今、ロマリーは俺に抱きついている。
「んふ~♪」
しかもさっきまでの涙は何処へ行ったんだ…
超ご満悦で抱きついている。
「あの~ ロマリー? そろそろ離してくれない?」
「嫌♪」
この始末である。
回りの視線が物凄く痛い…
「ロマリー!! そいつは神藤の名を語る不届き者だ! 離れろ!」
「そうよ! 神を信じない神藤は神藤じゃないわ!!」
ほら来た。
「二人こそ、ソウ君の何を知っているの? 両親についてどれだけソウ君が苦しんだか知らない癖に…… 偉そうに神藤の家族を語るな」
瞬間、物凄い殺気が二人に飛ばされる。
二人はその剣幕に何も言えなくなってしまった。
すると、何を思ったかロマリーは俺から離れる。
「ん~ もう少しこうしていたいけど、あの二人にお説教しなきゃいけないからもう行くね?」
「あ、ああ… 程々にな…」
「勿論!! ワカッテルヨ…」
何故に片言…
不安しかねえぞ。
「あ! 赤龍帝君!!」
「え? 俺!?」
ロマリーはイッセーに視線を向けて…
「私以外の白い龍と黒い龍も目覚めてるから、気をつけてね」
不吉な事を言い残し、二人を引き摺って去っていった。
教会組が去ってから、俺は考え込んでいる木場に話し掛けようとしたその時
ガシッ!!
と、背後から部長に肩を掴まれた。
「さて…… どういう事かしら?走介。貴方、青龍君と知り合いだったの?」
「部長…… もしかして怒ってます?」
「怒ってないわよ」
「怒ってますよね?」
だって、またゴゴゴゴゴって出てるもん。
「怒っているのは私達ではなく小猫ちゃんの方ですわね~」
へ?小猫?
朱乃さんに言われて小猫を見ると…
「…………」
ブスッとした顔つきで俺を睨む、小猫様が降臨していた。
「えーと…… 小猫?」
「……… ですか………」
「え? 何だって?」
「何なんですかあの女は!?」
「おわあっ!?」
「あの女は走介先輩とどういう関係なんですか!! 答えて下さい!!!」
「わ、分かった!! 分かったから首をガクガク振るのは止めてくれ~~~~~!!!!!」
……………
「つまり、貴方と青龍君は只の幼馴染みで、貴方は教会の関係者じゃないのね?」
「はい…… 少なくともここで会うまではロマリーが教会関係者とは知りませんでした」
「そう… それならいいのだけれど…」
部長は納得したのか、質問という名の尋問は終わった。
しかし小猫の機嫌だけは治らなかった。
「なあ小猫…… 機嫌治してくれよ」
「…………ツーン」
ツーンって自分で言う辺りが可愛いんだが今はそうも言ってられないな。
「小猫」
「……… わかりました…… なら……」
おもむろに小猫は俺の腕に抱きついてきた。
「暫くこうさせてください」
「…… 分かった」
これで俺の命と小猫の笑顔が守られるのなら安いものだ。
因みに木場は俺が首をガクガクと振られている間に何処かへ行ってしまった。
翌日の放課後、俺はイッセーに呼び出された 。
「悪いな、呼び出して」
「なんの用だよ?」
「まあ待て、もうすぐ…… 来た来た!」
見ると向こう側から匙が来る。
イッセーはどうやら匙も呼んでいたらしい。
「ん? 何で走介がいるんだ?」
「それはこっちの台詞だ。お前もイッセーに呼び出されたのか?」
「ああ。で、なんか用か?兵藤」
「二人に頼みがある。俺と一緒に聖剣を破壊するのを手伝って欲しいんだ」
イッセーがそう言うと、匙はみるみる顔を真っ青にして叫んだ。
「はぁ!? ふざけんな!? よりによって聖剣破壊するの手伝えだと!? 冗談にも程があるぜ!」
「それは十分分かってる、けど頼むよ!」
「お前の所のリアス先輩は厳しいながらも優しいかもしれないが、俺の所の会長は厳しくて厳しいんだぞ!俺は帰る!!」
まあ… だよな…
あの悪鬼に事がばれると面倒だな。
そう言うと席を立ち、帰ろうとする匙だったが、誰かに引き留められて動けなかった
「…… やっぱりそう言う事だったんですか」
「こ、小猫ちゃん!?」
「おま、いつの間に…」
「イッセー先輩のやることなんてお見通しです」
そこには小猫が居て、悠々とパフェを食べながら匙を捕まえていた。
「それで、どうやって聖剣を破壊するんですか?」
「ああ、まずイリナ達を探して交渉する。アイツ等、堕天使に利用されるくらいなら破壊してでも回収するって言ってただろ」
「最悪、欠片だけでもいいみたいですから。」
「だから、一本くらいなら任せて貰えるかもしれないだろ? そうすれば木場もエクスカリバーに復讐出来て一石二鳥じゃないか」
「出来るわけねえだろ!? 相手は教会の聖剣使いだぞ!?そんなの認めてくれる訳…… 「私はいいよ?」ほら、こう言って…… え?」
すると、テーブルの下から突然、何かがピョコッと出てきた。
と言うかこのアホ毛……
「ジャジャーン!」
「……… やっぱロマリーだったか」
テーブルの下から勢い良くロマリーが飛び出してきた。
「…… 何しに来た」
「いやだな~ ソウ君の居るところに私アリ! だよ?」
「ふざけんな」
「あ、ホントは二人とはぐれちゃって偶然ソウ君達を見つけたら手伝いたいって聞こえたからなんだけど」
はぐれちゃたって何してんだあの二人は……
「それよりホントか!? 俺達が手伝っていいって!」
「うん、私はいいよ。でも私だけじゃ決められないから二人に聞かなきゃいけないけど」
「ああ、じゃあ早速…」
「俺は嫌だぞ」
「はぁ!? 何でだよ!!」
何でって… 教会の奴等がいけすかないからなんだが…
「教会の奴等が嫌いだからな」
「だったら木場はどうすんだよ!」
「それを言われるとな…」
「…… 走介先輩お願いです。一緒に手伝ってください」
「ソウ君…… ソウ君が手伝ってくれないの、私すごく嫌だよ!困るよ! 泣いちゃうよ!」
「カハッ!?」
「走介ぇぇぇぇ!? 誰だ!? 走介をこんな純粋に育てたやつは!?」
い、嫌… これは俺でなくとも相当な破壊力だ……!
小猫の大きな猫目に涙目で見詰められたり、ロマリーのキャルン♪ って言う効果音が聞こえそうな顔されたら誰でもこうなると断言出来るぞ俺は…!?
結局俺は二人のお願いに撃沈し手伝う事になってしまった。
「まあなんにせよ、まずは二人を探さないとな。ロマリー、アイツ等とは何処ではぐれたんだ?」
「ん~ 確か大通りの辺りだったと思うけど…」
「大通りか…… だったらすぐには見つからないんじゃ……」
「だよな~ あんな真っ白で変な格好でも中々見つかる訳が…」
そう思うと憂鬱だな…
そして隣を見ると、緊張した顔でイッセーがロマリーを見ていた。
「フフッ… 心配しなくても私は四天龍の戦いをする気はないから安心して? イッ君」
「それはこっちとしてはありがた…… イッ君!?」
「? イッセー君って言うんでしょ? だからイッ君!!」
「は、はあ…… おい走介、この子も相当変だな」
「俺から見ればお前も大概だ」
「酷っ!?」
「正当な評価です」
「小猫ちゃんまで!?」
そんな雑談をしながら探していると
「え~ 迷える私達にお恵みをー」
「哀れな私達に天の父に代わって御慈悲を~」
乞食紛いな事をやっている二人を見つけた。
「アイツ等、何やってんだ……?」
「私、あの二人を知り合いって言うの恥ずかしくなってきた……」
分かるわ~ 俺もあんなのを知り合いとは認めたくない。
警察の御用になる前に回収するか……
「旨い! 旨いぞ!」
「これよこれ! ファミレスのセットメニューこそが私のソウルフード!!」
俺達は二人をファミレスに連行した。
すると二人は相当腹が減っていたのかファミレスのメニューを片っ端から頼んで貪っていた。
聞く話によるとイリナが怪しげな絵画を買って路銀を使い果たしたそうだ。
…… バカじゃねえの?
任務先で絵を買うとかあり得ないだろ……
「何て事だ…… 悪魔に恵んで貰うとは…」
「ああ主よ!! 悪魔に魂を売ってしまった私達をお許し下さい!」
オマケにこの始末だ。
奢って貰っといてのこの言い草は流石に普段温厚なロマリーでもカチンと来たらしく、今現在ロマリーのありがたい説教が展開されている。
「二人共… 奢って貰っといてまず第一声がそれ?普通ありがとうでしょ!!」
「だが、彼らは悪魔…」
「関係ありません!!」
「ハイ、すいません……」
「ふぅ… ゴメンね? イッ君、ソウ君。折角奢って貰ったのに」
「気にすんな」
「そうそう。これくらいならまだいいって」
ロマリーは最後までお金は払うと言っていたが流石に女の子に奢らせる訳にはいかないから俺達は割り勘でどうにかすることにした。
「それで、改めてお願いがあるんだ」
「? なんだ。恩もあるし、聞ける範囲なら聞こう」
「エクスカリバーの破壊に協力させて欲しい」
「……… 成程、話は分かった。いいだろう」
「ちょっと!? ゼノヴィア!?」
「相手は堕天使の幹部だ。ロマリーが居るとは言え、彼女は余り
…… それでいいのか聖剣使い。
「ありがとう! じゃあ早速、俺達の相方を…」
イッセーは携帯を取りだし誰かにメールした
「成程ね… 話は分かったよ」
数十分後、ファミレスに木場がやって来た。
どうやらイッセーがメールしていたのは木場らしい。
「聖剣使いにエクスカリバーの破壊を承認されるのは遺憾だけどね」
「それはこちらも同じ事だ」
やっぱ混ぜるな危険だなこの二人。
「聖剣計画は教会でも最大級に嫌悪されている事案だ。当時の責任者は異端とされ、追放された。」
「確か… 皆殺しの大司教バルパー・ガリレイだっけ?」
「バルパー・ガリレイ…… 成程、いい情報を貰った。代わりと言っては何だが、僕も情報提供しよう。聖剣の一本ははぐれ神父、フリード・セルゼンが持っている。既に神父が一人殺された」
「そうか… ではここからは別行動だ。飯の礼はいつか必ずする。赤龍帝の兵藤一誠と仮面ライダーの神藤走介」
「じゃ、ソウ君。またね」
そう言うと三人はファミレスから出ていった
そのあと、俺達は公園にやって来た。
「…… どうしてこんなことを?」
当然と言えば当然の質問を木場はしてきた。
それはそうだ、自分の知らない所で自分為に動いてくれていたのだから。
「俺達仲間だし… 同じグレモリー眷属だからな。俺も木場に助けて貰った事あったし」
「イッセー君…」
小猫が木場の袖を引っ張って言った。
「……… 私…… 祐斗先輩が居なくなってしまうのは…… 嫌です……」
さっき俺にしたようにやっていた。
これなら…
「…… まいったな、小猫ちゃんにここまで言われたら断れないじゃないか」
流石だな、小猫。
「よっしゃ!! エクスカリバー破壊団!結成だな!!」
イッセー…… 木場が承諾してテンションが上がったのは分かったけど、エクスカリバー破壊団は無いと思うぜ?俺は……