異次元からの贈り物   作:橘花

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真珠湾は艦の墓場 後編

-真珠湾-

 

この日、アメリカ軍は普段通り軍艦に国旗の掲揚式を行っていた。そして、盛大に国歌が演奏されている最中に

 

「何なんだ?」

 

「こんな朝っぱらから飛行機が何故飛んでいるんだ?」

 

演奏している者もつい飛来した航空機に目をやってしまい、演奏に集中出来ていない。だが、その中の何機かは低空に侵入して

 

「攻撃用意。・・・・・撃ー!」

 

97式艦功から改良を加えた特殊航空酸素魚雷が切り離された。投下した機体はそのまま艦艇の真上を通り過ぎる。

 

「何かしらあれ?」

 

艦上では魚雷が接近していることに気づかないネバダの艦魂であるネバダがいた。

 

「でもあの機体は日本軍機?」

 

ネバダは艦艇の間を縫うように飛ぶ航空機の機体を見て言った。だが、突然接近してきた魚雷がネバダの左舷に3本突き刺さった。

 

「きゃあああ!!」

 

魚雷の命中と同時に左脇腹から盛大に出血する。この戦争において、最初に攻撃を受けた艦という不名誉な名を付けられてしまった。

 

「命中!!。」

 

魚雷の命中を見届けたパイロットは

 

「母艦へ『我、大型艦の雷撃に成功。効果甚大なり。』」

 

 

 

-赤城-

 

「そろそろ攻撃を始める頃だが。」

 

斉藤は時計を見て言ったら

 

「長官。攻撃隊が雷撃に成功し、艦艇は損傷を受けたようです。」

 

伝令兵が来て報告した。それを聞いた赤城は

 

「まずは第一陣は成功ですね。」

 

斉藤は伝令兵を下がらせてから

 

「ああ、あと数分で第二次攻撃隊も出撃する。」

 

「ええ、貴方に聞いた史実どおりになるかどうか。」

 

「さあね。ただ、山本長官も動いている。今頃はハルゼーのエンタープライズ捜索に躍起になっている頃だろう。」

 

斉藤の言うとおり、山本の艦隊は中部太平洋に居るエンタープライズの捜索を行っていた。

 

 

-ヒッカム飛行場-

 

ここにも日本軍機が殺到。他のオアフ島にある全ての飛行場にも真珠湾攻撃時刻と同時に殺到し、地上にいる航空機を破壊し続けた。

 

「ジャップめ、これでも喰らいやがれ。」

 

米兵は飛行場に配備されている火砲で応戦し、数機が炎上して撃墜される。だが、応戦の準備に入った所から制空隊に発見されている為、長くの反撃は出来ずに機銃の餌食となって終わった。

 

「早く航空隊を上げろ!!。急げ!!」

 

飛行場は配備されているP-40のエンジンを掛けて迎撃させようとするも、空を縦横無尽に駆け巡る制空隊の攻撃をかわしながら離陸など不可能である。たちまち滑走路上で破壊されて、滑走路を塞いでしまった。

 

 

 

第一次攻撃隊は帰還の任に着き、続く第二次攻撃隊が休む間もなく殺到する。

 

この時は既に飛行場の航空機は殆どが破壊されて、湾に居る艦艇も入り口を運悪く出ようとしていた大型タンカーを沈められてしまい、湾から脱出が出来ない状況であった。

 

「第二次攻撃隊突入。目標は残った航空機と艦艇だ。」

 

幾つかの隊に分かれて、それぞれの目標に向かう。艦艇の大型艦は既に損害を受けており、目標は主に小型の工作艦や、湾に居る軽巡などの小艦艇まで狙われる。

 

「く、ううう。」

 

傷だらけのオクラホマの艦魂であるオクラホマは傷む足や腕を抑えて、最後の力を振り絞って立ち上がった。

 

「うう、アリゾナ。」

 

一番仲が良かったアリゾナは日本軍の攻撃で轟沈するという事になってしまった。大型艦は大破、着底している、良くても、大火災を起こしている。既に、そこに居る太平洋艦隊は戦闘力を失い、ただ、遣られるだけの存在になってしまっている。

 

「畜生。ジャップの奴らは攻撃をやめる気がないのかよ!?」

 

沈み始めて、喫水線下が露にされたオクラホマも日本軍の攻撃対象にされ、更に攻撃を受ける。艦魂のオクラホマはあまりの攻撃の痛みと、ショックで気絶している。それでも攻撃は止む所が無い。

 

 

 

-赤城-

 

「山本さんはエンタープライズを撃沈できたようですね。」

 

通信室から戻ってきた斉藤は艦橋に居る赤城に伝えた。

 

「やりましたね。これで残るはレキシントンだけ。」

 

「ああ。」

 

斉藤はそう返事をした後

 

「航空参謀。第二次攻撃隊の様子は?」

 

斉藤に言われて、航空参謀は報告書を持って

 

「は、攻撃は成功です。総出撃数420機中、未帰還38機のみです。」

 

出撃数が増えたのにこの損害の増え方は正解といえよう。なにせ斉藤は50機は越えると予測していたのだから。でも、熟練搭乗員を失った事に変わりは無い。

 

(今後の作戦に影響が無ければいいが。)

 

「分かった。残りは特別戦隊が行い、我々の内の第2航空戦隊とその護衛部隊はミッドウェーに行き、山本長官の艦隊を援護せよ。」

 

斉藤の指示で、山口少将は部隊を率いてミッドウェー方面へと向かった。ちゃんと、向かう前に山口少将は第三次攻撃を意見具申していた。

 

(流石は猛将と言われただけの事はある。攻撃精神も猛将に必要な程備わっているし、あれで熱くなり過ぎなければもっと良い指揮官に生れるのに。)

 

斉藤は山口が熱くなりすぎる事が玉にキズと言っている。

 

「斉藤中将、第三次攻撃隊の準備が出来たと特別戦隊から連絡がありました。」

 

「よし、直ちに出撃だ。」

 

命令を受けて、特別戦隊から無人攻撃隊が出撃する。

 

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