ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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燃え尽きるのは誰か

『ライドクロッサー…… 行くぞ…』

 

俺は操縦桿のアクセルを捻り、トップスピードで、神藤に向かって行った。

 

『ヴヴッ!?』

 

ライドクロッサーを脅威に感じたのか、神藤はその場から離れ、ライドクロッサーの突撃を躱す。

 

『逃がさん…!』

 

しかし、俺は即座に反転して、神藤にバルカンを放った。

 

『グッ!! ガァッ!!』

 

やはり威力は高い様で、神藤は地面に痕を着けながら後退していく。

 

『ヴヴヴ…… ガァァァァァァッ!!!!』

 

その時、神藤は吼えた。

その咆哮に呼ばれるように、奴のもうひとつの神器、トライドロンがこちらにミサイルを放ちながら神藤の側に止まった。

 

『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!』

 

『来るか……』

 

互いに乗り込むべき物に乗り、凌ぎを削ろうとエンジンが唸る。

 

『ガァッ!!』

 

『ハァッ!!』

 

トライドロンとライドクロッサーは一気にマックススピードまで加速し、ぶつかり擦れ違う。

 

トライドロンは反転してミサイルを放つが、俺はライドクロッサーをドリフト回転させて弾く。

 

 

『タイヤフエール!! フレア、スパイク、シャドー!!』

 

 

トライドロンに三色のタイヤがそれぞれに着く、オレンジのタイヤの能力か、トライドロンは燃え出した。

 

『真っ向から勝負か…』

 

俺は気合を入れ直し、操縦桿を強く握る。

 

これを凌ぐ事が出来なければ俺は死ぬだろう……

だが死ぬ気は無い。残した者がいるからな。

 

燃えるトライドロンは、後輪に着く、グリーンとパープルのタイヤから、手裏剣と針をマシンガンの様に飛ばしながらこっちに向かってくる。

 

チャンスは一瞬しか無いだろう……

それを逃せば、もう俺には勝機は無い。

 

俺はそれに備えて静かに準備をする。

 

『ゴァァァァァァァァァッ!!!!!!』

 

奴の紅蓮の殺意がどんどんこちらに近づいてくる。

 

相対しているだけでも気が滅入る…

だが……

 

『それも終わりだ!!』

 

ぶつかる直前、俺は一気にアクセルを開け、ハンドルを捻り、滑る様にライドクロッサーをトライドロンの側面に回り込み、トライドロン目掛けて突っ込んだ。

 

大型車に横からぶつけられればどうなるか?

必然的に、トライドロンはマックススピードで突っ込んだライドクロッサーの衝撃に耐えきれず横転した。

 

横転し動かなくなったトライドロン…

その中から、神藤はフラフラしながらも這い出てきて、敵を求める。

 

対して俺は、今までのダメージが祟ったのか、変身が解けてしまっていた。

 

「ぬ…… くっ……」

 

『グルル…… ゴハッ!?』

 

神藤は一見何事も無いように思えるが、血反吐を吐いた所を見ると、奴は奴でダメージを負っているらしい。

 

今の内に……

 

俺はライドクロッサーのスイッチを押した。

すると、クローの部分が飛び出し、神藤を掴み、壁に押さえ付けた。

 

『ガァァッ!? グゥゥゥッ!!!!』

 

少しすれば、傷を負っていても奴なら出てくるだろう…… だが、ヴァーリ達が回復する時間は稼げた。

 

これで…… よ… し、と……しよ…う…

 

そして俺はライドクロッサーの中で気絶した。

すると、同乗者が気絶したことを関知したのか、ライドクロッサーは、ライドマッハーとライドチェイサーに別れ、俺はライドチェイサーに乗った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

ライズの奴… 気を失っちまったか。

無理も無い、だが彼奴のお蔭で、随分と時間が稼げた。

 

「竜舞! どうだ!」

 

「もう行ける。後は彼奴の力をもう少し削る事だ」

 

「そうか」

 

こっちの準備は整った。後は…

 

『ドライグ!! 神器(セイクリットギア)ってのは思いに答えるんだよな!』

 

『フハハハハ!! 面白い!! だがいいのか相棒。下手をすれば死ぬぞ?』

 

『今走介を助けてやるにはこれしか無いだろ!?』

 

赤龍帝、兵藤一誠がドライグと何かを相談していた。

よく見るとその手には、ヴァーリの鎧から外れた宝玉が握られていた。

 

「あいつ… 何をする気だ?」

 

全く持って予測出来ない… これだから今代の赤龍帝は面白い。

 

『グッ!? ガァァァァ!!!!』

 

「おいおい… マジかよ?」

 

あいつ、赤龍帝の籠手(ブーステットギア)に宝玉を叩きつけやがった!?

 

相反する二つの力を融合させる気か。

 

『痛え!! 痛え痛え痛え!!!! 光の槍よりも遥かに痛え!!!! でも… 走介の痛みに比べれば……!こんなもん何ともねぇぇぇ!!!!』

 

『俺の力を取り込むつもりか?』

 

『無茶だよ…! イッ君!!』

 

『無謀な事を。我らは相反する存在だ』

 

『それは自殺行為よ。ドライグ』

 

『ふははは…… アルビオン、アルテミシアよ。俺はこの宿主と出会って学んだ事がある…… バカも貫き通せば、不可能を可能にすると!!』

 

 

『Vanishing Dragon Power is taken!!!!』

 

 

その音声と共に、兵藤一誠の赤龍帝の籠手は白く染まった。

 

『へへっ…… 白龍皇の籠手(ディバイディングギア)って所か?』

 

マジかよ… 本当にやりやがった!!

あいつは本当に楽しませてくれるな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

『さてと……』

 

思い付きでやったが、結構いけるもんだな。

 

『やったな相棒。だが幾ら悪魔が永遠に近い時間を生きると言っても確実に寿命を縮めたぞ?』

 

『いいさ。そんなに生きるつもりはねえ、やりたい事は一杯有るけどな。そのやりたい事には走介が居ないと駄目なんだよ!』

 

そうさ! 皆でまたオカルト研究部に集まる為に! 必ず元に戻してやるからな、走介!!

 

『おっしゃあ!! 行くぜ!!』

 

『グゥ… ヴヴヴ… ガァァァァ!!!』

 

『オラァッ!!』

 

先ずは動きを止めねえと! ヴァーリの能力は効いていたんだ。俺のだって効くはずだ!

 

『ウオオオオオ!!!! 白龍皇の籠手!』

 

 

『Divide!』

 

 

『ガァッ!?』

 

よし! 力は落ちたみたいだ。

ならこのまま叩くぜ!!

 

『ドライグ!!』

 

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!』

 

 

余り威力が高すぎてもアレだからな、六回倍加でどうだぁぁ!!!!

 

『オオオオオオラァッ!!!!』

 

『ゴハッ!?』

 

俺は倍加させて威力の増した拳を走介の顔面に叩きつけた。

 

 

バキッ!!

 

 

その衝撃で、ドライブのメットが砕け、中にいる走介の顔が少しだけ見えた。

 

『グッ!! ヴヴヴヴ!!』

 

『走介!! ……… お前……』

 

走介の目は真っ赤に染まっていて、涙を流していた。

 

『苦しいんだな…… 直ぐに元に戻してやるぜ!』

 

俺は走介の体を拘束し、白龍皇の籠手の能力を思いきり発動させた。

 

『頼むぞ!ドライグゥゥゥゥ!!!!』

 

 

『DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide!!!!』

 

 

『ヴ…… ア……』

 

よっしゃ! 動きが段々鈍くなってきたぞ。

これなら!!

 

けど俺の期待は外れた。

 

『ヴ… アアァアァアァアッ!!!!』

 

『な!?』

 

走介は強引に俺を引き剥がした。

 

『オオオオオァァァァ!!!!』

 

そして体制を崩した俺に向かって拳を振り上げた。

 

その時。

 

「止めて下さい!走介先輩!」

 

俺の前に小猫ちゃんが立ち塞がった。

 

『小猫ちゃん……! 駄目だ!!』

 

「戻りなさい!! 小猫!!」

 

部長も必死に止めるが、小猫ちゃんはその場から動こうとしなかった。

 

「大丈夫ですイッセー先輩。きっと走介先輩は……」

 

『ウガァァァァ!!!!』

 

『小猫ちゃん!!!!』

 

走介が振り上げた拳は、小猫ちゃんの小柄な体に……

 

「えっ?」

 

当たることはなかった。

走介はその拳を、小猫ちゃんの顔の前で止めていた。

 

『ヴ…… ヴヴ……』

 

「もういいんです走介先輩… もう大丈夫ですから…」

 

『…… コ……… ネ……… コ………』

 

「はい。私だけじゃありません。イッセー先輩や部長、祐斗先輩にアーシア先輩、ギャー君に朱乃さん、ゼノヴィア先輩だって居ます。 皆居るんです…」

 

『…… イッセー…… ブチョウ……』

 

「だから、戻って来てください、走介先輩」

 

『グッ…… ア… アアア!!!!』

 

すると、走介は理性を少しだけ取り戻したのか、頭を抱えて苦しみだした。

 

「竜舞!! 今だぜ!」

 

「承知!! ライフズ!! グランディス!! 準備はいいな!!」

 

『ああ』

 

『心得た!!』

 

禁手化(バランスブレイク)!!」

 

今まで力を貯めていた竜舞さんの体が輝き、体に土色の侍の様な、鎧が展開された。

 

『竜舞さんも神器を持ってたのかよ!?』

 

『ああ。木遁双龍の腕輪(ウッドランドブレスレット)禁手(バランスブレイカー)木遁双龍の土鎧(ウッドランドガイアメイル)だ』

 

『す、すげえ……』

 

只者じゃねえって一年前から思ってたけど… まさか神器まで持ってたとは……

しかも俺のまだ出来ない禁手まで出来るし…

 

『関心してる場合じゃねえだろ? 早いとこ走介をどうにかしないとな。フッ!!』

 

竜舞さんが取り出した刀を地面に突き刺すと……

 

 

ゴゴゴゴゴ!!!!

 

 

『な、なんだぁ!?』

 

「じ、地震!?」

 

大地が揺れ、地面から、龍を象った、木の像が出現した。

 

『行くぜ。封印術 廓庵入廛垂手!!!!』

 

木龍は、竜舞さんの技が発動すると同時に走介に襲い掛かり、走介の手足を押さえ付けた。

 

『ガァァァァ!!』

 

『大人しく…… しろ!!』

 

そして、走介の胸に手を当てて波動を流し込むと、走介は大人しくなり、動きが止まった。

 

『ガ…… ア…… ア……』

 

『よし、動きは止まった。後は…』

 

竜舞さんは、走介のシフトブレスから、デッドヒートを抜き取った。

 

すると鎧は解かれ、左半身が焼け焦げた走介が現れた。

 

『走介ぇ!! あ…』

 

走介に駆け寄ろうとしたら急に力が抜けて、俺の鎧も解かれた。

 

「うぐ…… 体が…」

 

「あれだけの力を一気に使ったんだ。無理もないさ」

 

「イッセー!!」

 

部長が俺を抱き寄せる。

胸が当たって凄く嬉しいです!

 

っと、それどころじゃなかった。走介は!!

 

「走介先輩!」

 

「ソウ君!」

 

「走介さん、頑張ってください…」

 

「………」

 

小猫ちゃんと、ロマリーが付き添い、アーシアが治療していたが、目を覚まさない。

 

大丈夫だろうか…

 

「兵藤一誠」

 

「! ヴァーリ!! …… と誰?」

 

すると、ライズを抱えた誰かと一緒にいたヴァーリが話しかけてきた。

 

「おれっちは美猴、よろしくな赤龍帝」

 

「まさかお前もそっちに着くとはな、白い龍に孫悟空…… それに死神か…… 恐ろしくお似合いだよ、お前ら」

 

「そ、孫悟空!?」

 

孫悟空ってあの西遊記の!?

 

「おれっちは初代と違って自由気ままに生きるのさ♪」

 

「ん……」

 

「おっ! お目覚めかい?ライズ」

 

「気がついたか、ライズ」

 

「……… 神藤は……」

 

「無事だ」

 

「そうか…」

 

それだけ言うと、ライズは再び眠った。

 

「全く… 行くぞ美猴」

 

「あいよ、こりゃ黒歌にどやされんな…… ホアァッ!!」

 

美猴が杖を地面に突くと、泥の様なものに、呑み込まれていった。

 

「次はもっと激しくやろう、兵藤一誠…」

 

そう言い残して、ヴァーリ達は消えた。




次回でこの章は終わりです。

次章は暴走してしまった走介が、デッドヒートを乗りこなす事が重要になってきます。

もしかしかたらHSDDの原作と少し離れて、走介オンリーの話になるかも知れません。
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