異次元からの贈り物   作:橘花

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海底の暗殺者

-サイパン島-

 

「日本の艦隊は大半が撤退しました。連合軍も、艦艇は壊滅的な打撃を受けて撤退しているとの報告も入っております。」

 

サイパンの司令部に報告が飛び込んでくる。

 

「作戦も完遂したようだな。上陸した部隊も降伏し、局地的な戦闘は起こっている所はありますが、弾薬などの補給が無いので時間の問題でしょう。」

 

栗林もそれを聞いて安心する。そこへ

 

「空襲警報発令!!空襲警報発令!!。東から大型4発機と、南から小型の艦載機と思われる機体の接近を確認。」

 

「4発機はB29だと分かるが、艦載機とは?」

 

「レーダーには映っておりませんが、南方に残った機動部隊が居るのでしょう。」

 

 

 

-レキシントンⅡ-

 

「艦載機の突入命令を受信しました。」

 

「そうか。旨くやってくれよ。」

 

マリアナ諸島南方には、撤退したと見せかけた正規空母2隻と軽空母4隻が、艦載機を発艦させたのだ。

 

「まだ、終わっていない。艦載機があるかぎり、私は負けない。」

 

甲板に居るレキシントンⅡはマリアナの方角を見て言った。

 

 

 

-サイパン島-

 

「本島からは神速が飛び立ち、テニアンからは極電が飛び立ちました。」

 

大西は電話を切り、栗林に伝えた。

 

「そうか。制空権の保有も、必要だからな。必ず、守りきってくれ。」

 

 

 

「見えたぞ。」

 

まず、神速が艦載機に向けて攻撃を開始した。敵機の上から急降下し、頭上を押さえて一撃を加える事に成功したのだ。

 

「よし、7機撃墜だ。」

 

先陣を切った笹井中隊は、後続部隊の戦果も確認するために上昇を開始する。

 

「笹井さん、この機体は本当に最高の戦闘機ですよ。狙った敵は簡単に撃墜できるんですから。」

 

羽藤は、燃えながら落ちていく敵機を見て言う。

 

「そうだな。しかし、油断するなよ。」

 

上昇し、後続部隊の突入も確認する。やはり、簡単に撃墜され、一方的な戦いを行っている。

 

 

「日本の戦闘機に被られた。急いで帰還するぞ。」

 

米パイロットは機体を反転させて母艦を目指した。

 

 

「集合。」

 

敵艦載機の撤退を確認し、笹井中隊は集合を掛ける。

 

「急いで、戻るぞ。」

 

 

-サイパン島-

 

「敵機です!!」

 

サイパンを何機かが爆撃し、残りも爆撃しようとしたその時に陸軍の極電が急降下攻撃を行う。

 

「助けてくれ!、エンジンが、火が出た!!」

 

B29のエンジンから火が出始め、横に逸れて行く。

 

「ぎゃああああ!!」

 

そこを狙った極電が操縦席やら無線手席やらの重要な部分を撃ち、撃墜した。

 

「加藤隊長、B29がこんなに弱いんじゃあ拍子抜けしちゃいますよ。」

 

「黒江、敵機の様子が可笑しいと思わんか?」

 

「え?」

 

「敵は一見普通の飛行機だが、どうも簡単に落ちすぎる。」

 

「気のせいでしょう。」

 

「だと、いいが。」

 

加藤の読みは当たっていた。このB29の大半は多くの場所に木材を使った木製爆撃機である。

 

「もうじき、終戦なんだ。それまで、ここを守り抜くぞ。」

 

加藤は操縦桿を倒し、逃げる爆撃機の追撃に移った。

 

 

 

-大西洋-

 

「浮上!!」

 

浮上した伊2500型潜水艦4隻は、格納庫を開け

 

「巡航ミサイル発射用意、急げ!!」

 

巡航ミサイル搭載攻撃型潜水艦伊2500型4隻は、潜水補給艦の援助の下、大西洋へと進出した。長い道のりではあった。ラバウル沖で最後の整備を受け、後は一切浮上せずにこの海域まで殆ど休み無く航行してきたのだから。他にも、欧州方面に進出した潜水艦も存在する。

 

「発射準備完了しました。」

 

「よし、発射しろ!!」

 

ロケットエンジンが点火され、カタパルトを使って勢いよく巡航ミサイルは飛び出していった。

 

 

 

-ホワイトハウス-

 

「諸君、もはや我が国に未曾有の危機が迫った。今回の反抗作戦に投入した戦力が壊滅的な打撃を受けたそうだ。」

 

「では、反抗作戦は大失敗と。」

 

「そうなるだろう。」

 

会議に参加したものは全員驚愕した。トルーマンは講演の為に遅れて会議に参加する事になっている為、この場には居なかった。

 

「戦艦は2隻、空母は正規空母3隻、軽空母6隻を入れた計58隻しか生き残らなかった。」

 

作戦投入の艦は累計で200隻以上の艦艇だったのに、約7割の損害を出したのだ。

 

「来年、ミッドウェー級が2隻就役するが、その2隻と残った空母で日本を討つ必要があるのだ。」

 

ルーズベルトは、未だに対日戦を諦めていなかった。トルーマンは講和を訴えているし、国民も講和を訴えている。彼が何故、日本にこんなに拘るのかというと、彼の人種差別的思考に答えはあった。

 

「東洋の猿に我が合衆国が負ける事は許されないのだよ。」

 

「お言葉ですが大統領。講和と敗北は違います。講和は、言うなれば関係の回復を意味します。」

 

「どちらにせよ、我々の負けと言う意味ではないか。この状況で講和すれば、ロシアと同じ彼らは勝ったといい気になるぞ。」

 

日露戦争は、一般的に日本の勝利と言う事になっているが、実は講和による停戦と言う事が正しいのだ。即ち、日本は太平洋戦争まで無敗と言うが、それは厳密には間違っている解釈でもある。

 

「まあ、確かにそれは分かりますが、このまま戦争を続けていく力が今の我々には残されていないと言う事です。」

 

「無いならば造ればよい。何のための工業力だ!?」

 

そこへ、大慌てでSS(シークレット・サービス)が入ってきた。

 

「大統領、大変です!!ここに、敵の噴進弾が向かっているとの報告が入りました!!」

 

「何!?」

 

「急いで下さい。我々が安全な場所に誘導します。」

 

そう言ったのも束の間。ミサイルのロケット推進の音が聞こえてきたかと思うと、大統領の真後ろのガラスに一発が突っ込み、爆発。他も、四方から突っ込んで爆発し、ホワイトハウスは完全に崩れ去った。

 

 

その2時間後、知らせを聞いて大慌てで帰ってきたトルーマン副大統領は崩壊したホワイトハウスを見て驚愕する。

 

「い、一体、何があったんだ?」

 

そこに、警備の者が来て

 

「副大統領、ホワイトハウスは崩壊直前に噴進弾の直撃を見たという目撃証言があります。恐らくは、敵の攻撃かと思われます。」

 

「な、なんと言う事だ。このワシントンまで、敵の射程圏内だとは。それで、大統領は?」

 

「目下、全力で捜索中ですが、瓦礫が多すぎて発見は困難かと。」

 

「とにかく急いでくれ。」

 

「分かりました。」

 

そう言って瓦礫の山と向き合った。

 

 

3日後、懸命な捜索活動は業を煮やし、遺体だがルーズベルト大統領を発見する事が出来た。その為、憲法に従ってトルーマンが次期大統領として就任する。国防長官なども講和派の人間が着き、講和の模索を開始した。

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