-マリアナ諸島 サイパン島-
「艦隊入港!!。」
サイパイ島の港に特別戦隊のヴォルケンクラッツァー姉妹とハボクック、ムスペルヘイムが入港した。
「山本長官、内地等の終戦工作は順調です。ドイツでもロンメル元帥等の説得に成功したと連絡がありました。」
「そうか。残るはイタリアだけだが、その国のほうはどうするんだ?」
「そうですねえ、一番いいのはムッソリーニを暗殺してそれと同時に連合国と講和、中立宣言するのが一番いいとは思いますが。」
「史実ではどうなのかね?」
「はあ、私の知る限りでは枢軸国側の戦況に危機感を抱いた王家やファシスト党内の反ムッソリーニ派のディーノ・グランディをはじめとする一派に首相解任をされ、幽閉されます。後にドイツの特殊部隊に救助されますが、それからいろいろありまして最後はコモ湖畔の小村にてレジスタンスに捕まり、処刑されています。」
「だが、戦況悪化はしていないぞ。」
「そうですね、ですので亀井に頼んで暗殺して貰おうと考えています。」
「どうやって?」
「彼は健康に気を使っている人物でして、朝は体操を行っております。そこを狙って狙撃させましょう。」
「可能かね?」
「一応武器を持たせておりますし、腕は分かりませんが可能かと。」
「分かった。なるべく、日本がやったと気づかれんようにな。」
「はい。厳命しておきます。」
「それはそうと、君はまだ「秋島」に会っていなかったな?」
「え?ええ、艦艇は見たことありますが、艦魂のほうはまだ。」
「入りたまえ。」
「失礼します。」
扉を開けて入ってきたのは。
「はじめまして斉藤中将。私は現在連合艦隊旗艦を務めさせてもらっております秋島の艦魂「秋島」です。」
なんと、巨大な艦艇に似合わず小柄の少女だった。斉藤も予想外である。
「き、君があの秋島の艦魂なのか?」
「ええ、そうです。」
(予想外だな。)
斉藤は素直にそう思う。
「これが、武蔵の主砲に使われるはずだった陸上砲台か。」
この世界では大和の建造だけで終わり、2番艦の武蔵は解体されてしまっている。その武蔵に使われるはずだった46センチ砲をサイパン島とテニアン島に配備されている。
「それと、これが航空掩蔽壕か。」
飛行場にも航空機を配備されているが、各島には航空機を数百機単位で収容できる穴を設けており、敵の艦砲射撃や爆撃の被害を受けないようにされている。
「塹壕を縦横無人に掘り、敵の背後等を狙った奇襲戦法を行えるようにしてあります。」
「いやー、素晴らしいよ。設営隊隊長の岡村少佐。」
史実ではガダルカナル島飛行場設営に従事した岡村徳長少佐はこの航空掩蔽壕を推進した中の一人である。
「なーに、自分の意見が通って良かったですよ。」
「君も、数少ない航空主兵主義を唱えた中の一人だ。協力は惜しまないよ。」
「ありがとうございます。」
予定より早く要塞化が出来たマリアナ諸島。陸軍の司令には史実にて硫黄島での戦いでアメリカに自軍よりも多くの出血を強いれた「栗林忠道」中将を抜擢した。海軍の司令には基本的陸戦指揮は陸軍に任せてあるが、その補佐的な意味でも史実では奇策等を使った天才「神重徳」大佐を置いた。陸海軍統合航空隊指揮官には山本五十六と共に海軍航空隊を育て上げ、特攻の発案を行った人物として知られる「大西瀧次郎」中将を置いた。
-サイパン島司令部-
「では、アメリカの反攻は今年の夏ごろだと。」
「はい。情報機関Gからの報告では、ラバウルを空襲する部隊とマーシャル諸島を占領する部隊。それと、この二つが合同で行うトラック諸島空襲計画があることが判明しました。」
「なるほど。それで、応援部隊の方は整っておりますか?」
「勿論です。命令さえあれば、小笠原諸島と硫黄島から長距離爆撃機と戦闘機を飛ばして援護させます。それに、砲撃陣地等を要塞化しておりますし、優秀なパイロットも集めております。負ける要素など何処にもありません。」
「戦闘機のほうは?」
「我が海軍の戦闘機「神速」が必ずやマリアナ諸島の制空権を守りきるでしょう。陸軍は防空よりも攻撃を中心とした機体を揃えており、敵艦隊への攻撃を基本方針とした部隊を集めております。」
-アメリカ ノースアイランド基地-
「凄いな。」
ここでは、サンフランシスコの空襲のときに鹵獲した改悪版烈風の弱点等の研究を行っていた。
「サッチ少佐。右旋回をお願いします。」
「オッケー。」
烈風は右旋回を始める。しかし、左旋回のときよりも操縦桿が重く、旋回が鈍かった。
「はっはっは。まさか試験搭乗一日目でこの烈風の弱点が分かるとは。」
罠とも気づかずにサッチ少佐は史実の「サッチ・ウェーブ」を考案してしまう。そして、この烈風に対抗できる戦闘機だと分かったヘルキャットの本格生産を始めるのであった。