……ごめんなさいごめんなさいつか最近謝ってばかりですね私。
では、続きです。
あとがきに、前回いただいたと言っていた質問にも軽く触れていきます。
何時の時代、どこの世界にも❝話の通じない奴❞というのは存在する。
言っても分からない奴は面倒だからぶん殴っちまえというのもいささか暴論ではあるが、相手が男ならばありえないことでもない。
ただし、これは個々人間での話だ。これが集団――その中に女がいればなおさら――事情が変わってくる。
言葉が通じない苛立ちを拳に代えれば傍から見ると弱い者いじめに他ならず、あまりにも体裁が悪いし気分も悪い。
そこで要求されるのが根気と忍耐力だ、と初めて入巣蒔菜に接した風見雄二が思ったことらしい。
ただ、その理論が時折通用しないケースも存在する。例えば、今回のような――
「全校生徒の皆さん!」
放課後の教室。そこに大音量で声が突然流れた。突然のことに教室にいた生徒達は思わず耳を塞ぐ。
「…失礼しました、全校生徒の皆さん」
流石に大きすぎたと思ったのか、次に流れた声は先程よりは小さくなった声だった。
「気合が入っているのはいいことだが、やりすぎだな」
「お前は何を言ってるんだ……」
ガクリと肩を落とし俺を睨んでくる森崎。
「何って……全生徒参加型のイベントの告知だろ?」
「何処を!! どう取ったら!! そう取れるんだお前は!!」
一句ごとに区切って叫んでくる森崎を無視してスピーカーから流れる声に耳を傾けた。
何故かクラスの全員が苦笑しながらこちらを見ているが気にしないでおく。
学内の差別撤廃を目指す有志同盟と名乗った彼らは、現状の学校の制度に納得いかず、今回の事態を起こしたらしい。そして生徒会、部活連両方に対等な立場での交渉を要求してきた。
対等とはなかなか笑わせる。こんなことをせずとも直接生徒会なりその部活連なりに乗り込んで談判すればいいものの、結局はそこに行きつくのが怖いからこういった手段しか取れないのだろう。
こんな手段を取っている時点で、もはや対等ではない。自分たちの立場が下だと堂々と公言しているものだ。
「…行くのか?」
端末に届いたメールを見たのだろう。その端末を仕舞い教室を出ようとする森崎に声をかける。
「ああ。風紀委員の仕事だ」
そう告げて森崎は声をかけてきた深雪と共に教室を出ていった。
喧々囂々とし始めた教室の中、ポツリと呟いた。
「全く……EBの連絡が現実味を帯びてくるとは、面倒なことになりそうだ」
それは夜。シャワーを浴びタオルで拭いていた時の事だった。仕事用の端末から連絡が来たことに気づいた俺は通話に出た。
「6488。仕事よ」
端末から聞こえた声はEBのものだった。前回高校の前で俺を待っていた雰囲気ではなく、仕事用の声音だった。
簡潔に述べたEBに用件は、と告げる。
「第一高校に『ブランシュ』の下部組織である「エガリテ」の構成員の動きを確認。警戒と共に排除せよ」
「了解」
それだけ言うと通信は切れた。
魔法師の排斥活動を主とする反魔法師組織のブランシュは世界各地でテロリズムを行っている組織だ。
第三次世界大戦以前の紛争を彷彿とさせるような自爆テロ、戦火の拡大など、魔法師を殲滅させることが出来ればなんだってやる組織である。
エガリテはそんな組織の下部組織で、日本にもその支部がある。リーダーは司一とし、日本でも至る所でその主張を叫んでいる。
そんなテロリストが高校の生徒に手を出しているという情報からEBが仕事として回したのだろう。
「仕事は暫く休む、と言っておいた筈なんだがな……」
端末をベッドに放り出してふう、と息を吐きだす。そして机の上に置いてあるパソコンを立ち上げ、ある男に連絡を取った。
暫くして男がモニターに現れる。相も変わらず飄々とした笑みを浮かべていた。
「よぉ~トシヤ! 久しぶりだなぁ~! 元気だったか?」
「なんとか五体満足で生きてるよ、エディ」
モニターに現れたエディと呼んでいるこの男。とある場所で喫茶店を開いている男なのだが、こいつには裏の顔がある。
「何か魔法科第一高校に入ったって話ジャン? どうよ、可愛いガールフレンドとか出来たのか?」
「別に隠すことでもないが一応聞いておく。誰から聞いた?」
「皐月ちゃん」
「あの俎板…」
チッと舌打ちをする。するとその情報を手にした当の本人がモニターでエディを押しのけて映った。
「だれが俎板よ! この不愛想男!」
長い髪をツインテールにした「
「俎板に俎板と言って何が悪い俎板」
「何ですってぇー!?」
ちょ、皐月ちゃん壊れる壊れる、と慌てて抑えるエディを無視してモニターを揺らしているのだろう、映像が上下に激しく揺れた。
「皐月ちゃんだめだよぉ、敏也君困ってるよ?」
と、暴れる皐月の後ろからおっとりとした彼女とは逆にスタイルの良い女子が現れた。
「いいのよゆかり。こいつは私を怒らせた。それだけで万死に値するわ!」
どこの幽波紋使いなの? と言いながらもモニターを皐月の手から離して元の場所に戻した。
「久しぶりだねぇ敏也君。お友達できた?」
と性格を表したようなおっとりとした声音で聞いてくるのは伏見ゆかりという。
「友人と呼べるかどうかはさておき、知人は増えたよ」
相変わらずツンデレだねぇ、と笑うゆかり。いつもこいつらに連絡する際の癒し枠であるのは間違いない。
「それは良かったね。お友達が出来ることは良いことだよ? めざせ友達100人!」
…時折本気なのか冗談なのか分からない言葉を言うのは彼女が天然だからだろう。
「はぁ? 無理無理無理! ゆかり、この根暗不愛想男に友達100人なんて世界が終わっても無理よ!」
エディの抑えを振り払ったのか、皐月が画面に中指を立ててゆかりに言う。
「もお、皐月ちゃんだめだよそんなことしちゃ。私怒るよ?」
う、と言って引き下がるもゆかりに見えないところで親指を下に下げているところを見ると反省はしていないようだ。
「お前らには今日は用事は無い。……宗一はどこだ? もしくはリサでもいい」
そう言うと画面の三人は表情を変える。
「どったのトシヤ。何か調べものかい? 学校の宿題は無理だぜ。俺っち魔法はさっぱりだし」
「とある組織についてな。アイツらに調べてほしいことがあるんだよ」
「…対価は?」
は? と声を出す俺を睨みつけて皐月が声を出す。
「その対価は何をだすんだ、って言ってるのよ。言っておくけどキャッシュは無しね?」
こいつ、自分がやるわけでもないのに報酬を要求してきやがった。
「……何が欲しいんだ」
結局のところ、現金払いでしか考えていなかった俺にとって逃げ道を塞がれた場合、こいつらの望むものを用意するしか手段が無い。
「あと少しで九校戦が始まるでしょ? そのチケットを7人分用意しなさい。皆で見に行くから」
九校戦、と返す俺に「あ、それ良いね!」とポンと手を打ってゆかりも喜色を浮かべる。
「私、一度見てみたかったんだよね。こう、ずばばばばーん、とかしゅびびびびーんとか魔法が飛び交うの」
「ゆかり、あんたもうちょっと表現勉強しなさい…」
一番表現言語が少なさそうな奴に突っ込まれたら終わりだぞ、ゆかり。
と。
「いいねぇ九校戦。それが対価だったら引き受けてやるよ」
「そうね。私も一度見てみたいわ、魔法師同士の技の競い合い」
画面に映ったのは笑みを浮かべた男とスタイル抜群の美女。その二人に対してお前らもか、とため息をつく。
「そういうのはまず依頼内容を確認してから交渉するべきだろう、宗一、リサ」
画面に映っているのは
どちらもその手の業界ではトップクラスの「エージェント」の二人だった。
Routesメンバー再登場ッ!
というわけで無茶苦茶男とそのハーレム、本編参入です。
さて、それでは前書きでも言っていた質問についてお答えします。
敏也が一年生なのか二年生なのか分からない、というご質問でした。
まず、敏也は年齢的に考えれば二年生です。つまり達也たちの一つ上という訳ですが、美浜では魔法師のカリキュラムが無く、また魔法に関する知識がほとんど無い(全くではありません)敏也君をいきなり二年生に編入するのは流石にどうなのかと学校を案内した後に気づいた真由美の配慮から一年生に入れることになりました。
些か強弁ではありますが、こういうことでよろしくお願い致します。
ではまた次回。
今後「クロノスリベリオン」の世界観も入れるべきか
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構わん、続けろ
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無理に入れなくても良いんじゃね?
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そんなことよりヒロインの出番増やせ
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この作品入れてみて?(感想欄にて)