ラブライブ!〜μ'sのマネージャーは仮面ライダー!?〜 作:キラP
俺たちはあの後、近くの公園で一息ついている。さっきのことを説明するためだ。
俺が一通り説明すると花陽ちゃんはまだ困惑している様で黙り込んでいる。
暫くすると花陽ちゃんはその口を開いた。
「神矢先輩はいつもこんな感じに戦ってるんですか?」
「いや、戦い始めたのはつい1ヶ月ぐらい前からさ。それまでは普通の高校生だったよ」
俺はふと懐かしむ様に目を細める。
「ある人から頼まれて、俺はそれを引き受けた。それからさっきみたいなやつと戦ってきた。その度につくづく思うよ。あんな平和な生活には戻れないってさ」
「大変、だったんですね・・・」
「ああ、でも俺は後悔はしてないよ」
花陽ちゃんはその言葉が予想外だったのか顔をこちらに向ける。
「確かに俺は静かで平和な生活を失った。でもそれで友達や仲間が守れるならそれで良い。そう思えるようになったんだ」
そこまで俺は言うと立ち上がる。
「俺だって変われたんだ。小泉さんだって自分を変えることはできるよ」
それに、と俺は続ける。
「小泉さんは自分は可愛くないって言ってるけど俺から見れば十分可愛いと思うよ」
「え?!」
俺がそう言うと小泉さんは赤くなる。
それじゃ、と言って俺は公園を出た。
「あー!かよちーん!」
すると俺と入れ違いになるように公園に入る女の子が1人。その子は昨日廊下で会っていた女の子だった。
俺はそれを見届けると公園から出て行く。
翔が出て行ったあとの公園。私は座ったまま固まっていた。
「あわわわ・・・」
だって、今まで凛ちゃん以外の他人に可愛いなんて。しかも異性の人に言われたことないんだもん。ど、どうしよう。
「かよちん?顔真っ赤だよー?」
「ひゃ!り、凛ちゃん?!いつから居たの?!」
「もしかして気づいてなかったの?さっきからずっといたよー?」
「ご、こめんね。ちょっと驚いてたら気づかなかった」
「まぁ、いいにゃ。さ、かよちん。美味しいラーメン屋さんが近くにあるから行こ?」
そう言うと凛ちゃんは私の手を掴んで走り出す。
「いっくにゃー!」
「ちょっ、凛ちゃん!だ、誰かたすけてぇぇぇ!!」
私の声が公園に木霊した。
次の日の放課後。
『メンバー募集!』
と書かれたチラシを私こと西木野真姫はみていた。
「メンバー募集、ねぇ」
あのライブの時、講堂には数える程度しかいなかったのに、あまり上手くない歌や踊りに、私は彼女たちのパフォーマンスに魅力を感じた。
(考えるだけ考えてみようかしら)
そう思って私は周りに誰もいないことを確認してチラシを素早く一枚とり、鞄にしまう。
べ、別に恥ずかしいわけじゃないんだからね!
私は足早にその場を後にした。
そこに生徒手帳を落としたことにも気づかずに。
1人見られたことにも気づかずに。
「あれ?あれって西木野さん・・・?」
私、小泉花陽は帰りの廊下を歩いてると少し先に足早に歩いていく西木野さんを見つけた。
すると廊下のはじになにか落ちているものを見つける。
「これって・・・西木野さんの生徒手帳?」
そして生徒手帳が落ちてたすぐ近くにはμ’sのチラシ。
「もしかして、西木野さんアイドル興味あるのかな?」
生徒手帳の裏を見るとそこには西木野さんの住所があった。
「届ける時に聞いてみようかな?」
私はその場を後にして住所の場所に向かった。
「・・・・・」
私は目の前の光景に固まっていた。確かに私は住所の場所についた。表札にも西木野の文字がある。
でも気にするところはそこじゃない。
「大っきいなぁ」
余りにも驚くぐらい大きかったのだ。
私もこんな大きい家は見たことない。
「と、取り敢えずインターホン鳴らさなきゃ」
ピンポーン
『はい』
「に、西木野さんと同じクラスの小泉です。西木野さんいますか?」
『あら、真姫ちゃんのお友達ね。今開けるわ』
すると玄関の鍵が開いて扉が開く。恐らく西木野さんのお母さんであろう人に私はリビングと思われる部屋へ案内された。
「さっ、入って。もうすぐ真姫ちゃんも病院から戻ってくるはずだから」
「病院?」
「ん?ああ、実はうち、西木野病院を経営してるの。真姫ちゃんはいつもそっちに顔出してから戻ってくるの」
「そ、そうなんですか」
なるほど。確かに病院経営してるならこのぐらい大きいのも納得と頭の中で思った花陽だった。
「ただいま〜」
「あら、真姫ちゃんが帰ってきたみたいね」
西木野さんのお母さんは玄関の方に向かう。
「友達が来てるわよ〜」
「友達?」
廊下からそんな声が聞こえてくる。
扉が開くと西木野さんが入ってきた。
「たしかあなた、小泉さん」
「う、うん。これ、拾ったから届けようと思って」
私は鞄の中にしまってあった生徒手帳を渡す。
「あ・・・。別に明日でも良かったのに・・・」
「そ、そうだよね。ごめんね、お邪魔しちゃって・・・」
私は咎められたと思って慌てて謝る。
「あ、そういうんじゃなくて・・・。ありがとうね、届けてくれて」
「う、うん」
暫く沈黙が続く。私は何か話題がないかと考えると、ついでに聞こうと思ってたことを思い出し、聞いてみる。
「そ、そういえば西木野さんはスクールアイドル興味あるの?」
「え?!」
「その生徒手帳、スクールアイドルのポスターの前に落ちてたからどうなのかなって」
「べ、別に興味ないわよ!ただ、自分の曲がちゃんと使ってもらってるか考えただけ!」
「そ、そうなの?西木野さん、歌上手だし、綺麗だから似合いそうだと思うけど」
「な、何それ!意味わかんない!」
それより、と西木野さんは続ける。
「あなた、アイドルやってみたいんじゃないの?」
「え?」
「いつもあのポスター見てるじゃない。あなた歌声綺麗なんだからやってみなさいよ」
「で、でも。私、可愛くないしアイドルなんて向いてないよ」
「でも、やってみたいんでしょ?だったらやってみなさいよ。やりたいこと諦めたら後悔すわよ、きっと」
西木野さんは私にそう伝える。でも、私にはどこか自分にも言い聞かせてるようにも聞こえた。
「明日、一緒に行ってあげるからやってみなさいって」
「え、う、うん」
私は半ば西木野さんに押し切られる形で西木野さんの家を後にした。
うーん、真姫ちゃんらしい、のかな?これ。
もうちょい頑張ってらしくしなければ!