「──ラブライブ、出なくてもいいんじゃない?」
意外な一言。しかも、穂乃果からの一言。
すると、皆一歩下がって驚いた。
「穂乃果、あんた本当に穂乃果?」
「穂乃果だよ!」
まずはにこ。これは失礼だな。
「хороший(ハラショー)……」
絵里さーん。ハラショーは分かりましたから。てか、ハラショーって便利だな。使い方、変な時もあるけど。
そして、最後に海未がこう言った。
「穂乃果、ちょっと来てください!」
***
部室の隣。つまり、第二の部室で穂乃果への尋問が始まろうとしていた。
穂乃果は座らせられ、その目の前には大きな鏡。一体何の意味があるのだろう?
「穂乃果、自分の顔が見えますか?」
海未が問いかける。穂乃果はこくりと頷く。
「いい?今、鏡の中の穂乃果は何て言ってるの?」
次はにこ。鏡は喋る訳ではないので、どうやら考え直せと遠回しに言っているようだ。
「鏡は喋らないよ?にこちゃん」
「知ってるわよ!少し考え直してって言ってるのよ!」
……穂乃果はアホの子なのか?ア穂乃果か?そうするとご両親に迷惑だな。アホの子というと、ご両親がアホみたいじゃんか。
仕方ない。ここは俺が参加するように仕向けるか。
「穂乃果、いいか?次のラブライブの開催日、分かるか?」
「ううん。でも、それがどうしたの?」
はぁ。サイト見てなかったのは分かるけど、花陽の話にあったぞ?開催日。
「開催日は3月末。つまり、俺達三年は卒業。スクールアイドルってのは、今年で最後なんだよ」
「にこっちは、μ'sの最後にラブライブで閉めたいと思ってたんとちゃう?」
俺の言葉に付け足して希がいう。
確かにそうだ。
μ'sと言うのは、この9人でこそμ's。この中で誰かが居なくなってもだめ。違う人が居てもだめ。
アイドル研究部は残る。しかし、μ'sは残るか?
答えは、二年、一年が決めることだ。
「捉え方によっては、今のμ'sはなくなる。いや、このメンバーでやるμ'sのラブライブは今回で最後だ。それでも、やらなくていいと思うか?」
「──っ!」
穂乃果はうつむく。考えているようだ。さて、最後の追い込みに入りますか。
「穂乃果は、多分皆に迷惑をかけると考えているんだろ?」
穂乃果は驚いた様にこちらを向く。そして、小さく頷いた。
「はぁ。穂乃果らしくないな。もっとバカやって貰わないと気が狂うな」
「バカじゃな……バカかも」
おい。そこは否定しとけ。テストで点数悪いかもだけどさ、否定だけは出来るだろ?
すると、いきなり穂乃果は椅子から立ち上がった。
「──そうだね!私は元気が取り柄なんだから、いつまでもしょんぼりしてらんないよ!」
穂乃果は笑顔を取り戻した。
たとえ、どんなことがあってもへこたれない。それが穂乃果だ。
「ラブライブ、私達出よう!参加するなら、一番を目指そう!」
うんうん。そうだ……。
はぁ!?一番を目指す!?ちょ、何を言ってんだよ!
「ずいぶん大きく出たわね!?」
「にこ、大きく出たってもんじゃねぇよ!優勝宣言だぞ!?」
一部のメンバーはあたふたしている。でも、これが本来の穂乃果だよな。
──おかえり、穂乃果!
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