「…… 大丈夫か?小猫」
危なかった…
危うく小猫が三頭犬に食われる所だった。
しっかし皆びっくりした顔をしてんな~
まるで幽霊でも見たみたいだ。
「走介先輩!!」
「ボロボロじゃないか… 傷口は余り深そうじゃなさそうだが… うぉっ!?」
俺は小猫の傷口を診ていると、いきなり小猫は抱きついてきた。
「先輩の方がボロボロじゃないですか!! …… グスッ…… 本当に死んだと思いました!!」
「それは悪かったな。…… 俺は死なねえよ、大切なモンを残してはな」
「えっ? それって…」
小猫がなんか、顔真っ赤にしてるが、今はロマリーだ。
なんかヤバい雰囲気をガンガン出している。
『走介、あれは覇龍だ。今ならまだ阻止できる。』
「ああ、分かった」
覇龍がなんなのかは分からないが、ヤバいものって言うのはロマリーが纏っているオーラで分かる、早く止めねえと。
「ロマリー、落ち着けって。何時もの明るいお前は何処に行ったんだ?」
『……… 誰だ……』
「誰って…… 俺だよ、走介だ」
『走……介……?』
「そうだ。今ならまだ間に合う、戻ってこい」
『…… グッ…! ううっ…! ッ!ハァハァ…… ソウ君……?」
よかった!間に合った!!
「おう! 正真正銘、神藤走介だぜ」
「ソウ君!!」
「うわぁ!? お前もか」
「うぇ~ん! 生きててよかったよぉ~! ソウくぅ~ん!!」
ロマリーも俺に抱きついて泣いてきた。
まだ傷口に響くんだけどな…
「走介(君)!」
「よう! まだ大丈夫そうだな!! 皆!!」
「走介君…… ごめん! 僕は君を見捨てて…」
「気にすんなよ、木場。言ったろ? 俺達は仲間だってな」
「…… ありがとう」
オカ研の皆が駆け寄ってきた。
まだまだ大丈夫そうだな。
「バカな!!? 何故生きている!? 貴様は確かに、この俺が殺した筈だ!!」
「ああ、確かに俺も死んだかと思ったよ。でも、どこの誰だか分からないが親切に治療してくれた奴がいてな、お陰で何とか動ける様になったぜ」
「何だと!? そんな治療能力…… あり得ん……!」
「まあそんな事はどうでもいい…… 問題は、なんで小猫とロマリーが泣いてんだって事だ…」
ああ、何だろう……?
怒っている筈なのに、頭はすこぶる冷静だ。
「何だ貴様…… さっきと、雰囲気が…」
「不思議だよな…… 今すぐにでも爆発しそうなくらい怒ってんのに…… 頭がシーンとすることがあるなんてな」
そう言いつつ、俺は若草色のシフトカー、シフトテクニックを取り出した。
『おお…… シフトテクニック…!』
「けど走介、お前それ使えなかったじゃないか」
そう…… 俺が変身すらできなかったシフトカーだ。
でも、今なら乗りこなせそうな気がするぜ!!
「いえイッセー先輩、今の走介先輩なら出来ます!」
「うん!今のソウ君なら絶対できる!!」
「フン… そんなオモチャ一つで何が出来る!!」
「お前を裁く事が出来る!!!! 見せてやるぜ! 俺のトップギア!!」
俺はベルトさんのキーをひねった。
『よし!Revengeだ!! Start your Engine!』
待機音が響き始めると俺は、シフトテクニックの後部…… ではなく、前部を半回転させてシフトブレスに装填し、倒した。
「フゥゥゥ…… 変身!」
『DRIVE!!!! type TECHNIC!!!!』
重厚な変身音声を響かせて、俺の体にエネルギーが展開し、若草色の鎧が纏われた。
シフトテクニックの様な四角いヘルメット、寸胴な若草色の鎧、今回はタイヤは首回りに装着されていて、全体的に何処かロボットの様な印象を与えていた。
そして、ベルトさんのディスプレイにはテクニックのTが標示されていた。
『…… これがタイプテクニック… なんか動きにくいな』
『ふむ… やっぱりそうかね? いや~ 次にタイヤを着けるなら首かなと思ったんだかね。やっぱり動きにくいか?』
『余計な事すんなよ…… ベルトさん……』
これから装備が増える度にこんな事になるのかな…
『それより走介、まずはここに設置された魔方陣から解除しよう』
『は!? いやいや!? 魔方陣解除しようったって、俺は魔法の知識なんて全く無いぞ?』
『心配は要らない。今の君は最強のメカニックマスターだ!!』
『魔法とメカニックは関係無いんじゃ…』
『何を言う! 魔法も立派な科学の一種だぞ!』
ファンタジーな存在のあんたに言われるのはなんか変な気がする。
『まあ…… いいか。 皆!! 俺は魔法陣の解除をしてみる!! 足止めを頼めるか!?』
「ああ、いけるぜ!」
「あらあら。うふふ。走介君から何かを頼まれるのは初めてですわ。」
「任せなさい走介。けど、別に私達が倒しても構わないでしょう?」
「…… 私も行けます!」
「ソウ君の為なら!!」
「木場祐斗、まだ共闘関係は続いているか?」
「…… ああ、心強い!!」
「私も… 頑張ります!!」
皆が任せろと言ってくれるのがこんなに心強いなんて…… (部長は死亡フラグ建ててるけど)
俺、オカルト研究部に入って本当に良かった!!
『よし、ベルトさん!魔法陣はどこだ!』
『彼処だ! バルパーがいる真下だ』
それを聞いた俺は魔法陣に向かって歩き出す。
…… と言っても動きにくいせいでゆっくりだが。
「フリード!! 奴を近づけさせるな!!」
「あいさー!! そんじゃ、とっとと死ねやぁ!! コスプレ野郎!!」
コカビエルの指示でフリードが来るが…
『邪魔だ!』
タイプテクニックの能力で、お前の動きはスローなんだよ!
俺はフリードをゼノヴィアに投げ飛ばした。
「ええい!! 役たたずめ!! ならば、再び俺が…ッ!」
「貴方の相手は私達よ!!」
「ソウ君の所には行かせない!!」
「ぬぅ… リアス・グレモリーに青龍君め……!!!」
コカビエルが俺に向かって来るが、部長達に阻止された。
『退けっ!!』
俺はバルパーを一蹴すると、魔法陣の解除に取りかかった。
『よし、始めよう走介』
俺が魔法陣に触れると…
『!? な、何だこれ!? まるで最初っから答えが分かっていたみたいにスラスラ解けるぞ!!!!!』
『フフン! だから言ったろう? 君は最強のメカニックマスターだと』
『ああ、確かに納得だぜ』
まるで小学生の問題の様にスラスラ解けてしまっていた。
「てめえ!! さっきはよくも俺様を投げ飛ばしてくれたな!! 殺す!! 絶対バラバラにしてやんよ!!」
「神藤走介!! 行ったぞ!!」
すると、フリードがゼノヴィアを掻い潜って此方に来るが…
『…… ドア銃』
俺はドア銃で後ろを見ずにフリードを撃ち抜いた。
「ウゲェ!! な、何だよ!? 後ろにでも目があるのか!? そんなチートアリですか!?」
フリードは盗んだ聖剣の能力なのか透明になるが…
『無駄な上に鬱陶しい!!』
姿の見えないフリードを俺は正確に撃ち抜いた。
「ゴハァッ!!? く、くそっ! てめえ何なんだよ!」
『すげぇ… 解除しながら戦闘が出来るなんて… テクニックヤバいな!!』
すると、何処からか聖歌が聞こえてきた。
「――― 僕達は…… ひとつだ」
見ると木場の回りに半透明の子供達が木場を囲い、木場はその中心で光輝いていた。
『ベルトさん…… あれは?』
『おそらく聖剣計画で犠牲になった子供達だろう……それに、祐斗は至った』
『至った? 何に』
『
「これが僕の
すると、木場は何時もの魔剣ではなく、白と黒が入り交じった聖魔剣を造り出した。
それと同時に魔法陣の解除に成功した。
『よし! 木場!! 今、魔法陣の解除対象をコカビエルからエクスカリバーに切り替えた!! お前のその剣で… 因縁を断ち切れ!!』
「…… ああ、分かったよ走介君…」
木場は泣きながらそれに答える。
「泣いてんじゃねえよクソが!!! そんな駄剣、俺様のエクスカリバーで折ってやんよぉ!!」
「私もやろう木場裕斗。あれは最早聖剣ではない… 只の異形の剣だ!」
すると、ゼノヴィアは空間に手をかざし聖言を唱える。
「いでよ!! デュランダル!!」
空間が裂け、青く輝く剣が出現した。
「何!? デュランダルだと!? 私の研究ではそこまで行っていない筈!!」
「私も神藤走介と同じで天然の聖剣使いなのさ。」
「天然の… 聖剣使いだと…!!」
「今更そんな設定ありですかー!!!!!」
激昂したフリードがゼノヴィアに斬りかかるが……
「甘い!!」
デュランダルに一蹴されエクスカリバーは折れた。
「なっ!? 俺様の聖剣ちゃんがぁ~!!?」
「所詮は折れた聖剣… デュランダルの敵では無いな」
そして止めと言わんばかりに木場が聖魔剣を力一杯エクスカリバーに叩きつける。
「ハアッ!!!!!」
「クソがぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
当然フリードは防御に出るが…
バキィィィィン!!!!!
折れたエクスカリバーは聖魔剣にとっても敵では無く、エクスカリバーごとフリードを切り裂き、エクスカリバーを打ち砕いた。
「ハァハァ…… 皆、見てたかい? 僕達の想いはエクスカリバーを越えたよ!」
それを祝福する様に、聖魔剣は白と黒に光輝いていた。