美月転生。~お兄様からは逃げられない~   作:カボチャ自動販売機

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書いてすぐ投稿したので、誤字脱字が多いかもしれないです。


第七話 告白と逃走

ぼくは深雪さんが好きだ。

 

なんでこんな簡単なことに気がつかなかったのだろうと不思議に思う。

好きな娘をノートの端に描いてしまうなんてことは良くあることだろうに。ぼくの場合それが溢れて本格的になってしまっただけだ。

 

 

「ぼく分かっちゃったんだよ、ぼくは深雪さんに恋をしているんだってね」

 

「どうやったらそういう結論に至るのかしら!?普通は異性を思い浮かべるものでしょ!?ほら、身近にいるんじゃない?近くにいるとドキドキするような男の子が!」

 

 

顔を赤くして慌てたように両腕を振っている深雪さんは大変に愛らしく今すぐにでも抱き締めて愛でたいくらいだ。

 

 

 

「ドキドキする男子……んー、いないかなー。そもそもぼく女の子(・・・)が好きだし」

 

 

なんか達也にドキドキしていた時期もあったけど、今思えばそれは達也に嫉妬していただけだったんだよね。あんなに深雪さんとイチャイチャしてけしからん奴め!しかも二人は兄妹だから一つ屋根の下に暮らしているし、休日も四六時中一緒にいるに違いない!なんて羨ましい!嫉妬せずにいられるわけがないのだ。

 

 

「みみみみ美月!?貴女は一体何を言っているのかしら!?」

 

 

「深雪さんに嘘は吐きたくないからね、白状するけどぼくは女の子が恋愛対象なんだ。だって野郎より女の子の方が可愛いし、柔らかいし、良い匂いだし、可愛いし、魅力的に決まっているじゃない」

 

 

転生して十数年が経つとはいえ、まだぼくの前世の方が長い。時折、クラスメイトの女子と思考がずれていると思うこともあるし、男子との距離感なんかは未だに分からない。女の子としての自覚があり、それなりにやっていけているものの、前世の感覚はまだ残っており、その最たるが恋愛感情だった。

 

野郎とちちくりあって何が楽しいと言うのだろうか。やっぱりぼくは女の子に転生しても女の子が好きだった。

 

 

そんなぼくの告白に深雪さんはさらに顔を赤くして距離を取り体を抱くようなポーズをしている。その怯えというか戸惑いというか、とにかくいつもと違うあわあわしている様子がぼく的に大変そそられるので逃がすわけがない。高い身体能力を活かして一瞬で回り込み後ろから抱きつく。うん、素晴らしい抱き心地だ。毎晩抱いて寝たいくらいである。

 

 

「……ペロリ」

 

「ひゃあ!?…あ、貴女、今舐めたわね!?」

 

 

深雪さんの白い肌はほんのり甘かった。美少女の肌は甘いらしい。

 

 

「……はむはむ」

 

「ひゃう!?ちょっ……やめ」

 

 

耳たぶをはむはむしてみると深雪さんは悶えるようにしてしゃがみこんでしまう。なんて背徳的な光景なんでしょう!顔を赤くし息を荒くした深雪さんが身悶えている姿は最高の一言である。これはもう描くしかないね!

 

 

 

「いい加減に……しなさいっ!」

 

 

耳たぶをはむはむしたり、首筋を舐めたりして深雪さんの可愛い反応を楽しんでいたら、プルプルと震えだした後、ぶわっと両手を振り上げてぼくを引き離した。

 

 

「貴女は本当に何をするか分からないわ!」

 

「ふふーん、深雪さんがぼくを誘うからだよ」

 

「誘ってません!」

 

 

深雪さんはお兄様をお待たせしているからもう行くわ、と立ち去ろうとする。ふふっ残念だけど達也にはもう少し待ってもらおう。

 

 

お楽しみはこれからだ。

 

 

 

「深ー雪さーん、機嫌直してよー」

 

「あんなことする人は知りません!」

 

 

頬を膨らませプイッと顔を背けた深雪さん。

そんな可愛い反応をされると余計にぼくが興奮するとまだ学んでいないようである。これはたっぷり教えてあげなくては。

 

 

ぼくは背を向けている深雪さんをぐいっと引き寄せ、ぼくの方に向ける。

急に引き寄せられてビックリした様子の深雪さんだけど、すぐにその表情は煩わし気なものに変わる。

 

そうだよね、大好きな大好きなお兄様をお待たせしちゃってるもんね。ぼくなんかに構ってる暇はないよね。

 

けど─すぐにぼくのことしか考えられないようにしてあげる。

 

 

 

「ん!?」

 

 

ぼくは深雪さんの唇を奪った。

 

きっと達也だってまだなはずだ。じゃなかったらもっと凄いことをすればいいだけの話だけど、たぶん深雪さんの反応からして初めてだろう。

 

抱き締めるようにしてキスをしているから、深雪さんの腕はガッチリホールド。流石に蹴るのは躊躇っているようで殆ど無抵抗のようなものだった。時折漏れる声は甘く、それがぼくをさらに高揚させる。

 

 

「ぼくのことしか考えちゃ駄目だよ?」

 

 

ぼくは放心状態の深雪さんの腰を支えながら、耳元でそっと囁いた。

 

 

 

 

 

「おい美月!アレを何とかしてくれ!」

 

 

慌てているというより焦った様子の達也が息を切らして現れたのは、深雪さんが未だ放心中の、キスしてから数分と経っていないであろう頃だった。

 

 

「一体どうしたのさ、達也らしくない」

 

「時間がないんだ!いいか、美月はただ俺の無実を証明してくれるだけで良い!頼んだぞ」

 

 

達也がそう言ってぼくの後ろに身を潜めると、すぐに大勢の男子生徒がやって来た。あれ?全員ぼくの知り合いである。元サッカー部の仲間とかクラスメイトとか。

 

 

「てめぇー司波ー!女の後ろに隠れて恥ずかしくないのか!」

 

「落ち着け!今から美月が俺の身の潔白を晴らしてくれる!」

 

 

 

どうやら達也は何らかの疑いをかけられ、男子生徒の集団に追いかけ回されていたようだ。この容疑をぼくが晴らせるというのなら、まあ手を貸してやることも吝かではない。

 

 

「達也、一体何の疑いをかけられてるのさ?」

 

「俺がお前を脅し猥褻な行為を働いているとありもしない疑いをかけられている!」

 

 

確かにそんな事実はない。大体達也はいつも深雪さんが側にいるんだから、ぼくなんかに食指が動くわけないだろうに。……あれ、なんかムカムカしてきた。

 

 

「証拠は上がってんだよ!何人もが半泣きの美月が司波に胸を触られてるところを見ているんだからな!」

 

「それが誤解だと言っている!」

 

 

あー、ありもしない疑いの原因はこれか。確かにそのシーンを遠目で見たら誤解するかもしれない。

 

 

「美月、頼んだぞ」

 

 

ぼくに疑いを晴らせと、達也が男子生徒の集団を指差す。うん、つい数十秒前までは助けてやろうと思ってたけど、なんかムカムカするし、それ、なしの方向で。

 

 

 

「……う、うん、分かってるよ達也くん、あ、あれは事故だった、事故だったんだよね?」

 

 

 

胸を両腕で隠し、身を引いて、涙目でぼくは言った。我ながら迫真の演技だったと思う。

 

 

 

「司波ぁぁあああ!てめぇーやっぱりか!」

 

「違う!おい、美月、悪ふざけは止めろ!」

 

 

鬼の形相の男子生徒達を前にして本気で焦っている達也。きっとこんな姿は滅多に見られるものじゃないだろう。

 

 

 

「達也……激しかった」

 

 

 

だから、ぼくは顔を赤くして目を逸らしながら言ってやったのだ。

 

 

「司波ぁぁああああ!!殺す!」

 

「美月ぃいいい!くっそ!何故こんなことにっ!」

 

 

 

大勢の男子生徒に追われる達也をぼくは大爆笑で見送った。

 

 

さて、ぼくはダウンした深雪さんを膝枕して楽しもう。




美月、暴走。達也、逃走。

最近バイトのシフトがキツすぎて中々執筆できないです。ぼくが更新した日はバイト休みだったんだなーっと思ってください(笑)


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