ラブライブ!〜μ'sのマネージャーは仮面ライダー!?〜 作:キラP
海未はある程度離れたところに絵里と亜里沙を避難させると急いで翔の元へと駆けて行った。
(何故か、途轍もなく嫌な予感がします)
ここまで逃げてきた道を大急ぎで戻る。すると翔がいるはずの通りの曲がり角が見えてくる。
更にスピードを上げて曲がり角を曲がると海未は悪い予感が当たってしまったことを悟った。
怪物たちは数も減っておらず、更には倒れ伏している翔の姿があったのだ。
「翔!!」
海未は急いで翔の元に向かい仰向けにする。
「バカ、野郎・・なんで、もど、ってきた・・・」
「当たり前です!友達を見捨てて行けるわけないじゃないですか!」
「・・全く、なに、やっ、てん、だ・・・」
「?!翔!しっかりしてください!翔!!」
翔が喋ってる途中で目蓋が閉じられる。海未は声を更に大きくして呼びかけるが全く反応しなくなってしまった。
「ふん。ここに戻ってきたということは、殺されても文句は言わんということだな?」
声が聞こえた方を見ると尻尾をゆらゆらと揺らしている怪物が目の前にいる。どうやら気づかない内に接近を許してしまっていたようだ。
「死ね、人間」
「っ!」
体に走る衝撃を堪えるために体を丸める海未。せめて、翔だけでも守らなくてはと翔を庇うように覆い被さった。
だが、そこに最近良く聞くようになった声が届いた。
「やらせないよ」
バシッ!
「くっ、何者だ!」
ドーパントの攻撃を弾いたのは威槻だった。ルナメモリをロストドライバーで使い、腕をしならせて攻撃を弾いたのだ。
「悪いが時間がない。此処は早々に退散させてもらうとしよう」
威槻はそう言いながらルナからヒートにメモリチェンジし火炎弾をドーパントの足元に放った。
「チィ!」
ドーパントがそれに怯んだ隙に海未と翔を抱え、その場から素早く立ち去る。
前に入った威槻の家の中にある秘密基地のようなガレージの中に3人の姿があった。
「威槻の家にこんな部屋があったんですね・・・」
「まぁね、でも皆んなにはまだ内緒だよ?」
穂乃果が見たら騒ぎし出しそうで大変だろうなどと思いながら呟く海未。
威槻は話ながら翔の腰にベルトを巻いて懐から一つのメモリを取り出し、スロットに差し込んだ。
《Niko!》
「よし、これで一先ずは安心だ」
「翔は大丈夫なのですか?」
威槻が作業を終えたのを見計らって翔の容体を聞く海未。威槻は大きく頷いた。
「ああ。ドーパントの毒にやられて気を失ってしまったが、今状態異常回復のメモリを使ったから大丈夫だろう。ただ、回復にはやはり時間がかかる。最短で2日と言ったところだろうね」
「良かった・・・」
海未は安心したように言葉を漏らすが威槻の顔は晴れやかではなかった。
「ただ、少し問題がある」
「問題、ですか?」
「ああ、一つは翔の家族だ。彼が何故こんな事になってるか知ったら騒ぎになるのは確実。そうなれば今までのようには行かなくなってしまう」
「なるほど・・・」
それは確かに良い話ではない。だが、海未はそこである話を思い出した。
「そう言えば、翔の親は出張で暫くいないという話を聞きました。そこはなんとかなると思います」
「そうか。ならこれはそこまで重要ではなくなるね。だが、本当の難題はもう一つある。
それは今回のドーパントが強者であり、仲間を従えてるということだ」
「敵の数が多いということですか?」
海未が推測しながら首を傾げる。それに威槻は首を横に振った。
「数が多いだけならまだ良い。だが、一番の問題は敵の大将が強敵な事だ。翔がこんな状態だと勿論Wにはなれない。となると僕一人で変身するしかないんだ。敵が大して強くないなら僕一人でも抑えることはできるだろうが、敵が強いと全てを抑えきれない可能性がある」
「なるほど。ではどうしたら・・・」
「一番良いのはこの2日間敵と出会わないとことだね。ただ、向こうも翔が弱っているのは知っている。血眼になって探し回るだろうからこれはキツイだろう。だから皆んなには基本的には外出を控えるように言って欲しいんだ」
「分かりました。皆んなには言っておきます」
「よろしく頼むよ」
その後、海未は帰路につき家に帰った。
次の日。
昨日あった出来事を皆んなに話し、その日は解散になった。海未たちも生徒玄関を出ようした時、声がかけられた。
「園田さん、ちょっと良いかしら?」
その声の主は生徒会長だったのだ。
海未はみんなに先に帰るよう言った後、生徒会長について行った。
場所は変わって生徒会室。二人は対面する形で座っていた。副会長は私を連れてきた生徒会長を見た途端、何か察した様子で生徒会室から出て行ったためこの場にはいない。
「先に言っておくけど、今回は生徒会長としてではなく、一人の人間として聞くわ。あの後、神矢君は大丈夫だったの?聞く限り今日は学校を休んでいるようだけど」
流石にμ'sと犬猿の仲という関係でも少しばかりは気にするらしい。そんな生徒会長に海未は事の顛末を詳細は伏せて答えた。
「そう、なら良かったわ。流石に自分を庇って死んでしまったなんて、目覚めが悪いなんてもんじゃないわ」
表面上淡々と答えているが言葉の端々に安堵の念が籠っているのを感じる海未。
「翔もそんなにしない内に学校に来るでしょうから、お礼はその時にでも言って下さい。私が伝えるのは見当違いですから」
「ええ、そうね。今回ばかりはそうさせてもらうわ」
その会話の後、生徒会室から出て生徒玄関に向かう海未。
玄関に着くとそこには先に帰った筈の穂乃果とことりがいた。
「あ、戻ってきたよ、穂乃果ちゃん」
「あ、おーい海未ちゃーん」
こっちに気づいた穂乃果とことりが近づいてきた。
「二人とも、まだ居たのですか?」
「穂乃果ちゃんがどうしても海未ちゃんと一緒に帰りたい、って言うからここで待ってたんだ」
「えへへ」
ことりの言葉に苦笑いする穂乃果。
その様子に海未は呆れたように溜息を吐いた。
「はぁ。まぁ、穂乃果ですし仕方ないですね」
「うん、穂乃果ちゃんだからね」
「もー!それどういうこと?!」
そんなこんなしながら帰路につく三人。
その道すがら昨日のことを詳しく聞かれたため、説明した。
「そっか、だから翔くん今日はお休みだったんだね」
「心配だね。今は威槻君の家にいるの?」
「はい、威槻が一緒にいるので大丈夫だとは思いますが・・・」
威槻だって四六時中一緒にいられる訳では無い。必ず側を離れる時があるはずだ。そんな時に襲われたりしなければ良いのだが。
そんな風に考えていると穂乃果が急に言い出した。
「じゃあさ、これからちょっと行ってみない?」
「え、ですが・・・」
威槻からあまり外出を控えるよう言われたので海未は言葉を濁す。
そんな海未の腕を掴んで穂乃果は走り出した。
「大丈夫だよ、海未ちゃん!よーし、行こう!」
「あ、穂乃果!」
「待ってよ、穂乃果ちゃ〜ん」
3人の様子を見られていたことに気づかずに。
最近忙しいため中々書けませんが読んで頂けると幸いです。
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