1943年 4月1日
-イタリア ムッソリーニ私邸-
「一、二、三、四。五、六、七、八。」
ムッソリーニは普段の日課どおりに体操を行っている。
「目標は完全に油断しているな。」
狙撃ライフルを構え、亀井は言う。
「悪く思うなよ。これも日本の為だ。」
亀井はライフルの引き金に指を掛け、銃を固定する。
「同盟国の人間を殺すのはあまり良い気分ではないのだが。仕方が無い。」
引き金を絞り、弾丸が放たれた。その弾丸は見事にムッソリーニの頭部を貫き、絶命させた。
「なむ。」
一応、家が仏教(当時の日本にしては珍しい家系)であるため、簡単な念仏を唱えて狙撃した場所から離れた。
その30分後、朝食の準備が出来たことを知らせに来た従士がムッソリーニの遺体を発見。次期国家首相にはピエトロ・バドリオが就任。連合国に降伏と同盟を国王の密命で密かに開始した。
-アメリカ合衆国 ワシントンD.C ホワイトハウス-
「大統領、エドワード駐米大使がお見えになりました。」
側近が在米国イギリス大使のエドワード・ウッドを大統領執務室に迎え入れた。
「やあ、大使殿。今朝方連絡を受けて何事かと思ったが、イタリアではムッソリーニが何者かに暗殺された言うではないか。一体何事かね?」
「実は大統領閣下、その暗殺したのは我が国の情報機関の話ではどうも日本の軍人のようなのです。」
「では、内部争いでも起きているのかね?」
「いえ、どうも彼は欧州に渡ってなにやら不審な動きを見せています。ロンメル元帥や、SSの将校と会ったりと、そして今回のムッソリーニの暗殺。どうも、高度な政治的問題を行っているようです。」
「では、背後に何者かがいると?」
「ええ。少なくとも、我が国の調査では日本政府とは無関係だと言う事は確認できました。ですが、必ず日本の誰かが彼に命令を下しているんだと思います。」
「ふむ。しかし、この暗殺のお蔭でイタリアとの交渉を行っておるのだろう。それなら、我々にとって好都合ではないのかね?」
「確かにその通りです。それと、貴方にとって好都合なのは、これでイタリア海軍を相手にする必要が無くなり、我が国の艦隊を此方に幾らか回せるようになりました。貴国の考えている反攻作戦に我々も参加いたします。」
「それは今、恩を売って戦後の利権を少しでも貰おうという腹積もりではないのかね?」
「確かに仰るとおりです。しかし、貴国が今の戦力だけで日本艦隊を撃滅することなど万に一も無いでしょう。ですので、我々が協力すると言っているのです。」
「チャーチルがそう言ったのか?」
「はい。首相閣下もアメリカの連敗を見て艦隊派遣を決定したそうです。」
「まあ、協力はありがたい。何せ、我が国の航空兵力は十分だが砲撃の為の戦艦部隊が不足していてな、そちらの方を重点的に送っていただきたい。」
「分かりました。ただちに伝えましょう。」
そして、4月28日 イタリア、連合国に無条件降伏。それと同時にイタリアは枢軸国に宣戦布告を行った。イギリス増援部隊、アメリカ西海岸に到着。
4月29日、ドイツ陸軍イタリアへと侵攻を開始。北部を完全に占領され、艦隊はタラントを出ようとしたところをUボートの攻撃を受けて損傷。主力海軍艦艇全滅。
-エジプト-
「敵戦車部隊接近!!」
史実では守りきったエジプトだが、ロンメル軍団は本格的に攻撃を開始。日本からの増援部隊を得たドイツ軍は快進撃を続け、次々と連合軍勢力を一掃していく。
「敵機来襲。」
日本の急降下爆撃機彗星が砲撃陣地を粉砕、シュトゥーカは戦車を爆撃し、残った戦力は地上の戦車部隊が撃破していった。
「素晴らしい。日本の戦車はあまり良い印象を持っていなかったが、この戦車はティーガー戦車に勝るも劣らない性能だ。」
ロンメルは日本が付与した2式重戦車と3式中戦車の戦果を見て感心する。
「右方向にマチルダ、撃!!」
2式重戦車が主砲を放ち、マチルダを撃破する。史実ではティーガーが登場するまでアフリカ戦線のドイツ兵を苦しめていたマチルダだが、キングティーガー戦車とほぼ同性能を持つ2式重戦車には敵わなく、あっさりと防衛線を突破した。
5月17日 エジプト連合軍降伏。ロンメルはアフリカから身を引いた。