問題児たちとマイペース過ぎる男が来るそうですよ?   作:ふしぎ綿あめ

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「さあさあ始まりました『あらすじコーナー』!…と言いたいところですが前回は特にどうした訳でもないので今回このコーナーは用済みです。いらない子です。」

「ええ?!で、では黒ウサギが呼ばれた意味は何なのです?!」

「無いな(ザッパリ」

「だったら次回のあらすじコーナーでリベンジなのですよ!なのでせめて今回のスタートの挨拶だけでも!…」

「では、始まります!」

「何で言っちゃうんですかぁぁぁぁぁ!!」





01話 YES!ウサギが呼びました!

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

その才能を試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界のすべてを捨て  我らの”箱庭”に来られたし』

 

~◦~◦~

 

目を開けて分かった事。

上空に居る。周りに三名。以上。

さぁどうするべー。

とりあえずみんなで無事に着陸するべー、そうするべー。

 

すると何も無かった虚空からウォータースライダーのようなものが出てくる。

 

俺以外の三人は、一瞬驚いたように見えたが、無害だと分かったらしく、優雅にしている。

 

適応力やべぇな、あいつら。

 

とか、思ってるうちに到着だな。

 

いきなり愚痴り大会をはじめたよ、二人ほど。

別に無事なんだからよくねか?

 

「いきなり空中に放り出すとはなかなか斬新な招待してくれるじゃねーか」

 

「本当よ!一歩間違えれば即死だったわ!!」

 

何かさんざん言われてるなー、招待状出した人。

 

すると、一人の少女が近ずいてきた。

 

「…助けてくれたのはあなた?」

「ん?あぁそうだが、ケガはないか?」

「うん。…ありがとう」

「そうか、ならよかった」

 

そんな会話をしているうちに愚痴りコンビがやってきた。

あれ?なんか微妙にピリピリしてないか?気のせいか?

 

「さっき空中で助けてくれたのはあなた?」

頷いて答える。

「そう、なら礼を言うわ。あなたの名前は?」

 

「高無風だ。高無呼びは慣れてないんで風と呼んでくれ」

 

その女の子が何か言おうとした瞬間男の方がしゃべりだした。

女の子がキッと睨み付けるがさらりとその視線を躱ししゃべりだす。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手が?」

 

「そうだけど、まずは”オマエ”って呼び方を訂正して。————私は久遠飛鳥よ。以後は気負つけて。それでそこの猫を抱きかかえてるあなたは?」

「…春日部耀。以下同文」

 

「そう。よろしく春日部さん。最後に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と容量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

 

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

心からケラケラと笑う逆廻十六夜。

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。

我関せず無関心を装う春日部耀。

そんなやり取りを眺める俺。

 

そんな四人を物陰から見ていた黒ウサギは思う。

(うわぁ……なんか問題児ばっかりみたいですねぇ……)

召喚しておいてアレだが……彼らが協力する姿は、客観的に想像できそうにない。黒ウサギは陰鬱そうに重くため息を吐くのだった。

 

 

~◦~◦~

 

十六夜は苛立たしげに言う。

「で、呼び出されたはいいんだけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とか言う物の説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

「……。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

「実際全員落ち着きすぎだろ」

 

(全くです)

黒ウサギはこっそりツッコミを入れた。

もっとパニックになってくれれば飛び出しやすいのだが、場が落ち着き過ぎているので出るタイミングを計れないのだ。

(まあ、悩んでいても仕方がないデス。これ以上不満が爆発する前にお腹を括りますか)

 

人それぞれの罵詈雑言を浴びせている様を見ると怖気つきそうになるが、此処は我慢である。

ふと十六夜がため息交じりに呟く。

「——————仕方ねえなぁ。こうなったら、そこに隠れている奴にでも話を聞くか?」

物陰に隠れていた黒ウサギは心臓を掴まれたように飛び跳ねた。

四人の視線が黒ウサギに集まる。

「なんだ、貴女も気ずいていたの?」

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?お前らも気ずいてたんだろ?」

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

「まあ相手に体温が有った時点で俺はわかるぞ」

「…へぇ?面白いなお前ら」

軽薄そうに笑う十六夜の眼は笑っていない。

 

四人は理不尽な招集を受けた腹いせに殺気の籠った冷ややかな視線を黒ウサギに向ける。黒ウサギはやや怯んだ。

 

「や、やだなあ御四人様。そんな狼みたいに怖い顏で見られると黒ウサギはは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますョ?」

 

「断る」

「却下」

「お断りします」

「だが断る!!」

「あっは、取りつくシマもないですね 」

 

バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。

しかしその眼は冷静に四人を値踏みしていた。

(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝ち気は買いです。まあ、扱いにくいのは難点ですけども)

 

黒ウサギはおどけつつも、四人にどう接するべきか冷静に考えを張り巡らせている—————と、春日部耀が不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、黒いウサ耳を根っこから鷲掴み、

「えい」

「フギャ!」

力いっぱい引っ張った。

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか?!」

 

「好奇心の為せる業」

「自由にも程があります!」

「へえ?このウサ耳って本物なのか?」

 

今度は十六夜が右から掴んで引っ張る。

「……。じゃあ私も」

「ちょ、ちょっと待—————!」

 

今度は飛鳥が左から。左右に力いっぱい引っ張られた黒ウサギは、言葉にならない悲鳴を上げ、その絶叫は近隣に木霊した。

そんな絶叫の中俺は睡魔と闘っていた。




最後まで読んでいただきありがとうございます!!
読みやすくするために悪戦苦闘しているふしぎ綿あめです。
前回『最低1000文字は難しい』とかほざいていながら今回2000文字に達してしまいました。
書くことが決まっていると捗りますね(笑)
ではまた次回もお付き合いお願いします。
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