12月6日 ワシントンD.C. ホワイトハウス
大統領のフランクリン・デラノ・ルーズベルトは閣僚等を集めた会食の場で
「諸君。いよいよ念願の日米開戦だ。明日に日本軍は攻撃を開始すると掴む事が出来た、待ちに待った第二次世界大戦の参戦日となるだろう。」
大統領は会食の場でこう宣言した。
12月7日 東部時間午前11時 外務省
「これは?」
内務大臣のコーデル・ハル国務長官は日本の全権大使である野村吉三郎が提示した宣戦布告文書を見て驚愕する。
「日本政府から、アメリカ合衆国に対する宣戦布告です。我が帝國は永年の横暴を見て、アメリカ合衆国に対して宣戦布告を表明します。」
「我々はモンロー主義(孤立主義)で参戦をしていないだけです。」
「あのハル・ノートを見てアメリカは日本との戦争を望んでいるもの以外考えられません。」
「それは日本が中国から手を引かないからでしょう。」
「アメリカは国民党以外の政府を認めないという横暴な文書を渡すからです。」
「資本主義は何にでも優れる主義です。社会主義などは認められません。」
「それが横暴だというのです。何故、他の主義を認められないですか?貴方方は資本主義や民主主義が全て勝ると思っているんですか?」
「勿論です。民衆の意見を反映してこそ政府、資本のある者が力を握れるのが資本主義。世の中の当然の事です。」
「分かりました。貴方方には何を言っても無駄なようです。とにかく、宣戦布告文書は渡しましたよ。」
「後悔しますよ。」
「どうだか。」
そう言い残して野村は外務省を後にする
-ハワイ 北方220海里-
「ここまで接近に成功しましたね。」
「ああ、そろそろ攻撃隊も発艦できるだろう。」
現在甲板では発艦前の最後のチェックを行っていた。
「源田中佐。士気の方は大丈夫だね?」
斉藤は隣にいる航空参謀の源田実中佐に聞く
「勿論です。皆、この作戦の為に備えてきたのです。全員健康で士気も十分、申し分ない位です。」
それを聞いて赤城も笑みを浮かべるが、少し暗い表情になって
「斉藤さん。彼等は何人帰ってきませんか?」
「一応史実では29機、55人が戦死したけど。今回は史実以上の大戦力で来たからどうなるか。」
「そんな。彼等はそんなにも帰ってこれないの?」
「ああ、残念だけど。」
そこへ伝令兵が来て
「各空母から入電。第一次攻撃隊は発艦準備完了、出撃求む。」
「通信参謀。出撃命令を各空母に伝達。」
それを言って斉藤は赤城を見る
「大丈夫だよ。彼等は生きて帰ってくるから。」
「うん。」
-飛行甲板-
「総大将。これは整備員からの贈り物です。真珠湾までお供させてください。」
整備長が乗機に乗ろうとする淵田中佐を見つけて整備員全員で書いた『必●勝』の鉢巻を渡そうとする。
「分かった。貴様らの分も真珠湾に行って敵艦船を沈めてきてやる。」
そう言って淵田中佐は鉢巻を受け取り、頭に巻いた
『第一次攻撃隊、発動機始動!!』
マイクから指示が出て、全機がエンジンを掛けてプロペラを回す
『発艦始め!!』
今、歴史に残る戦場へ海鷲達は赴こうとしていた。
-飛龍 飛行甲板-
「頼むぞお前たち。必ず真珠湾に居る艦艇を全滅させてくれよ」
飛龍は飛び立っていく航空隊を見てそう言った。そこへ加賀が現れて
「そっちはいいか?」
「ああ、絶対に敵艦艇を全滅させてもらうよ。」
「もちろんだ。この作戦は敵の戦艦と太平洋艦隊を最低1年近くは行動不能に追い込むことだ。もちろん戦艦は全滅させるがな。」
「空母の方は?」
「見つけたら沈める。だが、主目的ではない。」
史実では米空母の全滅が主目的だが、今回はあくまでも戦艦の全滅と太平洋艦隊を1年近く行動不能に追い込むことであり、空母はおまけの意味があった。
「では、私はこれで。」
加賀は光に包まれて、自艦へと戻って行った。
-第一次攻撃隊隊長機 淵田機-
「隊長、あれを。」
真珠湾が見えてきて操縦手は偵察員席に座る隊長に伝える。
「よし、通信手。母艦にト連送だ。」
「了解。」
ト連送。すなわち全軍突撃命令を打電する。これは内地にて待機している長門にも受信された。
-長門-
「長官。第一次攻撃隊の突撃命令を受信しました。」
山本は目を開いて
「よし、本艦隊も出撃する。急ぎ、中部太平洋とミッドウェーに進出せよ。」
山本の艦隊は戦艦2隻を含む艦隊であり、エンタープライズとレキシントンの撃沈命令を下していた。
-淵田機-
「隊長、敵機は真珠湾上空には居りません。それに此方の接近も探知している様子はありません。」
淵田は双眼鏡で確認するが、やはり敵機は確認できなかった。それに停泊している艦艇も日曜のためのんびりしている。
「敵さんは戦争が始まっていると分かっているのか?」
「分かっていてもこんな所を攻撃されるなんて思ってもいないんでしょう。」
「確かにな。母艦に打電、『トラ・トラ・トラ』だ。」
「了解。」
トラトラトラ、すなわち我奇襲に成功せり。