ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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何故天龍は激突し、走介は怒るのか

「うちの副総督のシェムハザが、禍の団(カオスブリゲート)が危険分子を束ねていると聞く」

 

「危険分子を束ねるなんて!?」

 

「相当な実力者じゃなければ不可能だ」

 

「それで、そのトップに立っているのは、無限の龍神(ウロボロスドラゴン)オーフィス!!」

 

オーフィス? 聞く限りドラゴンらしいが…… ベルトさんは何か知っていそうだな。

 

『オーフィス…… 懐かしい名前だ。私の娘同然の子でね、無表情だがそこがまた可愛らしいんだ』

 

親バカ発揮してる場合かよベルトさん。

 

「俺もオーフィスも世界に興味は無い。連中が力を貰おうと勝手に近づいてきただけだ」

 

「成程、てっきりカテレアと仲良くやってんのかと思っていたぜ。同じ魔王の座を奪われた者同士でな」

 

「魔王の座ですって!?」

 

アザゼルの言葉に部長は愚か、サーゼクスさんを始め、悪魔側の人達がたじろいていた。

 

「俺の名はヴァーリ・ルシファー。先代の魔王の血を引く者だ」

 

「ルシファー!?」

 

「そんな!?」

 

「人間の母を持つために、俺は神器を宿す事が出来た訳だ」

 

そんなヴァーリの背には、六対の悪魔の翼が出ていた。

 

ルシファーってサーゼクスさんと同じなんじゃ…

 

「先代の魔王の血に、白龍皇の神器…… 全く、嘘見てえな存在だよ!お前は…」

 

「奇跡と言うのは俺の為にある言葉かもしれんな」

 

すると、ヴァーリはロマリーとイッセーを見据える。

 

「しかし兵藤一誠、君にはガッカリだ。」

 

「何だと!?」

 

「俺は魔王の血を、ロマリー・シュヘンベルクは熾天使全員の加護を受けた聖人…… 黒い龍の所有者は半分神だと聞く… それなのに君には何も無い。それを知った時、思わず笑いが出たよ」

 

「何が言いたい…」

 

「君には、赤龍帝の籠手(ブーステットギア)以外に価値は無い。ライバル同士の神器とは言え、俺達の間には天と地程の差が有りすぎる」

 

次の瞬間、ヴァーリはあり得ない事を口にする。

 

「そうだ!こう言うのはどうかな? 君は復讐者になるんだ。俺は、君の両親を殺す。そうすれば少しはましになるんじゃないかな?」

 

そんな身勝手な言い分は、イッセーの闘志に火を着けるのには十分…… いや、十分すぎた。

 

「ふざけんな…… てめえの都合で!! なんで俺の母さんと父さんが殺されなきゃならないんだよォォォォ!!」

 

 

『Welsh Dragon Over Booster!!!!』

 

 

怒りによって呼び起こされたドラゴンの力が、イッセーを再び、禁手化させ、赤龍帝(ブーステットギア)の鎧(・スケイルメイル)を纏った。

 

『てめえ!二度転生出来ないようにしてやる!!』

 

「はっはっは!!!! なんて力だ!」

 

『純粋な怒りがお前に向けられているんだヴァーリ。純粋な感情はドラゴンの力を引き出す真理の一つだからな』

 

「その点で言えば、俺よりもドラゴンとの相性がいいようだな」

 

 

『Vanishing Dragon Balance Break!!!!』

 

 

ヴァーリも禁手化し、白龍皇(ディバインディバイディング)の鎧(・スケイルメイル)を纏う。

 

「私達も行くよ! アルテ!!」

 

『止めなさいロマリー。私の力を使えば貴女は…』

 

「まだ大丈夫だから」

 

『はぁ…… しょうがないわね』

 

 

『Azul Dragon Balance Break!!!!』

 

 

続いてロマリーも禁手化し、青龍君(コンバートクリーヴ)の鎧(・スケイルメイル)を纏った。

 

そしてそれぞれ、強大なドラゴンのオーラを纏い、凄まじい空中戦を始めた。

「イッセー!!」

 

部長はイッセーの身を案じて飛び出そうとするが…

 

「止めなさいリアス」

 

サーゼクスさんに止められる。

 

「離して!お兄様!!」

 

「あの三人のオーラは限界を越えている。近づいただけで焼け死ぬぞ」

 

「そんな……」

 

やはりイッセーの事が心配のようだ。

 

「グランディス、いいのか? 俺達は戦いに参加しなくて」

 

『まさか兄上、漸く分かって下さったか!』

 

『バカを言うなライフズ。あれは神聖なドラゴンの決闘だ。決闘の邪魔をする奴は殺されても文句は言えん、嘗ての三大勢力の様にな』

 

「…… 随分と痛い事を言ってくれますね?木遁双龍(ライフストリームドラゴン)グランディス」

 

『事実を言った迄だミカエル。確かに俺も戦いたいが…… まあそれは残った奴でもいいだろう。共倒れしたなら、まだ見ぬ黒いのを探せばいい』

 

竜舞さんは竜舞さんで、中のドラゴンと揉めているようだった。

 

俺はと言えば……

 

「ライズ……」

 

ライズの相手をするために、奴と対峙していた。

 

『言うな。俺とて不本意だ…… だが敵になった以上戦うしか無い…… さぁ…… 仮面ライダーに変身しろ!!』

 

ああ…… 俺も、もっとちゃんとした形で、お前に挑みたかったぜ……ライズ。

 

「言われずとも!」

 

俺は、ベルトさんのキーを捻り、エンジンを始動させる。

 

『Start Your Engine!!!!』

 

「変身!!」

 

シフトスピードをブレスに装填して倒し、俺はタイプスピードに変身した。

 

 

『DRIVE!!!! type SPEED!!!!』

 

 

肩にタイヤがたすき掛けされ、準備は整った。

俺達は、互いに向かい一斉に走り出した。

 

『ハァッ!!』

 

『フゥン!!』

 

互いのヘッドに拳がぶつかる。

だがそれは単なる探りあい、直ぐ様互いに離れ、ライズはブレイクガンナーで、俺はドア銃で撃ち合う。

 

『オオオオオッ!!!!』

 

『ハァァァァッ!!!!』

 

時に打ち消し、時に掠りながらも俺達は撃つ事を止めない。

 

否、止められないんだ。

 

少しでも妥協すればやられる。

そんなギリッギリの綱渡りを、俺達は演じていた。

 

『このままでは拉致が空かない! 走介! タイプワイルドになるんだ!』

 

『分かった!!』

 

俺はベルトさんの指示を受け、一瞬の隙に、シフトスピードからシフトワイルドに交換し、ワイルドを倒す。

 

 

『DRIVE!!!! type WILD!!!!』

 

 

ボディが赤から黒に変わり、タイヤも右肩に装着された。

 

それと同時に、ライズもブレイクガンナーにバイラルコアを装填する。

 

 

『チューン…… チェイサー…… コブラ……』

 

 

すると、背中から銀のチューブが伸び、右腕で形を変える。

それは、蛇の意匠をもった鞭の様に思えた。

 

『ハァッ!!』

 

『グハァッ!!』

 

奴の鞭が唸りを上げて、俺を襲う。

軌道の読めない鞭に翻弄されて、俺は吹き飛ばされてしまった。

 

『嘘だろ!? ワイルドの装甲にダメージなんて!!』

 

『アザゼル…… なんて厄介な物を!!』

 

『そろそろ終わりにさせて貰う……!!!!』

 

ライズは静かにそう告げると、ブレイクガンナーのノズルに手を押し当てた。

 

 

『エクゼキューション!! フルブレイク!! コブラ…』

 

 

『ヌン!! ハァァァァッ!!』

 

ライズが鞭をしならせると、鞭が通った軌跡から、斬撃が発生し、俺を切り刻んだ。

 

『グァァァァァッ!!!!』

 

ダメージを受けすぎてしまったのか、ドライブへの変身が解けてしまい、俺は地べたを這いずる。

 

「うっ…… ぐっ!!」

 

『まだ動けるか…… 流石だな…… だが…』

 

ライズが何かを言う前に、俺は何処からともなく現れた触手に、縛られた。

 

「ぐぁぁぁぁっ!? な、に…?」

 

「走介先輩(君)!!」

 

異常事態に、イッセー達の戦いを見守っていた部長達が、一斉に俺の元にやって来るが……

 

『フン!!』

 

ライズの鞭によって行く手を阻まれる。

 

その様子は、イッセー達にも見えていて、思わず戦いを中断していた。

 

『何のつもりだ…… カテレア・レヴィアタン!!』

 

ライズの視線の先には、アレンが倒した筈のカテレアが、腕を触手に変えて俺を縛っていた。

 

「お前、死んでなかったのか!?」

 

アレンは再び、マッハドライバーを構える。

 

「ギリギリでしたが、オーフィスより賜った蛇を飲んだのです。それにより即死は免れましたが、それも時間の問題…… ならば、今瀕死の仮面ライダーと共に自爆するのが最善!!」

 

「そんな事…… させません!!」

 

小猫の言葉を切っ掛けに、全員が俺を助けようと向かうが……

 

「もう遅い!! この男も、自身の両親と同じ道を辿るのです!!」

 

なん…… だと…… !?

今… こいつ、何て言った…

 

「お、おい…… 今… 何…て…… 言った…」

 

「おや? 何も知らないのですか? なら冥土の土産に教えて差し上げましょう。貴様の両親、神藤大介と神藤アリスは…… 我々が殺しました」

 

「な…… に……?」

 

「そんな!?」

 

「先輩のご両親が、旧魔王派に!?」

 

こいつが…… こいつらが…… 父さんと母さんを!!!!

 

「今思えば滑稽な人間でしたねぇ~ あの二人は。こんなガキ一匹逃がす為に無駄死にしたんですから」

 

「黙れ…」

 

「はぁ?」

 

「黙れぇぇぇぇ!!!!」

 

瞬間、俺の体からイッセー達を優に越える量のオーラを吹き出して、俺は激昂した。

 

「殺す…… 貴様らだけは絶対に殺すッッッ!!!!」

 

俺はカテレアの触手を引きちぎり、怒りのままに叫ぶ。

 

「来い!!!! デッドヒート!!!!」

 

「え? あっ、うわぁ!?」

 

すると、ギャスパーに預けていたシフトデッドヒートが赤い稲妻を迸らせながらやって来る。

 

『い、いかん!? 止めるんだ走介! デッドヒートはまだ未完成、今の状態で使ったら、君は二度人には戻れなくなるぞ!!!!』

 

ベルトさんが何かを言っているみたいだが知った事か!!!!

こいつらだけは!!!!

 

「止めて下さい! 走介先輩!!」

 

「放せぇ!!!!」

 

俺に必死でデッドヒートを使わせまいと、小猫が抱きつくが、今の俺には鬱陶しいだけだ。

さっさと退場してもらう。

 

「ァァァアアア!!!! 変身!!!!」

 

デッドヒートをシフトブレスに装填した瞬間、赤い稲妻が俺を包み込む。

 

「ガッ!? グァァァァァッ!?」

 

タイプスピードの鎧が纏われ、赤と白のタイヤがたすき掛けされると同時に、激しく回転し出す。

 

『ガァァァァァッ!!!!? ギャァァァァッ!!?』

 

その間にも、変化は起きていた。

 

鎧の左半身は、大きくひび割れ、そこから紅蓮の炎と深紅の稲妻、そして凄まじい量の蒸気が体中から吹き出していた。

 

 

『DANGEROUS!!!! DANGEROUS!!!!』

 

 

ベルトさんもこの言葉を…… いや、この警告を告げるばかりだった。

 

それに伴い、中身の俺には激しい痛みが襲いかかっていた。

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!

 

そんな思考しか出来なくなった時、最大の変化は訪れた。

 

 

ドカァン!!!!

 

 

『ガハッ!!?』

 

タイヤがバーストしてしまい、完全な暴走状態になってしまった。

 

こうなってはもう誰にも止められない。

後は…… 全てを…… は… かい… する… の…… み…

 

薄れ行く意識の中、俺は… 炎の中から邪悪な笑みを浮かべた自分自身の姿を見た気がした。

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