「発令!第十一号作戦」顛末記・改   作:そらがく

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作戦開始前/戦力分析

 桜が散り、新緑の若葉が清々しい季節。

 場所は鎮守府内の会議室。広くも無く狭くもない部屋の円卓に座るのは9人の艦娘達だ。

 皆、それぞれに席に着いて、会議の始まりを待っていた。

 

「では少し時間が早いですが、各班の代表もそろったようですので、西方海域で展開する『第十一号作戦』の対策会議を開催するのです。議長は何故かまた私、電が勤めるのです」

 

「私、場違いなのです」と言わんばかりに小柄な駆逐艦娘である(いなずま)が所在なさげに周りを見回す。

 円卓に座るのは確かにこの鎮守府に在籍する艦娘の中でも主戦力を担う者ばかり。

 歴戦のオーラを(たた)えた猛者の面々。

 何よりも背が電よりも高い者たちばかりで、一同の上からの視線を一手に受けると威圧感が半端ない。

 しかしながら、だ。

 

「何をおっしゃいますの。その役は初期艦でないと勤まりませんわ」

 

 神戸生まれのおしゃれな航巡の艦娘がそう言ってにこやかに笑う。

 確かに電は『初期艦』だ。言わば最古株に当たる。

 この鎮守府の生き字引と言っても過言ではない。

 

「初期艦と言っても最近は駆逐艦の戦闘は改ニ組。ここのところは遠征任務ばかりで、大規模作戦中も多分、遠征任務なのです・・・」

 

 練度はそれなりに高いのだが、前線から遠のいて久しい。

 しかしながら、こう言った際は必ず呼び出される。

 つまり、この鎮守府には、まとめ役がいない。

 大淀でも居れば別なのだろうが、当鎮守府には残念ながら着任していない。

 

「そう言うな。兵站は大事だ。今回の作戦も物資があってこそ挑めるというものだ。東急担当の第六駆と第二十一駆にはみんな感謝してるさ」

 

 腕組みをした戦艦艦娘が堅苦しく、だがどこか優しげにそういう。

 電の所属する第六駆とは、暁、響、雷、電の4名。

 もっとも響はベールヌイに改名され、戦力組に移籍。うちの鎮守府では3名しかいない。

 

 ちなみに「東急」とは「東京急行」の略であり、弾丸で行う輸送の事だ。

 集まる資材量が多く、比較的短時間で終わる為、遠征任務では重要視されている。

 しかし、練度の高い駆逐艦娘を必要とする為、誰でもと言うわけにはいかない。

 この遠征任務を負う駆逐艦娘は言わばエリートである。

 

 だが、電は重要なポジションに就いている事をあまり自覚してない。

 確かに、戦争の花形は海上戦闘だ。蔓延(はびこ)る敵を根こそぎ蹴っ飛ばして海域の安全を確保する。

 それは今の世にとって最重要課題。

 だから火力の高い艦娘は重宝される。

 

 しかしながら、戦いの勝敗は「そこに至るまでにどれだけ準備したか」で決まるものだ。

 海域を縦横無尽に疾走する為の燃料、敵をぶん殴る為の弾薬、傷ついた艤装を修理する為の鋼鉄、空を支配する為に欠かせない航空機を生み出すボーキサイト。

 それらを誰が苦労して用意しているのか、鎮守府の艦娘達はそれを皆よく知っている。

 それに『過去』の戦いに置いて、資源不足に事に苦しんだ者は多い。

 だから、目の前の小さな駆逐艦を軽んじる艦娘は誰一人として居ない。

 

「長門さんにそう言ってもらえると光栄なのです。それでは作戦遂行について話し合う前に各班、現状の練度の報告をお願いするのです」

 

 誰にしようかと目を泳がせる電に、その長門が軽く手を挙げてから、おもむろに立ち上がった。

 長門型一番艦。その身に宿す高火力を表すかのような武士(もののふ)めいた存在感を持つ艦娘だ。

 

「では戦艦班から行かせてもらう」

 

 長門はこの鎮守府では古参の部類に入り、着任難度が高いにも関わらず、姉妹艦の陸奥よりも着任が早かった。

 そしてそれだけ電との付き合いも長い。

 

「ではお願いするのです。長門さんは今までのうちの鎮守府で行った二回の大規模作戦のどちらでも活躍された大規模作戦のエキスパート。今回も期待するのです」

 

 そう言われて、長門は人差し指で頬を掻いてわずかに口元を緩める。

 自信家で武士の様な言動に落ち着いた口調だが、意外と照れ屋でもある。

 

「悪い気はしないが、誉めても何もでないぞ。さて言うまでもなく戦艦班はこの長門が代表を務める。現在、戦艦班はこの長門を筆頭に陸奥、金剛四姉妹、伊勢姉妹の仕上げは上場だ。どの海域に投入しても申し分ない働きをしてくれると信じている。扶桑姉妹はまだだが、支援砲撃ぐらいはできよう」

 

 電が「もったいぶっているのです」と苦笑しながら質問する。

 

「それでうちの最終兵器の仕上がりはどうなのですか?」

 

 長門は得意げに胸を張ると手塩を掛けて育て上げた秘蔵っ子の説明をする。

 

「ああ、よくぞ聞いてくれた。武蔵の方も実戦投入可能だ。ただ知っての通り、大食らいだ。投入はおそらく最終海域になるだろうな」

 

 大和型二番艦。武蔵。練度はまだ長門には及ばないものの、鎮守府内で最大火力と最大耐久を誇る怪物級の艦娘だ。

 豪快な性格をしており、大雑把なのが珠に傷だが、頼もしいことに代わりはない。

 しかしながら・・・

 

「うちの鎮守府の備蓄を考えれば、出来れば投入せずに終わりたいですね・・・」

 

 大和型は対費用効果(コストパフォーマンス)の観点から見ると劣悪そのもの。

 普通の海域では過剰攻撃(オーバーキル)になりかねず、投入は慎重さが要求される。

 だが、その心配をする電に対し、長門は首を振る。

 

「そう言ってやるな。大規模作戦に出してやらねば、今まで演習に励んできたかいがあるまい」

 

 参加する事に意味がある。

 大規模作戦はお祭りに似ているとは誰の言葉だったか、電は困った表情を浮かべる。

 この鎮守府の台所事情は、悪いわけでもないが、お誉めの言葉を頂けるほど良くもない。

 

「まぁ、そうなのですが・・・戦艦班は手札が多いという認識でいいですね」

「あぁ、問題ないと思ってくれていい。今回の報償に海外の戦艦が含まれると聞いているので楽しみだ。戦艦班からは以上だ」

 

 海外の戦艦・・・うちにはビスマルクが未着任なので、もし着任すれば初の着任艦になる。

 ビスマルクも、同じドイツ艦で彼女を姉のように慕うプリンツ・オイゲンが寂しがっているので、そろそろ着任を御願いしたい所だが、確率の女神はいまだに顔を(そむ)けたままだ。

 それはともかくとして電は次の発言者の方を見る。

 最初に戦艦と来ればおのずと次は・・・

 

「では次は正規空母班。よろしくお願いするのです」

「正規空母の代表は私、加賀が勤めます」

 

 加賀級空母一番艦。

 はかま姿の物静かで冷静沈着である意味頑固な艦娘だが、たまに歯に衣着せぬ物言いをする毒舌家でもある。

 

「加賀さんには今回も圧倒的な制空権奪取を期待するのです」

 

 電がそういう通り、加賀もまた古参の部類に入る艦娘。

 赤城とのコンビで第一航空戦隊、すなわち「一航戦」を構成するベテラン中のベテランだ。

 この鎮守府の初期から在籍し、数々の通常海域の開放に携わっている。

 そして過去の大規模作戦でもその力を遺憾なく発揮してきた制空の大黒柱だ。

 つい最近まで、この鎮守府での練度筆頭の座についていた事もある。

 最近は後進の育成に集中する為、出番は少ないが、いざという時に頼りになる艦娘の1人だ。

 

「そうね。頑張るわ。我々の練度ですが、一航戦は私、赤城さんともに問題ありません。二航戦は飛龍が改二になったばかりですが、投入可能でしょう。蒼龍は後少しで改二なので余裕があれば作戦中に改装できればと思います。雲龍型の二人は雲龍さんが改装済みですが、作戦への投入は手数が足りない時のみという所でしょうか。これは大鳳さんも言える事です。ちなみに天城さんは待機でお願いします」

 

 報告を聞いて電は、「またか」と皆と同じく呆れたような顔になる。

 

「加賀さん、五航戦のお二人の報告がないのです・・・」

 

 翔鶴、瑞鶴の二人の事だ。

 彼女は「こほん」とわざとらしい咳払いをしてから、明後日の方向を向きながら答える。

 

「忘れてました。個人的にはまだまだだと思うのですが、大規模作戦に出しても練度的には問題ないでしょう。品格的にはどうかと思いますが」

 

 そう素っ気なく加賀は言うと電は「やれやれなのです」と苦笑する。

 

「五航戦はうちでは着任早かったですし、一航戦に次ぐ高練度と聞いてますけど・・・」

 

 何せ、当鎮守府では飛龍の着任が遅れに遅れた為、飛龍、蒼龍の二航戦コンビの育成が遅れている。

 だから、ここでは一航戦に次ぐ実力者は五航戦だ。

 

 しかし、五航戦、特に跳ねっ返りの瑞鶴と品行方正の加賀の反りが合わない。

 お互いの実力は認めている物の些細な事で二人が言い合いをしているのは、鎮守府の風物詩だ。

 ただ要は「両者ツンデレ相見(あいまみ)える」なので、遠巻きに微笑ましく眺めるのが作法である。

 

「そうだったかしら? それと今回の報酬に雲龍姉妹の末っ子が含まれると聞いているわ。必ず確保してちょうだい。正規空母班からは以上よ」

 

 電は加賀にうなずくと隣の軽空母班の方に目を配る。

 

「では次は空母つながりで軽空母班にしましょうか」

「よっしゃ。ほな軽空母班の代表はこの龍驤さんが勤めるで」

 

 元気よく手を挙げて席を立ったのは真っ赤な水干(すいかん)に似た上着にミニスカートをはいた艦娘。

 胸元の赤い勾玉が陰陽師っぽいチャームポイント。

 彼女の名は龍驤。その薄っぺらい胸を張って、えせ関西弁を喋る艦娘。

 普段は高下駄を履いているため分かりにくいのだが、椅子に座ると目線は駆逐艦娘である電と変わりない。

 しかし、立派に軽空母を(つかさど)る艦娘である。

 

「軽空母の練度が一番高いのは千歳さんと聞いてましたが・・・」

「せやな。ちなみに千歳の奴は二日酔いでぶっ倒れとるで。それにぶっちゃけ、誰が代表になっても問題あらへんから、うちが出てきたわ」

「ええっと・・・」

 

 何を言っていいのか困る電に「あはは」と笑う龍驤。

 確かに軽空母班は何故か呑兵衛が多い。

 

「ともかく軽空母で大規模作戦に投入できるのは千歳はんと辛うじて出雲ま・・・飛鷹はんのみや。まぁ、千代田はんも改二やから、やってやれへん事もあらへんやろが、序盤海域限定やろな」

 

 龍驤はそう軽く言うが、電は少し複雑な顔をする。

 軽空母班の層は薄い。とは言え、着任自体はほぼ全員済ませている。

 要は、この鎮守府では戦力化されていない者が多い。

 

「軽空母が要らないリランカでの特訓(レベリング)の弊害ですね・・・大鳳さん確保の為にボーキ制限ありましたから」

 

 新造艦着任の儀式である「大型建造」はとかく資材の消費が激しい。

 その上で上位の航空機や電探の開発。

 ボーキサイトは入手が限られるため、もっとも大事な資材だ。

 

「せやな、うちもキス島での特訓はあんま好まんし、軽空母の練度は壊滅的やね」

 

 潜水艦を(おとり)にした戦闘はまさに一方的な戦闘(ワンサイドゲーム)で疲労をある程度無視してガンガンと挑める特訓(レベリング)ではある。

 しかし、何かと短調かつ資源の消費も激しいとの事で、この鎮守府では敬遠されていた。

 

「大鳳さんも無事着任しましたし、龍驤さんを改二まで引き上げる計画はあるんですけどね・・・」

「まぁ、うちらは正規空母の代わりになれへん。千歳はんだけでも何とかなってきた歴史がある。仕方があらへんわ。ちょっち悪いんやけど、うちらには今回の大規模作戦では過度の期待は堪忍してや」

 

 現状に()ねた様子はなく、至って普通に「めんごめんご」と言わんばかりに龍驤は手を振って笑う。

 

「最終海域付近で必要にならないことを祈るのです・・・それでは次は重巡班お願いするのです」

 

 電は苦笑いしながら、重巡班の代表の方へ顔を向ける。

 

「重巡班は航巡を含むとの事で代表は私、熊野が勤めさせていただきますわ」

 

 立ち上がったのは最上型重巡4番艦の熊野。

 この鎮守府では早くに改装され、航巡になっている。

 お嬢様学校の制服のような焦茶のブレザーに胸元にオレンジのスカーフ。

 活発で元気なお嬢様と言う雰囲気を醸し出している艦娘。

 自称神戸生まれのおしゃれな重巡。すなわち川崎重工業神戸製作所出身である。

 ただ神戸は土地柄上、セレブな方々は山側に住んでいるものなのだが・・・。

 ともかく「カワサキか・・・」を地で行くどこか残念なお嬢様航巡である。

 

「重巡勢の筆頭は摩耶さんと聞いているのです・・・というかうちの鎮守府のNo.2だった気が」

「『姉さん達を差し置いて代表なんかになれっかよっ!』との事ですわ。高雄さんは筆頭は摩耶だからと引かず・・・姉妹揃って頑固ですわ」

 

 頬に手を当て「困ってしまいましたわ」と言わんばかりに熊野は首を傾げる。

 

「それで航巡筆頭の熊野さんにお鉢が回ってきたと」

「鈴谷も同じ練度なのですが、『ぱす』だそうですわ。しょうがなく私が、本当にしょうがないのですが、この熊野が代表を勤める事になった次第ですわ!」

 

 胸に片手を当てそう説明する熊野。しかし・・・

 

「その割に、ものすっごい嬉しそうなのです」

 

 確かに言っている事と違い、熊野は非常に上機嫌だ。流石に夕立ばりに「ほめて、ほめて!」とまでは言わないがそれに近い物がある。

 

「何かおっしゃいまして?」

 

 さすがに「こほん」と咳をすると熊野はすまし顔を作った。

 電は呆れながら「いえ、なんでもないのです」と首を振って、先を促す。

 

「では報告お願いするのです」

 

「承知いたしましたわ」と熊野は優雅に一礼すると説明に入った。

 

「重巡勢はおかげさまで前回の大規模作戦に比べてまっとうな戦力増加が果たせましたわ」

「重巡不足は我が艦隊の最優先課題だったのです」

 

 駆逐、軽巡は育ちにくい割に、対潜哨戒などの特殊な状況や遠征で必須になって来るので、力を入れて育成するし、軽い任務には積極的に投入するので割と順調に育つ。

 戦艦、正規空母は主戦力として前線や演習に送り込むので勝手に育つ。

 となると中途半端な立ち位置の重巡(と軽空母)は意外と育成の立ち上がりが遅くなりがちであり、この鎮守府でも例に及ばずそうなっていた。

 しかし、大規模作戦を2回終え、今後同時展開(ふだあり)作戦になった場合、このままでは重巡が足りないというのが、鎮守府内での統一見解であった。

 

「と言ってもまだまだ足りないのが現状ですわ・・・。申し上げまして、戦力化の済んでいる重巡は高雄4姉妹に海外艦のオイゲンさんの5人。航巡は私と鈴谷の2人だけですわ」

 

 この鎮守府では高雄型は高雄、愛宕の姉二人が先に練度を上げた。

 そして追いかけるように摩耶、鳥海がプリンツ・オイゲンと共に練度を上げてきたのだが、高雄、愛宕を追い抜かし、あまつさえ上位10人に入る程の練度を上げている。

 

「他の方は?」

 

 そう聞く電に熊野は悲しそうに首を振る。

 

「他の方は改装すら終わっておりませんわ。ついでに言えば三隈さんは未着任。今は日本重巡の祖たる古鷹さんの育成に取りかかっておりますが、先日最初の改装が終わったばかりで作戦に投入するのは、『なんせんす』ですわ」

「今まで鈴熊コンビに高雄姉コンビで乗り切った過去を鑑みれば3隻も増えれば上出来だと思うのです」

 

 電は妥当と思うのだが、熊野は思うことがあるのか、渋い顔をする。

 

「そうだとよろしいのですが。ともかく重巡班としましては、最上さんが寂しがっておりますので今作戦での三隈さんの確保を御願いしたいですわ。以上よ」

「ありがとうなのです。では次は軽巡班お願いするのです」

 

 電が軽巡班の代表の方へ降ると、セーラー服に半ズボンと言う出で立ちの艦娘が立ち上がる。

 球磨型軽巡一番艦、球磨。アクの強い球磨型五人集の元締めであり、語尾にクマと付ける結構ぶっ飛んだ艦娘である。

 ちなみに球磨型が姉妹の契りを結んでいないのは、4番艦の強い反対があったとの事だ。

「姉妹では結婚できないじゃないですか」との事だが、女同士でも無理だと電は思う。怖くて突っ込んだ事はないが。

 

「了解だクマー。雷巡を含む軽巡班は球磨が代表を務めるクマ」

「育ちにくい軽巡の中で五十鈴さんを追い抜いて、ついに軽巡筆頭なのです」

 

 五十鈴は古株の軽巡であり、この鎮守府で一番最初に改二になった艦娘であり、今でもなんだかんだと重宝されている。

 

「まぁ、そう褒めるなクマ。それに神通が今、ものすごい勢いで練度を上げてきているクマ。あるいは雷巡含めれば北上が筆頭だクマ」

 

 そういう割に気にした風はない。

 球磨にとっては誰が強い、弱いに興味はない。マイペースなのだ。

 が、一度戦場に立てば果敢に戦う艦娘である。

 

「一先ず、戦力評価をお願いするのです」

「了解だクマ。雷巡はハイパーズこと大井北上に木曾を含めて3人ともに申し分ない練度になっているクマ」

「雷巡は大規模作戦の要というより、最終局面(ラストダンス)に必須な方々ですから、今回も期待するのです」

 

 電がかしこまってそういう。

 雷巡の練度は重要な案件だ。特に中途半端な戦力の鎮守府にとって、雷巡は祈りの対象。すなわち信仰対象になりかねないほど存在。

 

「問題ないクマ。初参加だった14年秋のニューギニア戦線の支援作戦、渾作戦で用意してなくて泣く泣く作戦中にリランカで練度を上げたのが提督的に相当に効いたみたいだクマ」

 

 肩をすくめる球磨に確かにと電は苦笑する。

 

「渾作戦は本当に散々だったのです。作戦終了までに大井さんと北上さんのお二人がハイパー化できなかったら詰んで居たのです」

「あれで周囲に「ぬるかった」と言われた日には、『雷巡育成』が最優先になるものしょうがないクマ。ついでに木曾まで雷巡に仕立てたのは勢いあまり過ぎクマ」

「それで軽巡の方はどうなのです?」

 

 話を変えると球磨は一度腕組みしてから、考えるように首を傾げる。

 

「んー、ほとんどが遠征の旗艦で練度を上げているので、正直あんまり育ってないクマ」

「具体的には?」

「まず筆頭はこの球磨だクマ。それに加えて使える練度になっているのは、川内、神通、五十鈴の3人で合計4人だクマ。それに加えて夕張も出せなくはない練度だクマ」

「多いのか少ないのか判断に困るのです」

 

 そう言って電は困った顔をすると球磨は「深く考えなくていいクマ」と手を振る。

 

「軽巡の役割は水雷戦隊の旗艦と随伴のみクマ。人数的にはおそらく問題クマ」

 

 大規模作戦に置ける軽巡の数は確かに迷う所がある。

 いっぱい居た方がそりゃいいのだろうが、全員使うかというとそれも首を傾げなければならない。

 

「それはそうと川内さんの練度が高いという事は今回も夜戦の準備はバッチリなのです?」

 

 夜戦バカの異名を持つ川内が居るだけで夜戦の準備は事足りる。

 

「探照灯、照明弾、夜偵、全部問題ないクマ。前回より増えてるクマ」

「それは何よりなのです」

 

 ほっと息を付く電に、球磨は「そう言えば」と思い出す。

 

「前回のトラック島防衛の大規模作戦前に育てた神通を今回は本格的に投入できるのが楽しみだクマ」

「神通さん、前回は多方面(ふだあり)作戦が無くて、まったく出番無かったですからね・・・」

 

 軽巡最強という呼び声もある神通だ。勇ましい彼女を満を持して大規模作戦投入できるとなると胸躍るものがある。

 

「そうだクマ。後は軽巡班としてはそろそろ大淀を迎え入れるべきだと思うクマ。今回の大規模作戦での入手を期待するクマ。阿賀野姉妹も居ないけど、そっちはついででいいクマ。以上クマ」

「連合艦隊を組むなら、大淀さんは確かにそろそろお呼びしたいのです」

 

 逆に今までよくもまぁ、大淀が持ってくる艦隊司令部施設なしに連合艦隊組んでいたものだと電も思う。

 それはそれとして・・・

 

「さてお次は駆逐班にお願いするのです」

「そうね。駆逐班の代表はこの私、天津風が担当するわ」

 

 駆逐班の代表は陽炎型九番艦こと天津風。

 焦げ茶のパーカーワンピを羽織った銀髪の駆逐艦で、才女らしくどこかツンとした雰囲気を持つものの、意外と世話焼きで、そしてタフな艦娘である。

 そしてこの鎮守府で練度が一番高い。現在限界突破(ケッコンカッコカリ)へ最初に到達する艦娘と目されている。

 そして電は複雑な顔をする。

 同じ駆逐艦でどうしてここまで練度が違うのか・・・とかではなくもっと別の理由で。

 

「天津風さんは渾作戦での一級品の報酬艦なのです。もう駆逐棲姫に延々と挑むのはコリゴリなのです・・・」

 

 天津風はこの鎮守府で初めての大規模作戦中に同じ海域を延々とさまよって探した(ほった)艦娘である。

 しかもそれは初めての大規模作戦中。電にとっても忘れもしない渾作戦。まだあの頃は遠征組ではなく戦力組だった。

 

「あの時、第二作戦の担当は第6駆だったのは知ってるわ。ありがとうね」

 

 大規模作戦と天津風。

 その二つの組み合わせから当時の事を思い出した電は頭を抱えて沈痛な表情を浮かべる。

 

「そうなのです。あの頃、駆逐艦と言えば第6駆と夕立さん時雨さんぐらいしか育っていなかったのです。育っていたと言っても辛うじて前線に出れる程度。艦隊で二番目に改ニになった夕立さんは第三海域に回されたので、結構苦しかったのです! 駆逐棲姫はもとより憎っきは軽巡ツ級! ナイト気取りか、お前は! と言わんばかりの防御。おかげで勝率5割前後ですよ! 5割。時雨さんが途中で改ニになってくれなかったら、もっとひどい状況だったのです! 軽い編成と言っても低い練度では決戦道中支援は必須で、ゴリゴリと資源が減っていったのです!」

 

 キャラに似合わず「うがーなのです」とか言いそうに電は両手を持ち上げる。

 

「え、えぇ、聞いてるわ。でも初風や早霜なんかの着任もその時よね?」

 

 ヒートアップした初期艦に押されながら天津風が「見つかったのは私だけじゃないわよね?」と落ち着くように確認するが、電に取っては火に油だった。

 

「えぇ、でも司令官さんはその頃、初風さんと浜風さんの区別がついてなかったのです! むしろ浜風さんの着任を喜んでいたのです!」

「・・・初風がツチノコ呼ばわりされてたのも知らなかったのよね。酷い話」

 

 トラウマを呼び起こされたように机を叩いて叫ぶ電に、「あぁ」と天津風も流石に沈鬱な表情で片手を額に置く。

 

「まったくなのです。・・・取り乱して申し訳ないのです。それはともかく戦力評価をなのです」

 

 「ぜぇはぁ」と息をしながら机に突っ伏しながらも電は人差し指を掲げて天津風に注文する。

 天津風はくすりと苦笑してから頷いた。

 

「了解よ。駆逐班は戦力組、遠征任務組、鎮守府海域随伴(キラ付け)組の3組に分かれているわ」

「ひとまず戦力組の報告だけでいいのです」

「そうね。駆逐班の筆頭は私、天津風よ。でも戦力的な意味で言えば、火力特化の夕立、時雨の両名でしょうね。それに加えて対空戦力として秋月、初霜。後はベールヌイ。ここまでが一級戦力で6名。少し練度が落ちるけど、綾波、雪風も投入可能よ。これで8名。後はベールヌイを除く第六駆の練度が比較的に高いから駆逐艦が大量に必須になった場合は出てもらう必要があるわね」

「その場合、東京急行の遠征がやりにくくなるのです」

 

 なんだかんだで今の自分の仕事に愛着のある電は困り顔をする。

 しかし、天津風は首を振って否定する。

 

「いえ、恐らく戦力的には十分過ぎるんじゃないかしら。後は対空重視で行くか、火力重視で行くかの違いだわ。対潜は装備で何とかなるし」

 

 豪勢とは言えないが、駆逐艦の使う装備は一通りそろっている。

 

「秋月さんの対空能力は頼もしいのです」

「最近、司令(あのひと)が対空能力艦にはまってるってのもあるわね」

 

 はぁ、と息を吐く天津風。『過去の戦い』の最後の航路で派手に対空戦闘をやった経験のある天津風に取っても対空戦闘は思い出深い。

 

「同じ防空艦である摩耶さんの練度がいきなり鎮守府No.2まで躍り出たのはびっくりだったのです」

「演習で空母が居れば必ず出してたものね・・・。それはそうと駆逐班の未着を言っておくわね。春雨、谷風、磯風よ。せめて春雨ぐらいは今回で着任願いたいと思うわ。駆逐班からは以上よ」

「今回も新しい駆逐艦の着任が見込めるとの話なので、そちらも期待したいのです」

 

 駆逐艦仲間が増えて賑やかになる事は良いことだ。

 駆逐艦は練度が低くてもほとんどが遠征要員になるので忙しい。

 

「そうね。陽炎型としては磯風や谷風とも会いたいものだけど」

「磯風さんは・・・まぁ今回も無理だと思うのです」

 

 磯風という艦娘の捜索は困難を極めるだろう電は思い、苦笑する。

 前回の大規模作戦でもチャンスはあったが、流石に誰も挑もうと声を上げるものはいなかった。

 そして、次の班へと目を向ける。

 

「では次は潜水班お願いするのです」

「はーい、潜水班は伊58ことごーやが代表を務めるでち」

 

 元気良く立ち上がったのは、今は長めのパーカーを羽織っているが、その下はセーラ服と水着姿で駆逐艦娘と同じぐらいの背丈の艦娘。

 潜水艦を(つかさど)る明るい艦娘で、名前は伊58で通称はごーや。

 潜水任務はお手の物。通商破壊が得意で、今日も今日とて東オリョール海で輸送船を沈めるのが日課だ。

 

「大規模作戦ではピンポイントの起用になると思われますけど、よろしくお願いするのです」

 

 過去の大規模作戦と照らし合わせて潜水艦の出番はない事もないが、そんなに多くはないとこの鎮守府では予想された。

 だから、伊58も特に気負った風もなく笑う。

 

「そうでちね。正直、ごーやが筆頭だけど、いむや、はち、いくが横並びで、ゆーは改にすらなっていないでち。まるゆも中途半端な練度でち」

「うちはオリョクルと言っても6人で突っ込んで、疲労したら休憩で、サイクルなしの超ホワイト鎮守府なのです」

 

 この鎮守府では潜水艦を一人だけ使うという状況があまりない為、6人がセットで任務に当たっているので練度はどんぐりの背比べだ。

 そして前回の大規模作戦で着任したU-511の練度もさほど上がってはいない。

 そんなわけだから、伊58は頬を掻きながら苦笑い。

 

「その分、練度は低いから良いのか悪いのか微妙でち。まぁ、必要になったら呼ぶでち。潜水艦としての役割を果たすぐらいなら出来るでち」

「その時は期待するのです。最後に特務班、よろしいでしょうか?」

 

 特に潜水班に問題がない事は分かっているので、電は最後の一人の方へ向くと、セーラー服を着て少し癖っ毛の長髪に白い鉢巻を巻いた艦娘が立ち上がる。

 鎮守府で一番忙しい艦娘とも言われる工作艦を司る艦娘だ。

 

「はい! 特務班の代表はこの明石がつとめます。特務班と言ってもその他班みたいなもんですが、大鯨、あきつ丸、香取、水母のちとちよ。すべて練度が低く大規模作戦に出撃不可能です。以上です!」

 

 明石はそう一気に喋って、一仕事を終えたといわんばかりに早々と席に座り、電はそれに圧倒される。まぁ、しょうがない事なのだが、この鎮守府の特務艦の練度は低い。

 

「あわわ・・・いさぎが良いのです。明石さんは補修施設をフル装備済みですから、そっちを期待するのです。いつも通りというやつなのです」

 

 明石としては自分の専門分野は戦闘ではないとの認識で、練度にはあまり興味がないらしい。

 換えの効かないオンリーワンの艦娘で適材適所に配置されているのだから、不満もなかろう。

 だから、明石は自信を持って胸を叩いてみせる。

 

「そちらは、お任せください! 個人的には改修資材(ネジ)の大量確保を期待してますよ。ほんとに!」

「その辺の報酬は大本営の気分次第なので何とも言えないのです」

 

 電は申し訳なさそうに苦笑いをすると一旦全員の顔を見回す。

 

「ともかく全班の報告は以上なのです。うちも大艦隊とは言わないでも大規模作戦に挑めるぐらいには形になった来たのです」

 

 道のりはそれなりに険しかったのだが、その甲斐あってか良い感じに戦力は整いつつある。

 もちろん心細い部分も多々あるが、もはやジタバタしてもしょうがない。

 だから同意するように長門が腕を組みつつ、うなずく。

 

「そうだな、この長門も今回はすべて甲評価で突破できる信じている」

「そうね、今回こそは物したいものね。前回は雲龍さんを確保する為に第4海域で延々と足止め(ゲージかいふく)されて、そして作戦の最終的な評価は丙でした」

「今それを言わないので欲しいのです、加賀さん・・・」

 

 この鎮守府での別名『雲龍の悲劇』だ。

 そうやって加賀が冷静に横やりを入れるも、大規模作戦に心躍ってきたらしく、熊野が机を叩きながら立ち上がる。

 

「ともかく前回の屈辱をバネに今回こそですわ。この熊野も微力ながらお力添え致しますわ」

「でも直前まで練度上げに手を抜かなかったから、備蓄が少し心配だクマー」

 

 もっともな懸念だ。発言者は頭の後ろで腕を組み、バランスよく椅子を後ろに傾けている球磨。行儀悪い事この上ない。

 電は手元の資料に目を落として、少し表情を暗くする。

 

「はいなのです。鉄は十分ですが、燃料弾薬が5万前後、ボーキも3万5千程度なのです。大規模な作戦ですので、少し心もとないかもしれません」

 

 だがそれを聞いた天津風は平然と「問題ないわ」と片手を振って否定する。

 

「あら、突破するだけなら潤沢と見るべきよ、電。それは期間中の私達、駆逐班も頑張る事だし」

 

 突破だけなら・・・ではあるが、資源枯渇を招いた前回作戦の『雲龍の悲劇』を繰り返す事だけは避けねばならない。

 

「潜水班は応援に徹するでち」

高速修復材(バケツ)は割と使いたい放題ですから、この明石の出番はあんまりないかもしれませんね!」

 

 伊58と明石は完全に外野席での応援気分である。

 

「まぁ、確かに先に資源が尽きるのが目に見えてるのです。それでも無駄遣いしていい理由にならないのです・・・」

 

 ともかくとしてだ。皆が好き勝手言い始める前に電は釘を刺す。

 

「静粛に願うのです」

 

 女子会のよう見えてもこれはれっきとした作戦会議であり、ここに居るのは深海棲艦と猛々しく戦う艦娘だ。礼節を重んじる帝国海軍の端くれでもある。

 さっと皆が黙って電の方へ視線を投げる。

 とは言え、電にしてみれば重すぎる視線なのだが・・・。

 ともかく電は一度皆から視線を外して一息つくと、おもむろに前を向いてしゃべり始めた。

 

「さて、では本題に移るのです。第十一号作戦の概要なのです」

「うむ、いよいよか」

 

 長門が笑みを隠しきれない顔で頷いて先を促す。

 

「大本営から通達があった作戦目的は2つ。新たに出現した深海棲艦群によって封鎖されたカレー洋の掃除とリランカ島の奪還。それからステビア海を突っ切ってカスダガマ島まで抜ける海上打通なのです」

「今、西方海域を騒がせているアレですわね。面白そうじゃありません事」

 

 熊野は大きな仕事になりそうだと無邪気に笑う。とはいえこれは一大事だ。

 そこは大事な海上輸送路(シーレーン)であり、定期的に掃除が必要な海域だ。

 そこを強力な深海棲艦群に占拠されているというのは非常に不味い。

 

「ちなみに6つの作戦で構成されてます。まず第一段作戦は、威力偵察です。足の速い水雷戦隊でカレー洋に何回か進入して、情報を持ち帰ってください」

「それは任せるクマ。球磨たち水雷屋の出番クマ」

「了解よ。二水戦所属の力、存分にお見せするわ」

 

 水雷戦隊。つまりは軽巡の球磨が伸びをするかのように大きく手を挙げ、駆逐の天津風が胸のあたりまで小さく手を挙げて答える。

 この辺は実力的にまったく不安が無いので電は「お願いするのです」と頷くと次に移る。

 

「第二段作戦はカレー洋の東側の制海権の奪取なのです。敵はカレー洋の中央に位置するリランカ島に本拠地を構えてます。そこで決戦前の前のつゆ払い。これは海域も広いですし、連合艦隊でブルドーザーの様に片づける予定なのです」

「前座と言うわけですわね、電さん」

 

 加賀の見立てに電はうなずいて同意する。

 

「はいなのです。私達ならばここまでは特に問題なく行けると思うのです」

「第三段作戦から面倒な多段作戦なのね? まぁ、いつも事だけど」

 

 天津風が「やれやれね」と苦笑すると、電もつられて苦笑する。

 

「そうなのです。第三段作戦から第五段作戦までは、平行で遂行されます」

「3組に分かれるのか。いいではないか、大規模作戦はこうでなくてはな」

 

 長門は「むしろそうこなくてはな」と言いたげに頷く。

 大規模作戦に付き物の多方面(ふだあり)作戦。平行で事に当たるという事は必然的に練度の高い艦娘がたくさん必要になる事に他ならない。

 そして仲間の勝利を信じて、それぞれの海域に出撃する重圧が、つまりその名誉が、この戦艦娘には心地いいようだ。

 

「一応、難しそうであれば一つずつ遂行してもいいそうですが、作戦の質は下がって、丙評価になるのです」

 

 多方面作戦を一つずつこなしてしまったら、当然そうなる。

 龍驤は違和感を覚えて手を挙げながら発言する。

 

「むしろ、そないな事やってええんか? 今まで聞いたことないで」

「今回はいいみたいです。まぁ、作戦を完遂させて欲しい大本営の親心みたいなのです」

「まぁ、代替え手段があるんは助かるで。すまんかった、続けてや。3つの作戦て?」

 

 電は資料に目を落とすと続ける。

 

「まずベーグル湾周辺の通商を破壊しまくって敵の戦力をそちらに割かせる陽動作戦なのです。そして本命であるリランカ本島の攻略。これは連合艦隊での決戦なのです。後は別働隊によるアンズ環礁にあると予想される泊地への牽制なのです」

 

 ベーグル湾へ敵の注意を向かせ、戦力を裂かせつつ、本命であるリランカ島へ強襲。その際にアンズ環礁から出てくる救援艦隊を別働隊が抑える。

 言葉にするには易いが・・・。

 

「なかなか骨が折れそうでち。アンズ環礁は抑えると言っても実質的には叩くんでちよね?」

「はい、伊58(ごーや)さん、その通りなのです。大本営からは出来ればでいいとの事ですが・・・」

「やるからには当然やりますわよ!」

 

 熊野が「何をおっしゃいますの」といい笑みを浮かべる。

 このお転婆航巡、やる気まんまんである。

 

「それで最終作戦はそのリランカ島からクマ?」

 

 対照的にいたってマイペースな球磨が尋ねると電が「はいなのです」と答える。

 

「最終作戦はリランカ島を足掛かりにステビア海を横切ってカスダガマ島までたどり着く事です」

 

 カスダガマ島は西方海域の端っこ。そこまで行ければ、西方海域は解放されたと判断していい事だろう。

 

「それで作戦期間は?」

 

 長門が大事なことを最後に聞いた。

 電は頷くと一息吐いてから言い放つ。

 

「明日より約三週間。それで決めろとの通達なのです。皆さん、頑張るのです」

 

 雷の通達に皆、黙って頷いた。

 見渡すと皆やる気に満ちていい顔をしていた

 

「それでは解散なのです!」

 

 皆、すみやかに退室し、それぞれの担当班へと足を向ける。

 

 大規模作戦開始はすぐそこまでに迫っていた。

 

     ◇◇◇




いかがだったでしょうか?
小説にすると熊野が本当にかわいいです。
嫁艦は天津風なんですけどね!

後半もそのうち投降します。
よろしくお願いします。
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