新世紀エヴァンゲリオン碇シンジと世界の守護者たち 作:レザイア
お久しぶりです
プラグ内、LCLが満ちていつも通りの
今となっては慣れっこだったが、初めては気持ち悪くなって思わず戻しそうだった。
だが回数こなせば慣れたものだ。
いや、どちらかというとこの機体に乗ってからなのだろう。
今は落ち着いて乗れるようにはなった。
『シンクロ状態に異常なし、精神汚染も無く各数値安定してます』
『ほんとに彼の乗ってた六号機だけは応えてくれてるわね・・・ふぅ、コトネ大丈夫よ』
赤城博士が安堵したかのように息を吐く。
「よかったぁ、今回も安定してて・・・」
『やはりエヴァの相性が合えばかなりの問題はクリアされるわね・・・コアの問題・・・まだ調べることは多いわね・・・』
『コトネ、今日はこれで上がっていいわ、お疲れ様』
『わかりましたマヤさん!お疲れ様です!』
ロッカールームに行くとプラグスーツを脱ぎかけてるアスカがいた。
「あ、アスカ先輩!」
「あぁ、コトネ今日の訓練終わった?」
「えぇ!先輩はどうですか?今日は上がりですか?」
「私も終わったわぁ・・・訓練訓練が続くと張り合いない物ね」
「あはは・・・まぁ何もないのは平和の証拠ですから・・・」
「平和と言っても怪獣いくらでも出現してるっつーの・・・エヴァ以外に対抗できる手段なんてないのに」
「でも独自に対怪獣用兵器の開発しているとこは増えてきましたからね・・・そのうちエヴァ並みの兵器を作ったりしてるかもしれませんよ」
「無理ね、ATフィールドを破れるほどの火力なんてよっぽどよ、そんな火力そうそうできるもんじゃないわ」
「ははは・・・ですよねぇ・・・」
「だから私らを
と国連に文句を垂れ流している。
アスカの文句を聞きながらロッカーから出てきたが、この後特に予定もないので暇である。
さてどうしたものかと考えながら基地を出た。
街を往く、要塞都市としての形が見えないいつもの街。
電気屋のテレビから聞こえるラドンの考察、
さらに他の怪獣と思しき未確認生物や過去のゴジラの解説などetc、
やはりみんな怖いんだ、
何よりみんなゴジラの恐怖を忘れてない、
これまでのゴジラの中には有翼になりかけた痕跡もあるものまでいる
使徒の次はゴジラ、怪獣と人々の恐怖は終わってない、
『仮初の平和なんてものは一瞬でしかない、
だから少しでも平和になって欲しいから僕たちがいるんだ』と、
前にシンジ先輩が苦笑しながら言っていた。
でもその通りだ、何かしらの要因でコロッと終わる事なんて十分有り得ること、
私達が動くことで救われる人がいるのなら、勿論動くに決まってる。
今はこれまでの常識が通じない世界なのだ、どうにか適応して生きていくしかないんだ。
そんなことを思い返しながら家路を歩く。
「おつかれさまでーす、差し入れでーす」
両手の袋に夜食の握り飯と野菜ジュースを目一杯に入れて武器開発局に悠がきた。
黙々と作業を進めてる者やあーでもないこーでもないと案を巡らしてる者も一気に振り返り悠に集まる。
「うわぁ、待ってました!ありがてぇ!」
「もう考えすぎて腹がしんどかったんだぁ、いやぁ地獄に仏とはこのことだよ・・・」
「ここに置いとくんで一人1パックごと持ってってくださいねー、
あ、おやっさんお疲れ様です、どうです?対怪獣兵装の開発状況」
筋骨隆々の巨漢に声をかけながら握り飯とジュースを手渡す。
「おう、お疲れ様、いやな、正直ゴジラだけでも手一杯ってのに怪獣とまできたからもう地獄よ・・・」
「まぁ、そうですよねぇ、最近ラドンなりなんなり出てき始めたし、対使徒の兵装をそのまま流用って感じになってましたけど、結局すぐに対応可能武器作れって無茶ですもんねぇ」
「そうなんだよなぁ、そもそも万能に対応できる武装なんていっても目撃例がばっらばら過ぎるし、
生態もわからねぇし、よく聞くラドンはエヴァでやるにゃ小さすぎだ、当てる的が小さすぎんだよ・・・」
「ははは、まぁ唯一の救いはまだ武装した人間でも倒すことは可能ってことですよねぇ、うちの戦闘設備でもいけるでしょ?」
軽い苦笑いをしながら悠は答えた。
「まぁな、だが結局うちだけで他の地域に出張るならパレットライフルじゃ弾足りねぇて・・・」
と大きなため息を吐く。
「おやっさん、そういえば聞きたかったんですが」
「あ?なによ?」
局長が悠を見ると悠の顔に笑顔はなく真っすぐ局長を見ている。
「ゴジラ並みの怪獣、またはゴジラの別種の、いや上位互換がさらに来ると思います?」
「・・・」
苦々しい表情をしながら答える。
「おそらく来るだろなぁ、何も変わらずあれだけが来るとは思えんし、何かしらの対策を立てられる可能性だってあり得る、奴らだってバカじゃねぇ」
「そうですねぇ・・・はぁ・・・ほんとこの世界はなんでこう面倒なもんばっかいるんだか・・・」
「あぁ、まったっく・・・その通りだな」
ははは!と二人で笑ってる頃にはもう他の職員も食べ終わってた。
「さてと、俺はまぁ帰るのでまた!」
「おつかれさまでーす!」
開発局を後にし家路を往く。
外はもう夜で繁華街は飲み屋に向かう大人達が急ぎ歩く。
こうも混むと帰るのに些か面倒くさい、と思ったらすぐに路地裏の方に向かった。
人通りはかなり少なく、薄暗い道だが混んでるときはこっちを歩いてけば家に近いのだ。
だがこんなとこ好き好んで通るような場所ではないだろう、さっさと行くとしよう。
と、小走りで路地を進んでいた時に。
「もし、もしやそこの若人よ」
ひしゃげた声のする方をチラッと見るとローブを被った老人が机にカードを広げていた。
ただ妙に目立つのローブの外にも見える異様に曲がった鼻だった。
あんな人間本当にいるのかとふと思ってしまう。
それに若人と言ってるがそんなのここには自身しかいないのだ。
明らかに誰を呼んでるかはわかる。
「あの、占いは今は別にいいですよ?手持ちが」「大丈夫です、金はとりません、どうか老人の戯言に付き合ってくれませぬか」
結構食い気味で挟んできた、まぁ時間はある、仕方ないと机の前の椅子に腰かける。
「私、タロットが得意な者で・・・ではまずあなたの持つアルカナから」
とカードを纏め器用にシャッフルしている。
チラッとローブの中を見ると神はかなり後退してる丸顔の老人だった。
そしてスッとカードを出す。
「捲ってくだされ」
言われるがままにめくるとバラっと複数のカードが散らばった。
「あれ?多くないですか?こういうの一枚じゃ・・」
「いや、あなたの持つのがこれなのだということです、愚者、その裏にいた運命と皇帝・・・これは不思議ですな・・・」
「はぁ・・・そうですか・・・」
思わず疑ってしまう、ただの配りミスではないのか。
「あなたはどうやらとてつもなく変わった人生を歩んできたようですね・・・ダブルどころかトリプルとは・・・」
「そう・・・っちゃそうですね・・・色々あったんで」
「うむ・・・さてなら今後の命運を見ていきましょう」
再びシャッフルしカードを差し出す。
「ここから3枚、取っていただきます、現在、そして近い未来、遠い未来を指します・・・」
カードを上から三枚引いて並べた。
「では、まず一枚目」
ひっくり返すと塔が描かれたカードが出てきた。
「ふむ、タワーの正位置ですか・・・」
次を返すと死神のカード、その次は鐘を持った人が下にいる人を見てるような絵だった。
「デスの正位置の次は、ジャッジメントの正位置・・・これまた波乱万丈な日々が来ますね・・・」
「えぇ・・・」
思わずがっくりしてしまう、占いと言えどこういう結果が来るのは少し気が重い。
「順序からして、なにかが壊れる、信じるものも崩れ去り、死の予感。または別れの時が来るということでしょう、そこに絶望するかもしれないが再びあなたは帰ってくるでしょう」
「何かが壊れ・・・うわぁ・・・面倒なことはすごい嫌なのに・・・」
「ふっふっふ・・・」
少し笑うと目をバチッ!と見開くと血管が見えるほど充血した三白眼が見える。
「何らかの破局が起るかもしれませぬ、それは抗える物かはあなたたち次第でしょう・・・奇跡を起こす可能性は0ではありませぬ」
「そう・・ですか・・・」
結果は良くは無いが、今後の話だ、注意さえすればまだどうにかなるだろう。
「わかりました、今後に気を付けていきますわ・・・」
「それがよろしい、賽は投げられてはいない今こそが最大のチャンスでしょう」
「えぇ・・そうですね・・・、さてと」
そろそろ切り上げて帰るとしよう。
「では、またいつか会うときがあれば」
腰を上げかけた時。
「もしも、もしもあなたが未来が見えないと感じ迷った時、またこの場所で会いましょう、お客人」
にこやかに笑ってたがどことなく、違和感を感じ、こそっと
バレないよう、チラッと見てみると、
そこには青い靄がいた、辛うじて人型の、なんだあれは・・・。
「おや、気づかれましたかな?」
バレテーラ。
「あなたは一体・・・」
「いつか会えた時にまた話しましょう、では」
靄が消えた時、眼を戻したがそこには何もなかった。
「ありゃ、人か・・・?どっちかというと・・・モノノ怪・・・?神の同類・・・?」
普通は有り得ないとなるが、もうこの世ならざるナニカの存在は証明されたようなものなのだ、もはや今までの常識は今は無い。
さてと、もう帰ろう。
久しぶりでございます、グダグダしましたが、続けていきますよ