無害な蠱毒のリスタート   作:超高校級の警備員

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結局な京都での事件

 新幹線が東京駅を出発してから10分ぐらい経過した頃、ウキウキした表情で松田が「俺、実は新幹線初めてなんだよな!」と前の席で呟いていた

 一誠の席は車両の一番後ろの席。さらに一人。隣も空いている。前には変態三人組の仲間である松田と元浜。通路を挟んだ向こう側にはゼノヴィアとイリナが座っている。ちなみに誇銅と罪千の席は一誠たちからそこそこ離れている。

 一誠は冥界行きの列車のインパクトを思い出していると、ゼノヴィアが近づいてき、隣の空いてる席に座った。

 

「イッセー、先に言っておきたいことがあるんだ」

「なんだよ、ゼノヴィア」

「いま、私はデュランダルを持っていない。丸腰だ」

「デュランダルがないのか。なんで?」

「うん。なんでも正教会に所属している錬金術師がデュランダルの攻撃的なオーラを抑える術を見つけたらしくてね。天界経由であちらに送ったんだ」

 

 正教会とはキリスト教会の派閥の1つであり、エクスカリバー強奪事件の際には非協力的であった。 

 ゼノヴィアは皮肉気に笑む。

 

「あの正教会が協力的になってくれたとはね。恐らくミカエル様を始めセラフの方々の口添えがあったのだとは思うが、それでもあそこの錬金術師に鍛え直してもらえるのならば、これ程の機会も無いと感じたんだ」

 

 例の協力態勢から、キリスト教会内の派閥間が幾分狭まった結果だろうと一誠は推測した。

 ゼノヴィアは話を続ける。

 

「聖剣の能力を下げずに攻撃的なオーラだけを抑える術。実に興味深いところだね。……まあ、持ち主である私が未だに抑えられないと言う不甲斐なさが際立つわけだが……。さらには、ロキとの一戦以来なぜか前よりもデュランダルをうまく扱えなくなってしまってな。これで『騎士(ナイト)』とは何とも情けない……。私は死んだ方がマシか……? ああ、主よ」

 

 自虐的になるゼノヴィア。

 

「了解。何かあったら、アスカロン貸せってわけね?」

「うん。すまない。いつもあの剣を借りてしまって」

「いいよ。俺もあれに頼っているけど、場面によっちゃ、おまえに貸した方が効率良いもんな」

「だが、イッセーも剣術を鍛えておいた方がいい。宝の持ち腐れは良くない」

「あいよ。おまえか木場に相手してもらいながら剣術も覚えますさ」

「うん」

 

 要件を済ませたゼノヴィアは元の席へ戻っていった。

 それからしばらくすると、今度は前の車両から木場が歩いてきた。

 周りの女子生徒は木場が一誠のところへ行くことが意外に思う。

 悲鳴に近い女子の黄色い声にイケメンに対する恨みを覚える。

 自業自得の扱いの悪さをイケメンの木場のせいにしていたが、今は大事な仲間ということでその恨みは前よりも収まっているがなくなったわけではない。

 

「隣、座るよ」

「……どうした?」

「あちらについた時の行動を聞きたくてね。いちおう有事の際を想定してさ」

 

 木場が一誠のところに来た理由は、有事の際の行動把握。

 その話が終わると、お互いスケジュール情報を交換し、別の話題に移った。

 先日、一誠がグレモリー家の謎の儀式に参加した。それが終わった後に魔王の一人、ベルゼブブと個人的な話をしたことについて話す。

 そこで悪魔の駒(イーヴィルピース)のプロモーションのそれぞれの力を使いこなすことをアドバイスされたと。

 それから一誠は木場に自分とサイラオーグの手合わせを見ての感想を訊く。そこで木場は正直にサイラオーグのパワーは脅威だと言った。

 

「旅行から帰ったら対サイラオーグさんのトレーニングを改めて再開だな」

 

 その後、お土産が被らないように最終日の連絡を確認すると、木場は席を立って自分のクラスの車両へ戻っていった。

 一段落したところで一誠は背伸びをし瞑目する。

 京都に着くまでの時間、一誠は日課である神器の中に潜ることにした。

 目的は一つ。歴代の赤龍帝と会話すること。

 目を閉じて、ドライグに意識を任せることで神器の中に入り込んでいく。

 

 

 

 暗い場所をぬけていくとそこには白い空間が出現する。

 テーブル席が置かれ、そこには歴代の赤龍帝たちが座り、うつろな表情でうなだれている。

 

『どーも。俺でーす。また来ましたー』

 

 明るく話しかけてみるも返事はない。

 一誠は自分と年齢と体型が似ている赤龍帝に話しかけるが、やはり反応はない。

 ドライグの声が上から聞こえてくる。

 

『そいつは歴代の中でおまえと同い年くらいの赤龍帝だった。才能に恵まれていてな。「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」に目覚めるのも早かった。が、力に溺れ、油断したところを他の神滅具(ロンギヌス)所有者に屠られた』

『白龍皇じゃなくてか?』

『ああ、力に溺れれば白龍皇でなくても暴れる。あちらにも同様の所有者が過去にいただろう。「覇」の力はその者を一時の間、覇王にするが……。いつの時代も覇王は栄えない。長く続かないものだ。それが世の常だな』

 

 ドライグは自分自身を語るような言い方で言った。

 

『それでも大切なものはあったんだよな?』

 

 話しかけても歴代の赤龍帝は反応しない。それでも大切なものがあったと一誠は信じたいと思った。

 

『……我、目覚めるは覇の理を神より奪いし二天龍なり、か』

『相棒』

『全部は唱えないよ。怖いし。ただ、わからないことがあるんだよな。無限ってなんだ? 夢幻もわからん。なんで嗤って、憂うんだろうか』

 

 一誠が疑問を口にすると、その疑問に答える声が。

 

『無限はオーフィス。夢幻はグレートレッドを意味するの。オーフィスを嗤い、同じ赤いドラゴンであるグレートレッドを憂いたって感じかしら。この呪文、誰が作ったかまでは謎なのよね。やっぱり、神様かしら?』

 

 聞きなれぬ第三者の声が疑問に答えた。声の方へ顔を向けると、そこには若い女性が立っていた。ウェーブのかかった長い金髪。スレンダーな体にスリットの入ったドレスを着た美人。

 彼女は他の歴代赤龍帝と違い表情があり言葉を発した。笑みを浮かべ一誠を見ている。

 

『エルシャか』

『はーい、ドライグ。久しぶりね』

 

 女性はドライグと親し気に軽いあいさつを交わす。

 

『相棒、彼女はエルシャ。歴代の中でも二、三を争うほど強かった赤龍帝だ。女性の赤龍帝では最強だな』

 

 今まで見たことのないエルシャの、女性最強の赤龍帝の存在に驚く一誠。

 

『不思議そうな顔ね。ボク? 所有者の残留思念のなかでも例外が三人いるのよ。私はその一人。ま、神器の中でも奥に引っ込んでるから普段はここまで出てこないんだけどね』

『ベルザードと共にもう二度と出てこないと思っていたのだが』

『そんなこと言わないでよ、ドライグ。私とベルザードは奥でひそりとあなたのことを応援していたんだから。かつての相棒同士じゃない? ま、彼はもう意識を失いつつあるけどさ……』

 

 エルシャは少しだけ寂しげな表情を浮かべる。

 

『そしてもう一人は……今なら聞こえるんじゃないかしら? 彼の声が』

 

 エルシャの言ってる意味が分からず訊き返そうとするが、エルシャは口元に指をあてて静かにするように促す。

 一誠は指示に従い静かにし耳を澄ますと。

 

 ぐご~ ぐご~

 

 さっきまで聞こえなかった誰かの野太いいびきが聞こえる。いびきの聞こえる方へ顔を向けると、そこにはいい年をしたおじさんが大きないびきをかきながら眠っていた。大柄でガタイも良くいかにも強そうな雰囲気を漂わせている。

 眠ってはいるが明らかに他の歴代とは違い、眠り顔に表情がある。そもそも他の所有者はいびきなどかかない。

 

『彼はアラン。間違いなく歴代最強の赤龍帝だ。「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」を制御してみせた唯一の赤龍帝』

『「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」をッ!?』

 

 ドライグの言葉に驚愕する一誠。このおっさんがそんなに強いのかと思いながら一誠はアランをまじまじと見る。

 

『相変わらず眠りこけたままみたいだがな』

『前から時々起きてるわよ。またすぐに寝ちゃうけど。でも、時々私たちでも立ち寄れない神器の深部にふらふらっと行くこともあるわね』

『ふっ、生前からそこが知れぬ奴だった。白龍皇を殺したたった一度だけ俺を使い、その後は死ぬまで一度も俺を使わなかった。赤龍帝ではなく、人間として生き人間として戦い人間として死んでいった稀代の赤龍帝。しかしその実力は間違いなく歴代最強と言える』

 

 アランの赤龍帝としての異形の経歴に一誠は考えた。一体歴代最強と呼ばれた赤龍帝はどんな生き方をし、どのように強くなったのか。どうやって『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を制御して見せたのか。

 

『ところでエルシャ。わざわざ出て来たということは何か用があるのではないか?』

『ベルザードがね、いまの赤龍帝くんに興味を持ったらしくて、私を寄越したのよ』

『ちなみにベルザードさんとは?』

 

 一誠が訊くとドライグが答える。

 

『そこのエルシャと共に歴代二、三を争う赤龍帝だ。男では二番目に強かった。白龍皇を二度も倒した男だからな』

『二度も!? そりゃすげぇぇぇっ!』

 

 一誠は『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を制御した話と同じくらい驚いた。『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を制御したのもすごいが、白龍皇に二度も会い倒したのもすごいと。

 エルシャが改めて言う。

 

『それでね、これを渡してくれって』

 

 エルシャが取り出したのは、鍵穴のついた箱。

 

『あなた、現ベルゼブブに「鍵」をもらったんでしょ?』

『ええ』

 

 一誠の手元が突然光り、小さな鍵が現れた。

 鍵の出現にエルシャは笑む。

 

『「鍵」ってそのもののことを指していたわけじゃないけれど、手っ取り早く「鍵」も箱もそれらしいもので表現できたみたいね。この箱は赤龍手のデリケートで、可能性が入っているのよ。本来開けちゃいけないイタズラできない部分。もちろん、「悪魔の駒(イーヴィル・ピース)」を得たあなただからこそできることだと思うけどね』

 

 突然、エルシャは「ふふふふ!」と笑いだす。

 

『おっぱいドラゴン! 赤龍帝! ベルザードと一緒に見ていたわ。ここに来て、初めて私も彼も大笑いしたわよ』

 

 そう言われると、一誠は急に恥ずかしくなった。

 普段から、冥界では大勢に見られる中で恥ずかしげもなく「おっぱい」と叫ぶくせに、なぜ今更恥ずかしがるのかドライグは疑問に思う。

 

『恥ずかしがらないで。ドライグも落ち込んでないで、楽しみなさいよ。こんなにおもしろい赤龍帝は初めてだわ。「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」の不気味で呪われた呪文。あれを吹き飛ばすぐらい「おっぱいドラゴンの歌」は私とベルザードの心を楽しませてくれた。

 

 エルシャは一誠に箱を差し出した。

 

『だからこそ、私も彼も決心がついた。あなたを信じてみるわ』

 

 一誠は箱を受け取り、「鍵」を鍵穴へ近づけてみる。それはちょうど同じサイズであり、これが合うと半ば確信した。

 

『あなたと今回の白龍皇はいままでと別物ね。お互いを求めているわりに、目標がある。なんだろうなぁ。私たちがガチってたのが馬鹿らしくなるわ。―――お開けなさい。ただし、開けたら最後まで責任を持つこと。半端はダメ。何が起こってもそれを受け止めて、一歩を踏み込むの』

 

 一誠はエルシャにそう言われながら、鍵穴に鍵を淹れ箱を開けた。その瞬間、眩い光り包まれ―――。一誠が目を開けると、新幹線の中だった。

 あまりのことに一誠は今までのが夢ではないかと思った。

 

『いや、おまえはエルシャから箱を受け取り、開けたぞ』

 

 ならばと一誠はその箱の中身を訊いた。

 

『わからん』

 

 ドライグの答えに一誠は自分の身に何か起こってないかを調べた。が、特別変化は見られない。

 ならばと神器の方も確認してもらうが。

 

『そちらの方も変化なしだ。……ただ、箱の中身は外に飛び出していった気がするのだが……』

 

 ドライグの言葉に一誠は大きく驚く。

 一誠は急いであたりを見回すが、何も見つかるはずがない。

 エルシャだけでなく、アザゼルや魔王ベルゼブブにも流石に申し訳が立たないと珍しく焦る。

 

『あわてるな。あれはおまえのものだ。必ずおまえのもとに帰ってくる。そういう因果を持っているのだからな』

 

 そう保障されても困惑する一誠だが。

 

「う、うおおおおっ! おっぱい!」

「うわっ! 松田! 何をする! 俺の! 男の乳を揉んで何が楽しい!」

 

 突然変態三人組の松田が同じく元浜の胸を揉んでいた。その光景を一誠は興味なしとし、再び箱の中身へと思考した。

 

「はっ! 俺はいったい何を……。急に乳を求めだして……それで……」

「松田、おまえ、そこまでおっぱい欠乏症にかかって……。よし、今夜ホテルの部屋でエロDVD鑑賞会をしよう! 機材はすべて荷物に積んである!」

「マジか!」

 

 そのことで一誠も前の席に身を乗り出して食いついた。

 女性のおっぱいのことになると一誠は悩むのをやめてすぐさま元気を取り戻した。

 

「おおっ、イッセー! それでこそだ!」

 

 箱の中身がいずれ帰って来るなら、まずはおっぱいといつも通り変態三人組で他の生徒の目を気にせず盛り上がる。おっぱいの話をする前はドライグに箱の中身は戻って来ると保障されてもため息をついていたのに……。

 迷惑なほどエロをオープンにする変態三人組に対する女子生徒の罵詈雑言があったが、一誠たちはそれをいつも通り無視した。

 

 

 

 

「ん?」

「どうしたんですか、誇銅さん?」

「いや……何でもない……?」

 

 何だろう? 今の感じ。なんだかしゃっくりが出そうで出ずに収まったような感覚。

 今さっき一誠から何かが飛び出した感覚と何か関係がある……? 今のところ害はなさそうだからいっか。

 

 

  ◆◇◆◇◆◇

 

 

 新幹線内で罪千さんが弁当三個、鞄半分のおかしを食べ終えた頃、到着のアナウンスが流れた。

 僕たちは荷物を持ったままそのまま外に出て、改札口まで移動して潜っていく。

 

「おおっ!広いなー!」

「見ろ、アーシア!伊○丹だ!」

「は、はい、ゼノヴィアさん!伊○丹です!」

 

 やや後ろから一誠の声と、興奮気味なゼノヴィアさんとアーシアさんの声が聞こえる。

 

「天界にもこんな素敵な駅が欲しいわ!」

 

 イリナさんはどうやら違う方向で興味津々(きょうみしんしん)らしい。

 

「海菜ちゃん! 誇銅ちゃん! 早くするっす! 早くしないと自由時間がなくなっちゃうっすよ!」

 

 僕達と同じ班の憂世(うきよ)さんが先で手を振りながら僕たちを呼ぶ。憂世さんは常にハイテンションだけど、今日はいつにも増して高い気がする。

 

 そのまま一人で先先と行ってしまう前に少し急いで歩み寄る。

 

「そんなに急いだら迷子になっちゃいますよ。集合場所のホテルの場所はわかるんですか」

「わかんないっす!」

 

 そんな自信満々に言われても……。

 とりあえずしおりを出して、位置と目的地を確認する。

 

「え~と、ホテルは駅周辺だから。ここが西改札口だから……バス方面に出たら右方面に……」

「う~、とりあえず外に出ようよ! 駅の中でじっとなんてしてられないっす! 純音(あつね)とマグロはじっとしてたら死んじゃうっすよ~!」

 

 前来たときは過去に平安京があった場所をがむしゃらに目指しただけだったからこの辺の地理はわからないんだよね。

 それでも一度来たことがあるだけあって初見よりもわかる部分が多い。

 

「きゃー! 痴漢!」

 

 駅内で女性の悲鳴が聞こえる。

 

「お、おっぱいを……」

 

 男性が手をわしゃわしゃさせながら、痴漢行為に励んでいたが、周りにいた男性たちに取り押さえられていた。……なんだか、一誠の変態性が悪化した将来の姿みたいに見えて来た。リアスさんたちがいる限りああはならないだろうけども。

 よくよく考えれば一誠たちが学校でやってるのぞきとかってまだ軽いけどあれと同罪なんだよね。

 

「京都に来て初めて見学するのが痴漢確保! 東京でも見れるっつーの! 特にうちの学校じゃよく見かけることだし!」

 

 変態三人組のことだね。一誠の変態行為も減ったとはいえいまだに続いてるみたいだし。

 痴漢を行った男性は取り押えられたが、実はそんな男性はもう一人いた。その男性はなんと僕たちに近づいて来て、罪千さんを狙っているようだった。

 

「お、おっぱい……!」

「迷惑行為は慎んでください」

 

 まあ、男性が罪千さんに痴漢行為を働く前に柔術で軽く取り押さえさせてもらったけどね。

 

「ありがとうございます、誇銅さん」

「ひゅー! 誇銅ちゃんカッコいいっす!」

 

 あっ、調子に乗って普通に柔術使っちゃった。今の一誠たちに見られてないかな……?

 僕は痴漢を近くにいた駅員に引き渡し、罪千さんと憂世さんの手を取って急いでこの場を離れた。

 

「おや? どうしたんっすか? 誇銅ちゃん」

「道もわかったから早く行きましょう。それと、さっきのことは言いふらさないでくださいね。恥ずかしいので」

 

 憂世さんの口から僕が柔術を使ったことがバレないようにするが。

 

「えー、さっきの誇銅ちゃんかっこよかったのに。けど、誇銅ちゃんが恥ずかしいなら言わないっすよ。あ、京都タワーっす!」

 

 ……本当に秘密にしてくれるのだろうか。憂世さんは口が軽いわけじゃないけど、勢いでぽろっと言ってしまいそうな気がする。

 まあ、憂世さんは一誠や一誠の周りの人と特に親交はなかったと思うから大丈夫か。

 集合場所自体はすぐ見つかった。京都駅から数分歩いたところにある大きな高級ホテルがね。その名も「京都サーゼクスホテル」……悪魔は京都内でよくこんな堂々としたことができたよね。

 さらには、少し離れたところには「京都セラフォルーホテル」なんてものが建っていた。どんだけ京都駅周辺に建ててるんだよ!

 サーゼクスって魔王様の名前だよね。確かリアスさんのお兄さんの名前だったハズ。だからこんなところに泊まれるのか。日本と冥界が本格的に縁を切ったらこの場所はどうなるんだろうか……。

 入口に立つボーイさんに学生証を見せると、ホールのほうまで丁寧に説明してくれた。

 あまりの豪華絢爛なロビーを見て、憂世さんは大興奮。

 

「すっげー豪華っす! 純音(あつね)、豪華すぎてクラクラしてきたっす!」

 

 若干ふらふらしながら言う憂世さん。

 悪魔がそれだけ儲かってるのか、それとも単に貴族趣味ななだけなのか。どっちにせよすごい財政的なパワーはあるのは確か。

 あの悪魔がどんな方法でとんでもない金額を湯水のごとく使える程の財力を手に入れたのか、怖くて想像したくないな。

 ロビーから少し進んだ先の広いホールには既に他の生徒が集まってきていた。

 時間が来ると各クラス、班ごとに点呼が始まり、いない人の確認などをし、先生たちのから注意事項を聞く。

 

「地元の人たちと問題を起こさないように。地元の学生とかに絡まれたなら穏便に逃げるか、もしくはチクられないくらい徹底的にすること。君たちが問題を起こせば次の後輩たちに多大な迷惑がかかりますし、先生たちも大変迷惑になります。ですからくれぐれもその辺は注意してください。あとお土産で木刀とかノリで買って後悔しないように。あれ結構高いうえに荷物としてすっごいかさばるから」

 

 なに言ってんだこの先生は。チクられないように徹底的って、暴力で解決しろってか! とんだ不良教師だよ!

 確かこの人生活指導の先生だったハズ。大丈夫なのかこの人?

 前に立つ先生たちの最終確認が終わり、各々が荷物を持って、ホールで従業員から部屋のキーを受け取っていく。

 

 

 

 駒王学園の生徒が止まるホテルの部屋は広い洋室の二人部屋。中に通されると大きなベッドが二つと京都駅周辺を窓から一望できる風景を目の当たりにした。

 

「うおおおお! すっげぇな! 修学旅行でこんなホテルに泊まれるなんて、駒王学園に入学してよかったぜ!」

 

 僕と同室の細田は部屋の広さと外の景色を見て感動している。

 

「なあ、日鳥もそう思わねえか?」

「うん、そうだね。こんな広くて豪華なホテルに泊まる経験なんてそうそうないだろうし」

「そうだよな! もしかしたらもう一生ないかも」

 

 と言っても、今じゃ一誠の家の方がもっとすごいからあんまり感動がないんだよね。せっかく修学旅行でこんな豪華なホテルなんだから僕としてももっと感動したかったんだけども。

 まあ、感動が薄いと言っても、悪魔が経営するホテルでも、悪魔を警戒せずに豪華なホテルの一室でゆっくりできるのはいいね。悪魔側のホテルでもまさか妖怪の目が厳しい京都でやらかそうとはしないだろう。

 

「おっと、もたもたしてられねえよな。今は京都見学先だ。お互いさっさと準備して班と合流して京都の町に繰り出そうぜ」

 

 細田の言う通り僕たちはさっさと準備を済ませて同じ班の人を待つ。ロビーで待っていると細田の班が先に来て行き、その数分後に罪千さんたちも来た。

 

「お待たせ! 誇銅ちゃん!」

「お待たせしました、誇銅さん」

「うん、それじゃ行こうか」

「おー!」

 

 

  ◆◇◆◇◆◇

 

 

 僕たちは三人で京都の町へと繰り出す。この時代に戻ってきて以来だからそこまで日にちは経ってないけど、あの時は特に観光とかはしてなかったからね。

 

「海菜ちゃん! 誇銅ちゃん! 見て見て、珍しいものがいっぱいあるっすよ!」

 

 憂世さんは人一倍高いテンションで京都の街並みを見学していた。大はしゃぎで先先行く憂世さんに僕は迷子にならないでねと笑いながら注意しながらも割とマジで心配した。

 その結果―――ものの数十分で憂世さんは迷子となった……。

 

「え、もう!?」

 

 思わず声に出る程びっくりしたよ。迷子になりそうだなとは思ったけどまさか本当に、それもこんな短時間でなるとは思わなかったよ!

 と、とりあえず憂世さんに電話しないと。もしかしたら迷子になったのを理解せずにいまだに夢中で動き回ってるかもしれない。あまり遠くに行かれると合流するのにかなり時間がかかってしまう。

 僕が携帯を取り出そうとすると、突然小さな手が僕の目を後ろから塞いだ。

 

「だ~れだ」

 

 気配も声も手の温かさも、全て僕がよく知ってるものだ。

 

「こいしちゃん」

「せ~か~い!」

 

 首を後ろに向けるとやっぱりこいしちゃんがそこに。突然現れたように見えた罪千さんは僕に肩車状態のこいしちゃんに驚いてる。

 

「し、知り合いですか?」

「ああ、うん。僕の妹だよ。こいしちゃん、こっちは昨日電話で話した罪千さん」

「そうなんだ。初めまして、こいしで~す!」

「罪千海菜です。あの……は、初めまして」

 

 こいしちゃんは僕の背中から降り罪千さんに軽くあいさつする。

 僕はそんなこいしちゃんを後ろから抱き上げぎゅっとした。僕たちはその状態で仲良くじゃれ合う。

 すると、複数の妖怪の気配が僕たちに近くに集まってくるのを感じた。気配からしてあまり強くはなさそうだが殺気を放ってる。周りを気にしてか複数で僕たちを監視しているようだ。

 僕たちの周りから不自然に一般の人たちが離れて消えていく。こいしちゃんが能力で無意識を操って離れさせたのだ。

 周りに一切の一般人が消えると、その妖怪たちは姿を現した。神主装束で狐のお面を被った妖怪たち。

 

「こいし様から離れろ! 魔の者よ!」

 

 どうやら何か勘違いされているようだ。僕はぜんぜん平気だけど、罪千さんは驚いて怯えながら僕に抱き着く。

 恰好(かっこう)からして妖狐。気配からして下位の若い世代だろう。

 

「ん、何かよう?」

 

 こいしちゃんは首をかしげて妖狐たちに問いかける。

 

「……ふ~ん、なるほどね」

 

 こいしちゃんは心が読める妖怪、(サトリ)。妖狐たちの心を読んで現状を把握したのだろう。

 

「そっか、でもこの人たち大丈夫だから。もういっていいよ」

「しかしこいし様」

「いっていいよ」

余所者(よそもの)である魔の者が怪しいのは間違いなく、その者も直接関係していなくとも」

「行け」

「はいぃぃ!」

 

 感情のない最後の言葉に恐れた妖怪たちは逃げるように去っていった。

 容姿や言動が幼く見えようがこいしちゃんもあの時代(平安時代)から生きる猛者。立場も妖怪としての格もそこらの妖怪と段違い。さらには養子とは言え藻女さんの娘であり、幼い頃から九尾流柔術をハイレベルで使いこなし、藻女さんからは二代目風影を期待されていた程の腕を持つ。

 

「何があったの?」

「うん、ちょっと問題が起こったみたい。けど大丈夫だからお兄ちゃんは心配しなくていいよ」

 

 こいしちゃんはそう言うけどちょっと心配だ。けど僕にできることはない。

 何があったかはわからないけどどうやら時期が被ったからか悪魔も疑われている。日本と冥界の関係的にも悪魔である僕が協力できることはない。むしろ協力することが迷惑ですらある。

 大事な時間を過ごした日本の京都。目の前で問題が起こってるのに何もできないのは心苦しいけど、藻女さんたちがいるなら大丈夫だろう。

 それにしても……やっぱり事件が起こってしまったか。これが悪魔や龍のオーラによるものかはわからないけど、一誠がいるとこに事件は絶えない。

 まずは迷子になった憂世さんに電話して合流しないとね。

 

 

  ◆◇◆◇◆◇

 

 

 誇銅がこいしと出会った頃、一誠たちは伏見稲荷から伏見山へ登っていた。

 途中途中で景色を楽しみながら写真を撮るメンバーたちに断りを入れ一誠は一足先に山の(いただき)へと階段を勢いよく駆け上がった。そして頂にある古ぼけたお(やしろ)へ辿り着く。

 人気がなく、一誠以外誰もいないお社に手を合わせ、

 

『おっぱいをたくさん見て触れますように! 彼女ができますように! 部長さんや朱乃さんとエッチができますように!』

 

 と、性欲にまみれた卑猥で既に願う必要がない願いを念じて、その場を後にしようとすると―――。

 

「……京の者ではないな?」

 

 突然の声に、一誠は周囲に気を配らせると、隠す気のない殺気に囲まれていることに気づいた。

 そこまで強大ではないと感じていたが、気づかぬうちに囲まれたことに警戒する。

 少し身構える一誠のもとに現れたのは、巫女装束を着た小さな妖狐の女の子。

 

「……女の子?」

 

 キラキラと光る金髪、金色の双眸、頭の狐耳、モフモフな狐の尻尾。それが狐の妖怪であることをここが伏見稲荷ということから一誠は察した。

 一誠は自分がこんな状況になったのはおっぱいな願い事がご法度ではないかと思っていると、小学生程の少女は一誠を激しく睨み、吐き捨てるように叫ぶ。

 

「余所者め! よくも……ッ! かかれっ!」

 

 少女の掛け声と共に林から山伏(やまぶし)の恰好のカラス天狗と、神主の格好をして狐の面を被った下位妖狐が大量に出現する。

 

「おおっと! なんだなんだ! か、カラス天狗……? 狐?」

 

 初めて見る相手に驚く一誠に、少女は容赦なく指を向ける。

 

「母上を返してもらうぞ!」

 

 天狗と狐神主が同時に襲い掛かる。

 一誠は瞬時に籠手を出現させ攻撃を躱す。

 

「は、母上? 何を言ってんだ!俺達はお前の母ちゃんなんて知らないぞ!」

 

 一誠が少女にそう叫ぶが、少女は問答無用と言った様子。

 

「ウソをつくな! 私の目は誤魔化しきれんのじゃ!」

 

 全く身に覚えのない罪を追求された一誠は逃げの一手。しかし、数多くの攻撃をいなせるほど一誠の技量は高くない。天狗の錫杖が一誠に降りかかる。

 一撃受けることを覚悟した時―――。

 

 ギンッ!

 

 ゼノヴィアが木刀で錫杖を受け止めた。

 

「どうした、イッセー」

「何々? 妖怪さんよね?」

 

 ゼノヴィアとイリナがお土産屋で買った木刀を手にして加勢に来た。少し遅れてアーシアも駆けつける。

 悪魔が四人に増えたことにより、少女の一行は驚き、怒りを一層深めた。

 

「……そうか、お前逹が母上を……もはや許す事は出来ん! 不浄なる魔の存在め!神聖な場所を(けが)しおって! 絶対に許さん!」

 

 話し合いの余地がないほど少女は怒りを露わにする。一方的にやられている一誠は不快に思う。

 

「アーシア! 部長から例のものを受け取っているな?」

「はい!」

 

 一誠が訊くとアーシアはスカートのポケットからグレモリーの紋章入りのカードを取り出した。

 京都で有事の際にリアスの代わりに一誠のプロモーションを承認するための代理認証カード。アーシアは修学旅行の間、リアスからそれを預かっていた。

 

「行くぜ! え、えーと……」

 

 『女王(クイーン)』にプロモーションしようと思った一誠は、実戦で他の駒に慣れておかないとと思い考える。

 一誠はリアスに「いいイッセー? 京都を壊してはダメよ? 他の勢力にも怒られるし、悪魔業界にも迷惑をかけるわ。何より私の好きな京都を大切にしてね」と、念押しされているため、この伏見稲荷で戦うのに破壊力のある駒は使えない。

 

「よっしゃ、『騎士(ナイト)』でプロモーション!」

 

 プロモーションしたことで一誠は体が軽くなった感覚を得る。スピードで翻弄すれば稲荷大社を傷つけないと考えて。

 念のために三十秒分の溜めで力を増加させておく。

 

「ゼノヴィア、イリナ、よくわからんけどここは京都だ、理不尽なことになってるけど、相手と周辺を傷つけるのはマズい。できるだけ追い返す程度に留めよう」

「「了解」」

 

 一誠に意見に二人は応じる。

 一斉に少女の一味が襲い掛かる。

 ゼノヴィアとイリナは木刀で彼らをいなし、相手の得物を破壊しながら圧倒する。一誠もアーシアを護りつつ攻撃を素早く避け、蹴り飛ばす。

 少女たちは一誠たちの方が強いと感じると、後方に退いていく。

 

「もう気は済んだ?」

 

 すると、第三者の声が聞こえた。

 一誠たちも妖怪たちも声の方を見ると、そこにはピンク髪の少女がジト目で一誠たちの戦いを眺めていた。

 狐の少女が小学校低学年なら、ジト目の少女は小学校高学年くらいの容姿。

 

「なぜおぬしがここにおるんじゃ」

「そんなことはどうでもいいわ。それよりも、九重(くのう)ちゃん。今のあなたには何を言っても無駄でしょうから言わないけど、大人しく屋敷に帰りなさい。どっちにしろ勝てないことはわかってるんだから」

 

 ジト目の少女の棘のある言い方に狐の少女はムッとする。そしてその視線を一誠たちに移し、憎々し気に睨んだ後、手をあげる。

 

「……撤退じゃ。今の戦力ではこやつらに勝てぬ。おのれ、邪悪な存在め。必ず母上を返してもらうぞ!」

 

 狐の少女がそれだけ言い残すと、一迅(いちじん)の風と共に妖怪たちは消えていった。ジト目の少女一人を残し。

 

「ごめんなさいね、変な疑いをかけてしまって。私にはあなたたちが無実であることはわかっています。あの子はこちらで何とかしておきます。引き続きゆっくりと京都見学を続けてください」

「……あんたはいったい何者なんだ?」

「それは知る必要がないことです」

 

 ジト目の少女は一誠の質問に答えない。その代わりと言うかのように少女は別の疑問に答えた。

 

「おっぱい、彼女、エッチ、あなたの頭には性欲以外はないわけ? いえ、どんな事情よりも己の性欲が第一なのね。―――見下げた変態ね」

「なっ! いきなり何言い出すんだよ!」

 

 突然胸の内を暴露された一誠は恥ずかしそうに叫ぶ。

 

「私はただ疑問に答えようと思っただけですよ。私がどこから見ていたかと言うね。あなたが卑猥なお願いをしてる時からずっと見ていました」

 

 少女が言った通り一誠はその疑問を胸に抱いていた。だがその質問は一誠の胸に秘められたまま。

 

「なぜ自分が訊きたかったことがわかるかですか?」

「ど、どうして俺の考えてることが……! てか、最初っから見てたなら止めてくれよ。さっき見たところあいつらより強いんだろ?」

「うふふ、買いかぶりすぎですよ。私にあの子たちを抑え込む腕っぷしなんてありません。いまも襲われたらどうしようかと思っています。なので、そろそろ消えさせていただきますね」

 

 そう言うと少女は景色に溶け込むように消えていった。

 一誠たちは構えを解き、突然の理不尽な襲来と少女の意味ありげな言葉に困惑を残す。

 そうして起こってほしくなかった何かが起こりそうな予感を感じる。

 

 

  ◆◇◆◇◆◇

 

 

 修学旅行初日の夜。僕たちはホテルでの夕食をしていた。

 夕食の湯豆腐はあっさりしておいしかったし、湯葉も繊細でやわらかな食感。京野菜も昔食べたものとまた変わってておいしかったよ。

 こいしちゃんが襲撃を退けてくれた後、憂世さんに電話で連絡し場所の特徴とそこを動かないように言い、こいしちゃんの案内で無事合流できた。その後こいしちゃんの案内で有意義な京都観光を楽しめた。ちなみに明日も案内してくれるそうだ。

 食事を終え、罪千さんの食後のあれもこっそり終わらせた後、僕は憂世さんと罪千さんの部屋で楽しくおしゃべりしながら遊んだ。

 しばらくして女子のお風呂時間になったので僕は一度部屋に戻ることに。すると、 どこの戦場に行くのかと思うほど迷彩装備で部屋を出る細田とすれ違った。あまりのガチ装備に言葉を失い呼び止められなかった。

 そしてまたしばらくして、今度はなんだか落ち込んだ様子で戻ってきた。

 

「……どうしたんですか?」

 

 僕がそう訊くと、細田は自分のベットに座り言う。

 

「俺たちは女風呂を覗きに行ったんだ」

 

 うん、なんとなく予想はしていたよ。細田は変態三人組ほどではないがそこそこ変態なのは密かに知られている。本人はきっちりと隠してるつもりなんだろうけども詰めが甘くてポロポロとそういう部分が見え隠れしちゃってるんだよね。

 

「そしたら、兵藤が先に生徒会に捕まってた。兵藤が捕まってるうちに通り抜けようと思ったけど……兵藤みたいな奴と同列に扱われると考えると。女風呂は覗きたいけど、あいつと同列になったらマジでモテなくなる!」

 

 その変はちゃんと危機を感じてたんだ。けど、一誠が先に捕まってなくても女湯を覗いて捕まったらもれなく仲間入りだと思うよ。

 打ち明けてくれたってことは信頼してくれてるととっていいのかな……? まあ、未遂だし普段からそういうことをしてないから見逃しておこう。

 

「もしかして俺って、あいつらと同じなのかな……」

「そ、それは違うよ。細田はあんなオープンに嫌われるようなことはしないし!」

 

 自己嫌悪に陥り始めた細田をなんとなく慰めていると、今度はなぜか一誠への愚痴に発展した。

 

「モテたいとか言いつつも好き放題変態行為を働いてるくせに、今では周りには美人が集まってる。不公平だ! なんであいつはリアス先輩や姫島先輩に気に入られてるんだ! アーシアちゃんやゼノヴィアさん、あとイリナさんもなんか兵藤とえらく親し気だしよ! それ以外にもなんか他の女子たちからの評価も上がってるし」

 

 自分はモテようと努力したのに、モテたいと言葉だけの相手が盛大にモテ始めたら悔しいよね。僕も別の意味だけど一誠と自分を比較していた時期があったからわかるよ。

 とりあえず話を聞きながらも落ち着けるように備え付けのお茶を淹れて出したりする。

 それからしばらく愚痴を言い続けた細田は一通り言い終えたようですっきりとした表情になった。

 

「あー吐き出したらすっきりしたわ。サンキュー、誇銅」

「このくらいでよければ」

 

 すっきりした笑顔でお礼を言われ、今度は普通のおしゃべりをする。細田とは普段しゃべらないから同室になった時は心配だったけど、新しい出会いみたいで案外ラッキーだったかもね。

 これでちょっと前にアザゼル総督からの呼び出しがなければな……。




 一誠のせいで痴漢にされてしまった男性。痴漢は例え冤罪でもその人の経歴に多大な傷を与えてしまう。場合によってはそれで人生を棒に振る結果になることも……。それも洗脳状態とはいえ現行犯。―――恐ろしい限りです……。
 男性の皆さん、痴漢冤罪には十分気を付けましょう!(私自身が痴漢冤罪に巻き込まれたとかではないですからね!)
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