異次元からの贈り物   作:橘花

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全滅の布石

-福岡県 福岡市舞鶴-

 

福岡県は、日本歴史上多数登場する県である。稲作が初めて伝わったとされるなど、大陸との交友の中心地でもあった。そして、日本軍国主義の発祥地としても伝えられている。

 

「わざわざすみませんね。急に訪ねさせていただいて。」

 

寺沢は現在の福岡県中央区舞鶴にある玄洋社を訪れていた。玄洋社とは、1881年(明治14年)に結成されたアジア主義を貫き通した政治団体の巨匠である。フィリピン革命家のアギナルドやインド独立運動家のラース・ビハーリー・ボースなどを支援したりと有名な会社でもあった。

 

「いえいえ、寺沢さん。今回はどの様なご用件で?」

 

寺沢は玄洋社社長の吉田(よしだ)癒(こくら)に会っていた。彼自身は何度か玄洋社を訪れており、各地域の独立運動を支援させたりなどの依頼をしたりしていた。

 

「今日はお願いがあって来ました。実は、今マリアナでは連合軍と我々が決戦を挑んでいるのです。そして、その終結後に我々は講和を行います。そこで、現在の政権打倒に協力していただきたい。」

 

「な!?東條内閣を倒すと。それはまた、驚きの事を言いますね。」

 

「私は本気です。この計画の為に各方面を説得し、ようやく人数は集まりました。後は、主戦派を倒して東條内閣を崩壊させ、アジア新秩序の許に日本は成り立たせてゆく。それは、貴方方玄洋社の思想でもあったはずです。」

 

吉田は頷いたが

 

「確かにそれは我々の思想でもあります。しかし、現政権打倒など我々は考えたことはありません。」

 

「いいですか、今この現状を許しますと日本はこの先悪くなっていきます。ここで終戦をしなければ日本は完全に孤立してしまうのです。日本を想う貴方なら、それが許せないでしょう。」

 

「確かに許せないが、かと言って我々にどうしろと?」

 

「満州義軍と同じような団体を作り、帝都の重要箇所を襲撃する支援をお願いします。既に、陸海軍の説得に応じた者が部隊を率いて配置に着いております。」

 

「では。」

 

「ええ、終結後に一気に帝都を抑え、講和内閣を結成して枢軸国と連合軍との講和会議を行います。その為の下準備も既に終えており、後は勝利するだけです。」

 

「分かった。やりましょう。」

 

「ありがとうございます。」

 

寺沢と吉田はお互いに握手をし合う。既に、日本では寺沢の説得に応じた陸海軍将兵が部隊を展開し、帝都の占領計画を練っているのだ。これには学徒出陣で戦場へ行く筈だった学生等も参加している。

 

 

 

-マリアナ-

 

「敵反応がありませんよ。」

 

夜間偵察を行っている彩雲は電探を使って敵艦隊を探しているのだが、発見することが出来ない。

 

「元々、たった3機で敵艦隊発見を行おうとするのが間違っているんじゃないか?」

 

「馬鹿言ってないで電探を見ていろ。航法手も航法を間違わないでくれよ。こんな所で迷子なんて御免だからな。」

 

彩雲は既に1時間飛行している。海中の潜水艦からの電波を頼りに航法を行っており、行動半径限界まで飛行してきた。

 

「ここらで引き返すぞ。」

 

操縦手は帰還しようと操縦桿を倒すが

 

「ま、待ってください!!敵の反応が微かにありました。もう少し行って下さい。」

 

「仕方ない。海水浴を楽しむか。」

 

操縦桿を元に戻し、飛行を続けた。もう、帰還できない。

 

「もし見間違いなら、お前を海に放り落として帰還するぞ。」

 

3座だが、一人減れば辿り着ける確率は微妙だが上がる。だから、本気で操縦手は電探手を海に放り落とす気でいた。

 

「ええ、いいですよ。」

 

ようやく、完全な反応を捉えた。航法手は信号銃を取り出し、風防を開けて機外へ放った。

 

「間違いない。」

 

「ええ、敵の機動部隊です。」

 

空母や戦艦、護衛の艦艇も確認した。紛れも無く連合軍の機動部隊だ。

 

「直ぐに母艦に連絡だ。『我、敵艦隊を発見す。』」

 

しかし、上方から急降下を仕掛けたヘルキャットが連絡中の彩雲を撃墜したのだ。

 

 

-飛龍-

 

「司令、偵察中の彩雲が敵艦隊の発見を報告してきました。」

 

「それで、位置は?」

 

「連絡途中に撃墜されたらしく、発信位置は大まかですが判明しましたが、正確な場所までは。」

 

参謀は偵察機からの報告を伝える。

 

「その付近に潜水艦は?」

 

「2隻が作戦行動中です。その2隻に付近の哨戒を依頼しましたので、直に発見するかと。」

 

艦魂の飛龍も心配になってきた。

 

「機動部隊なら、護衛空母もいる筈。そして、夜間にも係わらず飛来した偵察機を撃墜する腕。敵にも、凄腕のパイロットがいるのね。」

 

 

 

-エセックス-

 

「それで、飛来した偵察機を撃墜したパイロットは?」

 

キンケイドは着艦したヘルキャットのパイロットを艦橋に呼んだ。

 

「はい、レキシントン航空隊のアレキサンダー・ブラシウ中尉です。」

 

「そうか。夜間の中をよく発艦して撃墜したな。」

 

「ありがとうございます。」

 

レーダーで偵察機の接近を知った機動部隊だが、夜間の為に発艦できずにいたのだ。そんな中にアレキサンダーは独断で飛び立って偵察に飛来した彩雲を撃墜したのだ。

 

「凄いパイロットも居たものね。」

 

艦魂のエセックスも感心する。

 

 

-伊25-

 

「間違いないな。」

 

哨戒の依頼を受けて哨戒中だった伊25潜が機動部隊を発見したのだ。

 

「直ちに機動部隊に報告せよ。」

 

 

 

-飛龍-

 

「し、司令。遂に敵機動部隊の正確な居場所が判明しました。」

 

それを聞いて山口は目を見開き

 

「直ちに全航空隊に下命!!すぐさま発艦して敵を攻撃せよと」

 

この命令は機動部隊やマリアナの航空基地、内地の飛行場に伝わり、航空隊が敵艦隊目指して全速力で向かった。

 

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