灰色の果実と劣等生(仮)   作:OkiharaM78

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なんの捻りもないタイトルッ!
というわけで今回は前回の続きとなりますはい。
後、ありがたいことに感想欄に「結局主人公って一年生なのか二年生なのか分からない」というお言葉を頂きました。このことに関しては後々苦しい後付けをさせていただきます。
「ええい、面倒くさがらずに訂正しろ!」というお方。寛大なお心でお読みください。
感想お待ちしております。
では本編どうぞ。


銀髪の来訪者 Ⅱ

「あ、来たよ雫!」

 教室に入れば案の定、ほのかと雫が飛びついてきた。他の生徒も俺に注目している。

どうやら俺の様子を教室の窓から見ていたらしく、その誰しもが教室に入ってきた俺の顔をもの言いたげに見てきた。

「誰だったの? あの銀髪の人」

 皆を代表したように雫が聞いてきた。他の連中も興味が無いわけでは無いようで、男子連中に至っては心あらずといった様子が半分、殺気を纏って睨みつけてくる者が半分。女子はヒソヒソと「あの女性と彼に一体何の関係が…」「まさか一夜限りの関係!?」「忘れられなくて来たのかしら…」などと噂をしている。

「バイト先の上司だよ」

「ジョーシ…上司? 敏也さんってバイトしてるんですか?」

「あぁ、俺はガキの頃に両親を事故で亡くしているからな、生活費は自分で稼がなければならない」

「どのようなバイトなんですか?」

 いつの間にか深雪が会話の中に入ってきた。それを気にせずに答える。

「一言で説明するのは難しいが…まぁ、『ゴミ』を始末したり、いろんなところに行って『掃除』をしたり…所謂『汚れ仕事』だ」

「じゃあ、あの銀髪も清掃業なの?」

 EBを「銀髪」呼ばわりした雫。彼女からしたら悪意はないのだろうが、当の本人が聞いたら驚くだろう。「年下に『銀髪』呼ばわりされた…」といってショックを受けるかもしれない。

「そうだ、とは言ってもアイツは指示を出す側の人間だから直接手を汚すことはない」

「あの人、お名前は何というのですか?」

「EB」

「EB?」

「本名は涼鳴瑛梨奈(すずなりえりな)、EBは愛称だ」

「へ? あの外見で日本人なんですか?」

「帰化人だよ。出身はイタリアだったか…よく覚えていない」

 イタリア女性…イイッ!! と騒ぐ男達を無視して自分の席に着くと、ワザと大きな音を立ててカバンを机の上に置く。

「質問は終わったか? 気が済んだのなら席に戻ったほうが良い、HRが始まるぞ」

 俺の言葉と同時に予鈴のチャイムが鳴り、周囲がそそくさと自分の席に移動する。

 雫やほのかも例にもれず移動を始めたのだが――

 目の前の司波深雪(黒髪女)だけはこちらを見ている。

「藤宮さん、もう一つだけ良いですか?」

「……何だ?」

「あの人との関係。本当にバイトの部下と上司なんですか?」

 深雪の質問に周囲(主に女性陣)がざわつく。

 外野を無視して彼女を正面から見る。綺麗な二重を持つ瞳がこちらを真っすぐに見ていた。

「何かと思えば…何だと思うんだよ?」

「例えば…こ、恋人とか」

 キャーッ!! と女子生徒達(ガヤ)が騒ぐ。

「冷静になって考えてみろ、俺のような男に恋人なんていると思うか?」

「いてもおかしくはないかと。藤宮さんも男性ですし、そのああいう人とこ、恋人同士だったとしても納得できると思います。」

 自分で言った恋人、の言葉何故かで頬を染め聞いてくる深雪にため息をつく。

「そもそも、生徒会長さんともお知り合いなのですよね?」

「ああ、まあな」

「……」

 先程の表情から一変し深雪は真剣な表情で考え込んだ。

「ここに来る前…藤宮さんは何をしていたんですか?」

「…あー…」

 とうとう来た質問に言葉を濁す。書類上ではウソの履歴が記載されているはずなのだが、ここで下手に突っ込まれても長引くだけだ。

 そこで”ある程度”正直に答えておいたほうがボロがでないだろうという結論に達した。

「ここに来る前は…そうだな、『居候』させてもらっていた」

「…居候、ですか。あの方のところでですか?」

「いや、あいつはその居候先の友人。色々あって面倒を見てもらっている」

「……」

 暫く俺の顔を見ていた深雪だったが、やがて「そうですか」と言って席に戻った。

 そういえば次は移動教室だったな。

 俺は机に置いたカバンから次の授業に使うものを探し始めた。

 …そういえば。

 なぜアイツは俺と真由美のことを知っていたのだろうか?

 チラと深雪を見る。雫とほのかの三人で談笑しながら準備をしていた。

 恐らく本人から聞いたのだろう。後で彼女から聞いたほうが早い。俺はそう結論づけて準備を急いだ。

 

 

 …

 ……

 ………

 どの時代においても本格的な授業が始まるのは四月の中旬だろう。

 それは当然ながら一年A組も例外に漏れず、今回の授業では魔法式を無意識領域内にある演算領域で構築するプロセス、通称コンパイルの高速化の練習を行っていた。

 簡単に言ってしまえば、魔法を発動するための工程スピードの高速化のための授業だ。

 この手の実技だと上手い奴はとことん上手く構築する。

「…に、227ミリ秒…!?」

 現に今、授業用CADから手を放して涼し気な表情で歩く司波深雪のように。こういったことに慣れている人間ほど上達するのだ。

 ほのかと雫も驚嘆のため息を漏らしている。

 本来500ミリ秒以内が一人前の魔法師だといわれている中、その半分以下の記録を打ち立てた彼女には賞賛の視線が送られている。俺の隣にいる森崎駿も彼女に賞賛の、否、それ以上の視線を送っていた。

 そんな森崎にため息をつき肩を叩く。

「見とれているのはいいが、次はお前の番だぞ森崎」

「ッ……分かってる」

 表情が一変し、森崎は真剣な表情でCADの前に立ち、集中し始めた。

 CADから起動式を読み、加重系の基礎単一魔法を演算領域で構築、展開する。

 それらによって加重のかかった重力系に表示された時間は、399ミリ秒。好タイムをたたき出した。

「…よし!」

 グッと拳をつくりガッツポーズをとる森崎。深雪ほどではないにせよ、賞賛の視線が向けられていた。

「…次、お前だぞ」

 ぶっきらぼうに言われた言葉に軽くうなずき、俺はCADの前に立つ。手をかざし、何の気なしに『いつも通りに』やろうとした刹那、

「……」

 無意識に制御をかけてしまった。流石に『本気』を出すのは不味い。そんな俺の考えを無視して魔法式は展開していく。そして展開してしまった魔法式は数字をたたき出し、結果。

「……へ?」

 観測していた周囲が声を漏らす。

 数字は深雪とほぼ『同等』のタイムを表示していた。

「う、嘘でしょ? 敏也さんが、深雪と同じタイム…!?」

「同じじゃない。深雪の方が俺よりも早いだろう」

 興奮するほのかに冷静に返す。周囲もざわつきはじめた。

「敏也君って…人間?」

 意外とひどい言葉を言ってくる雫にしかめ面を作ってみる。

「雫。それはあんまりじゃないかしら。頑張れば誰だって出来るようになるわよ」

 苦笑しながら深雪がフォローに入り、雫は「むぅ…」といって下がった。

 そんな中、森崎だけは肩をすくめ、「あとは自主トレだな」とだけ言った。




はい、どうも改めましてOkiharaM78です。
今回短かったですがいかがだったでしょうか。
魔法科劇場化となりましたが、原作をちゃんと読んでいない作者は見るべきかどうか迷っております。
原作買うにしても財布の中身にダイレクトアタックするのでためらっております。
どうしよう…。
ま、まあ何とかなるでしょう。なる筈だ。なると良いなぁ…。
で、ではまた次回お会いしましょう。

今後「クロノスリベリオン」の世界観も入れるべきか

  • 構わん、続けろ
  • 無理に入れなくても良いんじゃね?
  • そんなことよりヒロインの出番増やせ
  • この作品入れてみて?(感想欄にて)
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