俺達が合宿を初めて一週間が経った。
今は最終調整に入り始めている。
そして今、イッセーは神器の訓練に入り、木場と模擬戦をすることになった。
「それじゃあイッセーの相手は祐斗で良いわね?神器を出して、限界まで倍加しなさい」
「はい部長!!
『Boost!』
イッセーの左腕に赤い籠手が出現し、効果が発動する。
そしてその音声が二分続き、漸く限界まで倍加された。
『Explosion!』
「よし! 何時でも行けます!!」
「僕も何時でもいいよ」
そう言って木場は木刀を構えた。
「それじゃ、始め!!」
そして二人は部長の合図と共に駆け出した。
初日はボコボコにやられ、手も足も出なかったイッセーだったが、皆の訓練のお陰で基礎能力が上昇し、赤龍帝の籠手の倍加能力により、更にパワーアップしているイッセーは木場の素早い動きに対しても、上手く対応していて、反撃もしている。
本当にこれ、一週間前にボコボコにされてたイッセーか?
一週間でここまで変わるなんてな…… 才能かな?
「やるね!! イッセー君!!」
「当たり前だ!! こっちだって必死に修行してきたんだ!! これくらいはやらねえとな!!」
「イッセー、次は魔力を使って攻撃なさい」
部長の指示により、イッセーは赤い魔力を集めて、その魔力を殴り付けた。
すると、米粒程度しかなかった魔力が一気に膨れ上がり、隣の山を吹き飛ばしてしまった。
………… えええええええええええ!!!!??
や、山が一つまるごと吹き飛んでやがる…
やっぱり赤龍帝の籠手はチートじゃねえか!!!!
『ほう、たった一週間でここまで実力をあげるとは…イッセーは才能の塊かもしれんな』
多分その才能、本人が自覚してないと思うぞベルトさん。
『まあ、走介も相当な才能と実力があるがね』
「そうなのか?」
『気づいてなかったのか? 君は今の時点で、単純な身体能力はこの中で一番高いんだぞ?』
「ウッソ!?」
『本当だ』
「イッセー、今の一撃は上級悪魔に匹敵するわ」
「マジすか!?」
うわ~ 上級悪魔の一撃って相当強いじゃん…
そんな一撃って言われたらイッセーじゃなくても驚くよなぁ…
「後残り三日、私達がどれだけ強いか、ライザー達に思い知らせてあげましょう!!」
「「「「はい!!」」」」
その日の夕方、俺は小猫と組み手をしていた。
『走介、今までは基礎能力を上げるために、禁じていたが、そろそろドライブになって訓練しようか』
「そうだな、あまり使ってなくて当日錆びてる、なんてことは困るからな、小猫もそれでいいか?」
「…… いいですよ…… 手加減しなくていいので」
いまさらっと恐ろしい事言いませんでしたか?この子。
「よしっ!! じゃあ久々に行くか!! ベルトさん!」
俺はベルトさんを腰に着けてキーを回した。
そしてシフトスピードをシフトブレスに装着して倒した。
「変身!!」
『DRIVE!!!! type SPEED!!!!』
エネルギーで出来た、赤い鎧が俺を包み、スピードタイヤが左肩にたすき掛けされた。
『あれ?』
「…… どうしました?」
『いや、なんか体が軽いんだよ、前は結構重量感じていたんだけど…』
『それは君の身体能力が上がった証拠だ。イッセーや君もそうだが神器を持つものに要求されるのは、体力だ。体力がなければ、宝の持ち腐れ処か、自分の体にも負担を掛けてしまうんだよ』
『成程ね… それじゃ行くか小猫』
「…… はい」
俺は小猫に拳を放った。
『ハッ!!』
「…… えい」
ドォォォン!!!!
しかし小猫も同時に拳を放ち、お互いの拳はぶつかり合い、衝撃波が生まれた。
痛ってぇぇぇ!!?
やっぱ小猫とまともに打ち合ったら体が持たねえな。
「……… むぅ」
なんか小猫様が膨れてらっしゃる……… 正直嫌な予感しかしない。
「……… ふっ!!」
瞬間、小猫の姿は消えた
『消えた!?』
『いや違う、身のこなしを利用して、素早く木から木へ飛び移っているんだろう』
『小猫も中々速いんだな…』
「…… えい」
『えっ? うわっ!?』
そんな会話をベルトさんとしていると、木の上から小猫が飛び出してきた。
俺は咄嗟に避けたため当たらなかったが、代わりに地面にクレーターが出来た。
「……… むぅ、当たって下さい」
『いやいや待て待て!!? この威力どう見ても訓練でやる威力じゃねえだろ!?』
「…… 知りません」
『お前絶対今まで一発も当たらなかったの根に持ってるだろ!!』
「…… 持ってません」
そう言うと再び小猫様は攻撃を始めた。
「えい」
『うわっ!?』
「やあ」
『ちょ、ちょっと落ち着け小猫!!』
「…… 私は最高にクールです」
『いやどう見てもホットだろぉぉぉ!!!!』
そして…
『や、やべぇ… 逃げ場がねえ…』
追い込まれてしまった。
「…… さあ走介先輩… 覚悟はいいですか?」
『今覚悟って言った!? 俺に何をする気だ!?』
「…… 大丈夫です。 少しふわっとするだけです」
『おいおい、この距離マジ見たいじゃないか!?』
「さあ…… 逝きましょうか? 先輩」
ギャァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!???
俺の断末魔が、山に響き渡った……
その日の夜…
「痛てて…… お前、身体中の関節という関節を極めやがって…… お陰で身体中が痛いぜ…」
風呂から出た俺は、ソファーに寝転んでいた
「…… 走介先輩、中々当たってくれないので」
「ひでぇ…」
俺にはもはや、言い返す気力すらなかった。
だがささやかな反撃には出ておいた。
「小猫、明日のお代わり無しな」
「にゃっ!?」
すると、小猫はこの世の終わりの様な顔をしていた。
や、止めろ! 俺をそんな目で見るな!!
「…… 嘘だ」
結局、俺の方が罪悪感に負けてしまった。
その時だった、窓の所に銀色のミニカーがいた。
ミニカーは俺を見ると、直ぐに走り去った。
「あれは?」
俺は気になって、そのミニカーを追いかける事にした。
「小猫、別にお前は付いて来なくていいんだぞ?」
そう、今小猫も付いてきているのだ。
「…… 前に約束しました… 今度は私も一緒に行くって」
「…… そうだったな」
俺は小猫の頭を一撫ですると再びミニカーを追いかけた。
俺達が、暫く追いかけていると、ミニカーは誰かの手元に乗った。
そいつは……
「…… ご苦労…… 暫くだな、神藤」
「……死神」
「ライズ、そのミニカーはお前のだったのか?」
「ああ、バイラルコアだ。 お前との戦闘データも役にたった、お陰で俺はもっと強くなった……」
「そうかよ、じゃあここで始めるか?」
俺はシフトスピードを手に取り、小猫も拳を握って構えた。
「…… いや… 今日はお前と闘いに来たわけじゃない」
「は? じゃあ何の用だよ」
「これだ」
するとライズは俺にあるものを渡して来た。
「これは…」
「アザゼルからの贈り物だ、お前を巻き込んで済まないだとさ」
渡されたものは、ライダーエンブレムがあるハンドルが付いた剣と、車のドアを模した銃だった。
「いけません…!! 堕天使の総督が作った物を受けとるなんて…!!」
「…… アザゼルは物に関して小細工はしない奴だ」
小猫は受けとるなって言うけど、結構格好いいしなぁ~ どうしよう?
『それなら私に調べさせてくれ、丁度シフトカーを装填する所がある、そこにシフトスピードを入れてくれ』
俺はベルトさんの言う通りに、剣と銃にシフトスピードを装填した。
『ふむふむ… 成程… こうなっているのか… うむ!! 何の問題も無い!!』
「じゃあ、有り難く貰っとくぜ」
「…… 先輩!!」
「ベルトさんが何にも無かったって言っているんだ、だったら大丈夫だろ」
「…… では、俺は行く」
「おう!! ありがとなライズ、アザゼルって奴に礼を言っといてくれ」
「…… わかった」
そのままライズは姿を消した。
俺は渡された剣と銃を見た。
「よしっ!! こいつらの名前はハンドル剣とドア銃だ!!」
「…… 走介先輩…」
『もっとElegantなNamingは無いのかね!?』
「いーや、誰が何と言おうと、ハンドル剣とドア銃だね」
こうして、俺に新たな武器、ハンドル剣とドア銃が誕生した。
これなら、ライザーの奴を倒せる!!
そんな俺の心に反応するように、二つの武器は光輝いた。
おまけ
「そう言えば…… アザゼルの奴あの武器に何か名前を付けていたような……」
ライズは暫くうーんと唸ったが結局答えは出なかった。
「まあ、どうせ録でもないネーミングなんだろう……」
実際、アザゼルと走介が二つの武器に付けた名前はどっこいどっこいだと言う事を、ライズは知らない……