【完】真・ハイスクールD×D夢想 覇天の御使い 作:ユウジン
『オォ!』
一誠の
「よっ!」
「なっ!」
それを少し体を捻って躱すと足払いをかけて転ばす。
「くっ!」
祐斗は立ち上がると剣を握り直して一誠に振り上げる……
「オラァ!」
「がっ!」
だが降り下ろす前に一誠の正拳突きが祐斗の腹にめり込んだ……
「がはっ!」
《Boost!Explosion!》
「どうした祐斗ぉ……それで終わりか?」
「まだだ!」
祐斗の切り払い……だがそれを一誠は
「がぐ!」
「フゥ!」
更に密着してからの正中線を正確に穿つ3段突き……
「はが!」
祐斗は後ずさって腹を抑える。
「何故だ……なんで僕は勝てないんだ……皆の仇を取らないといけないのに……」
「そりゃお前が弱いからだろ?」
「この!」
祐斗が足を払うがそれを軽くとんでかわす。だが、
「ウォオオオオ!!!!!!」
「っ!」
祐斗の剣の振りおろし……だがそれ一誠は両手で挟んで止めた。所謂真剣白羽取りだ。
「せぇの!」
「っ!」
そこを支点に祐斗を投げた……無刀取りの応用だが体重が軽い祐斗には簡単に決まった。
「ま……だだ……」
祐斗は構えようと立ち上がろうとする……すると一誠はなにかを見せた。
「これ……なーんだ?」
「それは!」
祐斗は慌ててポケットを探す……だがない。一誠の手にあるのは仲間たから取り出した聖剣の因子の結晶……
「返せ!」
祐斗は取り戻そうとナイトの脚力全開で間合いを詰めたが一誠に簡単に腕をとられ関節を極めた。
「ぐっ!離せぇ!」
「そういやこれで祐斗はグラついちまったな……なら」
一誠はそれを床に叩きつけた。
「なっ……」
元々さほど丈夫じゃなかったんだろう……簡単に割れた。砕けるとまではいかずとも比較的簡単に割れてしまった。
「あ、ああ!」
祐斗は手を伸ばすがその前に一誠が放った氣弾でその場所が抉れる……
「な……」
一誠は祐斗の手を離すと一歩下がる。
「悪い悪い。手が滑った」
「あ、あ……」
祐斗は抉れた部分を障るが一誠の高密度の氣弾で抉られた場所には何もない。
「殺してやる……殺してやる!」
「おお、言うだけなら無料だ……こいよ、怒りのままにぶちまけてみろよ祐斗!」
一誠がそういうと祐斗は剣を振るう。だがさっきより動きが単調だし一誠は避けやすくなっただけだ。
「恨み辛み……怨念……邪念……執念……載せて斬るなんざ簡単すぎる話だ……でもなぁ……それでも前向いてないといけないんだよ祐斗!」
そういうと祐斗が吠えた。
「君に何がわかるんだ!君は強い!才能だってある!信念もあって怖いもんなんかないんだろうね!極めつけに
祐斗はライザーの時に一誠が自分を鍛えてくれたとき祐斗は関心と同時の恐怖した……一誠の強さは隔絶としすぎていて自分が欲した武力を標準装備していた。自分とは違うなにか……祐斗はそう思っていた。だからこそ恨めしいんだ。他人が持っているからこそ羨ましく見えるもの……
「ああそうだ分からねぇよ!」
一誠の拳が祐斗に刺さった……
「がっ!」
「ああお前の言う通りだ。分からないんだよ!失ったことはねぇんだ!分かるかよ!俺は軽々しく味わったことねぇ分際で辛いんだろうなとは言ってやれるほど優しくねえから言うぞ!俺はわからねぇ!理解できねぇよ!知識としてはお前は辛かったんだろうとしか分かんないんだよ!」
一誠は分からない。失ったことがない一誠は失った祐斗の気持ちを分かるなんて不可能だ。よく相手の気持ちと一緒になって考えろと言うがそんなの詭弁だ。一緒の立場になったことないのに分かるわけがない。だけど……
「だから戦うんだよ!」
「なに……?」
一誠の言葉の意味が祐斗には分からない……だけど一誠は続ける。
「分からないから怖いんだよ!知らないから恐ろしいんだよ!味わったことないから……味わいたくないって思うんだ」
「っ!」
一誠の上段回し蹴り……
「ぐっ……」
「だから味わないために俺は戦うんだ……俺は怖がりなんだよ……恐ろしいもんなんか見たくないんだ……だから足掻いてんだよ!この拳に恐怖とか色んなもん握りしめて戦うんだよ!」
怖いし恐ろしいし逃げ出したい……そんな気持ちは一誠にだってある。信念?そんなもん捨てて逃げたいと思う気持ちだってあるさ……だけどなぁ……色んな奴が期待勝手に寄せるんだ……助けてって言うんだ……そういわれたらさぁ……答えなきゃって思うんだよ!
『がぁ!』
一誠と祐斗の籠手と剣がぶつかる。
「お前が言うほど俺は完璧じゃねぇんだよ……皆は自称とか好き勝手言ってくれるけどなぁ……それでも俺は人間なんだ……皆が言うほど凄くないんだよ……かっこよくないんだよ……強くないんだよ……」
「…………」
「それでもなぁ……俺はお前を見捨てるって選択肢は作れないんだよ!」
「っ!」
ドゴゥ!っと祐斗の腹に一誠の蹴りが入った……
「ごぶっ!」
そこから一誠は拳を握る……
「……怖くても前に進まなくちゃいけない……恐ろしくても見なくちゃいけない……認めなくちゃいけないし受け入れなくちゃいけないんだ……それが生きるってことだろうがぁあああああああああああ!!!!!!」
一誠は拳を大きく振りかぶり祐斗の顔面に炸裂させた……
「がふ……」
祐斗は吹っ飛びそのまま床に転がる。
「少なくともよ……俺にはどうしたってお前の仲間たちは復讐を望んでるようには見えないんだ」
「え?」
そう言って一誠はポケットから先程壊したはずの結晶を出した。
「何で!」
「バカかお前は、本当に壊すわけねえだろ……あれはここに来る前の作っといたダミーだ。出来はまあ悪いけど頭に血が上ったお前くらいなら騙せる程度には俺も手先が器用でね」
後は真桜母さんの教えの賜物だ。
「さて……多分これで行けるよな……
《Transfer!》
一誠は何故か結晶に力を譲渡すると、
「ほら!」
「っ!」
祐斗は今度は壊さないようにキャッチした……すると祐斗を囲むように光が現れた……
「これは!」
すると周りに現れたのは子供達だ……
【やっと会えた……】
【そこのお兄ちゃんが僕達に力を注いでくれた……お陰で会えた……】
「みんな……」
祐斗は目から大きな滴を落とした……多分……あれは祐斗が失ったもの達なんだろう……
「ごめん……僕は逃げた……僕なんかより生きるべきなのはいたんだ!夢も希望もあったはずだ!なのに僕だけが平和にいきるなんて……」
【私たちのことはもういいわ……だから生きて】
光の子供達は祐斗の手を取る。皆は祐斗を見た……その目は復讐を望む目じゃない。
【僕たちだけじゃダメだった……】
【でも僕たちは一人じゃない……】
【聖剣を受け入れて……】
【神が見ていなくたって……】
【僕達は】 【私達は】
「【一つだ】」
次の瞬間一瞬強い光が生まれそれが晴れると祐斗は立ち上がった。
「なんで一誠くんは皆のことが?」
「昔から霊感が強くてね。小さい頃は家に居た幽霊をお客さんだと思って話してたら誰も見えてなくて軽く騒ぎになったことがあったよ。最近は見えなくなってたんだけど……相当お前と話したかったんだろうな。ぼんやりとだけど見えてて言うんだよ。お前を止めてくれってな。だから言っただろ?誰もお前に復讐は望んでない」
「一誠くんは……結構お節介だよね」
「変なところが父さんに似たもんでね」
一誠が言うと祐斗が笑った。
「さぁ、一誠くん。部長達のところにいこう」
「……なんで戦うんだ?」
一誠は最後の確認として聞く。それにたいして祐斗は晴れやかな笑みを浮かべて答えた。
「バルパーは止めなければ第2第3の僕を生み出す。そんなことはさせない。僕だけで十分だ。それに……僕はリアス・グレモリーの
「そうか……なら飛ばすぜ!
《Welsh Dragon!!!Balance Breaker!!!!!!》
一誠の体を赤いプレートアーマー……
《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Explosion!》
「祐斗!捕まれ!行くぞ!」
「うん!」
祐斗は一誠に捕まると一気に加速した……
「ちっ!いったい何体のケルベロスをこちらに呼び寄せたのかしら」
「キリがないな」
リアス先輩と途中で合流したゼノヴィアは背を会わせて戦う。
「喰らいなさい!」
レイナーレが投げた光の槍はケルベロスの目に突き刺さり……
「雷よ!」
姫島先輩の雷がレイナーレの槍を避雷針のようにして落ちた。
「ふむ……意外と粘るな……ん?」
コカビエルは空を見上げる……シトリー眷属が張った結界の向こう側から物凄い速度でこっちに向かってくるものがいる。
その頃結界の外側では……
「匙ぃいいいいい!!!!!!結界開けろぉおおおおお!!!!!!」
「うぉ!誰だあいつ!」
「北郷くんですよ。彼は既に
「さすが自称人間……」
「さぁ、北郷くんと背中にくっついている木場くんが通れる隙間だけ結界を開けなさい!」
『はい!』
結界の一部が歪むとそこだけ開き……
「北郷!後は任せたぜ!」
「任された!」
一誠はそのまま結界ないに突撃した……
「北郷 一誠!」
「木場 祐斗!」
『ただいま到着しました!』
一誠はそのまま着地をすると皆は安心した顔になった。
「遅かったな赤龍帝」
「昔から時間にはルーズだって怒られててね」
一誠は言うと後ろからケルベロス飛びかかってきた……
「ん?」
それを頭を掴んで止めた……まあ頭が三つあるので残りの二つが来たがギクッと固まった。
「よぉし良い子だ……そのままお座り」
「く、くぅん……」
ケルベロスはそのままお座りしてしまった。
「ちっ!犬はこれだから便りにならん」
「犬畜生だって戦力差は見抜くって言うぜ?」
「ふん。成程な……しかしリアス・グレモリーよ、中々良いチームだ。赤龍帝だけではなくバラキエルの娘までとは……面白い因果だ」
「っ!」
姫島先輩が一瞬放電した……だがリアス先輩に止められた……もしかしてバラキエルの娘って言うのは……まあ良い。今はコカビエルだ。
「あいつとは俺がやります」
そう言って一誠はドラゴンの翼を羽ばたかせ飛び上がる。
「さ、勝負といこうか」
「良いのか?あそこには……」
「おいっすぅ!」
剣を携えたフリードとその後ろにはバルパーがいた。
「あそこに祐斗がいるから平気さ……」
一誠は自分が認めた男の勝利を信じてコカビエルを見据える。
「面白い……」
コカビエルは不適な笑みを浮かべた。
「僕が相手になる」
「私もだ。まだ共同戦線有効だろう?」
ゼノヴィアが聞くと祐斗はうなずく。
「ケケケ!俺っちの聖剣に勝てるのかぁ!?」
フリードの剣からは今までのとは比べられないほどの力を感じる。
「これ俺様が集めた聖剣を四つ全て合体させた剣だ!誰も俺を止められないぜ!」
だが祐斗はリラックスしていた。確かに強そうだが……怖くない?違う。ヤバイ……でも一誠ほどじゃないんだ……
「僕は愚かだった……視野を狭めていた……そして迷っていた……だけどもう迷わない。僕は……もう逃げない!」
祐斗の手に光と闇が交差し一振りの剣が生まれた。
「これが僕の
その剣は祐斗の覚悟の証し……そして祐斗の新たな一歩を象徴するような剣だった。
次回決戦。そして白いあいつも少し出ます。