報告なのですが、UA1500突破しました。
これが多いのか少ないのかわかりませんが、切がいいので報告させていただきます。
読んでかださった方、お気に入り登録してくださった方、本当にありがとうございます!
それでは9話です。
どうぞ
アインクラッド第アインクラッド第9層はアンデッド系のモンスターが多く出てくる層だ。
層全体が紫がかっていて、なんかこう…やる気を削がれるような場所だ。
俺は今≪邪悪な灯≫を求めて≪ダーク・ゾンビ≫を狩っている。
このあたりのモンスターなら一撃で倒せるのだが、≪ダーク・ゾンビ≫の吐き出す腐敗液はマヒ効果がついている上に、防いだら武器や防具の耐久値を大幅に削る。
レベル差のおかげで簡単にマヒ状態になることはないだろうが、一日中狩るとなると話は別だ。
いくら低確率だと言っても何回もくらっていくと発現してしまうかもしれない。
というか、その前に服の耐久値が尽きるだろう。
さすがにこんなところで服の耐久値をゼロにする訳にいはいかない。
耐久値減少のせいで、剣で防ぐ、あるいは斬るといったこともできない。
ちなみに口から出てくるものはブレスなどではなければ剣で切り裂くことも可能だ。
もっとも、今後はブレスを切り裂くスキルなんかも発見されるかもしれない。
「せやぁ!」
≪ダーク・ゾンビ≫を二体まとめてポリゴン片にする。
ドロップアイテムは……なし
ちらりと現在時刻を確認する。
17時26分
10時から初めて1時間休憩を挟んだからかれこれ6時間半戦い続けていることになる。
………でえねぇ
おかしいだろ。
今日だけで合計500体は狩ったぞ…
ホントに確率2%なのかよ…
50体狩れば1個出るんじゃないのかよ
俺の場合ソードスキルの一撃か強攻撃をヒットさせれば一撃で倒せるため、こんな数字になってしまった。
ちなみに≪ダーク・ゾンビ≫は倒せば倒すほどリポップ率が上がるというレベリングにはちょうどいいモンスターだ。
もっとも、俺はとっくにこの層の適正レベルを過ぎているから関係ないが。
というか、こんだけ乱獲しちゃったら湧きすぎて他のプレイヤーに迷惑になるな…
狩りに集中してて気づかなかったが結構なマナー違反行為だよな……
よし、今日はもう帰ろう
そう決め、主街区へ向かっていると、多くの≪ダーク・ゾンビ≫をトレインしているパーティーを見つけた。
……あぁ…あれ俺のせいだ………
まぁそうなると助けない訳にはいかないよな…
俺が原因でパーティー全滅しましたってなったら笑えないし……
そうと決まればさっそく行動開始。
と思ったが、トレインしているパーティーの走っている方向に別のパーティーがいることに気づいた。
………………やばくね?
どう頑張ってもモンスターよりもあのパーティーの元にたどり着くことはできない。
ということは乱戦になるってことか……
俺はすぐさま走り出した。
この戦いの最低目標は死人を出さないことだな
* * *
俺がたどり着いたとき戦闘はすでに始まっていた。
トレインしていたパーティーは前に別パーティーがいることが分かると足を止め、その間にモンスターに囲まれてしまった。
もともとそこにいたパーティーは大量のモンスターに対処できず、同じく囲まれてしまった。
「おい!俺たちを殺す気か!」
「ち…違う!そんなつもりじゃ…」
「お前らがトレインしたんだ!お前らが退路を開けよ!」
二つのパーティーはそれぞれ言い争っている。
当たり前だろう。
いきなりこんなことになったんだ。言い争うのは当然と言える。
でもそのままじゃ、お前ら全員死ぬぞ
まぁ、そんなことはさせないけど
俺は走りながらソードスキルを起動させる。
片手剣単発突進型ソードスキル≪レイジスパイク≫
初期から使える突進型のソードスキルで、俺はこのゲームが始まった時から愛用している。
もっとも、よく使うのは≪レイジスパイク≫なのではなく、突進型全般だが
俺は無理やりパーティーの間に入り、叫ぶ。
「それぞれ固まって対処しろ!背中を合わせて攻撃を防いでろ!」
「あ……あんたは……?」
「いいから早くしろ!」
そう言っている間にモンスターたちは襲い掛かってくる。
大勢のモンスターを同時に裁くのは俺でも無理だ。
何とか誰かと固まろうとした結果、ほとんどのプレイヤーは2,3人組を作ることに成功した。
ただ、一人のプレイヤーだけは誰とも組めずにモンスターに埋もれていった。
俺は≪ホリゾンタル≫で敵を一掃し、そのプレイヤーの元へと駆け寄る。
「大丈夫?」
「はい……何とか…」
そのプレイヤーは珍しいことに女性プレイヤーだった。
しかも、俺よりも年下だろう。
低い身長にツインテイルが特徴的だ。
近くに青い竜がいることから察するに≪ビーストテイマー≫だと思われる。
俺はその少女に背中をくっつけて剣を構える。
「君、名前は?」
「えっと…シリカって言います」
「そっか、俺はマキ。よろしくシリカ。突然で悪いけどシリカはこの数相手にどのくらいノーダメージでいられる?」
「たぶん……5秒くらいだと思います…」
うん。いい子。
緊急事態だからだろうが、自分の力を過信することなく素直に自分の実力を相手に話せる。
将来悪い奴に騙されないか心配だ。
「わかった……お前ら!敵は全部俺が倒す!自分が死なないことだけを考えろ!防具の耐久値なんか気にしてんじゃねぇぞ!」
素早く息を吸い、吐く。
「あんまり俺から離れないでよ」
そう言うと同時に≪ダーク・ゾンビ≫たちが動き出した。
目の前の奴はそのまま襲い掛かってくる。
それを横に一閃することでポリゴン片へと変える。
敵の数はおよそ30。
そのまま走り出し、盾を構えている男に攻撃をしようとしている≪ダーク・ゾンビ≫に剣を突き立てる。
――――――――――集中しろ
振り向きながら剣を逆手に持ち替え、シリカに腕を振り上げている≪ダーク・ゾンビ≫に投擲する。
――――――――もっと集中しろ
飛び込むようにして剣が地面に落ちる前に掴み、そのまま≪ソニック・リープ≫を発動させて体制を整える。
――――――敵の動きを把握しろ
腐敗液吐き出してきた≪ダーク・ゾンビ≫を腐敗液ともども切り裂く。
――――プレイヤーの行動を把握し
大剣で身をまもっている男に跳びかかろうとしている≪ダーク・ゾンビ≫を剣で地面に叩きつける。
――この戦いを掌握しろ!
手首を返し、横からの腐敗液を切り裂き後ろにいる≪ダーク・ゾンビ≫を叩っ斬る。
加速する思考の中で三方向から攻撃を受けようとしているシリカを見た。
俺はシリカの襟首を引っ張りながらソードスキルを発動させる。
片手剣四連撃ソードスキル≪ホリゾンタル・スクエア≫
水平に四角形を描くようにして周りにいた奴を含め、計5体の≪ダーク・ゾンビ≫を倒す。
シリカの襟首をつかんでいた左手をはなし、倒れるシリカの右手から短剣を掴み取る。
腐敗液を出そうとしている≪ダーク・ゾンビ≫の口に右手の片手剣を突き刺しておき、その奥にいる≪ダーク・ゾンビ≫に短剣を投擲する。
≪ダーク・ゾンビ≫の頭に刺さった短剣を引き抜くとすぐさま、立ち上がろうとしているシリカの横にいる≪ダーク・ゾンビ≫に投げつける。
口に刺さっている片手剣を抜くと同時にソードスキルを発動させる。
片手剣単発突進型ソードスキル≪レイジスパイク≫
一気に3体の≪ダーク・ゾンビ≫をポリゴン片に変えながら、固まっているプレイヤーの近くにたどり着く。
降りかかってくる腐敗液を切り上げで防ぐと同時にソードスキルを使う。
体術単発突きソードスキル≪閃打≫
振り向きざまに剣を振るうことでもう一体を斬る。
シリカの方を見ると、横から腐敗液がかかろうとしていた。
しかもシリカはちょうどソードスキル発動中で自由に動けない。
俺はシリカに駆け寄り足を払い、降りかかる腐敗液は剣を逆手に構えて防ぐ。
シリカはソードスキルの途中キャンセルのより長いディレイを科せられる。
すぐさま剣を持ち直してソードスキルを発動させる。
片手剣三連撃ソードスキル≪シャープネイル≫
一振りで一体ずつ倒し、計三体の≪ダーク・ゾンビ≫を葬る。
後ろから襲い掛かってきた≪ダーク・ゾンビ≫にシリカが短剣を突き刺し、俺が首を切断する。
目の前にあるシリカの頭を鷲掴みにして前に出すことで、横からのびてきた≪ダーク・ゾンビ≫の腕を回避させ、振り抜いた片手剣の柄で目を潰し蹴りを入れる。
前から腐敗液を掛けようとしている≪ダーク・ゾンビ≫にシリカ越しにソードスキルを発動させる。
片手剣二連撃ソードスキル≪バーチカル・アーク≫
シリカのすぐ右側を通過した俺の剣は地面すれすれで跳ね返り跳びかかっている二体の≪ダーク・ゾンビ≫の内一体に直撃する。
そしてソードスキルが終了する前に左拳を握る。
体術単発突きソードスキル≪閃打≫
この二つはソードスキルの終わりと始まりが似ているのでディレイなしでつなげることができる。
俺の左拳はシリカの脇を通り≪ダーク・ゾンビ≫の腹に当たる。
それでも後ろにいた4対の≪ダーク・ゾンビ≫の内1体が腐敗液を吐き出し、3体が跳びかかってくる。
ディレイが終わると同時に振り上げた剣を右肩に担ぎ、剣にライトエフェクトを纏わせる。
片手剣四連撃ソードスキル≪バーチカル・スクエア≫
垂直に四角形を描くようにして、腐敗液と3体の≪ダーク・ゾンビ≫をポリゴンの欠片にする。
残りは、あと1体。
最後の1体は腐敗液をまき散らしながら襲い掛かってきた。
俺はシリカを守るように剣を立て、腐敗液を防いでから攻撃しようと……
……したのだが、腐敗液を防いだら俺の剣が砕け散った。
「…………は?」
……やば
このままだと攻撃をくらうのはシリカだ。
この体勢からシリカを傷つけずにするには………!
俺は右足を前に蹴りだし、ソードスキルを発動させる。
体術後方宙返り蹴りソードスキル≪弦月≫
そしてすぐさまシリカの脇の下にある左腕でシリカを抱きかかえる。
もちろんこの行動はシステムにイレギュラー判定されてソードスキルは途中キャンセルになり長いディレイが科せられる。
しかし、この技は文字通り宙返りしながら縦蹴りをするというものだ。
宙返りするのだからその勢いは簡単には殺せない。
シリカを抱きかかえたまま俺の足が≪ダーク・ゾンビ≫の下あごをとらえる。
どうやらクリティカル判定が出たらしく、それだけで最後の≪ダーク・ゾンビ≫はポリゴンの欠片となる。
そして背中から地面に倒れる。
「ぐふ!」
そのまましばらくは動かなかった。
脱力感がハンパない。
頭がショートしたみたいだ。
トレインしてきたパーティーはメンバー全員で喜びあってる。
自分たちが生きていることがうれしいのだろう。
そして、シリカの使い魔であろう青い竜が俺たちにブレスを掛けてくる。
見るとHPが回復していく。
どうやら回復系のブレスらしい。
次に動いたのはシリカだ。
「うわああああ!!ご、ごめんなさい!!」
そう言って俺の上から立ち上がる。
「いや……俺の方こそ…ゴメン」
起き上がりながら言う。
「な…なんでマキさんが謝るんですか?」
「その…乱暴に扱っちゃったし…」
「い、いえ!あれが最善だったと思いますし……その……気にしてませんから……」
何を?と、危うく聞きそうになった。
シリカはおそらく最後のあれを言っているのだろう。
その…何て言うか……俺が抱きしめっちゃったことを…
いや!あれは抱きしめたんじゃなくて抱きかかえたんだよ!ここ重要!
だから手を胸の前でパタパタして『私気にしてませんよ』アピールやめてもらえませんかね……
「お前らのせいで死にかけたんだ!」
声が聞こえた。
どうやらもともとここにいたパーティーがモンスターをトレインしてきたパーティーに言っているらしい。
言葉はだんだんとエスカレートして行き、罵倒へと変わっていく。
「はいはいそこまで」
間に割って入る。
「な……なんだよ!」
「別に死んだわけじゃないんだからいいだろ」
「そ……そういう問題じゃねぇ!」
「そうだ!俺達は殺されかけたんだ!なにか謝罪があってもいいだろ!」
「じゃあ俺もお前らを助けたんだから何か要求してもいいのか?」
「そ……それは……」
「なにをさせる気だ……」
はぁ……まったくこいつらは…
「街に帰れ。今日のことはもう忘れろ」
「そんなことできるわけないだろ!」
うぜぇ…
「文句のあるやつは剣を抜けばいい。ここはそういう世界だろ」
俺が一睨みすると全員が黙り込んだ。
まったく…威勢だけかよ
「…けっ!行こうぜみんな!」
被害パーティーのリーダーと思われる男が言うとメンバー全員が続いた。
「あぁ…もう帰ろうぜ」
「まったく、なんて日だよ」
「ほら、帰ろうシリカちゃん」
「えっと…その……」
シリカがちらちらとこちらを見てくる。
俺は気にせずに加害パーティーの方に向き直る。
「あ…あの」
「お前らも帰れ」
「え…」
リーダー格の男に言って街に戻る。
はぁ……
自然とため息が出てくる。
武器…なくなっちゃったなぁ…どうしよう
とりあえずはサブの武器を使うとして…
それでクエストクリアできれば問題ないよな
とりあえず今日は宿を探すことにした。
読んでいて思ったのですが、地の分は一文一文改行しない方が読みやすいですかね?
誰か教えてください!
指摘、質問、何でもいいので気軽に言ってください!
感想、待ってます!