12月3日
―ベルリン―
「国家社会主義ドイツ労働者党万歳!!総統陛下万歳!!」
ドイツは、未だに熱狂の中にあった。同盟国日本は、マリアナにて連合軍に大勝利し、その勝利にも国民は熱狂的だった。東部戦線は少しずつ崩壊が始まっているが、国民はそんな事を知らされていない。ただ、アフリカの大勝利以外はしらされていないのだ。
「国民諸君、我が盟友日本はマリアナにて連合軍に大勝利した。その勝利に我々が乗らないでどうする?私は、この勝利に我が軍の士気は高揚していると感じている。よって、我々はイギリス上陸作戦を決行するのだ!!」
ヒトラーは、西部戦線の再構築のためにフランスの前線に赴き、前線兵の士気高揚を鼓舞するために総統専用特殊装甲列車で向かう。その前に、国民の前で演説を行っているのだ。
「ジーク・ハイル(勝利万歳)!!ジーク・ハイル(勝利万歳)!!」
国民は、ナチス式敬礼を行い、ヒトラーへの忠誠を示す。
-装甲列車-
「ゲーリング君、今回の第二次バトル・オブ・ブリテンの指揮を執ってもらう。前回の様な失敗は許さんぞ。」
「はい総統陛下。必ずやジョンブル共の空を支配し、陸軍の安全な上陸を保障します。」
国家元帥のゲーリングは、空軍の統括権を持っている。それに、第一次世界大戦ではエースパイロットとして戦ったので、ある程度の航空戦は心得ているのだ。しかし、バトル・オブ・ブリテンでは速度を生かす戦闘機の性能を生かしきれず、スピット・ファイアーに大敗を喫するという敗北をしてしまった。
「宜しい。日本が送ってきた烈風とやら、その性能をたっぷりと見せてもらおうではないか。」
日本は旧式化した烈風でも、欧州ではまだ通用する為、ドイツへ50機ほど送っていた。航続距離の短いドイツ軍戦闘機にとって、烈風の長い航続距離は魅力的だろう。
「我々に劣るとされるアジア人でも、あの航空機の性能は素晴らしいの一言です。一撃離脱を好む我が空軍の戦術にも対応できますし、格闘戦でも無敗を誇っています。」
「こんなもんで良いか。」
線路上に爆弾を括り付けた亀井は、起爆装置のコードを延ばして森の中に隠れる。
「総統、貴方の命は今日限りです。」
いくら装甲列車と言えど、下部まで装甲がなされているわけではない。だから、したからの攻撃では簡単に破壊できるのだ。
「来たぞ。」
列車の走ってくる音が聞こえ、亀井は起爆スイッチに手を掛ける。失敗は許されない。この一回に、世界の命運が委ねられている。
「爆発してくれよ。不発なんて洒落にもならんからな。」
そして、列車が丁度真上に来た所で
「今だ!!」
スイッチを押し、伏せる。その瞬間、爆弾が爆発し、先頭車とその後方の5両までが吹っ飛んだ。総統の乗っているのは3両車の為、確実に死んだのが分かる。
「これで、終わった。」
-ベルリン-
ヒトラーの死亡を聞き、シュタイナー大佐率いる部隊と説得に応じた部隊が決起を開始。
「目標、SS本部。」
ティーガーの主砲がSS本部へ数発撃ち込まれ、崩落する。
「爆撃機です。」
反乱を鎮圧する為に、爆撃機の出撃命令が下ったが
「目標確認、これより急降下する。」
シュトゥーカが急降下しようとしたその時
「戦闘機です!!。」
「何!?」
その瞬間、Bf109がシュトゥーカを撃墜した。
「空は任せろ。絶対に守りきってやる。」
反乱に参加したBf109はドイツ空軍のマークを消し、白い鳩のペイントが施されている。
「隊長、戦闘機です。我々を撃墜しに来たんでしょうか?」
編隊2番機が隊長に報告する。
「分かった。全機、一機残らず撃墜するぞ。」
「その威勢はありがいが、俺たちは味方だ。」
突然、無線に割り込みが入ってきた。
「誰だ?」
「俺か?俺は日本海軍潜水艦『伊5000』航空隊隊長の桂崎だ。お前さん方の反乱の協力に来た。』
通り越した神速には、同じく白い鳩が描かれている。
「隊長、これは一体?」
「なーに、味方だと言うなら大歓迎だ。何せ、あんな数に挑まなければいけないからな。」
見ると、戦爆連合(戦闘機と爆撃機が混じっている事)100機が接近してくる。
「行くぞ!!」
「上は大変なことになっていますね。」
何とかベルリンの要所を抑えたシュタイナー大佐は、副官の報告を聞く。
「まあ、何とかするさ。それよりも、」
隣にいるドイツ宣伝省大臣ゲッベルスを見る。
「先程の要求。呑んでくれますね?」
「は、はい。」
拳銃を突きつけられ、ロンメルを次期総統とするという嘘の遺言をヒトラーから聞かされていたと言う事を発表しろとゲッベルスに言っていた。
「では。」
マイクに着き、ゲッベルスは
『ドイツ国民の皆様、既に知っての通りにベルリンは大変なことになっております。しかし、先程受け取った反乱軍の声明文と総統陛下の遺言が一致していることから、この反乱は終結へと向かっております。総統陛下は、次期総統をロンメル元帥に任命すると言う遺言を私に話しておりました。よって、次期総統をロンメル元帥に任命いたします。』
嘘だが、総統の遺言に逆らうことの出来ないドイツはロンメル元帥を総統とする新ドイツ帝国建国を宣言した。
その頃、日本海軍はゆっくりとウラジオストクへ接近していた。