-トラック諸島-
「早い帰りだったな。」
見えてきた金曜島を見て斉藤は言う。特別戦隊は艦隊停泊地へ艦隊を停泊し、斉藤は山本に竹島に来るように言われて向った。
「長官、こんな所に呼んで何なんですか?」
「君にこれを見てもらいたくてね。」
そう言って山本は従兵に格納庫の扉を開けさせる。そこにあったのは
「こ、これは!?」
一機の戦闘機であった。
「これが、神速。」
「そうだ。」
最速最強の戦闘機『神速』が置かれていた。4000馬力の怪物エンジンを搭載した高速戦闘機がその格納庫に置かれていた。
「これを君に見せたくてね。君の言うF6FやP-51にもこれなら戦いを挑めるし、航続距離も零戦を越している。十分過ぎる機体性能を持たせた戦闘機だよ。」
「これが、量産されるのですか?」
「勿論だ。今のところ5000機が完成し、内地にて新米等の訓練にも使っている。陸上基地のパイロットは一通り訓練を終えたが、艦上機の方はインドに行っておって訓練は出来ていないのが残念だ。」
「インドはもうじき終わるりますし、もう戻してもいいと思います。」
斉藤は時計を見て
「そろそろアメリカでは再び空襲を受ける事になるでしょう。」
-五大湖工業地帯-
ここでは先日の空襲で破壊された工場の修復を行っている。
「急げ!遊んでいる暇は無いのだぞ。今、全米の兵器生産体制は完全に止まっている。だから、急いで修復させなくてはならん!!。」
ハワイも殆ど修復できていないのに本土すらも攻撃されたためにアメリカでは大混乱が起こっている。その為、それが大統領の支持率低下に繋がっているのだ。
「敵襲!!」
空襲警報が鳴り響き、先日同様に爆撃機の大編隊が上空に現れた。欧州から燃料や爆弾を再装備して出撃した(何機かはソ連やイギリスに爆撃を行っている。)富嶽はアメリカ最大の工業地帯である五大湖工業地帯に目標を定めて飛来したのだ。
「迎撃が向うぞ!。」
先日では迎撃できなかった。しかし今回は即席改造で運動性能があまり良いとは言えないがPー38に30mm機関砲2門備えた高高度戦闘型が迎撃を行った。
「アメ公、迎撃してくるぜ!!。」
富嶽は混乱に陥り、爆弾を各自バラバラに投下してしまった。目標は殆どが逸れてしまい、期待できるほどの効果も上がらず、8機の損害を出して退いた。
-トラック諸島-
「大本営から富嶽に損害が出たと文章が届けられた。」
「バカな!!。あの富嶽が。」
斉藤は山本の言葉に驚きを示す。
「損害は8機だが、損害は損害だ。」
「やはり、護衛機は付けるべきでしょうか?。」
「しかし、航続距離が足りないから護衛など。」
「方法はあるのですが、日本はまだ実験すらしていないものですよ。」
斉藤は山本に自分の意見を言う。
「そんな事が可能かね?」
「平時に前例ならありますが、実戦では初でしょう。」
「まあ、遣ってみよう。」
-ヴォルケンクラッツァー2-
「富嶽に損害が出たんだって。」
「ああ。」
「アルケオプテリクスならこんな事にならなかったのに。」
あいにく、解体してしまって組み立ての計画など未だに持ち上がらない不運な機体と化してしまった同じ世界の超兵器を思ってヴォルケ2は言う。
「あの機体はあの機体で役に立ってくれた。あの機体が無ければ富嶽のエンジンは完成しなかっただろう。」
ジェットエンジンの冷却方法を見た中島飛行機は、後部エンジンの所に幾つかの穴を開けることで外気を取り入れ、冷却する方法を見つけることが出来、史実では解決できなかった問題の一つをそこで解決したのだ。
「それに、もう損害は出ないだろう。」
「え?」
「山本長官にあることを教えた。直に行われるだろう。」
「どういう意味か分からないけど、楽しみね。」