【完】真・ハイスクールD×D夢想 覇天の御使い   作:ユウジン

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修行!修行!修行!時々ラブコメ

「こんなところにコテージとは……」

 

一誠達は現在山奥にいた。そして目の前にはコテージ……普段は魔力で隠してあるらしいがこれから十日間ここで過ごすことになる。

 

「さてまずは動きやすい格好になりましょう。覗いちゃ駄目よ一誠」

「そんな命知らずな真似はしません」

 

リアス先輩に一誠は答えると女子達はジャージに着替えにいく。

 

「一誠君」

「なんだ祐斗」

「覗かないでね?」

「お前死にたいか?」

 

そんなんだから木場 祐斗ホモ疑惑が立つんだよ。しかも相手が俺ってなんだよおい。

 

 

 

「それで?どんな修行にするの?」

 

着替え終わった皆が一誠を見た。まあ修行つけるのは祐斗と小猫だけどな。

 

「そりゃあもう扱いて扱いて扱きまくってやりますよ」

 

一誠は楽しそうに笑った。それはもう楽しそうで生き生きしている。

 

(僕たち死ぬのかな……)

(朱乃先輩と一誠先輩ってもしかしたら仲良くできる?)

 

さぁ修行開始である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つうわけでまずは祐斗だけど……まあ祐斗の弱点は打たれ弱さらしいけどそれってほんと?」

「まあね。そりゃあ一誠くんみたいな人外は例外として常人より頑丈だけど僕はあんまり耐久力高くないよ」

 

最初にさらりと人を人外呼ばわりしたがそこは突っ込まないでおこう。

 

「じゃあまずは……」

 

一誠は五メートル×五メートルの四角を書く。

「これは?」

「まあ見てろって……」

 

次に一誠はリストバンドを何個かだした。

 

「これをつけろ。ほい」

 

一誠は放り投げた……そして、

 

「重っ!」

 

キャッチした祐斗はバランスを崩した。

 

「一個三十キロあるからな」

「それを君ここまで持ってきたの?」

「まあな。あとそれを手足と首につけろ」

 

30キロ×手足と首に1個ずつで150キロか……祐斗は思うと足元に個数を追加された。

 

「あ、一ヶ所に二個ずつつけろよ」

 

計算が違った。合計300キロであった……

 

 

 

 

 

「それで一誠くん……これでどうするの?」

 

祐斗はプルプルしながら一誠を見た。悪魔でも流石にプラス300キロはキツいようだ。でも大丈夫。筋肉痛になってもアーシアがいるからな。

 

「じゃあ次にそこの四角にはいれ」

「うん」

 

入ったな。よし、

 

「レイナーレ!頼むぞ」

「了解」

 

そう言ってレイナーレが光の槍を携えながらやって来た。

 

「え?あの……まさか一誠くん?」

「まさかだ祐斗……お前はひたすらその重みを体に身に付けたままレイナーレの光の槍を避け続けろ!無論そこの四角から出たらダメな」

「いい!」

「あ、レイナーレはガチの光の槍を投げるからな?手加減しても修行にならないし……あ、ちゃんと刺さってもアーシアが待機してるから安心して死にかけて良いぞ」

「ええ!」

「後、三日ごとに四角を狭めていくから早々に慣れた方が良いぞ」

「ちょっと一誠くん!」

「はい修行開始~」

「行くわよ木場!」

「うわ!」

 

レイナーレが光の槍を投げアーシアが木場を応援する。ちゃんとこの修行にも意味はある。

 

まずはこの十日間……はっきり言って短い。一ヶ月くらいあれば弱点を潰しながらバランスよく鍛えても良いが期間が短い。ならばいっそのこと短所の潰しは捨てて長所だけ伸ばした方が良い。

 

つまり木場の長所は速度……ならば打たれ弱さは無視して回避能力のみに力を注いだ方が良い。だがそれでも十日は短いのであんな危険な方法を取るしかなかったがアーシアがいるし大丈夫だろう。更にこの修行は常に回避し続けなければイケないため最初は良いが重りがだんだん辛くなってくる……そうしてくるとどうやって最低限の回避にするかが重要になってくるしな……元々祐斗は剣術を別の人から習ってるしその辺で良いだろう。

 

さて次は……小猫だな。

 

 

 

「一誠先輩。私はどういう修行なんですか?」

「まあ小猫のは祐斗よりは安全かな……」

 

そう言ってだしたのは強力なバネを用いて作られたトレーニングギブス。

 

「これをつけろ」

 

小猫は言われた通り着けると……

 

「う、動けません……」

「だろうな」

 

このギブスは季衣母さんと流琉母さんと言ううちの大家族の中でも取り分け力自慢ベースにして真桜母さんが作った奴だ。生半可な力じゃびくともしない。ちなみにさっきの重りも真桜母さんお手製だ。

 

「ん~!」

 

思いっきり力を込めると少しずつ少しずつ動く。

 

「つうわけでまず小猫にはひたすらこの十日間突きを放ってもらうぜ」

「突きを?」

「そうそう……」

 

一誠はそういいながら腰を落として拳を握り……突きだす。パシン!っと空気を叩いて弾く音が聞こえた。

 

「打撃において重要なのはどれだけ的確に相手の正中線に抉り混むように打てるかだ。そうすれば小猫のパワーをもってすれば大概の相手は一発で戦闘不能だろう。だからひたすらその動きにくいギブス着けて突き続けるんだ」

因みにこのギブス、正しい姿勢でちゃんとした形の突きを放つと若干動き容易いようになっているので無意識に正しい動きを体に染み込ませられるのだ。

 

「マオえもん母さん……もとい、真桜母さんには感謝だな……うん」

 

一誠は小猫に体術を教えながらそう呟いたが小猫は首をかしげただけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁご飯だぞ~」

 

その夜……因みに一誠は祐斗と小猫のコーチの他に食事当番も担当している。これは他の皆が一分一秒でも修行に集中できるように一誠の方からいったものだ。

 

「今日はポトフとご飯とその他おかずです」

『……………………』

 

テーブルの上に置かれる食べ物……それはどれも輝いている。綺麗で美しく芸術のようだ。

 

「味は保証しますよ?カロリー計算もしていますし栄養バランスも完璧です」

(お嫁さんに欲しい……)

 

皆がそうを思ったのは余談として、

 

『いただきます!』

 

皆で食べまくる。特に祐斗と小猫は腹が減っているらしくすごい速度だ。

 

「初日はどうだったの?」

 

リアス先輩が聞くと祐斗と小猫は、

 

『死ぬかと思いました……』

 

異口同音にそういった。

 

「小猫ちゃんは良いよ……僕なんか光の槍に五メートル四方の四角の中だけで逃げるんだからね?しかも反撃及び剣で弾いたりとかも禁止だしね……」

「いえいえ、一誠先輩の体術指導はひたすらスパルタ特訓ですから……何度か宙に舞いましたし……倒れても立たされて戦わされて……倒れても立たされて戦わされて……をずっとやりますし」

 

一誠が視線をそらした。

 

「わりぃ……姉さんと組手するときより力抑えといたんだけどそれでもつい咄嗟に力とか込めちまってさ……」

 

いったいどんな姉なんだろうか……少なくとも一誠同様人間ではないだろうと皆は納得する。

 

だが二人ともそうは言っても逃げ出しはしない。十日で強くなるのだから生半可な修行じゃ無理なのは分かってる。なので今はしっかり食べて明日に備える。それが大切なのは二人もわかっていた。とは言え修行外もこの重りやギブスを付けっぱなしなのはキツいが……

 

「うふふ……私も一誠くんに手取り足取り教えてほしかったわ」

「いや俺魔力はわからないんで……」

 

姫島先輩は女王(クィーン)として攻防魔全てに於いて高い能力はあるらしいがその中でも取り分け魔力に才能が集中してるらしい。流石の一誠も魔力はお手上げだ。

 

「それで一誠。これからはどうするの?」

「そうですね……十日間は今の奴を段々激しくしていきます」

 

祐斗と小猫の顔色が悪くなった……

 

「後はそうですね……四日目辺りから祐斗と小猫に修行の終わりに組手をさせようと思います。やはり実践経験不足は否めませんからそれもしとけばマシでしょう」

 

更に二人の顔色が悪くなった……

 

「大丈夫だって、怪我しても仙豆……じゃなかったアーシアがすぐに治してくれる」

「どんな怪我をしても大丈夫です!私が治します!」

『……………………………………』

 

二人にしてみれば全く安心できない殆ど死刑宣告に聞こえたのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから更に三日後……修行にも二人はなんだかんだ言いつつもすぐに慣れて着いてこれるようになった。やはり悪魔なのか夜になると活性化するらしく夜中は夜中で二人で自主練習まで始めてる位だ。そこはやはり悪魔だな。

 

その為修行も前倒しをして行っていて祐斗の回避修行も今は三メートル半四方で行ってるし小猫は基本の動きより一誠との組手を行う時間が増えたくらいだ。

 

因みに一誠……小猫相手でも悪寒とか走るものの大分マシだ。多分容姿のお陰だな。一誠は幼女では恐怖症は発症しないので小猫はそういう意味では対象外なのだろう。まあそんなことを考えたら岩を投げつけられたが……

 

しかしこれだけで勝てる相手ではないだろう。なので一応二人には秘策を持たせてある。それでも勝てる確率は……まああんまり言いたくない。

 

 

 

そんなことを思いながら一誠は夜中廊下を歩いていた。二人のトレーニング計画を製作してたら喉が乾いたのだ。

 

「あら起きてたの?」

「リアス先輩?」

 

一誠はちょうど眼鏡を掛けたリアス先輩に出会った。

 

「丁度よかったわ。少し話さない?」

「ええ、良いですよ」

 

リアス先輩に連れられて一誠は部屋に入った。

 

「眼、悪かったんですか?」

「え?……ああ、これは気分の問題よ。何となく集中力が着く気がしてね」

「成程……」

 

そんな談話をしながらも一誠とリアス先輩は座った。

 

「その本は?」

「レーティングゲームの本よ。まあこんなのは気休めくらいになれば御の字ね」

「まあ戦場は千変万化……何が起きるかわかりませんからね」

「そうね。それに相手はライザー・フェニックスだもの」

「そうですね……」

 

ここに来る前に聞いておいた……ライザーと言うかフェニックスについてだ。

 

悪魔側のフェニックスは伝承で語られる聖獣フェニックスとは少し違うがそれでも灰から舞い上がり復活する不死鳥であり涙はあらゆる傷を癒す……つまり倒れない……生半可な攻撃では傷もつけられない……厄介きわまりない力だ。

しかも性格は気に入らないが上級悪魔……楽な相手ではない。

 

言っておくが別に皆は弱くない。寧ろ祐斗と小猫に限定しても一誠の……と言うか北郷式トレーニングに順応した早さは悪魔と言うのを差し引いても相当な才能を持っていると考えられる。だが相手は人数が多く実践経験もある猛者……勝算は……低いのが現実だ。

 

「……私って最低よね」

「リアス先輩?」

「この勝負はね……私の我が儘みたいなものよ……」

 

ポツリポツリ語りだした。

 

「この戦いは勝算低い……分かってるわ……それは分かってる……でもね……この結婚はどうしても受け入れたくないの」

「…………なぜ?」

「私はリアス・グレモリー……でも皆は私をグレモリーのリアスとしてみるわ……それが重く感じても嫌ではない。別にそれから逃げたい訳じゃない。でもね……私は結婚だけは好きになった人としたいの……私をただのリアスと見てくれる人が良い……そこだけは引けなかった……」

 

一誠は理解した……母の華琳……いや、曹操 孟徳と呼ばれた彼女がなぜ父と結婚したのか聞いたことがあった……今ではわかるが幼い頃父の印象は母に良く吹っ飛ばされる頼りない印象だった。そして母は答えた……

 

《私を華琳にしてくれるからよ》

 

リアス先輩も同じだ……家の重責も背負うつもりだ……自らの自由の束縛も良いとしてる……でも恋だけは……誰かを好きになってその人と添い遂げると言う事だけは諦められなかった。ずっとグレモリーのリアスと見られた彼女が持った一つの希望であり願い……

 

「俺には良くわかりません……」

 

もし自分が北郷 一誠ではなく曹丕と言う人物だったら分かったかもしれないが……だが、リアス先輩が凄く不安定なのは分かる。勝算はなく……はっきり言って負け戦なのは自覚があるのかもしれない……

 

「でも俺はそういう風に思うのは変じゃないと思います……誰かを好きになりたいって思うのは普通です……皆全然迷惑なんとは思ってないですよ。時々そうやって弱いところだって見せたって良いんですよ……俺はそんなリアス先輩が素敵だと思いますし好きですよ」

「っ!」

 

リアスの頬に朱色が走った……

 

「一誠……」

「だから笑ってください。女性は笑ってる方が良いですよ」

「…………一誠」

「え?」

 

一誠の肩にリアス先輩がもたれ掛かった……お、悪寒が……あれ?来ない?

 

「ごめんなさい……このままでいさせて……」

「あ……」

 

震えていた……不安で……自分の我が儘なのに皆を巻き込んで……そんなリアス先輩を見たら今回だけは悪寒とかが来ない……そう思いながらソッと肩を抱いて一誠は静かにリアス先輩を見ていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

そして決戦の日は……あっという間に来たのであった。




次回ライザー戦!修行の成果は……発揮します!
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