仮面ライダードライブ school idol project D 戦士と女神の協走曲 作:ケモミミ愛好家
いろいろあって投稿が遅れました。
べっ、べつにサボってた訳じゃないんだからねっ!
まぁ、悪ふざけはほどほどにして……
大変お待たせいたしました。
先に忠告いたします。
今回ある人物が盛大?にキャラ崩壊します。
いつもの低クオリティですが、楽しんで下さい。
※今回戦闘シーンはございません
ドライブピット
それは、音ノ木坂学院の地下に秘密利に作られたドライブの活動拠点であり、主にトライドロン、武器、装備品類の整備、及び新装備の開発、ロイミュード事件の情報の保管などを目的とした万能ピットであり、関係者以外は知ることのない場所である。
「………………………………………」
『……………………………………………………』
「ほぇ~………ふぁわ~………あっ!この子かわいい♪」
「何か言い訳はありませんか?2人共……………」
今、俺とベルトさんは、霧子の前で正座をさせられている。
すぐ近くでは、その様子を見ていたシフトカー達に興味津々な小泉がキャブとハンターを撫でていた。
どうして、小泉が
何故俺達は正座させられているかって?
それは……………
遡ること、約30分前―――
人気のない路地裏、そこには1人の女子高生と赤い装甲にタイヤをたすき掛けした、変態がいた。
「『誰が変態だ(かね)!』」
「ど、どうしたんですか?先輩……」
「いや、何でもない……じゃなくて!俺は君の先輩じゃない!」
「でも、わたしの名前、知ってましたよね?」
「それは…………えっ……と……………俺が超能力者だからさ!」
『…苦しいな……』
「うるせぇな、黙ってろ!」
「やっぱり、その機械…喋るんですね……」
「えっ?」
「先輩以外の話し声と、先輩しゃべってたので……」
「いや、……これは……ワッ、ワタシの腹話術さ……」
『微妙に似てないな……』
「頑張って庇ったのに!」
『顔を隠しているのに、腹話術も何もないだろ?』
「そっち?!」
『それにワタシの事は、然程隠す必要はないだろ』
「そうなの?!」
『君が隠すのは、君自身の正体であって、ワタシではないからね』
「先に言え!」
「あの……無理しなくても、大丈夫ですよ?先輩……
声で分かりますし……
それに……今さらかも知れないですが……見ちゃいましたから……いろいろ…」
「『えっ?』」
「見たって……何を?」
「先輩がどんよりの中を走ってるの……とか…」
「うっ!」
「先輩の車が、人が乗ってないのに動いてるの……とか…」
『むっ!……』
「その車がビーム撃ったり…」
『あちゃ~…… 』
「ドアが勝手に開いたり……」
「ハハハ……ハァ~……」
「最後に車から、その…喋る機械を出して、喧嘩した後、…先輩が…仮面ライダーに……なるの……とか…」
「『…………………………………………………………』」
―見られてた……全部見られてた……
俺は今、小泉の言葉に肩を落とした。
「…なぁ……ベルトさん………」
『ん~……ここまでバレては、仕方ないね……
何より、変身する所を見られては、誤魔化しようがない』
俺はベルトさんの言葉にため息をつき、変身を解除した。
『Nice DRIVEwww』
「笑うな!」
俺はベルトさんと話した結果、小泉をピットに連れて行く事にした。
俺とベルトさんは小泉をピットの入り口前に待機させ、中で話し合った。
「なぁベルトさん、小泉の事だが……」
『あぁ、分かっている……
なかなか可愛らしい容姿をしているね。
発育も、高校1年生とは思えない。
あどけなさの残った容姿に、あのボディ………
なかなかに、グッと来るモノがあるね……』
「あぁ、それにあのメガネ……下に秘められた未知の可能性……将来化けるぜ、ありゃ……………
……………じゃねぇよ!!ムッツリベルト!!
何を分析してんだ!俺が聞きたいのは、『彼女のスリーサイズかね?』……気になるけど?!」
「へ~……そうなんですか……………」
「『…………………………………………』」
俺とベルトさんが、訳の分からない会話を繰り広げていると、背後から二つの視線と、一つの殺気を感じた。
「私"達"も……混ぜてくれませんか?」
「『……………………………………………………』」
恐る恐る背後を見ると、顔を真っ赤にし、涙目になった小泉と、怒りと殺気を露にした……………
―――現在
以上の経緯を経て、現在に至る……………
えっ?ベルトさんは正座できないって?
出来なかったら、置くだけさ……………
ピットに置かれた低めのテーブルに置かれたベルトさんと、床に正座させられている俺は、目の前の
「泊さんが無茶をして怪我をしたのではないかと、心配して来たら、入り口の前にこの子が居たので事情を聞きました ……………………
二人揃って何してるんですか!迂闊にも程があります!」
「いや……霧子、それはだな…「泊さんは黙ってなさい!」…はい……」
『いや…今回ばかりはだな…「シャラップ!」…はい…』
「二人の言いたいことは分かります。
何故彼女が、重加速内で動けたのか……ですよね?」
「あぁ、それについては……ベルトさん」
『あぁ…ここに着く前に、進二に彼女の事を調べる様に頼まれたからね』
そう言うとベルトさんは自分の帯を操り、台座に登った。
―器用だな……
『先に断っておこう、ミス小泉……
君の事をいろいろと調べさせてもらった。
今から君の個人情報をここにいる二人に公開させてもらうが、宜しいかね?』
「は、はぁ……」
台座に乗ったベルトさんは、映像を映し出した。
『彼女は小泉 花陽
音ノ木坂学院1年1組所属
年齢は15才
身長156㎝
体重…「だめぇ~!」……失礼……
1月17日生まれ
血液型はB型
好物はご飯……白米だねぇ
家族構成は、母と兄、祖母の四人暮らし
父親は海外に赴任中
内気な性格なため、自分を出すことはあまりなく、交友関係はそこそこ
運動能力は平均より下回るレベル
成績は上の中
後、スリーサイズは上からB82/W60/H83
ちなみにバストは現在も成長ちゅ…
「お前何調べてんの?!」…彼女の詳細データだが?』
「誰がスリーサイズまで調べろって言った?!」
『君が彼女を徹底的に調べる様に言ったんじゃないか……』
後ろを振り向くと小泉は、腰を引いた状態で、両腕で胸を隠し、顔を赤くしながら睨んでた。
「限度があるわ!それに俺が頼んだのは、彼女が何故重加速内で動けたのかだ!」
『そんなの分かるわけないだろ』
「はぁ?!」
『まぁ少なくとも、彼女はロイミュードではない』
「何でそんなこと分かるんだよ?
擬態したロイミュードを見分けるのは困難だって言ったの、ベルトさんだろ?」
『それは肉眼や、通常の機材で測定した場合さ……
彼女をここに連れてきた時点で、すでに専用の機材を用いて、調査済みだ……』
「じゃあ他に何があるんだ?
重加速内で動けるのは、ロイミュードとドライブだけ、霧子や変身前の俺、普通の人間が重加速内で動くには、シフトカーの力を………シフトカーの力?………」
瞬間、俺の頭に一つの考えが浮かんだ。
「なぁ、ベルトさん?」
『何かね?』
「ここ最近、連絡が取れない、もしくは見かけていないシフトカーはいるか?」
『どうしたんだ、急に?』
「良いから、どうなんだ?」
「どうしたんだですか?泊さん…」
「俺の考えが正しければ、小泉が重加速内で動けた理由が解るかも知れない」
すると小泉に撫でられているハンターが突然、サイレンを鳴らした。
『?……ふむ……なるほど…
ハンターの言い分では、確かにここ最近、姿を見せてないシフトカーがいるそうだ』
「それって……もしかしなくても、モンスターじゃないか?」
俺の言葉にハンターはクラクションを鳴らした。
『その通りだそうだ』
俺は小泉の方を向くと、小泉のポケットがモゾモゾと動くのが目に入った。
瞬間、全ての確証を得た。
「ハァ~……、繋がったわ…」
俺は小泉に近付きながら尋ねた。
「小泉、ポケットの中にあるもの、出してくれないか?」
「ポケットですか?」
小泉がポケットに手をいれ、何かを取り出した。
それは……………
紫を基調としたシフトカー
マッシブモンスターだった……
「やっぱりな……」
俺はモンスターを見て、ため息をついた。
「どうしてモンスターが?」
「あの……モンスターちゃんの事、怒らないであげて下さい……
モンスターちゃんは、わたしを守る為に側に居てくれたんです!」
霧子の質問に対し、小泉は小さな声ながらも力強く答えた。
『なるほど…つまり彼女が重加速内で動けたのは、モンスターと共に居たから……という訳かね?』
「あぁ」
「でも、どうして彼女はモンスターと……」
「それは……」
「わたしとモンスターちゃんはお友達だからです……」
俺が霧子の質問に答えようとした時、小泉がその質問に答えた。
「先輩にはお話ししたんですが、モンスターちゃん……わたしが、野良犬に襲われそうになったのを助けてくれたんです……」
小泉が話し終わると、モンスターは無図痒いのか、体を小刻みに動かした。
『だがモンスター……何故、勝手な行動をした?
君の勝手な行動が、どれだけの……「それは違うぜ、ベルトさん」…どういう事かね?』
説教モードに入ろうとしたベルトさんを俺は止め、
小泉とモンスターの方を向き、笑顔で答えた。
「モンスターはシフトカーとしての義務を、役割を全うしようとしたんだよ。
人間に奉仕し、人間を守る役割を……」
俺は小泉の手のひらの上にいるモンスターの頭を撫でた。
『それは……しかしだなぁ…』
「大人げないぜ、ベルトさん。
シフトカー達は、アンタの命令に従っている……それをコイツは守ったんだ……褒めてやっても良いと思うぜ?」
「先輩……」
「泊さん…」
『……………分かった……今回の事に関しては、不問にしよう……
ただ、一つだけ解決しなくてはならない問題がある』
「小泉の事……だな?」
「わたしですか?」
『あぁ、君は不可抗力とは言え、我々の事を、ドライブの事を知ってしまった。
これには君の返答次第で、我々も手を考えなければならない。
例えそれが非人道的な手段でもね……
脅迫めいてしまったが、どうかね?
我々の事、ドライブの事、ここで見た全てを、他言しないと約束してもらえるかね?』
「ベルトさん、なにもそんな言い方しなくても……」
『進二、確かに優しさは必要さ……先ほどの君の言葉に、ワタシも考えを改めた。
だがこの問題に対して、君は事の重大性に気付いていない。
仮に彼女が、この事を第三者に漏らしてしまった場合、敵にここを知られる恐れがある…そうなるとどうなるか……分からない訳ではないだろ?』
瞬間、ベルトさんの言葉に俺の背筋は凍り付いた。
『理解できたようだね……敵は結集出来る限りの戦力を持ってここ、音ノ木坂学院に攻撃を仕掛けて来るだろう。
そしてその被害はピットだけでなく学校にも及ぶ、そうなれば最悪……「もういいだろ!ベルトさん!」……………』
俺はベルトさんの言葉を遮った。
何故なら……………
顔を真っ青にし、震える小泉を……俺は見ていられなかった。
「はい、お茶で良かったのか?」
「はい……ありがとうございます、先輩……」
わたしは中庭側のベンチに座り、先輩は自動販売機で飲み物を買って来てくれた。
「悪いな、ベルトさんも悪気は無いんだ。
ただ少し大げさに言っただけだからさ、気にするな」
「いえ、あのロボットさんの言う通りです」
「ロボット……?あぁ、ベルトさんの事ね」
「ベルトさん?」
「そ、だってあれベルトじゃん?
最初にベルトって呼び捨てにしたんだがさぁ、アイツ呼び捨ては失礼だって言うから」
「だから…ベルトさん……」
「そう言うこと」
―そう言えば先輩、ハンドルの付いた剣の事、ハンドル剣って言ってたなぁ…
もしかして、先輩って……
「あの…先輩?」
「どうした?」
「今朝先輩が使ってた、剣なんですけど…」
「ハンドル剣の事?」
「いえ、あの……その名前って、先輩が付けたのですか?」
「そうだけど、それがどうかしたか?」
『どうかしてるのは、君のセンスだよ……』
突然現れたミニカーに、わたしと先輩は驚いた。
「っ?!……ビックリした…急に出てくんなよ、ベルトさん」
『すまない、ただ彼女に謝りたくてね』
喋るミニカーと話す先輩の会話にわたしは、疑問を感じた。
―今先輩、"ベルトさん"って言った?
それにさっきの声……
「もしかして……さっきの……」
『あぁ、この姿で話すのは初めてだね。
ワタシはあの様な体だからね、自由に動けないのだよ。
だからこのシフトカーを通して、話したり、外の様子を見たりするのさ』
「なるほど…」
『話がそれてしまったね……
実はさっきも言った通り、君に謝るために、ここに来たのだよ』
「わたしに……ですか?」
『先ほどは本当に申し訳なかった。
ワタシもあそこまで強く言うつもりはなかったのだが、下手に答える訳にもいかなくてね…
物事の重大性を理解させるには、ありのままを伝えるのが一番だと思ったのさ』
「いえ、わたしの方こそ……わたしが先輩を追いかけたりしなければ、こんな事にはならなかったと思うので……」
わたしとベルトさんはお互いに謝っていると、先輩はクスクスと笑っていた。
「いや、悪い……ミニカーと話したり謝ったりするのって、端から見るとスゲーシュールだなって思って」
『今さらではないか?』
「だな」
互いに笑い合う先輩達を見ていると、たった一人で世界を救う戦いに身を投じている風には見えなかった。
この人は、
ただの高校生で、
先輩で、
わたしの好きな……
これからも先輩は1人で、誰にも知られず、誰も動けない凍り付いた時間の中で、たった一人……孤独に戦い続けるのだろうか………
誰にも感謝されることの無いまま……………
ただ1人……………
傷付きながら、
なんて、悲しいのだろう……………
ひとりぼっちの寂しさや、悲しさは………わたしもよく、知っている……
あの日まで……
凛ちゃんと……
"あの子達"に出会う、あの日まで……
わたしはひとりぼっちだったのだから……………
そんな事を考えていると、胸が痛くなってきた。
自然とこぼれる涙をこらえ、わたしは先輩を見た…
わたしには、先輩の笑顔が凄く……悲しく思えた……
「あの…先輩……」
「どうした?小泉」
「先輩は辛く無いんですか?」
「辛いって…何が?」
「誰にも感謝されず、たった一人で戦うのが……先輩は辛く無いんですか?………寂しく無いんですか?!」
「小泉……」
「っ?!ごめんなさい先輩……」
「気にするな」
先輩は、謝るわたしの頭を撫でると、空を見上げた。
「でも寂しいか……考えた事ないな」
「えっ?」
「確かに、仮面ライダーは俺1人かもしれない……
でも、戦っているのは俺だけじゃないさ、ベルトさんや霧子、シフトカーの皆……
皆はそれぞれ、自分の出来る戦いをしている。
皆のサポートがあるから、俺は……仮面ライダーは、戦える。
それに俺は、誰かに感謝してもらう為に戦っている訳じゃない。
平和な日常を、皆の幸せを、悲しみから守る為に戦っているんだ。
皆が幸せで居られるなら、感謝されなくても、それでいい……」
『進二……』
「……強いですね……
どうして………先輩は、そんなに強いんですか?」
「……………約束……したからかな………」
「約束……ですか?」
そう言う先輩の表情は、少し悲しそうだった。
わたしの視線に気付いたのか、先輩はおもむろにポケットから箱を取り出した。
「あの…それは?」
「飴だけど?」
「………えっ?」
「飴……食うか?」
そう言いながら先輩は、箱から飴を取り出して口に運ぶと、飴を舐めながら、箱をわたしに向けた。
『いい加減、糖尿になるぞ?』
「いいんだよ、好きな物食って病気になるなら、文句ねぇし」
そう言いながら先輩は一つ、また一つと飴を口に運んだ。
わたしには、何かを誤魔化すために、わざと振る舞った様に見えた。
そうこうしているとチャイムが鳴り響き、わたしと先輩は、自分の教室に向かった。
俺は小泉と別れた後、教室に戻らずにピットに向かった。
俺がピットに入ると、俺に気付いたベルトさんは寄ってきた。
『ん?進二、教室に戻ったのではないのかね?』
「ちょっとな……………なぁ、ベルトさん」
『何かね?』
「小泉なんだが……」
『ウム、やはり彼女は我々と関わらない方が良いだろう……その方が我々の、何よりも彼女の為になるだろうからね……』
「あぁ……そうだな………ただ…」
『ただ?』
「…………いや、何でもない」
俺はピットを出て、教室に戻った。
ドライブピットを後にし、俺は教室に向かった。
教室に戻ると、血相を変えたにこ達3人が駆け寄ってきた。
「ちょっと進二!あなたあの後どこ行ってたの?!」
「心配したんやで?!電話も通じやんし」
「詩島さんから事情は聞いたけど、いくら警察と協力関係にあるかって、避難誘導なんて無茶しすぎよ!」
「ちょっちょっちょっ、ちょっと待って!
どうしたんだよ、3人とも?」
一気に問い詰めてくる3人をなだめると、一呼吸おいて尋ね返した。
3人はきょとんとした表情で俺を見た。
「貴方……なにも知らないの?」
「何を?」
すると絵里は携帯を取りだし、あるニュース記事を俺に見せた。
そこに書かれた内容に、俺は頭を強く殴られた様なショックに襲われ、持っていた携帯を落としてしまった。
記事の内容は、
《謎のトラック爆発 襲撃者は怪物?!》
《どんより内を動く怪物 通行人を無差別攻撃》
《負傷者多数 輸送車襲撃事件》
《怪物の犯行?! 輸送車爆発 死者多数》
《10年前の最悪再び?! どんよりによる死者発生》
嘘…………だろ………………
「――――――――――――?!」
人が………………死んだ……………………?
「ちょっ―――――――!」
俺は………………また……………………?
「――――!―――ん―――!」
約束…………したのにか………………?
「――――――!」
もう……二度と………………―――――――……
「――――!」
また……………………俺は……………………………………
「目ぇ覚ましなさい!」
―――パチンッ!
突然走った頬の痛みが、俺を引き戻した。
前を見ると、心配そうに俺を見るにこと希……
そして、俺を叩いたであろう絵里は涙を浮かべていた。
「叩いた方が泣いてんじゃねぇよ…………ありがとな、正気に戻ったわ」
俺は痛む頬をさすりながら、皮肉混じりに絵里に礼をした。
「ならいいわ…………ごめんなさい、叩いたりして…」
涙を拭いながら、素っ気ない返事をする絵里は謝ってきた。
「いいよ別に…………悪いな?携帯、落としちまった」
俺は落とした携帯を拾い、絵里に返した。
「いいわよ、別に……そろそろ授業が始まるわ、席につきましょ?」
絵里の言葉に、俺達は席に戻った。
授業の途中、俺は気分が優れないと言って、教室を出た。
その日、俺は丸一日授業に出ず、ずっと屋上で過ごした。
放課後、部室に公安の桐原さんがやって来て、今朝の事件が、連続輸送車襲撃事件だと話した。
ただ、この事件による死者が出たのは今回が初めてらしい。
目撃者の話では、トラックが爆発する前に重加速が発生し、重加速内を動く怪物が、近くにいた人達を殴り飛ばしたとのことだ。
実際に奴の攻撃は、ドライブに変身した状態で、あそこまでのダメージを与えた、生身の人間が受けたとすると……
犠牲者の中には、頭部の無い死体もあったそうだ。
ほとんどの死体は、肉体の損傷がひどく、身元確認に時間がかかるらしい。
俺もベルトさんも、奴との戦闘や、小泉の事に気を取られていたとはいえ、奴を倒すどころか、止める事も出来ず、周りの被害にも気付けず、命を……約束も守れなかった自分の未熟さが、俺は許せなかった。
《―――。続きまして、昨日起こった輸送トラックの、謎の爆発事件に関する報道です。昨日―――》
俺はいつもの様に朝食を取りながら、ニュースを見ていた。
ニュースで報道されているのは、昨日起こった輸送車連続襲撃事件だった。
ロイミュードによる犯罪……今回が初めてな訳じゃない。
だが俺は、やるせない気分だった……
《―――による被害に、負傷者27名、中には意識不明の重体に陥った方も確認されており、…………え~、只今入りました情報によりますと、病院に搬送された重傷者の内、2名の方が亡くなられたとのことです。
これにより、今回の事件による死者は13名に―――》
俺はテレビを消すと、手に持ったリモコンを壁に投げつけた。
すると背後から、シフトスピードがやって来た。
『進二……』
「……ベルトさんか、どうした?」
『あまり自分を責めるな、君は救える限りの命を救った。
君がいなければ、もっと多くの命が失われていたかもしれない』
「分かってる……今俺達がする事は…………」
『あぁ、奴を倒し、この事件を終わらせることだ……』
俺はベルトさんの言葉に頷き、トライドロンに乗り、学校に向かった。
昼休み、俺はいつもの様に昼寝をするために、屋上に向かった。
すると向こうから1年生が、西木野がやって来た。
「……よっ西木野、また音楽室に行くのか?」
「……………悪いですか?」
「いや、悪くないけどさ……そう睨むなよ、せっかくの可愛い顔が台無しだぜ?」
「っ?!うるさいわね!そんなの、私の勝手でしょ!」
そう怒鳴って、西木野は音楽室に入って行った。
「……褒めたのに…何だよ、顔赤くして……そこまで怒らなくても良いだろ……」
俺は音楽室を後にし、屋上に向かった。
階段を上ると、屋上の出入口の前の踊り場に人影が見えた。
「希?」
「っえ?!進二くん?!」
そこには希が、外の様子を覗いていた。
「何してたんだ?」
「ん~ん、何も!ほなな?」
慌てながら階段を下りる希を、俺は見送った。
「…………ハァ~ァ~…良い考えだと思うんだけどな……」
私、高坂穂乃果は今、屋上に居ます。
私は昨日、UTX学園に行って思い付いた、学校を廃校から救う方法を、海未ちゃん達に話すと、反対された。
スクールアイドル……良い考えだと思ったんだけどな……
「ありゃ、先客がいたか……」
声に振り向くと、幼なじみの進にぃが入って来た。
「よっす穂乃果…………どうした?」
「ううん、進にぃこそ、どうしたの?」
「昼寝」
「あはは……さすが進にぃ……ん?」
即答する幼なじみに苦笑いすると、どこからか歌が聞こえた。
「おっ?始まったな」
「始まったって、何が?」
歌を聞いた進にぃが言った言葉に、私は聞き返した。
すると進にぃははにかみながら答えた。
「音楽室に行ってみな、良い物聴けるぜ?」
そう言って進にぃは、制服の上着を畳んで枕にすると、昼寝を始めた。
「音楽室……」
私は進にぃの言葉に従い、音楽室に向かった。
~『愛してるばんざーい(真姫 ピアノvar.)』~
歌の聞こえる音楽室を覗き込むと、1人の女の子がピアノを弾きながら、歌っていた。
「……綺麗な声…………」
私はその子の歌に聞き入ってしまった。
私はピアノを弾き終え、一息ついた。
―昨日は先輩……拍手してくれたな……
私は昨日の出来事を思い出していると……
パチパチパチパチパチパチパチパチ……
「……?う"ぇぇ?!」
今度は知らない先輩が、扉越しに拍手をしていた。
「すごいすごいすごい!感動しちゃったよ!」
「べ…別に……」
入って来るや否や、誉めて来る先輩に私は少し戸惑った。
「歌上手だね!ピアノも上手だね!それに、アイドルみたいに可愛い!」
―――せっかくの可愛い顔が台無しだぜ?―――
先輩の言葉に、少し前に言われた言葉を思い出してしまった。
―何でアイツの台詞が!
同様を隠せない私は席を立ち、音楽室を出ようとした瞬間、先輩は私を呼び止めた。
「いきなり何だけど……あなた、アイドルやってみたいと思わない?」
先輩の言葉の意味が分からなかった。
「なにそれ……意味分かんない!」
先輩を背に、私は音楽室をあとにした。
「ふぁ~ぁ~~……よく寝た……ん?」
俺は昼寝を終え、教室に戻ろうとした時に、メールが入って来た。
「……ことりから?」
―【放課後に、進ちゃんに話したい事があるんだけど、大丈夫かな?大丈夫なら食堂に来てね】―
「なんだろ……」
「進ちゃん!こっち」
俺はことりに呼ばれ、食堂に来ていた。
「ごめんね進ちゃん、急に呼び出しちゃって…」
「いや、いいよ別に。
そより何だ?話したい事って」
「実は……」
――――――――
「なるほど………"アイドル"……ねぇ…」
「うん………進ちゃんは、どう思う?」
「アイドルかぁ………」
さすがは穂乃果と言うべきか………
俺は少し驚きはしたが、納得もした。
多分、昨日スクリーンで見たライブの影響だろ…
「穂乃果ちゃん………いろいろ調べた見たいで…」
そう言ったことりは、隣に置いていた紙袋の中を取り出した。
それは数冊の雑誌だった。
「ハイスクールアイドルス………スクールアイドルの秘密に迫る…こっちは、今を輝くスクールアイドル……
全国スクールアイドル大全集……スクールアイドル激カワ少女 水着特集……」
―なんか1冊間違ってる気がするが…………
「これ全部穂乃果が?」
「うん……穂乃果ちゃん、今流行りのスクールアイドルならいける!…って私と海未ちゃんに……」
「相談した瞬間に誘って来たと……」
―さすが穂乃果……
「うん……私としては、穂乃果ちゃんの考えに反対する訳じゃ無いんだけど……海未ちゃんも言ったように、この本に載ってる子達は、プロの人と同じくらい努力して、頑張ってる人達だから……私達に出来るのかな……って思って……」
「なるほどな………良いんじゃないか?」
「え?」
「お前達の気持ちが本物なら、きっと頑張れると思うし。
3人共顔も可愛いと思うし、歌も得意だろ?
……何より、アイツがやりたいって言った事を、途中で投げ出す様な奴じゃないってのは、幼なじみの俺達が一番良く知ってるだろ?
それにさ、アイツの身勝手に巻き込まれた時に、いつも感じるんだよ…………"楽しかった"、"やって良かった"………尻拭いや後始末、最後は全部俺の所に来て、散々な目に遭って来たけどさ………後悔だけは、しなかった……………
ことりもそうだろ?」
「………うん……いつも、毎日が楽しい日々だったよ……
私、やってみようかな……アイドル………」
「おぅ。
なんかあったらいつでも呼べよ?力になっから」
俺はことりの頭を撫でた。
「ありがと♪進二ちゃん」
音ノ木坂学園にある弓道場
園田海未は弓道着に身を包み、弓を構え的を見据えていた。
が………………
的には矢は当たらず、すでに6本の矢が的の側に刺さっていた。
7本の矢が的を外れた瞬間、彼女は倒れ込んだ。
その理由は…………
「うぅ…………いけません!余計な事を考えては!」
私、園田海未は悩まれている。
理由は幼なじみの穂乃果から告げられた、学校を廃校から救う方法……
…………スクールアイドル……
何度も頭をよぎるアイドル姿の自分の幻影に、私は悩まされていた。
「園田、調子が悪いのか?」
私が床に伏せて考え込んでいると、顧問の呉島先生が心配そうに声をかけてきた。
「無理はするな、今日は自主トレーニングだ。
ちょうどお前にお客さんが来ている、少し休んで来い」
そう言った呉島先生の後ろには、もう一人の幼なじみのことりが立っていた。
私はことりに連れられて、校内を歩いている。
目的地を聞いても、"良いからついてきて"としか、返してくれない。
一体どこにいくのでしょう?
するとことりが私に話しかけてきた。
「そういえば海未ちゃん、今日調子悪いの?
珍しくいっぱい外してたけど」
「穂乃果のせいです、全然練習に身が入りません……」
「てことは、ちょっとアイドルに興味があるって事?」
「違っ……それは……」
図星をつかれ、私は少し戸惑った。
だけど………
「やっぱり、上手く行くとは思えません……」
「でも、いつもこういう事って、穂乃果ちゃんが言い出してたよね?」
ことりの言葉に、私は幼少期の事を思い出していた。
木を登ろうと誘いかけてくる穂乃果と登る事に驚くことり、木の大きさに弱音を吐く自分、そして側で苦笑いを浮かべながら見守っているお兄ちゃん。
懐かしい光景が浮かび上がると、続けてことりは話した。
「私達が…尻込みしちゃう所を、いつも引っ張ってくれて」
「そのせいで、散々な目に何度も遭ったじゃないですか……そのたびに、お兄ちゃ……んっ、お兄さんにご迷惑をかけて……」
登った木の枝が折れ、下で見守っていたお兄ちゃんに直撃したうえ、木から降りられなくなった自分達を思い出すと、恥ずかしさでどうにかなりそうになた。
他にも、キャンプに行った際に、山道で迷子になったりと、いろいろあった。
「そうだったね……」
ことりもいろいろと思い出したのか、苦笑いを浮かべながら同意した。
「穂乃果はいつも、強引過ぎます」
私が穂乃果の短所をあげると、ことりは笑顔で私に問いかけて来た。
「でも海未ちゃん……後悔した事ある?」
その瞬間、私は穂乃果達と過ごした日々で、自分が感じていた感覚を思い出した。
降りられなくなった木から見るきれいな夕日や、帰り道の分からない山から見た星空、様々な物見て、経験して感じた、"楽しさ"、"充実感"、そこに後悔はなかった。
目的地についたのか、ことりが立ち止まると、人気のない校舎裏だった。
「見て……」
ことりが見る先には……
1人でダンスの練習に励む、穂乃果の姿だった……
「ねぇ海未ちゃん……私、やってみようかな……
海未ちゃんは、どうする?」
尋ねてくることり、目の前の穂乃果……
そして、自分の気持ち……
気が付くと私は、穂乃果のもとに向かっていた。
私は校舎裏でダンスの練習をしていた。
本当はいつもみたいに、親友二人と一緒に3人でやりたかったけど、私は学校を救いたい!
その為に、1人でも頑張ろう……
考え事をしてしまったせいか、勢い良く滑って転けてしまった。
するとどこからか、手が差し伸べられた。
その先には………
「海未ちゃん……?」
親友の海未ちゃんとことりちゃんがいた。
「1人で練習しても、意味がありませんよ?
やるなら、"3人"でやらないと」
「海未ちゃん」
私は嬉しさのあまり、涙を流してしまった。
――――ドライブピット
「なぁベルトさん」
俺はピットに入ると、ベルトさんに話しかけた。
『ん?どうしたのかね、進二』
「その………どうだ?ハンドル剣……直りそうか?」
それは前回の戦闘により、折れたハンドル剣の事だ。
現時点で奴に、クラッシュロイミュードに有効な手は、ハンドル剣だけだった。
『ん~……まだ少し、かかりそうかな……
今回は修復だけでなく、前回の轍を踏まない為にも、ハンドル剣その物を強化する必要があるからね。
それにハンドル剣にも"奥の手"を搭載する事になった』
「奥の手?」
『楽しみにしていたまえ…フフンッ』
そう言ったベルトさんの顔は笑っていた。
「そっか」
しかし困った、ハンドル剣がないと奴と戦うのに手間取りそうだ。
そうなるとまた………
「なるべく早く頼む」
『ウム、急ピッチで仕上げよう』
俺は入り口側のソファーに、仰向けでもたれかかった。
―どうすりゃ、アイツの硬い装甲を……タイプスピードのパワーじゃ……
一体……
―――音ノ木坂学院 正門
そこに肩を落とし、歩く3人の姿があった。
「がっかりしないで……穂乃果ちゃんが悪い訳じゃないんだから……」
「生徒会長だって、気持ちは分かってくれているはずです……」
高坂穂乃果は、園田海未と南ことりを連れて生徒会室に向かい、生徒会にアイドル部の申請をしたのだが、人数不足により、あっさりと断られたのである。
それだけでなく、穂乃果達の動機を知ると、設立を認めないとまで言われたのだ。
「でも……部活として認められなければ、講堂は借りられないし、部室もありません……何もしようが無いです」
「そうだよね……」
海未の言葉に同意することり。
目の前の問題に、不安になる3人少女
生徒会室でなす術がなく、途方にくれる2人少女
ドライブピットで悩む1人の少年
様々な想いが交錯するなか、少年と少女達は呟いた。
「あぁ……これから一体どうすれば……」
「どうすれば……」
「「どうすれば良いの……」」
「…どうすれば、良いんだ……」
~『ススメ→トゥモロウ』~
桜舞い散るなか、
「私、やっぱりやる!やるったらやる!!」
どうでしたか?
ベルトさんが年齢相応のスケベ親父と化してしまいました。
シリアスにもってくの下手だなぁ(泣)
※設定において、第1話の細部変更しました。
今月届くアーツのトライドロンを楽しみに、頑張って生きたいと思います。
訂正、行きたいと思います。
来週のドライブ、マッハの融合進化態?楽しみですね!
ではいつもどうり、評価、登録お願いします。