知っていることすべてを話してくれるだろう。

 ヨルコさんは小さなテーブルをはさんで向かい側の椅子に腰かけ、静かに語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《黄金林檎》についての昔話は特にこれと言った感想は思い浮かばなかった。そんなことがあったのか、と言うくらいだ。尤も、あの日俺がグリセルダさんを救えていたらギルドが解散することはなかっただろう。そのことに関しては、多少悔やむ気持ちはある。

 何よりも驚いたのが、圏内事件の手口だ。厚く着込んだ防具の消滅と転移結晶の組み合わせとは、恐れいった。

 そして、今回の事件を起こそうと思った動機、グリセルダさんを殺した犯人を見つけるためだと言っていたが、これについては人それぞれなのでノーコメントで。

と、言いたいところだが、生憎今回の件はレッドプレイヤー、《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》が関わってくるかもしれない。

 俺がこの人たちに報告してのはグリセルダさんが殺されたということだけ。そこにラフコフが関わていたと言ったら本当にヨルコさんを怖がらせてしまうかもしれない。出来ればそれは避けたい。

 

「あの……マキさんは知っているんですか?リーダーが誰に殺されたか…」

 

 そう思った矢先にこの質問だ。かといって、この人相手に嘘を吐く訳にもいかず、

 

「えぇ……まぁ……」

 

話したくない。そんな気持ちがはっきりと顔に出ていることだろう。

 

「本当ですか!?誰ですか!?教えてください!」

 

ヨルコさんが身を乗り出して聞いてくる。さて、どう答えたものか。教えてもいいが、ラフコフの名を出すべきか否か。

 

「えっと……《黄金林檎》のメンバーじゃ、ありませんでした」

 

「それは一体……どう言う……」

 

「おそらく……メンバーの誰かが………他のレッドプレイヤーに依頼したんだと思います」

 

結局、ラフコフの名前は伏せて説明することにした。それでもヨルコさんの驚きは大きかったようで、恐怖も感じているようだ。

 

「それじゃあ……今回のことでそのレッドプレイヤーが出てくることも……」

 

 ラフコフにとっては過去の犯行を暴かれたところで何の痛手にもならないが、依頼をしたメンバーにとっては面白くないどころかかなり不愉快なことだろう。そのほかにも、これを機に事情を知っている全員を口封じ、なんてことも考えるかもしれない。

だが、

 

「まぁ、その辺は大丈夫だと思いますよ」

 

ヨルコさんは不思議そうにこちらを見つめる。俺はそれに対して自信をもって答える。

 

「キリトとアスナがいますから」

 

するとヨルコさんは面くらった様子を見せた後、少し苦笑しながら言う。

 

「ずいぶんと信頼しているんですね。あの二人のこと」

 

「何だかんだ言って1層のころからの知り合いですからね。あの二人がいれば大抵のことは解決してくれますよ」

 

レッドプレイヤーなんて怖くない、と言い切る。尤も、任せるつもりは毛頭ないが。

 

 

 

  *  *  *

 

 

 

 カランコロンと音を鳴らしながらドアを開く。

俺は48層《リンダース》にあるアスナの知り合いの鍛冶屋の元を訪ねていた。

 

「こんにちはー……」

 

時刻は9時53分。普通ならすでに店は閉まっているような時間帯だが、アスナのおかげでまだ開いていた。

 

「もうそんな時間じゃないけどね」

 

店の奥――カウンターに腰かけて頬杖ついているピンクの頭をしている女性プレイヤーから、ずいぶんとぶっきらぼうな返事が返ってきた。

客に対してそんな態度で大丈夫なのかと思ったが、こんな時間に尋ねている俺の方が悪いので黙っておく。

 

「……とりあえず中に入りなさいよ」

 

扉の前で固まっていた俺は、その言葉に従い店の中に入る。きょろきょろと周りを見渡すといくつもの武器が棚に並べられていた。しかもなかなか性能もいいようだ。

 向き直った俺に、店主は咳払いを二回ほどして、

 

「リズベット武具店へようこそ!店主のリズベットです!」

 

接客用の満面の笑みでそう言った。

 

「えっと……マキです」

 

この態度の変わりようは何なんだろう。やるなら最初からやって欲しかった。

 

「あの……アスナのアスナの紹介で来たんだけど……」

 

すると店主――リズベットはこれみよがしにため息を吐く。

 

「話は聞いてるわ。何か今日中じゃなきゃダメだって」

 

まったくもってその通りなのだが……了承してくれるだろうか。

 あれこれ悩んでいる内にリズベットが目で「早く言いなさいよ」と言ってきた――様な気がしたので、意を決して口を開く。

 

「無茶を承知で聞くけど……武器のレンタルをして欲しいんだ。大量に」

 

それを聞いたリズベットの反応はと言うと、

 

「……は?」

 

もちろんその反応は予想していた。当然だ。あちらからしたら、俺が貸し出した武器を根こそぎ奪われるかもしれないのだ。もしろそっちの方が可能性が高い。

俺はリズベットが怒り出す前に慌てて補足する。

 

「もちろん借りた武器のメンテ代は全額払う。それと、今俺のストレージにある武器と回復アイテム以外の全てをここにおいて行く………どう?」

 

リズベットはじっとこちらを見る。疑いの眼差しなのは明らかだ。それでも俺は真剣な表情を崩さずに見つめ返す。

流れること数秒。沈黙を破ってリズベットは言った。

 

「あたしの武器を…何に使うつもり……?」

 

もちろんその質問も予想していた。だが、それに対するいい答えが思い浮かばなかった。正確には言いたくない言葉しか思いつかなかった。

 

「あー…えっと…」

 

思わず口を濁す。それによってリズベットの疑いの念が一割増しになった――気がした。

このままという訳にはいかない。と言うことで俺は考えておいたセリフを言うことにした。

 

「……その……アスナを守るため……じゃダメかな?」

 

リズベットは、まずさっきと同じようにぽかんとした顔になった。その次に、ははーんとか言いながらにやにやとし出した。

 

「違うから。そういうのじゃないから」

 

俺は片手を上げて制した。しかし、そんなことじゃリズベットは止まらなかった。

 

「ふーん。まぁアスナは美人だからねぇ。そういう感情を抱くのは無理もないけど……」

 

だから違うといっとろーが。

 

「あのね、俺はあくまでも攻略組として貴重な戦力が失われることを避けるためにだな…」

 

「分かったわよ。そういうことにしといて上げましょう」

 

コイツ……殴りたい。

一度深呼吸をして心を落ち着かせる。今は俺の気持ちよりも――

 

「それで?貸してくれるの?」

 

リズベットは腕を組んでうーんと唸った。

 

「別にあんたのことを疑ってるわけじゃないんだけど……やっぱり店主としては気が引けるわね…」

 

「そこを何とか!」

 

両手を合わせてお願いする。ここで折れるわけにはいかない。

 

「うーん……とりあえず所持金額とどんなアイテム持ってるか見せて」

 

 結果的には片手剣、短剣、両手剣を合計27本、それに加えて、とあるアイテムを貸してもらった。もちろんコルやらアイテムやらは置いていき、空いたストレージに武器を仕舞った。それに加え、俺は晴れてリズベット武具店の固定客となった。と言うかされた。アスナの近状報告をしろとのことだ。別にそれは構わないが、俺の誤解は早めに解いておきたい。

 

 

  *  *  *

 

 

 現在時刻、午前4時。俺たちは今、第19層のある小さな枯れ木に囲まれた小さな丘に来ていた。何を隠そう、こここそがグリセルダさんの墓がある場所だ。

 

「ふぅ……結構疲れたな。もうこんなことにつき合わせるんじゃねぇぞ」

 

「わっかたよ」

 

手に持っているスコップアイテムを地面に突き刺し、両手を組んで上に伸ばし伸びをする。エギルも同様に腰を叩いている。

 俺達―――リズベット武具店を出た後にエギルの店に行き、持つ物持たせて連れてきた。加えて余っている武器も借りた―――は夜通し重労働をしていたのだ。

いくら仮想世界と言っても精神的疲労はたまっていく。

 

「それじゃ、帰るかー」

 

スコップアイテムをエギルに投げ渡し、主街区《ラーベルグ》に向かって歩き出す。

 

「おい、お礼に何かおごれよ」

 

エギルが横を歩きながら言ってくる。しかし、

 

「ざーんねーん。俺今一文無しなんだよね」

 

「はぁ!?そりゃまた何で?」

 

「いろいろとあってねー」

 

と言うか眠い。限りなく眠い。瞼を持ち上げるのもつらくなってきた。

 転移門前に着くとすぐに《マーテン》と唱えた。エギルが何か言っていたようだが俺には聞こえなかった。そのあとはすぐに宿屋に戻って眠りについた。明日のことは明日考えよう。

 

 





今回の話は、すごく短くなる予定でした。早めに仕上げて前回の話とドッキングしようかなと考えていたんですが、書いている内に一話分の文字数になってしまいました。
それと、場面が二回変わっているので内容が薄いと思いますが、どうか目をつむってください。お願いします。

出来れば年内にもう一話投稿できればと思っています。が、期待しないで待っていてください。
待っている人がいるは不明ですが……

それでは、誤字脱字があったら報告していただけると幸いです。

質問等があったら気軽に言ってください。

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