しかもコアも破壊されたから、もう復活は無し…
来週の剛の活躍に期待!!
プールの騒ぎは終わり、部活も終わった放課後…
両親が悪魔に殺されていたことを知った俺の内心はマグマの様に、煮えたぎっていた。
喚き散らしそうになるのを堪え、俺は校門を出た。
「………」
「おい走介、大丈夫かよ?」
「…… 今は…… 余り話し掛けないでくれ…… 色々と整理したい……」
「そ、そっか! ハハハ…」
重たい沈黙が走る…
暫く歩いていると、見馴れない銀髪の男が佇んでいた。
男はおもむろに俺達に話しかけてくる。
「やあ、いい学校だね」
「あ、ああ。まぁね」
イッセーは学校のイメージを保とうとしたのか、作り笑いをした(顔は引き攣っていたが…)。
けどイッセー…… こいつは…
「何の用だ…」
「おや? 君は随分と機嫌が悪いんだね」
「うるさい。今は誰でもいいんだ… やるか?白龍皇」
「なんだ、気づいていたのか」
「え?は? お、おい走介、どういう事だよ? 白龍皇って…」
一人話に着いていけてないイッセー…
お前と言う奴は…
「俺の名はヴァーリ、
「!? じゃあお前、あの時の!?」
「ご丁寧にどうも、俺は神藤走介だ… てかイッセー、お前赤龍帝だろ?同種の気配くらい察しろよ」
「う、うっさい!! お前!一体何しに来た!!」
すると白龍皇、ヴァーリは人指し指をイッセーの額に宛がう。
「そうだな… 例えば、俺が兵藤一誠に何か魔術的なものを掛けたり…」
その瞬間、二つの刃がヴァーリの首に当てられる。
「冗談はそのくらいにしてもらおうか」
「今ここで、赤龍帝と白龍皇の対決を始めさせる訳には行かない」
その刃はデュランダルと聖魔剣の物であり、いつのまにか木場とゼノヴィアが来ていた。
けど二人共…
「手が震えているじゃないか」
「神藤走介の言う通りだ、コカビエルごときに勝てなかった君達では俺には勝てない。可能性があるとするなら仮面ライダーである神藤走介くらいか…」
「人が来る。二人共止めろ」
俺の言葉に二人は剣をしまい此方に来る。
「兵藤一誠、そして神藤走介。君達は自分が世界で何番目に強いと思う?」
「いきなりだな…」
「俺の見立てでは、コカビエルを倒した君は六百番台、赤龍帝である兵藤一誠は千から千五百の間… 持ち主のスペック的にはもっと下だ…」
「自分が一番とでも言いたいのか?」
「いや。一番は決まっている… 不動のね。 兵藤一誠は貴重な存在だ。十分に育ててくれよ?リアス・グレモリー」
後ろを見ると、いつのまにか部長、朱乃さん、小猫、アーシアがいた。
「どういうつもりかしら?白龍皇。 貴方は堕天使の陣営の筈、不用意な接触は…」
「何、今日は只の挨拶だ。俺も忙しいんでね。」
そう言うと、ヴァーリはスタスタと去っていった。
帰り道…
「ねえねえ! ちょっと俺の写真見てよ~」
なんか絡まれた…
何なんだ!? さっきからこいつは?
ちょこまかちょこまかと…
何とか振り切ろうとしても、いつのまにか白いバイクで先回りしてるし!?
「お前いい加減にしろよ!? 何だって俺につきまとうんだよ!? 」
「おっ? 漸く話聴いてくれる気になった?」
「お・ま・え・なぁ~!!」
この野郎…! いくら俺でも我慢の限度ってものがあるぞ!!
俺はその飄々とした態度の男を一発殴ろうとした時…
「まあちょっと待ってよ… 殴るのはこれを見てからでも遅くないでしょ?」
男は俺に一枚の写真を見せてきた。
「こ、これは…!」
その写真に写っていたのは…
「ただのエロ写真じゃないか!?」
ムカついた俺はその写真をビリビリに破り捨てた。
「お前俺を嘗めてんのか? マジで一発殴らせろ!!」
俺はフー! フー! と息を荒くしながら掴みかかる。
「あっ、これおっちゃんのだ…… まあいいか」
男はスルリと脱け出し、どこ吹く風とカバンをゴソゴソと漁る。
「本命はこれ! 安心しなよ、今度はエロ写真じゃないからさ♪」
俺は再び、男に写真を数枚見せられる…
「お前… これをどこで……!?」
そこに写っていたのは、先日俺がコカビエルと戦った時にタイプテクニックになった瞬間の写真だった。
「フフン~♪ 良く撮れてるだろ? これ、あんただよな?」
「…… お前…… 一体何者なんだ? ただの人間じゃないよな…」
こんな写真、誰でも撮れる物じゃない…
かといって、あの場にこいつがいた訳じゃないし…
しかし、男が答えた事は俺の予想を大きく外れた物だった…
「いや? 俺はフツーの人間だぜ?」
「はぁ? な訳ねえだろ? 」
「それ言うならあんただってフツーの人間だろ?」
「いや、まあ……」
そう言われると…… なんか言いづらいな…
「ホラホラ!まだまだあるよ。これとかこれとか」
更に男は写真を取りだし俺に見せてきた。
今度は部長にイッセー、ゼノヴィアや木場達が写っている写真だった。
「さてと… こっからはビジネスだ。これが欲しいかい?」
「いや…いらな…」
「因みに…… 要らないって言えばこれ、世間一般にばら蒔くからな」
「なっ!?」
こいつ…! 最初ッからそれが目的で!!
どうする!? どうすればいい!?
「別に金が欲しい訳じゃないし、そんな警戒しなくてもいいぜ?」
「……… 分かった…… どうすればいい?」
「簡単だよ。次に会った時に俺の言うことを聞いてくれればそれでいい」
そう言うと男は俺に写真を投げ渡し、ヘルメットを被ってバイクに乗る。
「うわっ!? っと…… お前、何のつもりかは知らないが…… あんまり危険な事に関わるなよ」
すると、男はヘルメットのバイザーを上げて……
「危険? 大好物だね♪」
イイ笑顔をして、バイザーを下げ、バイクのエンジンを唸らせて去っていった。
俺は受け取った写真を確認すると…
「…… あっ!!」
そこにはハズレと書かれていた紙が入っているだけだった。
「あんのやろ~!!」
俺がムキー!! と憤慨していると…
「アッハッハッハ!! まんまとやられたな、走介」
不意に背後から笑い声が聞こえる。
「誰だ!!」
「落ち着け、俺だ走介」
そこに居たのは…
「竜舞さん!?」
俺の二年上の先輩で、現在は大学部に通っている照野竜舞さんがいた。
「竜舞さん、どうしてここに?」
「たまたま散歩していたら、お前が怪しい取引をしているのを見たからな」
「いや違いますよ!?」
「分かってる…… それにしても…… 変わったな、走介」
「え? ええまあ… 分かるんですか?」
「ああ、目を見れば分かる。俺の喧嘩に連れていった頃とは目の輝きが違う…」
確かに、あの頃とは明らかに俺は違う。
でも、それはこの人が居たからだ…
この人が居なかったら、俺はきっと、自分から人外魔境には居ない。
「だが…… 同時に善くない物もあるな… 何があった?」
「……… 言わなきゃ駄目ですか?」
「ああ、言ってくれ」
俺は竜舞さんに今日あった事を全て話した。
勿論、裏の事は全て伏せて。
「成程…… 両親の死が事故じゃなく殺されたと……」
「俺は… 許せない…! 父さんと母さんを殺しておいて、自分はのうのうと生きている犯人が憎い…!」
俺は知らず知らずのうちに涙を流していた。
「走介… 確かに復讐によって前に進める奴もいる。だが俺達の様に、力を持っている奴はそれだけじゃだめだ… 何処かで、復讐以外のケジメをつけなくては…」
「それって……」
「お前も持っているんだろ?
竜舞さんは自分の両腕に嵌めている緑色の腕輪を見せた。
「!? じ、じゃあ… 竜舞さんも…」
「ああ…
じゃあ… 竜舞さんは裏の事も…
「いいか走介…… 力を持つものには大いなる責任が伴う。その力を復讐に使った時、必ずと言っていい程災いが起こる。それも、自分ではなく自分の周囲にだ」
「そんな…… それじゃあ俺は…… 一体どうすれば…」
「それは自分で考えろ、俺に質問するな」
そう言って竜舞さんは俺を突き放す。
「だが…」
ふと、竜舞さんはコンビニ袋をゴソゴソと漁る。
そして…
「お前の心の支えにはなってやれる」
ブラックコーヒーの缶を俺に渡す。
俺は受け取った缶の蓋を開け、中のコーヒーを一口飲んだ。
「あ、あれ? おかしいなぁ… 竜舞さん、このコーヒー腐ってますよ」
「そうか、それは残念だったな」
「ホント…… グスッ…… 何やってんでしょうね!コンビニの店員は! グス……」
貰ったコーヒーは…… ブラックなのにしょっぱかった…