「どうしよう走介」
「?どうしたんだよ?イッセー」
「俺… 部長に夜這いされちまった…」
「………」
俺は言葉を失った。
コイツ今なんて言った?
とうとう頭が可笑しくなったか?
「イッセー…… 腕のいい医者を紹介してやるから… 養生しろ」
「俺はどこも可笑しくねーよ!!!!」
「大丈夫だ…… 例え塀の中でも月一で手紙出してやるから……」
「だから俺は何もしてねえよ!!!!」
「嘘つけぇ!!!! 性欲の権化たるお前が、性犯罪を犯さぬ筈がないだろう!!!!」
「お前の中の俺の評価は一体どんなだよ!?」
「本当に聞きたいか?」
「え?」
「本当に聞きたいかって言ってるんだが…」
「あ、いえ、結構ですはい…」
「という訳なんだ」
「ふーん」
つまり、夜眠れずにいたら突然部長がきて服を脱ぎだし、イッセーに抱くように言った訳か。
前々から思っていたが…… あの部長、露出癖でもあるんじゃねーか?
嫌だぜ俺は… 知り合いが公然わいせつとか…
「ふーんって走介、お前なんとも思わねえのか!!」
「いや? 確かにここ最近の部長は何処か可笑しかったな、トレーニングの時も、部活の時も、なんかどっか上の空と言うか…… 」
『確かにそれは私も感じていた』
「ベルトさん」
ベルトさんが話に入ってきた、ここ最近めっきり話す機会が無かったが…… 一体何していたんだ?
「ベルトさん、今まで何していたんだ?」
『ふむ、ドライブのNew Bodyの製作に取りかかっていたのだよ』
「ニューボディ?」
『まあ、それは後でいいじゃないか、ここで私達がリアスの事を議論していても仕方がない』
「でも部長、素直に言ってくれるかなぁ~」
『リアスに聞きにくいのなら、朱乃に聞くといいんじゃないか?』
「そうだね、朱乃さんは部長の懐刀だからね」
するといつの間にか木場が来ていて、話に混じっていた。
「うおっ!!? 木場!? いきなり出てくんなよ!!」
「アハハ、ごめんごめん」
「木場… お前影薄いとか言われた事ないか?」
「そんな事を言われたのは走介君が初めてだよ……」
それからアーシアと合流し、旧校舎の部室の扉の前でふと木場が止まる。
「? どした木場」
「……… まさか、僕がここまで来て漸く気づくなんてね……」
そう言うと木場は扉を開ける。
部室に入るとそこには、部長、朱乃さん、小猫、そして俺にとっては二年振りになる人物がいた。
その人はメイド服を着ていた。
「さ、咲夜さん!?」
「お久しぶりです。走介様」
この固い口調…… 間違いなく咲夜さんだ!!
俺は感極まってしまい思わず咲夜さんに抱きついた。
「お久しぶりです咲夜さん!!!! いつ此方に来たんですか?」
「昨日の晩に」
「それなら言ってくれれば良かったのに!! 士郎さんと当麻は元気ですか?」
「ええ、二人供とても元気ですよ」
「やっぱり貴女だったのねグレイフィア!!!! 走介の後見人は!!」
「正確には、サーゼクス様ですが」
えっ? グレイフィア? サーゼクス? 何それ?
「咲夜さん? それ… 一体?」
「…… ここまで来てしまっては仕方ありませんね…… 私の名は咲夜ではなく、本名はグレイフィア・ルキフグス、最上級悪魔です」
最上級悪魔… って事は…
「もしかして…… 士郎さんや当麻も?」
「はい。」
「世良さんや亜獣さんも?」
「はい、皆様全員悪魔です」
「………」
「失望しましたか?」
「いや…… 薄々、気づいてはいたんだ、何年経っても全然外見が変わらないから…」
「そうですか…」
「一つ教えて、貴女達は俺をどうするつもりだったんだ?」
「それは…… サーゼクス様から直接聞いて下さい」
「…… 分かった」
すると、部室に魔方陣が現れた。
「フェニックス……」
部室の誰かがそう呟いた瞬間、魔方陣から炎が巻き起こった。
そしてその炎が収まると…
「ふぅ…… 久々だな… 人間界は」
「…… ライザー」
「やぁ、愛しのリアス」
なんかホストみたいな奴が現れた。
現在、あのホストみたいな奴は朱乃さんが入れたお茶を飲みながら、部長の体を触り捲っている。
「さく、ああグレイフィアさんだったね」
「なんでしょうか?」
「彼奴は誰だ?」
「あの方はライザー・フェニックス様、フェニックス家の三男で、リアス様の婚約者です」
「あれで……… フェニックスなのか?」
あれはどう見ても只のホストだよ。
あんなんが婚約者とは…… リアス部長、ドンマイ
「ん? なんで人間がいるんだ?」
「……… 彼は私の協力者よ」
「下等な人間を協力者にするとは…… 随分ユーモアが聞いているじゃないか?リアス」
どうやら向こうが俺の存在に気づいたようだ。
やっぱり、悪魔にも居るんだな… 人間を見下す奴が。
「まあいい、俺の眷属達を紹介しょう」
するとライザーの後ろに魔方陣が現れ、そこから眷属が出てきた。
…… ってあれ?
「これが俺の自慢の眷属達だ」
全員、女じゃねえか…… ライザーは只の変態か?
だとしたら家のイッセーといい勝負だな。
「あ~ リアス? お前の下僕君が涙流しながら、此方を見てるんだか…」
「…… あの子の夢はハーレム王だから…」
部長は可哀想な人を見る目付きでイッセーを見ていた。
あのアホ… イッセーの性欲は死んでも直らないんじゃねーか?
「まっ、下級悪魔の君じゃあ、こんな事出来ないだろうけどね」
そう言うとライザーは眷属の一人を側に呼び、キスをし始めた。
しかもディープの方で…
俺は咄嗟に、小猫とアーシアの目を両手で隠した。
「あれ? 何も見えませんよ?」
「……… 見えません、走介先輩」
「見るもんじゃない、教育に悪いからな……あれは……」
本当に何考えてんだ? やっぱフェニックスだから頭も鳥なのか?
まあ、でだ…
「…… 何で…… 俺の目も塞いでいるんです? グレイフィアさん」
「教育に悪いですから」
「はあ…」
何故か俺の目もグレイフィアさんによって塞がれていた。
暫くして、漸く公開ディープキスが終わったようで、グレイフィアさんが目隠しを外してくれた。
それに倣い、俺も、小猫とアーシアの目隠しを外した。
「ふざけんなァァァッ!!!! お前!! なんて羨まし…… ゲフン!! ゲフン!! けしからん事を!!!! 俺だって… ハーレム作ってイチャイチャしたいんだぞコラァッ!!!!」
すると、イッセーが私怨に満ちた事を言いながら、ライザーに向かって突撃していった。
その様子を、皆哀れな目で見ていた。
「フン… 下級悪魔の分際で…… ミラやれ」
ライザーがフィンガースナップをすると、眷属の一人ミラが飛び出し、武器の棍で腹を一撃突き上げ、ダウンさせた。
あの、バカ……
「ついでだ、あの人間もやれ」
すると今度は俺の方に向かってやってくる。
「ハアッ!!」
「グハッ!!」
「走介(君)(さん)(先輩)!!!!」
一瞬、反応が遅れたため、俺は棍を食らってしまった。
くっ…… 悪魔の攻撃って…… 生身で食らうと…… かなり痛え……
でも…! 動けない訳じゃねえ!!
「ウオォォォォォォッ!!!!」
「うそっ…… きゃあ!!!!」
俺は眷属の女の子の棍を掴み、ライザーに向かって投げ飛ばした。
「なに!? うおっ!?」
狙い通りに行き、ライザーに眷属の女の子… たしかミラだったか? がぶつかった。
すると、ライザーが起き上がり、炎を撒き散らしながら、吼えた。
「たかが人間の分際でェェッ!! このフェニックスの顔に泥を塗ったなァァァッ!!!!」
「知るかよ、そっちが勝手に俺を攻撃したんだろうが」
逆ギレとか最悪だろ、本当に上級悪魔か?
するとグレイフィアさんが前に出て騒ぎを納めた。
「お辞め下さいライザー様、これ以上やると言うのなら、私も黙って見ている訳には行かなくなります」
すると、ライザーは大人しく炎を納めた。
盛大に舌打ちはしていたが…
にしてもグレイフィアさんスゲー。あの焼き鳥を一言で止めたぞ。
「お怪我はありませんか? 走介様」
「はは… 大丈夫です」
「強くなられましたね」
「まあ、それなりに」
それから、両家の婚約問題は悪魔のゲーム、レーティングゲームで決着をつける事になり、リアス部長は経験不足や眷属の不足があるため、十日間の修行期間と、人間である俺が参加することになった。
そして次の日、俺達は修行のため、山に合宿することになった。
基本的に後見人の皆さんは走介に過保護です。
理由は後々語られます。