早くカクレンサイ。   作:ゆきほ。

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初めてのホラー作品ですが、ぜひ最後まで読んで欲しいです!!


第一話 始まる

___放課後の校舎は泣いていた。

 

その日、私は初めて人の自殺を見た。

 

「明日香・・・・・・私が死んだら、○して。」

 

 

「栞・・・・・・今頃、何してるのかな。」

栞、私の親友が自殺してから三週間が過ぎた。

教室の中で、一つ空席になったその場所は、誰かで埋めておきたいと思うくらい辛いものだった。

「明日香ちゃん、大丈夫?」

「里桜・・・・・・ありがとう、うん、大丈夫。」

必死に笑顔を作るが、そんな簡単なものでは無かった。

いつも隣にあった暖かい熱は消え、ヒンヤリしている。

大事な人が居なくなる辛さ。

考えもしなかった親友の自殺。

何に悩んでいたか、もっと早く気付いていたら。

栞は、今でも笑顔で生きていたのだろうか。

私だって分かってるよ。

どんなに願っても、どんなに自分を責めても、栞は帰ってこないことくらい。

 

「明日香ぁー今日さぁ、私の家に泊まってくんない?」

高校に入って出来た友達の一人、鈴花に声を掛けられる。

そう言えば、高校に入ってから栞以外の家に泊まったこと無かった。

たまには良いかも知れない。

「良いけど、どうかしたの?」

「実はねぇー友達誘って私の家で"カクレンサイ"やろうって思っててね。」

"カクレンサイ"

聞き慣れない言葉に少しだけ恐怖を覚えた。

"カクレンサイ"とは五人~十五人でやる、一種のかくれんぼのようなものだ。

かくれんぼの鬼は人だけど、カクレンサイの鬼は・・・・・・人じゃない。

死んだ人間なんだ。

鬼に見つかったら、殺されると言う危険な遊びだ。

「えっと、鈴花?危険じゃない?」

「あははっ!!もしかして明日香ビビってんの?」

お腹を押さえて笑う鈴花。

鈴花はそう言う話、信じないよね?

なのにどうして。

結局、ヘタレの私に断ることなんて出来なかった。

 

「お、お邪魔します。」

「いらっしゃい、遅かったね。明日香で最後だよ。」

私の他に"カクレンサイ"に参加する人。

女子は高橋 里桜、牛山 凜、山本 心、松井 鈴花と私の四人。

男子は同じクラスの大前 龍一、一宮 修司、井村 慎、井上 貴矢の四人。

合わせて八人だった。

「じゃ、指示者は私がするから。」

"カクレンサイ"の大事な役目をするのは、皆を家に招いた鈴花だ。

"カクレンサイ"にはルールがあって、主に大事な役目を果たすのは、指示者と命死者だ。

指示者は"カクレンサイ"をやっている間だけ、他の仲間に命令できる。

ただし、して良い命令は三つだけ。

一つは、おとりになれと命令出来る。

二つ目は、自ら命を絶てと命令出来る。

最後は、隠れるなと命令出来る。

この命令には絶対に逆らえない。

ただ命令をすれば、鬼に自分の居場所が教えられてしまう。

命死者は、自分の体の一部を捨てることで、三時間安全になる。

でも捨てて良いのは、目か足だけ。

その二人以外の人は、逃げることしか出来ない。

「俺、命死者やっから。」

一宮 修司が言う。

「じゃ、始める前に私、指示者が鬼を決めまーす!!」

指示者は"カクレンサイ"の鬼を決めなければならない。

鬼の条件は、死んでる人であること、実際居た人であること。

そして、決められた鬼は"カクレンサイ"を行っている間は人を殺し続ける。

"カクレンサイ"を終わらすには、鬼の秘密を完全に暴くこと。

生き残るには、頭と足が必要だ。

私が知っている"カクレンサイ"の情報はこのくらい。

 

「じゃあ、鬼は・・・・・・星野 栞で!!」

 

声が出なかった。

自分の親友が鬼にさせられる。

今にでも止めたい。

でも、私には何も言えなかった。

「反対も無いみたい何で"カクレンサイ"を始めようと思います!!」

やけにテンションの高い鈴花が怖くて、顔をを見れなかった。

上げた手を振り下げて「始め!!」と言うと始まってしまう。

スッと手を上げる鈴花。

八人一斉に息を飲む。

「始め!!」

怖くてグッと目を瞑る。

急に冷たい風が吹き、目を恐る恐る開ける。

目を開けるとそこは・・・・・・学校の屋上だった。

 

___キーンコーンカーンコーン。

古いチャイムが鳴り響く。

これが"カクレンサイ"の始まりだった。

 




最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
興味が湧いた方はぜひ、次の話も読んで欲しいです。
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