ダンジョンで現代兵器をふるうのは間違っているだろうか   作:大神

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はい、今回も特に何も考えずに勢いのまま投下です


第三話 処女神と感情

「じゃあ、エリクト。今日はゆっくり休みなさい。そのベットは貸してあげるから」

 

少年の名が『エリクト・アプリストス』と決まると、次は今晩の寝床を決めることとなった。しかし、エリクトの身体は例の男達による暴行と魔法の無理な使用によって首から下が全く動かない状態だ。

そういうことでヘファイストスは仕方なく、エリクトに自らのベットを譲った。

 

「うん?いや、俺はその辺に転がして置いてくれればいいんだが。俺は雨風を防げれば別に・・・・・・」

 

「ダメよ。アナタは怪我人であるのと同時に私の恩人なのだからそんな扱いは出来ないわ。それに体は動かせないんでしょう?だったらそこで寝ていなさい」

 

「いや、だが、この部屋はアンタのなんだろう?だったら何処で寝るつもりだ」

 

「・・・・・・しょうがない、あの子の――」

 

「ヘファイストス~?ここか~い?」

 

「・・・・・・ノックくらいしてって何回言えば分かるの?ヘスティア」

 

「あ、あははは・・・・・・」

 

ヘファイストスの言葉を遮って部屋には入ってきたのは豊満な胸の前に青い紐を下げた少女だった。あの紐はいったい何の意味があるのか。

ヘファイストスに全く畏敬してないことからこのヘスティアと呼ばれた少女も女神なのだろうと予想が付いた。

 

「そ、そんなことよりヘファイストス。襲われたって本当かい!?キミの眷属(子ども)達が噂してたよ!」

 

「ええ、まあね。でも見ての通り無事よ。思わぬ助けもあったしね」

 

「助け?おや、ヘファイストス。後ろの男の子は誰だい?ま、まさかとは思うけどキミのだ、男娼じゃあないだろうね?!」

 

「なっ!?そ、そんなわけないじゃない!いい加減なこと言ってると叩き出すわよ!」

 

「ご、ごめんよぉ!裸でベットに寝てるものだから、つい!」

 

裸といっても上半身の部分の布が破れて落ちてしまっているだけで、履くものは履いている。

 

「まったく、処女神のクセにそういう知識は持ってるんだから・・・・・・。この子は私の恩人よ。危ないところを助けてくれたの」

 

「エリクト・アプリストス、と名乗ることにした。まあ、与えられた名前だがな。これから顔を合わせることも多くなると思う」

 

「エリクト・・・・・・?エリクトニウス?」

 

「うん?」

 

「!?」

 

「はっはーん?ヘファイストス、キミ――」

 

「今晩の食事は無しねヘスティア」

 

「そんなバカな!?」

 

ヘスティアの何か分かったというような笑みに何かを感じたヘファイストスは何かを言われる前に黙らせた。

 

「とにかく、今日のところはここで寝なさい。私はこの子の部屋で寝るから」

 

「え゛!?」

 

「・・・・・・今のはどういう反応かしら?ヘスティア」

 

「え、えーっと・・・・・・、その・・・・・・」

 

「ま・さ・か!部屋を貸してもらっている分際で散らかしてたりなんかしないでしょうね?」

 

「あ、あははは・・・・・・。ごめんよぉ~~~~~!」

 

ヘファイストスの覇気に圧されヘスティアは後ずさりし、謝りながら逃げていった。

 

「まったく、あの子は・・・・・・」

 

「クククッ・・・・・・。仲がいいんだな?」

 

「・・・・・・まあ、そうね。悪い訳じゃないわ。神友だともおもってる。あの子に助けられたところもあるし。でも、それとこれとは別の話よ。せっかく貸してあげてるのに整理もできないなんて、あとでこってり絞ってあげなきゃ。そんなんだから眷属の一人も出来ないのよ」

 

「なんだ、あの神はまだ眷属がいないのか?」

 

「そんなに不思議?」

 

「いや。あの容姿だ、寄ってくる冒険者は多いんじゃないかと思ったんだが」

 

「多くの冒険者達は目の奉養より安定をとったらしいわよ」

 

「なるほど。嗜好では腹は膨れないわな。・・・・・・そして俺の腹も膨らみたいらしい」

 

ヘスティアのいなくなった扉を目で追いながら話しているとエリクトの腹の虫が鳴いた。その恥ずかしさを誤魔化すようにエレクトは目をヘファイストスや椿と合わせないように窓の外の青い空に背ける。

 

「そうみたいね。ご飯を持ってきてあげるから大人しく待ってなさい」

 

ほのかに頬を赤く染めたエレクトに頬をゆるめ、ヘファイストスは椿を引き連れて部屋を後にした。

静粛に包まれた部屋に再び一人残されたエレクトはもう一度身体の調子を確かめ、相変わらず動かないことを確認したところで諦めるようにその身体を深い無意識の海へと沈めていった。

 

◆◇◆◇

 

「さて、まずは食堂かしら。あの子に持って行ってあげないとね。その後はヘスティアね。1こってりと絞らないと」

 

パタンと扉を閉め、長い廊下を食堂の方へと歩みを進めるヘファイストスのあとに椿が続く。

 

「のう、主神様」

 

「え?なに、椿」

 

「お主、あの坊主――エリクトに惚れたな?」

 

「ぶっ!?」

 

椿が核心を突くとヘファイストスはつま先を何もない床に引っ掛けて廊下の柱に鼻からぶつかる。

 

「おいおい、大丈夫か主神様。何もそんな器用なこけ方をしなくてもよかろうに」

 

「誰の所為だと・・・・・・!」

 

「違うと?」

 

「違う!・・・・・・事もないけど、これはアレよ。家族愛よ、ほかの眷属()にも抱いてる子ども(眷属)を思う()として当然の感情」

 

「エリクトはまだ正式に眷属(家族)になったわけではないが?」

 

「ゔ・・・・・・」

 

「では、質問を変えよう。なぜエリクトをファミリアに入れた?」

 

「・・・・・・それはさっき説明したでしょう?あの子は私を助けてくれた恩人で――」

 

「――神の恩恵(ファルナ)を持たない身で魔法を使った異業者(イレギュラー)・・・・・・」

 

「そう、だから気になったのよ、あの子の秘密が。まさかまだ私に神としての好奇心(暇つぶし)が残っているとは驚きだったけど」

 

「それだけか?」

 

「・・・・・・今回はイヤにしつこいわね」

 

「しつこくもなるさ。他でもない、主神様のためならいくらでも」

 

「・・・・・・卑怯よ、その言い方は。・・・・・・確かに貴女の言う通り私はあの子に他の眷属()に対する想いとは違う想いを抱いているのかも知れない。でも、それを認めるわけにはいかないのよ。それじゃあ、あの子は幸せになれないのよ・・・・・・」

 

再び食堂を目指すヘファイストスは自分に言い聞かせるようにそう口にしたのだった。

 

「それはただの逃げだぞ、主神様・・・・・・」

 

椿の呟きは背を向けたファイストスには届かない。虚空に抜けた羅列は誰かの心情を表したような曇天の空に呑まれていった。

 

 




誰か自分に考えてから行動することを教えてください……
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