10分間のチート   作:reiz0

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 展開が早すぎます...よね。出来れば、少しずつセリフとかも多く入れていきます。ごめんなさい。
 黒子のバスケの最初の方は、見たのが結構前なのでセリフとかほとんど忘れてて、ついつい書くペースが遅くなるんですよね。いちいち同じスマホでアニメの動画と同時進行で書いてるので。


一日10分だけのチート

 

「クソっ!!何が病弱だっただよ!!!」

 日向が叫ぶ。零途の強さは明らかに常軌を逸している。

 零途の活躍で、たった三分で点差が縮まってしまった。零途は、激しい運動ができるのは一日十分だけだと言っていた。つまり、これがあと十分続く。単純計算で、これからさっきの二倍以上の点を取られるという事になる。

 

 零途の攻撃は何回やっても止められない。しかも、零途がいることによって火神が自由になってしまう。

 ボールを持っていない零途に二人つけても、するりと抜けてボールを取られてしまう。三人付ければ、その分火神のマークが薄くなり、火神に点を取られる。

 零途がいることによって、形勢が一気に逆転しまった。

 

 今度は火神にマークを集中していたため、零途が再びボールを手にしてしまう。そこに、伊月が零途を止めに来る。伊月はイーグルアイを持っており、視野も広いため、零途の動きを全体的に見ることが出来る。伊月はバスケ部の中で一番キャリアが長いため、零途の動きを先読みしようとする。

 

 しかし、それでも零途は止められない。

 

 零途は、体を左右に揺さぶりながらドリブルするそれについて行こうと、伊月も重心を左右に動かす。やがて伊月は零途の速さについて行けなくなり、伊月の重心が完全に左に重心が乗り切った瞬間、零途は伊月の右を通り過ぎていく。

 

 そしてシュートフォームに入ろうとした瞬間、日向がシュートを止めに来る。一度日向が来たことを確認した零途は、そのままジャンプする。それを見た日向が合わせてジャンプするが、そこで違和感に気付く。

 

 高すぎる。零途の方がかなり高く飛んでいた。

 

 日向の身長 178cm

 零途の身長 172cm

 

 ジャンプ時の高低差 20cm

 

 もちろん、零途の方が高い。

 

 その高低差で止められる筈もなく、零途はそのままシュートを決めた。最初と同じ、かなり高弾道のシュート。もちろん、ゴールに収まった。

 

 点差がまた、縮まった。

 

 

(...なんなんだよ、あいつ。)

 火神はそう思っていた。零途の実力を見たのだから、仕方がない。しかし。

 

 昨日火神は、黒子のことは気になっていたが、零途のことは気にならなかった。理由は単純。何も感じなかったからだ。しかし、今思えば、自分が感じられなかっただけかもしれないが。

 圧倒的実力差の前に、何も感じ取る事が出来なかっただけかもしれない。

 だが、今はそんなこと思っている暇はない。零途のお陰でかなり動きやすくなり、火神もボール十分に持てるようになって来た。これからもっと点を入れようと。そう思った矢先だった。

 

「よし、そろそろかな。」

 そう言って、零途がコートを出ていく。それを見た火神が、思わず零途を止める。

「おい、何がそろそろだよ。折角流れが変わってきたのに。」

「いやだって、俺休憩したいし。俺病弱だから。」

「あれだけ動いて何が病弱だよ。」

 さっきまでの零途の動きは、体が病弱な人間に出来る動きではない。というか、病弱でなくてもそうそうできる動きではない。

「いや、ホントに病弱なんだって。十分以上運動したら俺とんでもない事になるから。」

「...お前がいないと、俺はボールをまともに持つことも出来ないんだぞ。その状況で、勝てるわけがないだろ。」

「ああ、それなら大丈夫。テツヤがいるからね。」

「テツヤ?あの黒子ってやつか。あいつに何が出来るんだよ。」

 黒子の実力は、火神が自分で昨日確かめた。結果は圧勝。黒子に、さっきの状況を続けるための実力があるとは、とても思えなかった。

「...火神君が思ってる強さと、テツヤの強さは違うからね。俺や火神君は、一人でも全力を出せるけど、テツヤは違うよ。仲間がいるから全力を出せる。多分、火神君がテツヤに力を貸して上げれば、この試合は勝てるよ。俺がいなくても。」

「...本当なんだろうな...。」

「ホントだよ。」

「...わかった。」

 まだ少し納得はしていないようだったが、火神はコートに戻っていった。

 

 その後、黒子と火神が力を合わせ、一年生チームは勝利した。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 本入部に一騒動あったが、それからはバスケ部も練習に励んでおり、いつも通り日常を過ごしていた。

 特に変わったこともなく、いつも通りの筈だったある日。

「練習相手から、オッケー貰えたらしいです!!」

「へえ、何処なんだろうな。」

「わかりませんけど、なんか監督、スキップしてましたよ。」

 その言葉に、二年生が凍りつく。

「...皆。よく聞け。監督がスキップしてたって事は、今回の相手、相当ヤバイぞ。」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ここッスか。誠凛高校。さすが新設校。校舎綺麗ッスねー。」

 同日。誠凛高校に、金髪の他校の生徒がやってきていた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「海常高校!?」

 リコの言葉を聞いた日向が、驚きのあまりそう叫ぶ。

「ええ。しかも、そこはキセキの世代、黄瀬涼太を獲得した高校よ。」

「え!?あのキセキの世代が!?」

 その言葉に、火神が嬉しさからかついニヤけてしまう。自分が戦いたかった相手が、こんなにも早く敵として出てくるとは、火神も思わなかっただろう。

 ちなみに、今零途はいない。今日は一ヶ月に一度の病院に行く日だ。検査もすぐに終わるため、終わったらすぐに帰ってくるとは伝えてある。

「黄瀬って、モデルやってるらしいぞ。」

「え?マジで?」

「カッコよくてバスケ上手いとか酷くね?」

「アホ。」

 そんな会話をしていると、体育館の入り口の方から、大勢の女子生徒の声が聞こえる。

 見ると、声と同じで、一人の男子生徒を囲んで、大量のギャラリーがいた。

「え!?いつの間にこんなにギャラリー出来てんの!?」

 誠凛バスケ部は、練習をするときにギャラリーが出来る事など一度もなかった。驚くのも無理はない。

「あぁ...。こんなつもりじゃなかったんすけど...。」

 そのギャラリーの中心にいる、金髪の男子生徒が、頭を書きながらそう言う。

「えーっと、五分だけ待ってて貰っていいっすか?」

 そこには、キセキの世代の一人。黄瀬涼太の姿があった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「いやー、すいません。まさかこんなことになるとは思わなくて。で、霧崎っちは...」

「霧崎君は病院です。」

「おー、黒子っち!久しぶりッス!!」

「お久しぶりです。」

 黄瀬と黒子が話しているのを、他の部員が眺める。そういう流れになっていた。

「そういえば、今日って霧崎っち病院行く日だったんすか?だったら残念だなー。」

「検査もすぐ終わるって言ってましたし、もう少しで帰ってくるって言ってましたよ。」

「マジッスか!?だったら、俺ここで待ってようかなー。」

 と言った瞬間、黄瀬が後ろから投げられたバスケットボールを、とっさに受け止める。

「暇なんだろ?だったら俺とやろうぜ。」

「...へえ。まあ、霧崎っちが来るのに時間かかるっていうし、ちょっと遊んで上げるッスよ。」

 

 黄瀬と火神の1on1が始まった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「じゃあ、これで診察は終わり。」

「はーい。ありがとうございましたー。また一ヶ月後に来ますねー。」

 そう言いながら、零途は扉を閉めて部屋を出た。そこには、一人の医師がパソコンの画面を眺めていた。

「...相変わらず明るいな、あの子は。」

 あれだけの事があったのに、と言葉を連ねる。

「バスケのお陰...か。」

 医師の心には、そのバスケでさえもたった十分しか出来ない零途に、なんとか試合にずっと出られるようにしてあげたい、という思いもあったが、同時に何もできないという悔しさもあった。

 医師は一人、画面に映し出されているデータを眺めていた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 キセキの世代の実力を、思い知っていた。

 火神の動きを見て、黒子もこれなら行けるかも、とは思っていたのだ。しかし、違った。別人のように。皆で最後にバスケをしたのは、少し前だというのに。

「これで終わりッスか?」

「...まだだ。」

「わかったっすよ。...いや、やっぱりやめとくっすよ。」

「は?なんでだよ!!」

 いきなり意見を変えた黄瀬に、火神が思わず叫ぶ。

「あんたよりも強い人が来たッス。」

 黄瀬が指を指したのは、体育館の入り口。そこから、一人の生徒が入ってきた。

「遅れてすいません...って、涼太!!」

「霧崎っち!!」

 零途は黄瀬の元まで走り、手を握る。

「久しぶり!!元気だった?」

「元気っすよ。霧崎っちはどうっすか?」

「俺はもう絶好調だよ!!ちょっとさ、バスケやろうよバスケ!!」

 零途はバスケを持ち、黄瀬に勝負を持ちかける。

 黄瀬の心の中で、選択肢など一つしかない。

「イイッスよ。成長した俺を見せてやるッス!!」

「先輩、監督!!良いですか?」

「え?ええ。良いわよ。」

 監督の許可を貰い、零途と黄瀬の勝負が始まった。

 

 零途がドリブルを始めたので、黄瀬も警戒度をマックスにする。キセキの世代五人で掛かっても勝てない相手に、1on1で手を抜けば、勝機などない。

 

 現在の零途の位置は、ちょうどコートの真ん中辺り。零途は、行動の選択肢がとても広い。

 コートの何処からでも、いきなりシュートを打つことも出来る。

 零途はボールを構えてジャンプする。

 それを見た黄瀬が、ブロックにジャンプする。

 

「なっ!?ジャンプで霧崎に追いついてる!?」

 

 最高到達点は、零途とほぼ同じ。零途のシュートは黄瀬の指の先に当たる。

 

「へえ、高くなったね。」

「だから言ったッスよ。成長した俺を見せるって。」

 

 そんな会話をし終わった後、二人がゴールに向かいリバウンドを狙う。やがてゴール下に着く。シュートは高弾道で放った為、まだ落ちてきてはいない。

 

「でもさ、涼太。」

 

 零途が、膝をいつもより深く。曲げる。

 

「俺まだ、全力じゃないんだよね。」

 

 ボールがゴールに当たった瞬間、二人が思い切り飛ぶ。

 

「全力、ジャンプ!!」

「ちょ、ええ!?」

 

 あまりの高さに、黄瀬の顔が真剣な表情から一転、驚愕の表情に変わる。

 

 零途の跳躍力は、並外れている。

 

 跳躍距離、約150cm

 

  腕の長さを入れると、最高到達点は3mを優に超える

 

「どっせい!!」

 

 そんな掛け声と共に、リバウンドで奪ったボールをダンクでゴールに収める。

 

「まず一点。」

「...まあ、これぐらいやってもらわないと、キセキの世代の名が泣くッスからね。」

「泣かせないよ。全力で行く。」

 

 次は、黄瀬がボールを持って始まる。

 

 一挙一動見逃さないように、零途は黄瀬を見つめる。零途は、キセキの世代五人を同時に相手にすることが出来る。しかし、確実に勝てるわけではない。六割程は零途が負けているのだ。五人同時に相手をしているのだから仕方がないのだが。

 

 相手は黄瀬一人。前なら負けることはまずありえない。しかし、今は違う。シュートを撃つ零途と同じぐらいのジャンプ力。スピードだって前とは遥かに違う。

 

 それでも、黄瀬がキセキの世代の残り四人分強くなったわけではない。零途に勝てる確率などない。零途が負ける確率などない。

 

 しかし、零途は手を抜かない。

 

 黄瀬がドリブルをしながら突っ込んでくる。真っ直ぐに。

 そして零途を左右の揺さぶりで混乱させようとするが、黄瀬が揺さぶりをかける以上のスピードでついてくるため、揺さぶりは効かない。

 

「...やっぱり、強いッスね。」

「それほどでもないよ。」

「...でも、負ける気はサラサラないッスよ。」

「そんなわかりきった事、今更言う必要ある?」

「...そうッスね。言う必要もなかったッスね。行くッスよ!」

「来いっ!!」

 

 そんな会話をして、黄瀬が零途の左側をドリブルで突き抜けていく。

 それに零途は付いていき、いずれゴールの横辺りまで来る。

 

 そこでただシュートを撃つのでは、零途に止められてしまう。

 

 黄瀬は一度シュートのフェイントを入れる。

 

 それに釣られて零途がブロックに飛ぶ。

 

 チャンスとばかりに黄瀬が地面に両足を付けてゴールにダンクをしに走る。

 

「ふぇ、フェイント!?」

「貰ったッス!!」

 

 黄瀬がダンクに飛ぶ。

 

 零途は元々ジャンプ力が高いため、着地にも時間がかかる。

 

 黄瀬はゴールを確信した。しかし。

 

「全力っ...」

 

 背後から聞こえた、不吉な声。

 ただ不吉なだけならまだいい。しかし、それは現実となる。

 

「ジャンプっ!!!!」

 

 着地した後に黄瀬と少し距離を詰めてから、ジャンプを溜めて全力で飛ぶ。

 

 そのジャンプは黄瀬の元まで届き、寸での所で黄瀬のダンクを止めた。

 

「あっぶな...。」

「マジッスか...。」

 

 零途と黄瀬は着地して向かい合う。

 

「いやー、負けたッス。まさか、あんなに高く飛べるなんて...。」

「あれはある程度溜めないと使えないからね。シュート撃つときとかは使えないんだ。溜めてる間にボール取られちゃうから。」

「なるほど。...いい事聞いたッス。」

「あ、やば。情報バラしちゃった。」

「気をつけなきゃ駄目っすよ?...じゃあ、そろそろ俺は帰るッス。」

 黄瀬が端に置いた制服の上着を持つ。

「じゃあ、誠凛の皆さん、黒子っち。霧崎っち。また。」

 

 そう言って、黄瀬は誠凛高校を後にした。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 そして時間は過ぎて試合当日。

 

 コートの半分を使った試合。黄瀬曰く、監督は調整ぐらいにしか思ってないから、まずは力を見せつけてやってくれ、ということだった。

 

 それを聞いて零途と火神は燃えていた。

 

 スターティングメンバー

  日向 伊月 水戸部 火神 零途

 

 誠凛高校 対 海常高校。

 

 試合、開始。

 

 

 

 

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