異次元からの贈り物   作:橘花

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マレー進撃作戦。シンガポール攻略  前編

真珠湾攻撃の第2次攻撃隊が出撃し終わった頃、マレー半島に龍譲丸以下の日本輸送船団が接近していた。これに、海軍の重巡「鳥海」を旗艦とする艦隊が護衛し、別働隊として史実の反撃を受けた上陸地点であるコタバルを艦砲射撃する戦艦「伊勢」を旗艦とする艦隊が先行していた。

 

「司令、『日の出は山形』。大本営からの電文です。」

 

マレー作戦の司令官は史実と同様に山下奉文中将である。

 

「日の出は山形か。閣僚等を集めろ。」

 

「了解しました。」

 

集められた各部隊の指揮官と参謀はそれぞれの椅子に座って山下中将の言葉を聞いていた。

 

「諸君、もうじき上陸の時間が来る。そこで、諸君等も知っての通りにシンガポールは難攻不落の大要塞として知られている。その為、海からではなく陸から攻めることが決まった。もちろん、海軍の支援を受けることにもなる。だが、問題は3つある。1つは敵の兵力はおよそ8万人、対して我々はおよそ3万だ。2つ目は、進撃途上に250以上の橋があり、破壊されるとそれだけ進撃が遅れる。3つ目は3月10日の陸軍記念日までに陥落させねばならない。普通の攻め方では9ヶ月くらいは必要だろう。だから、本作戦では突進、突進、更に突進。とにかく突進をしてマレー半島を南下する。戦車は振り返らずにただ突進させる。それしか手は無い!!。」

 

それを聞いた瞬間、閣僚等の目つきは変わった。全員が作戦に合意したことを示している。

 

 

 

マレー半島に接近し、各上陸に地点に輸送船団は近づいていった。既にコタバルでは戦艦部隊が砲撃を始めており、陸上砲弾やトーチカ破壊が殆ど完了していた。あのドックで「伊勢」「日向」「山城」「扶桑」は長門型とほぼ同性能に改装されており、準長門型と呼ばれている。

 

 

「上陸始め!!。」

 

輸送艦の艦内マイクを聞き、陸軍上陸部隊は上陸用短艇に乗艦を始める。そして、コタバルは多少の抵抗勢力を排除して上陸、あとの2ヶ所も無事上陸に成功し、真っ直ぐシンガポールを目指して進撃を始めた。

 

 

-シンガポール イギリス極東軍司令部-

 

「失礼ですが閣下、既に戦争が始まっております。戦争は会議や文書では勝てません。日本軍は既に上陸し、真っ直ぐ此方に向かってきていると連絡を受けております。それに対し、我が方は戦力が分散しており、早急に戦力を集結させるべきです。」

 

オーストラリア第8師団長はイギリス軍司令官のパーシバル中将に進言した。

 

「しかも、我が方の東洋艦隊であるプリンス・オブ・ウェールズとレパルスは出港したけど湾の出口で潜水艦の雷撃を受け、大破してドック入りです。彼等は周到な準備を持って進撃しています。早急なる作戦立案をお願いします。」

 

「師団長。君は、少し日本軍の事を過大評価しすぎではないのかね?確かに彼等は上陸をし、此方に向かっておる。それに東洋艦隊が大破したのも事実だ。しかし、これは偶然であり、もう二度とこのような事は起きないと思うがね。」

 

パーシバルは少し見下したような表情で師団長の進言を無視する。

 

「それに彼等が向かっている先には我が方の誇るジットラ陣地がある。堅固なジットラ陣地はおそらく3ヶ月は持ちこたえられるだろうし、それだけあればシンガポールには我々の増援部隊で溢れておるよ。」

 

 

-シンガポール  東洋艦隊ドック-

 

「日本軍め。湾の出口で待ち伏せとは姑息なマネを。」

 

プリンス・オブ・ウェールズの艦魂ウェールズは舌打ちしながら言う。そこへレパルスの艦魂レパルスが瞬間移動してきた。

 

「そっちも酷く遣られたみたいだね。」

 

「レパルス、私を笑いに来たの?。」

 

「笑いになんて酷いな。私も被雷したんだから。」

 

「そうだったの。ご免。」

 

「まあいいけど。」

 

「ところでフィリップス大将は?」

 

「司令なら今は司令部に居るはずだけど。」

 

「そう。」

 

「?」

 

 

 

-ジットラ陣地前の日本軍-

 

「そろそろジットラ陣地だ。総員、司令の言葉通りに突進を続けよ。」

 

戦車部隊がまずジットラ陣地へと突入を始める。時間は夜間であり、視界は悪いが、敵は寝ているという絶好の攻撃隊民であった。

 

木を掻き分けてジットラ陣地の守備隊テントに戦車部隊は到達する。やっとこの時点で敵襲に気づいた連合軍は慌てて武器を取ろうとするが、日本軍の進撃は凄まじく、反撃が出来ず。パーシバルが3ヶ月は持ちこたえられる期待していたジットラ陣地は僅かに1日で突破された。

 

 

その頃、シンガポール

 

「敵機来襲!!。」

 

日本航空部隊による夜間爆撃が始まった。目標はドック内にいる2隻の戦艦と陸上砲弾である。

 

「あれがドックか。」

 

爆撃手は爆撃照準儀を覗いて呟く。修正を機長に指示しながら

 

「投下!!。」

 

一式陸攻が250kg爆弾を投下してその内の何発かはドックに命中し、プリンス・オブ・ウェールズとレパルスに損害を与える。

 

「く、日本軍め。私たちが動けないことをいい事に。」

 

プリンス・オブ・ウェールズは血が流れ出した足を引きずって甲板を移動する。レパルスも同様に負傷しており、此方は巡洋戦艦という比較的装甲が薄いために被害はプリンス・オブ・ウェールズより酷かった。その他輸送艦が炎上しており、マレーに停泊する輸送船の半分は撃沈された。しかも、増援部隊を乗せた輸送船団はマレーに来る前に海上封鎖した日本潜水艦隊が撃沈しており、増援は来なかった。

 

飛行場にも爆撃機が殺到し、滑走路と駐機中の僅かな航空機を破壊した。残る航空機では殆ど戦力にならない為、以後の出撃を基地司令は全て取りやめて、基地を放棄した。(ここで判断ミス犯してしまう。なんと、残った航空機を一切破壊せずに放棄してしまったのだ。)

 

 

その後も陸軍部隊は各方面にて快進撃を続け、ジョホール・バルの目前まで接近していた。

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