「あー。。日本の新幹線はええなー。」
窓の外を見ながら現実を遠い彼方へと追いやり過ぎ去っていく景色を眺めつつ、煙草に火をつける。
自由席が座れなかった為に喫煙室で荷物を椅子代わりにし、はぁとため息と一緒に煙草の煙をはきながら祐紀は新幹線に乗っていた。
あの後、母親からの連絡により近くの○タバで大学生よろしくリンゴ製のノートPCを広げ今晩の宿を探していた祐紀であったが母親がすでに手を回したのか母親の兄から電話があった。
「今日でもいいからうちに来なさい。」
無口といえる叔父からの電話におっかなびっくりでながら開口一番に伝えたかと思うとすぐに電話は切られた。
意味がわからない。これが血か。
とわけがわからない納得をし、現在新幹線で東京にむかっている。
この母親にこの叔父あり。本当に自分と血が繋がっているのだろうかと思ったが自分の行動を思い返してみるとアメリカ行きもほぼ勢いに任せての感じだったのでやはり血かと納得してしまった祐紀であった。
「穂乃果も雪穂も元気やろか。」
煙草から出る煙を眺めながら従姉妹の姉妹を思い出す。
姉の穂乃果はアホ。かたや妹の雪穂は穂乃果に比べたら賢い子。そんな失礼なことを考えては苦笑する。
こんな形とはいえ親戚と会うことが楽しみでこの先の不安等は微塵もなかった。そういう意味でもやはり楽天家という血の繋がりもあるのことがうかがえる。
「しっかし、何年ぶりかな。叔父さんも叔母さんも元気かなぁ。」
久々にあの和菓子を食べたいなーと思い、煙草の火を消す。ちょうど新幹線が目的の駅についたようだ。
「さーて、荷物多いしタクって行きますか」
ブルジョワ全開であった。
「祐紀が来るぞ」
唐突、青天の霹靂。いろんな言い方はあるだろうがこの父親は何を言っているのだろうかと思ってしまった雪穂は数瞬の間、思考を放棄した。
「祐紀さんが?」
和菓子を作っている父親は黙って頷いた。
「え、というか日本に帰ってきたの?」
頷く父親。
「へー、祐紀さんが、、祐紀さんが!!なんでうちに!?急!急すぎない!?」
来るのが祐紀というのを理解し手に持っていた勉強道具を落としてしまったがそれどころではない様子の雪穂。
バタバタと父親に詰め寄り確認するが父親はどこ吹く風、あいも変わらずに淡々と和菓子作っている。
「えー!!今日来るの!?なんでもっと早く言わないの!?」
一瞬、苦笑した顔を雪穂に向けると雪穂はなにか悟った。
「あー、、まさか、、、叔母さんのアレ?」
また、和菓子に顔を戻し和菓子作りに戻りながら父親は頷く。
「お姉ちゃんには、、まだ言わないほうがいっか。そっちにが面白そうだし」
血は争えない。
性格がわからない。
#言い訳