少年とドラゴンは何故出会ったのか
「はぁ~… だりぃなぁ~」
よう! 突然だが、俺の名前は神藤走介、ごく普通の高校二年生だ。
「はぁ…」
…… まぁ、少し怠け癖が有るけどな。
『全く… 君は何時までそうしているつもりだね? もうすぐ学校が始まる時間だろう?』
「またあんたか? 一体どっから喋ってるんだ?」
この声の主はわからない… ただ決まって俺が一人の時に喋りかけてくる。
「しかも… またあのスポーツカーもあるし…」
そう、この声の主が喋りかけてくる時に決まって近くにあるこの赤いスポーツカー、最初は全く気がつかなかったけど。
『それで? どうするのだね?』
「あ~ もう! 分かったよ!行きゃあいいんだろ、行きゃあ…」
俺は寝転がっていた草原から起き上がり、鞄をもって学校へと歩み出した。
『うむ!それでいい。学生は勉強するものだからな』
「あんたは俺の親父か何かか…」
『ふむ… 今まで子供の様な存在は数多くいたが、最近は会うことも無くなったからな… 君さえ良ければ、私が父親になるが』
「結構です」
『残念だ』
そんな会話をしていると、後ろから誰かが俺を呼び止める。
「お~い!! 走介~!!」
「ん?」
『おっと、誰か来たようだね、それじゃまた放課後に会おう』
「会おうつってもあんたは姿を見せないけどな」
俺が声の主に皮肉を言うと、声の主の気配が消えた。
そして俺を呼び止めた奴がやって来る。
「よっ! おはよう、走介」
「おはよ、今日もテンション高そうだな、匙」
こいつの名前は匙元士郎、俺の親友の一人だ、昔はよくやんちゃして、俺が注意してたんだが、いつの間にか俺が注意される側になっちまった。
「今日はサボらないんだな、うむ!感心感心!!」
「サボるとお前んとこの生徒会長がうるさいからだろうが」
「何!? 会長がうるさいだと!? お前の為にわざわざ時間をさいてくれてんだろうが!!」
「あーはいはい、わかったわかった」
「テキトーに返事すんな!!」
「ドウドウ」
「俺は馬じゃねー!!!!」
「うるさいな~ ほら、さっさと行くぞ、匙・クロスロード・ガンダム」
「お前のせいだろ!! てか俺はそんな名前じゃねー!!」
「お前はガンダムになりたくないのか?」
「当たり前だ…」
そうして匙を弄り倒しながら進むと、我らが学舎、駒王学園が見えてきた。
「おっと、じゃあ走介俺生徒会があるから」
「ああ、またな」
俺は匙と別れて、自分の教室へ向かった。
クラスの扉の前に来て扉を開けると…
「「「覚悟~!!!!」」」
「はぁ~…」
俺はため息を一つ吐くと…
「フンッ!!」
拳を握り、三人組にぶち当てた。
「ぶべらっ!!」
「ぐへっ!!」
「ごはっ!!」
三人組は見事に地面に叩きつけられた。
「痛って~!! おい走介!!」
「なんだよ」
「お前ちょっとは手加減しろよ!!」
「「そうだそうだ!」」
「知るかよ、だいたいお前らが飛び込んで来なければこんな目には合わなかったろうが」
「「「ぐぬぬ… 正論過ぎて言い返せない…」」」
こいつらは俺のクラスメートで、良くも悪くも悪友だ。ツンツン頭が兵藤一誠、俺の幼なじみ、ハゲが元浜、メガネが松田だ。
「で、なんの用だよ」
「おっとそうだった、お前に見せたい物があるんだ」
「見せたい物?」
「おう、これだ!!」
そう言ってイッセーが俺に見せてきた物は…
「俺達の特選!! エログッズだ!!」
エログッズだった。
「………」
俺が言葉を失っていると、
「俺達が選びに選んだ、セットだ!!」
「嬉しすぎて言葉も出ないだろう?」
「「「さあ!! 存分に使ってくれ!!!!」」」
…… 一体何に使えって言うんだ… てかまたそんなことしていると女子達が騒ぎ出すぞ。
「サイテー!」
「マジあり得なーい!!」
「キモーイ!!」
「私達の走介君を汚さないで!!」
ほら見たことか、大ブーイングじゃねーか… てか俺がいつお前らの物になった。
まぁ兎に角、俺がやることは一つだな。
「あー 桐生、そこの窓を開けてくれ」
「いいわよ」
比較的よく話す女子のクラスメートの桐生に頼んで窓を開けてもらい、俺はエログッズを振りかぶって…
「どっせぇぇぇい!!!!」
空の彼方に投げた。
「「「て、てめえ!! 人の宝物をぉぉぉぉ!!!!」」」
そして、エログッズは…
「痛て!! コラー!!!! 誰だ物を投げた奴は!!!!」
グラウンドにいた先生に当たった。
俺は素早く窓に行き…
「その中身の通り、イッセー達でーす!!」
ウソの報告をした。
「そうか!! 兵藤!! 元浜!! 松田!! そこを動くなよ!!」
「はぁ!? 嘘つけ!! 」
「それをやったのはお前だろ!」
「知りませんな~」
「不味い!! 逃げるぞ!!」
しかし人生と言う物は上手くいかないものだな~
「どこに行くつもりだ?」
もう三人の後ろに降臨してやがる。
そして三人組は生徒指導されたとさ♪
そして放課後になった。
「くっそ~ 走介のせいで酷い目にあったぜ…」
「全くだ」
「これはもう、四人でエロDVD見なきゃ気が済まないな!!」
「お前らの自業自得だろうが」
今現在、俺は悪友三人と下校していた。
「けど最後のはどう見てもお前のせいだろ!?」
「あきらめろイッセー… この世には、理由の無い悪意なんていくらでも転がっている」
「あれはお前の悪意だろうが!!」
「めんどくせぇなぁ~…」
「言うに事欠いてそれか!?」
歩道橋に差し掛かった辺りで一人の女が近づいて来た。
そしてその女はイッセーに話しかけた。
「あの… 兵藤一誠君… ですよね?」
「え? あ、うんそうだけど何かな?」
まさかあのイッセーに話しかける女がいるとはな… 世も末だ、てかイッセー、紳士を気取っているつもりだろうが、顔がにやけているぞ。
「あの… もし良かったら… 私と付き合って下さい!」
……… は? この女、今なんと?
「あ、ありのまま起こった事を話すぜ… 今まで非リア充だと、思っていた友人が超絶可愛い女子に告られているんだ… な、何を言っているのかわかんねえかも知れないが俺もよくわかんねえんだ …」
いや、十分に理解出来たがマジか… まさかイッセーに一目惚れする奴がいるとはな…
「それで、どうするんだ? イッセー」
「もちろん!! 俺で良かったら喜んで!!」
即答しやがったよこいつ…
それから三人組と別れて家に帰ろうとすると、あの赤いスポーツカーがやって来た。
『乗りたまえ、話がある』
スポーツカーはクラクションを鳴らしてドアを開けた。
俺はスポーツカーに乗ると驚愕した。
「はぁ!? この車、誰も乗ってないのか!?」
『この車の名はトライドロン、君のスーパーマシンだ』
「俺の!? つかあんたどっから喋ってるんだよ」
俺はこのスポーツカー、トライドロンの中をくまなく探すと声が出ている場所を見つけた。
「ここかぁ…」
それは車で言うなら丁度、カーナビの部分に当たるところだった。
『正解だ、よく見つけたね』
「あんた、この車だったのか」
『ん~ ちょっと違うな』
ディスプレイに顔が表示されると、カーナビの部分から何かが飛び出して俺の腰に巻き付いた。
「うわぁ!?」
『私はベルトだ』
「な、なんだこれ!? 取れねぇ」
『まぁ、落ち着きたまえ、話があると言ったろう?』
「はっ!そ、そうだった。 で?話って?」
『君や君の友達に危険が迫っている、その危険から守る為に君の力を貸して欲しい』
この言葉が、俺を… 俺達を… 誰も知らない世界に導く事を… 俺はまだ知らなかった…