九人の女神と一人の柱   作:スパロー

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記念すべき第十話です!ありがとうございます!
これからも宜しくお願いします!
さて、今回はシリアス回となっております。なるべく心にくるように書くようにしています。
それでは…


第十話

希「うち、渡君のこと…」

 

静まり返る部屋。そこには顔を赤くしている希と皿を洗う俺。

俺はここでわかった。希が何を言いたいのか。

今の俺では答えられない気持ちを、希は抱いていたのだろう。だからといって、希を傷つけるわけにはいかない。どうしようか…

少し悩み、結論を希に伝えた。

 

渡「希。それ以上何も言うな。今は多分…」

希「そ、そうやね…悪かったわ」

 

そこにあったのは希のひきつった笑顔。希の気持ちに答えられなかった俺。これでよかったのだろうか…

答えはない。俺がどのような答えを出してもこうなっていたかもしれない。

俺は皿を洗うのをやめ、希のそばに寄った。

希はそれでも笑顔を見せていた。

俺は…俺は希を泣かせたいわけではない。だからといって、この道を進めざるおえなかったと思う。

俺はそっと希に触れた。希の頭に。

すると、希は耐えられなくなった感情を漏らした。

泣きじゃくる希。俺は希を包むように抱く。

すると希はもっと泣いた。

 

渡「…ごめんな」

 

その一言。この一言で終わっていいのだろうか?

駄目ならば、なんと言えばいいのだろうか?

希は俺の胸の中でこくりと頷いた。

とても辛かったはずだ。勇気を出してこの結果。

心に深い傷をおったかもしれない。

『俺が悪い』

これでよいのだろうか?

しばらく自問自答の繰り返し。その後に言葉を発したのは希だった。

 

希「ありがとう、答えてくれて。うち、少し楽になったわ」

 

また笑顔。この笑顔も少しひきつっていた。

俺が…一人の親友を泣かせた。俺の心は、希とは違う意味で傷ついていた。

込み上げてくる涙。出さないように我慢はしていた。すると、今度は希が俺の頭を撫でる。

 

希「無理は体に毒や。無理はせんでいいよ」

 

その一言。その一言で心が少し軽くなった。

俺は泣いていた。希の腕の中で。

一番辛いのは希だ。わかってる。それは俺にも分かる。

だが、自分に負けた。泣くなら希が帰ってからにしようと思っていた。しかし、無理だったようだ。

しばらく泣いた。俺達二人で。

希も自分に負け、俺も負けた。一番辛いのは希。わかってはいる。

希に悪い。それもわかってはいる。

そんな希が、俺の気持ちに答えてくれた。手を差しのべてくれた。

嬉しかった。希も同じ。だから希は勇気を出した。

心の中では俺は嬉しかったかもしれない。だけど、それ以上に今の関係を大切にしたかった。

 

これで良かったのだろうか?答えはない。しかし、無いのなら作ってしまえばいい。希が教えてくれた。

この腕の中で、そう言われた気がした。




いかがだったでしょうか?
自分でシリアス回を書くとき、本当に泣きそうになってしまいます(実際に泣くこともしばしば)。
さて、次回ですが、少し笑いを入れられたらいいなぁと思っています。
それでは、これにて失礼します。
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