1943年11月20日
-マーシャル諸島-
ここでは、現在連合軍がマリアナ方面進出の準備をしている。そして、海軍の艦隊もぞくぞく集結してきた。
「本作戦は日本の大要塞、マリアナ諸島を占領することにある。今まで、日本の大した反撃を受けなかったが、今回は違う。ここを獲られると日本本土を直接狙われることは連中も気づいている。すなわち、何としてもマリアナを死守しようとするだろう。だから、諸君らは心して掛かって欲しい。」
上陸部隊指揮官のホーランド・スミス中将は言った。そして、似たような訓示を同じく指揮官のリッチモンド・ターナー中将も言った。
「全員乗船!!」
アメリカだけで海兵隊12万と陸軍25万の総勢37万人が参加する大上陸占領作戦が開始した。これに、他の連合軍陣営10万にも参加しており、戦闘艦艇も多数集結していた。その中には、工期を早めて無理やり参加させている艦もあった。
-伊19潜水艦-
「マーシャル諸島とハワイ、本土を結ぶ無線連絡がピタリと止んだな。」
伊19の艦長が無線に耳を当てながら言った。艦魂の伊19もそれを感じ取り、
「いよいよ、動いたか。」
情報収集の為に派遣された伊19はマーシャル諸島周辺の無線を傍受しており、それがピタリと突然止んだので連合艦隊司令部に無電を打った。
『我、連合軍の活発なる無線交信の沈黙を確認せり。』
米攻略部隊 司令官 総司令官ニミッツ大将 機動部隊指揮官トーマス・C・キンケイド少将
戦艦 18隻(史実では完成しなかったアイオワ級全6隻プラス増援のアイオワ級6隻、サウスダコタ級6隻)
正規空母12隻(エセックス級)
軽空母10隻(インディペンデンス級)
護衛空母30隻(ボーグ級等)
その他、支援艦艇多数
イギリス攻略部隊 司令官 バートラム・ラムゼイ大将
戦艦12隻 (アイアン・デューク級3隻、リヴェンジ級2隻、クイーンエリザベス級3隻、ネルソン級2隻、キングジョージ5世級2隻)
空母18隻
その他、支援艦艇多数
日本艦隊 司令官 山本五十六大将
戦艦 17隻
空母34隻
その他、支援艦隊多数
特別戦隊 司令官 斉藤次郎中将
超兵器残存全て
-マリアナ諸島-
「そろそろ現れても可笑しくないな。」
マリアナ諸島南西120km地点をゆっくり航行している連合艦隊は秋島にて敵艦隊発見の報告を待った。
「山本さん、心配しなくても島の制空権は奪われませんよ。」
秋島は山本に言う。それもそうであった。圧倒的な性能の神速や陸軍には極電がおりますし、防空体制等もしっかりとされている。負ける要素など何処にも無かった。
「分かっているが、万が一って事もありえる。覚悟はしないといけないな。」
-サイパン島-
「敵戦闘機接近!!敵戦闘機接近!!」
レーダーが接近する敵航空機約20機を捉えた。急いで海軍は山を掘った航空掩蔽壕から神速を27機出した。
「発進せよ!!」
陸海軍航空総督官の大西瀧治郎中将は飛び立っていく航空隊を見て敬礼をする。
「ジャップの島が見えて来たぜ。」
ヘルキャットに乗るアメリカ軍パイロットは直線飛行にてサイパン目指して飛行を行った。しかし、真下から突然機銃を受け、9機が一瞬のうちに撃墜された。
「な、何が起こったんだ!?」
パイロットは混乱していると、下から9機の神速がヘルキャットを飛び越えて上昇していく。
「な!?」
9機は鮮やかに旋回すると、一糸乱れる軌道で再びヘルキャットに狙いを定める。
「い、一体この9機は何者なんだ!!」
次の瞬間、残った6機も撃墜された。他の方でも撃墜に成功したと無線が入った。
「よしよし、まずは完勝だな。」
先程、一糸乱れる軌道で敵機を撃墜した中隊はそのままサイパン上空を旋回する。
「笹井隊長、敵機の性能ってこの程度なんですか?」
「羽藤、あんまり油断するなよ。」
「西澤さんこそ、油断してやられないでくださいよ。」
「ぬかせー。」
「静かにしろ。敵さんがやって来たらどうするんだ?」
「坂井さんなら撃墜できるでしょう?」
そんな風な戦場とは思えぬ緩い会話が無線機を通して聞こえてきた。そう、現在サイパン島の防空任務を負っている3個中隊の中には、エースパイロットのみで編成した新笹井中隊が居たのだ。
「隊長、敵がまた接近中との事です。」
「分かった杉田。」
笹井中隊の面々が旋回して敵機の真下に入り込んだ。通常、航空戦では真上からの一撃離脱が一番効果を発揮するのだ。それは、急降下によって速度を付け、攻撃後にその速度を利用して再び上昇できるからだ。しかし、神速は違う。エンジンの高馬力のお蔭で上昇戦でも無敵の性能を誇っているのだ。
「行くぞ!!」
神速は機首を上げて上昇を入った。
「ヨーソロー。」
操縦桿を微妙に傾けながら狙いを定める。航空機は真下が完全に死角の為、接近を発見できないのだ。瞬く間に撃墜され、ヘルキャットは燃えながら落下していった。
「アメさんがこれじゃあ拍子抜けしちまうよ。」
「遠藤、気持ちは分かるが油断するなと言った筈だ。」
「分かっていますよ。」
笹井は燃料計を見た。まだ十分だが、これからの戦いを考えるとここらで補給を受けたほうがいいだろうと考え
「全機、着陸するぞ。」
基地に交代要請を出し、笹井中隊はサイパンの飛行場に着陸した。
-伊21-
「推進音多数探知!!」
哨戒を行っている伊21が味方艦隊の居ないはずの海域で推進音を探知したのだ。
「潜望鏡上げ!!」
すぐさま潜望鏡が上げられ、艦長が確認する。
「おいおい、敵さんはなんちゅう数を投入してくれたんだ。2kmは離れているのに全部を捉え切れん。」
伊21の艦魂も潜望鏡と目がリンクしているから状況は読めた。
「敵の物量はさすがね。」
一方、艦長は落ち着いた声で
「機動部隊に連絡『我、敵艦隊発見せり、サイパン島東250kmにて敵大艦隊の存在を確認。』」
直ちに連合艦隊機動部隊は攻撃隊を出撃させた。
-特別戦隊-
「敵を発見したんだって?」
斉藤は伝令兵からの報告を聞く。現在、特別戦隊はマリアナ諸島の北西に居るのだ。
「ハボクックの攻撃隊の準備は?」
「大丈夫と言って来ておりますが、なにぶん初めての実践の者が多くて。」
特別戦隊にはようやく正規搭乗員が回ってきたのだ。しかし、大半が新米パイロットで機体の性能をうまく引き出せるかすら不安だった。何人かはベテランで、また何機かはまだ無人機のままなので安心できる。
「攻撃隊を飛ばすぞ。ただし、攻撃機と爆撃機は超低高度を海面スレスレで飛行する。戦闘機は例の装備を施して出撃させろ。」
例の装備とは後ほど判明する。兎に角、特別戦隊からも攻撃隊が飛び立ったのだ。