野望の終焉に花束を   作:相馬エンジェル梅太郎

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またまたFateの二次創作となります!
よろしくお願いします!


プロローグ~遠い過去の日々~

 

 

 ただ只管に竹刀を振るっている。

そこに目的などあるのだろうか。こうして傍観者に徹している、私からしたら酷く悲しい光景だ。

その者に寄り添う人の姿は無く、その者もまた人の介入など求めていなかった。

竹刀は振るわれるたびに風を切り、その度にその者の孤独が痛い程伝わる。

何のために振るうのだろうか。何のために頑張るのだろうか。

きっと目的などない。私はそう思う。けれど、彼は確固たる目的があるのだろう。

そうしなければならない訳が。その生き方に共感は出来ない。それでもそんな生き方があるのかと、素直に受け入れることは出来た。

きっと彼はいつまでも竹刀を振り続けるであろう。

風を切り、孤独が身に沁み、心を蝕もうとも。ただ竹刀を振るうのだろう。

その先に何があるのだろう。

私はその光景を見ている。ただ見続けている。

 

 

 その生き方を知っていた。歩みはここから。始まりに今帰る。

まだ幼い頃。その生き方を知っていた。ただ只管に剣を振るう。苦しいと思ったことはない。その行為に苦痛を感じたことは、ただの一度も無かった。当たり前だ。自分で選んだ道なのだから。

強迫観念とも言えるだろう。けれどその思いだけは確かにあった。否。その思いしか無かった。きっと全て零してしまったのだろう。

けれどそれで構わなかった。そういう人生を、当たり前のよう受け入れることが出来る。

こんな風に思えた俺は強くなったのだろうか。それともただ可笑しくなったのだろうか。

それでも今はこれしか出来ない。これ以外の方法が分からない。

竹刀が風を切る。自分は一人なのだと認識させられる。この音に反応する者は、ただの一人も居らず広い校庭でただ竹刀を振るう。

視線を感じた。それはいつものことだ。皆彼女に夢中で、彼女はいつも話題の中心にいた。けれど、彼女の本当の笑みをみた人はきっといない。仮面の下に隠れた顔は誰も知らない。何故かそう思った。

竹刀を振るう。風を切り、孤独が身に沁み、心は変わらない。ただ竹刀を振るうのみ。

その先に確かな“夢”があると信じて。

俺は只管竹刀を振るう。振るい続ける。

 

 

 

 もう遠い過去の日々。別れの日へ、歩み続けた中で交わった僅かな日常。その1ページ。灰色の日々、けれど思い返せば輝きに満ちていた日々。

無価値だと切り捨てた幼い自分。あの日々を尊いと思う自分。

あの日々を捨ててきた価値が今の人生にはきっとない。人として当然の喜びもここにはない。それでもその先に、夢があると信じて。

歩みを止める事だけはしない。きっとその夢を掴む。その日まで。

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